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2025-06-08 17:11

【#245】浪漫組12 春風亭昇輔・神田桜子 25/6/7

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落語家が講談を書き、講談師が落語を書くという意欲的な取り組みももう12回目。僕は初参加。
最後の『創作秘話トーク』がめちゃくちゃ面白くて興味深い。爆笑苦労話の中から2つの芸種の違いと共通点が浮かび上がってくるのです。

#春風亭昇輔
#神田桜子
#サクラジ


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サマリー

新宿無何有で開催された『浪漫組12』では、春風亭昇輔と神田桜子によるユニークな落語と講談が展開されていました。特に、彼らが互いのために創作した作品や創作秘話が印象的で、和気あいあいとした雰囲気の中、笑いが絶えない内容となっています。春風亭昇輔と神田桜子の対話を通じて、落語と講談の違いやそれぞれのアプローチに焦点が当てられるエピソードです。この二人の新たな挑戦が聴衆に深い理解をもたらすことが強調されています。

浪漫組12の開催
はい、シェアする落語の四家です。
6月7日土曜日、新宿無何有でですね。
サクラジ企画我ら華の新作浪漫組、12回目、行って参りました。
次回のシェアする落語7月13日ご出演いただきます春風亭昇輔さんと
神田桜子さん。つまり、落語家と講談師が、講談師が落語を作り、
落語家が講談を書き、お互いのために当て書きでやってみるという企画です。
僕は大変楽しんでですね、改めて思うんですけども、
めちゃめちゃハードルの高いことに、2人ともケラケラ笑いながら挑んでるんですよ。
で、しかも、もう12回目。すごいことだな!と僕は思いました。
まずオープニングトークは、ただひたすらに2人の喋りが面白い『桜前線上昇中』というポッドキャストの番組。
もう長寿番組になりつつありますよ。
コロナ以降、いろんな落語家が音声配信をやっていたわけですが、
まあ結構みんな辞めちゃってる中で、この番組はもうちゃんと毎週続いている。そして
毎回面白い!というところに、僕はすごい感動してるんですけども、
この会はある意味ラジオイベントでもあるわけです。
まあフリートーク面白いですよね。
あんま面白がっちゃいけない、痛い話なんですけど、
桜子さんがね、指切っちゃったっていう話も、
なんかものすごい痛そうな話なんですけど、
2人でケラケラ笑いながら話してて、こっちも爆笑してしまうというですね。
そういう流れでですね。
オープニングトーク結構たっぷりで、楽しかったですね。
神田桜子の舞台
そこから昇輔さんが、『胡椒のくやみ』。
これもね、なんて言うんだろうな、明朗快活な感じなんですよね。
ただひたすら明るいっていう。
これは何と比べてるかというと、昨年末に僕ね、このネタね、三遊亭好楽師匠で聴いてるわけですよ。
でこのね、超ベテランのこのいぶし銀の芸に対して、比べるつもりは全くないですけども、
もう若さあふれるような、しかも語り口が爽やかな、
でも松公、与太郎みたいな子は
まあしっかりと与太郎なわけですけども、
また、噺の作り方が大きいので、本当にわかりやすいという感じがしましてね。
狭い向かう空間をパーンと制圧しちゃうくらいの迫力がちゃんとあるのがいいなというふうに思います。
今日の出来ったら、よみうりホールでも客受けるぜっていうそんな感じですよね。
大きい、芸が大きい、いいですよね。
続いて神田桜子さん。
会場であるフリースペース無何有の運営にも関わっていた女優の丸山ひでみさんという方が、
普通にテレビ見てたらもう必ず出てくるような、特に時代劇多かったみたいですけど、
もういろんなテレビドラマに出まくっていた女優さんなんですが、お亡くなりになってしまって、
で、その思い出話を、だからその無何有に出ている若手落語家の話を聴きに来ていて、
だから昇輔さんも桜子さんも面白い面白いって言われて
励まされたっていうお話ですよね。
お二人ともお葬式のお手伝いに行ってらっしゃったという、お話なんですが、
『長七郎江戸日記』というね、僕らの世代だとよく覚えている時代劇があって、
それがなんかこう、再放送をしているというのを、どっかで目にして、じゃあ久しぶりだから見たいなと思って見たら、
丸山ひでみさん出てた、そういう偶然があったということで、
この日のこの2席目の、桜子さんにとって1席目のネタがですね、
『松平長七郎下郎指南』という噺で、これがね、講釈としてちょっと面白いのは、
松平長七郎というキャラクターが架空の人物らしいんですね。
これ講談では時々あるんですよね。
で、この架空の人物が、もう一人架空の人物、一心太助と、
一緒に活躍するという、そういう噺なんですけども、
これは非常に個人的な話なんですけども、たまたま僕が桜子さん何回か聴かせていただいた時は、
やっぱりこう、芸歴というか、香盤ですね、香盤と言えばいいんだね。
一番下のケースが多くて、そういう時にやっぱ桜子さん、講談の方はね、本編の方はいいんですけど、
前からのあたりちょっとね、萎縮している、気を使っているという感じがあったんですけど、
今日はね、のびのびやってて、この人やっぱこういう芸人なんだなっていうところがつかめた、楽しむことができたのがすごく僕は個人的に嬉しかったですね。
サクラジの桜子さんだっていう感じですよね。
でね、講談もね、本編の方もね、もうあの、軽快で軽くてね、で、かつ、
やっぱ今日は無何有でね、狭いとこですから、すごくわかるんですけど、
神田桜子さんって人はね、眼が綺麗。
あの、眼鏡の奥に見える眼がすごい綺麗ですね。
で、その綺麗な眼が、その、例えば一心太助とかやる時にね、ぐっとこう形がこう変わる。
そこがね、やっぱね、いいですよね。
これはまあ、女性の講談師には、あの、割とよくね、あの、感じられるところですけど、ちょっとどこをドス聞かせるようなところで、
の、その声の使い方とか、目の使い方みたいなところがね、すごい楽しいところがありましたね。
ということで、ここでお仲入りということになります。
春風亭昇輔の作品
ということで、ここでお仲入りということになるわけですが、で、1,4,2,3,ABBAスタイルで、
後半からがついに「春風亭昇輔作の講談」なわけですね。
で、この演目が『鬼と長芋』という噺なんですけども、
僕の印象としては、なんか三遊亭白鳥師匠の世界に近いなっていうですね。
まあ、僕のその意地悪な感じからいくとですね「長芋は鬼の角には見えない」。
まあ、神話をね、元にしてるらしいですけども、
ただそれは、この僕のその意地悪な感じを、その飛ばすぐらいのその話の運び方の持ってきかたで
そんなものはシュルシュルとなくなってしまい、ただひたすら面白い噺になっていくんですよ。
鬼のキャラクターも、
なんかね、その白鳥師匠みたいなカチャメチャな感じではないんだけども、
むしろその神話調でね、優しい感じなんですけども、なんか一個一個が面白いんですよね。
で、語り口は桜子さんの安定した講談口調で話されるんで、
民話っぽさみたいなものもあんまりなくて、
講談だなっていう感じで、新しい講談を聴いてるなっていう感じで楽しめました。
今度は、神田桜子作の落語を春風亭昇輔さんがやるわけです。
これがね、演目が『守護霊アプリ』という噺です。
会の冒頭の方で桜子さんがおっしゃってたのは、
「多い分には切れる」と。
省略するっていうことですね。
そういうふうに師匠に言われたみたいな、そんな話をされていましたけども、
もう話が盛り沢山です。
非常に話が盛り沢山なんですが、その一つ一つのフレーズの中に、
ちょっとずつね、社会批評というか文明批評的なものが入ってるんですよね。
僕らがそのスマホに何でもかんでも求めすぎてるんじゃないのっていうところがね、
ほんのちょっと薬味みたいに入ってる。
で、それは薬味程度であって、話としては結構爆笑の噺がどんどんどんどん繋がっていくというところなんですね。
もともと「講談師が作った落語」を、
昇輔さんがどう料理していくのか、
その辺をどうやって書き直しがあったのか、
それは昇輔さんが自分で直していったのか、
落語と講談の比較
その辺のバランスはよくわかんないんですけども、
そういうプロセスを踏むことによって、
普通に面白い新作落語の一つとして聴けるとともにですね、
特にこの回会がすごいのは、
終わった後に結構延々と、
作品にどう向き合ったか、
どうやってモノにしていったかっていう苦労話をお互いに語るんですよ。
自分がもらった台本は落語っぽさが足らないとか、
講談としてはちょっとここが違うとかっていうのを、
あったので直したりとか直してもらったりとかっていう、
そういう話をしていくんですけど、
この話を聴いているとですね、
改めて落語とは何か、講談とは何かっていうのが、
ふわっと浮かび上がってくるんですよ。
こういうものの見方ができるんだなって。
よく言われているね、
神田伯山先生なんかがよく言っている、
セリフで物を運ぶのが、筋を運ぶのが落語で、
ト書き、地の部分で表現していくのが講談。
それはそれでスパッと理解できるところなんですが、
実際のところ、どれぐらいどうなの、っていうところが非常にリアルに伝わってくるんですね。
だからなんていうかな、
勉強になるって言い方も変ですけど、
すごいトーク自体が楽しくて、
そういう題材、前半のオープニングとか本当にフリートークなんですよ。
後半の反省会みたいなやつっていうのは、
落語家が講談を語り、
講談師が落語を語り、
それをお互いにぶつけ合って、
何か新しい何かを見つけようとしているみたいなところが
非常に面白いですね。
演芸ファンにとっては結構たまらないところがありますよね。
そこがやっぱり落語家が書いたっていうことの限界、
要するにセリフで表現していくってことを主にお向けを置いている落語家の限界みたいなところが、
それを講談師、神田桜子の方がどう補っていくかとか、
逆ももちろんあるわけですよ。
だから例えば、
けつまずいて「痛い」って言うところと、
その後の地語りの部分を、どういう順番にするかみたいなところも、
どっちが講談らしく聞こえるかみたいなのがあるわけですね。
そのレベルの話がね、
プロからね、
落語家、講談師から聞けるっていうことはまあないわけで、
しかも語り合ってるから余計面白いし、
もちろんお互いに笑いも取ってくるんで、
そこを笑いながら聞くわけですけど、
すごい本質的な、
根源的って言葉はラジカルっていう風に言うらしいですけども、
新たな挑戦
そういう意味でラジカルな感じがして。
二つ目っていろんなことができるわけですよ。
自分の落語を、自分の講談を作っていく時間なわけですけども、
この二人はこういうアプローチで、
自分の落語、自分の講談っていうものを追求していくんだ。
もちろんそれだけではないと思いますけどね。
その一つの手段として、
この浪漫組という会をやっている。
ご本人方も言ってましたけど、本当にめんどくさいですからね。
普段やってないことをやる、
普段やってない、
使ってない筋肉を使うみたいな感じですよね。
それをほがらかに、軽快に、客をわんわん沸かせながら楽しく聞かせるんですけど、
やってることは結構高度なことにチャレンジされてるということに、
僕は散々笑った後に感服しましたね。
この二人はすごいと思います。
ということでですね、
7月13日日曜日、深川東京モダン館で
『シェアする落語 第40回 春風亭昇輔』開催させていただきますので、
ぜひ皆さんご予約を入れてください。
よろしくお願いいたします。
先週、講談聴きに行ったんで、
それは講談協会の講談だったんで、
前は時々聴いてた日本講談協会の方をね、
特に神田陽子先生の一門の講談を聴いてみたいなという風に
改めて思った次第でございます。
非常に、ある意味二つ目らしい。
二つ目ってこういうことに挑まなきゃいけない時期だと思いますので、
そういう意味では本当にいい企画だなという風に思いました。
次回は11月2日とか言ってたかな。
時間あったら来たいですね。
ということでシェアする落語の四家でした。ではまた。
17:11

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