談吉ひとり会の始まり
シェアする落語の四家です。6月14日土曜日、神保町のおなじみ「らくごカフェ」『立川談吉ひとり会』に行ってまいりました。
談吉さんが談吉百席を達成終了した後に、真打昇進に向けてらくごカフェで始められた会ですね。初回行けなかったんですけど、今回やっと行くことができました。
何の打ち合わせも誘いもしてないんですけども、行ってみたら談吉百席のスタッフが何人もいて大笑い。いい入りでしたね。
いっぱいお客さん来てましたし、何よりもいいお客さんでした。これが非常に良かったなって。
一席目、最近覚えたばかりですと言って『水屋の富』。
僕はそんなに好きな噺じゃないんですけど、談吉さんのその語り口の確かさ楽しさと、もう一つはですね、
悪夢にうなされるんですよね、大金を手にした水屋が、
その悪夢の部分が、まあいかにも談吉イリュージョンらしい。しかもわかりやすい
ギャグが入ってまして、これがまあドカーンって受けてました。
あんなに受ける『水屋の富』も珍しいんじゃないかな、というふうに思いました。
二席目は新作です。これは談吉百席で聴かせていただきました。傑作ですよね『太郎お伊勢』。
人情噺だという紹介もできますし。談吉さんはディズニーを目指したという噺でもあります。
で、もうめちゃくちゃ面白いんですけど、今回気がついたことは、思ったよりも尺があるということですね。
登場人物がそんなに多いわけでもないんですが1個1個のそのシーンの描き方と
描写ですね。海がこうふわーっと盛り上がって、その海の王様が出てくるっていう。
圧巻の描写。本当ディズニーにアニメ化してほしいというようなすごく大きな描写があるんですが。
そういうのは結構細かく丁寧にやる分だけ非常に楽しい。
そしてこの日の談吉さん。特に言えることなんですけど所作ですねもう所作がね面白い。
さっきの水屋の富では、これ談吉さんオリジナルだと思いますけど玉ねぎを切るシーンがあったり。
『太郎お伊勢』ではお伊勢ちゃんがお茶を入れるシーンがあるんです。
お茶を入れるだけで、まあ面白いという。これ画期的なことだと思うんですけど
談吉さんのこの新作『太郎お伊勢』をやりたいと、やると言ってきた方がいるという。
この度、真打昇進が決まった田辺いちかさんです。今をときめく田辺いちかさんが、
講談でこの『太郎お伊勢』をやりたいということ、で先ほどの所作も見てほしいという話が出てるんだそうでございます。
ということですねこれは「ばばん馬」でやるウーマンズすいません正式なタイトル忘れましたけども。
いちかさんがカバーする会、確か7月20日とかその辺だったと思いますけどもこれは画期的なことだと思いますよ。
談吉さんのあの新作って、やっぱり談吉さんの個性にこうべったりくっついているので、なかなかその他の人がやりにくいと思うんですけど。
確かに『太郎お伊勢』講談仕立てってのありだなという風に思います
非常に良かったです。まあみんな本当死ぬほど笑ってました。
で仲入りを挟んで、一回やったけど好きな噺だから逆になかなかできない、なんていうことをおっしゃりながらですね。
談吉の新作の評価
まあこの日ねこの季節ぴったり『笠碁』。
良かったですね。まあわかる方には先代の馬生の型が出ているということなんですが。僕はそこまで詳しくはなくて。
でも先代柳家小さんは感じられる。家元もちょっと感じられたりする。というそういう『笠碁』です。
主人公たち2人のその年齢みたいなものは、あんまり感じさせないんですね。
その分だけ意地を張り合うっていう、誰もがやってしまう、自分の話として聴ける。
というか自分の噺として聴ける度合いが高い。
囲碁の仕草。だんだん不機嫌になりながら囲碁を打っていく仕草がまあ素晴らしい。
ちょっと完璧じゃないかなっていうふうに思いました。
何しろ僕はあんなの初めて見たんですけど『笠碁』において和解しますよね。
和解の瞬間ね「中手」いわゆる拍手が来たんですよ。
大体「中手」っていうのは、大工調べの言い立てとか、
技術を見せてその技術を評価するっていうところでパパパパパッと拍手が出てくるっていうことがあると思うんですけど、
これはね「この2人が和解してよかったーっていう、おめでとう」っていう拍手なんですよ。
みんな落語の中に没入していて、
これは本当にすごいことだなって思いました。
真打昇進を前にすると、こう腕を上げるケースがあるんですが、
百席のもう終盤の時点で、立川談吉さんが、
あのー
さらにレベルを上げて、多分来年の真打昇進に向けてねパワーアップしてます。
談吉百席の終盤の時点で立川談吉さんはもう完全におこる仕上がったな、
本当にいい落語家になったなっていうふうに僕は思ったんですけどね。
次回の
立川談吉ひとり会(仮)なんかタイトルまだ決まってないそうですけど。
この会で真打昇進に関する発表があるらしいです。
できたら行きたいです。楽しみですね。
いやでも本当にね前座の頃から応援してた人がこんなに大きな落語家になるのを見てるのっていうのは、
この前真打昇進披露した立川吉笑さん。
今回のまくらでも談吉さんちょっとそのパーティーのことを喋ってましたけども
吉笑師匠かこうやって立派になり、自分は年取ってしょぼくれていくだけなんですけど。
自分が昔から応援している人がどんどんね立派になっていくのを見てるというのは、
非常にその落語を聴いている一つの喜びであるなと思いました。
ということで、シェアする落語の四家でした。ではまた。