1. シェアする落語のスタンドエフエム
  2. 【#244】講談協会 津の守講談..
2025-06-01 14:24

【#244】講談協会 津の守講談会6月初日「昭和は遠くなりにけり」 25/6/1

spotify
満員札止めの「津の守講談会」。
好企画と、それにふさわしい顔付けでたいへん楽しかったです。
やっぱり「興味深い」は講談の楽しみですね。

でも、一邑先生の最後のメッセージ、けっこう重いですよ。
#田辺一邑
#宝井琴鶴
#田辺鶴遊
#一龍斎貞奈

---
stand.fmでは、この放送にいいね・コメント・レター送信ができます。
https://stand.fm/channels/614acca39ccb419e5f1db0cc

サマリー

講談協会の津の守講談会では、昭和の歴史や技術の進歩に焦点を当てた特集が行われています。田辺一邑先生や宝井琴鶴先生、田辺鶴遊先生が「昭和は遠くなりにけり」というテーマで偉人伝の講談を披露し、聴衆を楽しませています。

津の守講談会の様子
はいシェアする落語の四家です。6月1日日曜日 講談協会の定席「津の守講談会」へ行ってまいりました。
四ツ谷三丁目の津の守で行われている講談会。今日はもう満員でしたね。前座がいつも3人出るということで一人目が田辺凌々さん。
『猿飛佐助』なんか非常に前座らしいですね。
トチりながらも一生懸命という高座でしたね。 続いて神田ようかんさん『和田平助鉄砲斬り』。
これはね、割とこうピシッと決めてもらった感じですね。
ようかんさんなかなかいいんじゃないでしょうか 。 3人目が
宝井雄星さん『千葉周作』2回目なのかな。聴くのは。
場面の切り替えがポンポンある噺で、難しいと思うんですけど、 短い時間ぴったりまとめてて、非常に好感が持てました。
前座3人というのは、ある意味辛い時間になることもなくはないんですが、 今日お三方とも非常に好感が持てる高座で、良かったなと思います。
で、この日の特集「昭和は遠くなりにけり」来年が昭和100年、100周年なのかな。
今年がまあ 100年目みたいな、なんかちょっとすいません正確じゃないんですけども。
昭和特集をあちこちでやっている中で講談協会としても 昭和でやってみましょうかということで。
この日のですね主任でございます 田辺一邑先生が
企画されたということなんですね。
で、二ツ目枠は一龍斎貞奈さん。この企画でその他の2人と田辺一邑先生はもう昭和のネタをネタ出ししているんですが、
まあ貞奈さんには別にそういう要請はなかったらしいんです。けれどもあえて、自分も昭和で何かやりたいということで、
『軍談昭和』 って言ったらいいのかな。
あの軍記ですね。軍記もの。いわゆる修羅場(ひらば)の調子でもって、
大正天皇の崩御から昭和天皇の崩御までの約64年間の歴史を
言い立てるというのを即席で作ったんだそうです。さすがに即席で作ったんで時々ちょっとお金の単位が怪しかったりとか、
いろんなとこあったんですけども、これはちょっと見事でしたね。今お金の単位って言いましたけども、
いろんな世情が動いていく。もうそれは戦争であり、風俗文化であり、企業とか、
産業界の動きであったりするところで、非常にバランスよく取り込んでいるんです。そこにね
「この時、かけそばが何円」とかですねそういうお金をねポンポンと入れていくんです。「月給何円」ですとかね。
これが非常に効いていて、イメージしやすいですね。
この手はまあ多分あの 講談師がやる手の一つとしてはあると思うんですよ。
田辺一鶴先生なんかがやられてた感じではあるんですけど、とにかく非常によくまとまっていて。
ちょこちょこ綺麗にすればよりパワフルにできるんじゃないかな。というところで。
技術の進歩と講談
貞奈さん今日はすごく良かったです。で、その次が真打枠ですが、
田辺鶴遊先生 。いやーすっごい久しぶり。10何年ぶりだったかなぁ。
まだ宝井駿之介の時に聴いたっきり。その時に師匠である田辺一鶴先生のあの『東京オリンピック』の入場行進をやってくれたのすごくよく覚えてます。
今日も、髭の田辺一鶴先生の
思い出で、お客さんを笑わせ温めつつ、ネタだしで『古賀政男』。
面白かったですね。
過去いう先生があの すごくあの
鶴遊先生が個性的なのは、
張扇を使わないんですね。代わりに小拍子を使う。
その小拍子であの釈台の前の板を叩いたり。
仕草の中にこのあの小拍子を入れ込んだりですね。
そのあたりがすごいよくできてて。
特徴的なんですよね。ネタもすごく整理されていて、もともと鶴先生が 作られた噺だそうで
で一鶴先生がその古賀政男の追悼の式典……お別れの会かな、
この『古賀政男 』という演目の講談、一代記ですよね
かけられたということで、古賀政男記念館に飾ってある
古賀政男の銅像の……どこだか忘れましたけど、 田辺一鶴という名前が刻まれているというような話もあって、うわぁそうなんだって。
いうですね話ですね うん
古賀政男先生に関しては、ほぼ知識ゼロに近い。ヒット曲ぐらいを知ってますけども
何も知らなかったんで、もうその生い立ちからヒットまでの 道筋っていうのは、非常に新鮮に感じましたし、
やっぱ鶴遊先生の、いいところで笑いを使ってくる感じ。
面白い、この講談の運び方みたいなところが非常に効果的で
同じのもう一回聴きたいって素直に思います。非常に面白かったです。お仲入りございまして。明けて宝井琴鶴先生です。
琴鶴先生『本田宗一郎』なんですよ。これネタ出しになっています。
昭和における技術の進歩というところで、この本田宗一郎の噺を作られたのが、大師匠なのかな、
宝井馬琴先生ですね。馬琴先生が作られた『本田宗一郎』で、これを
ホンダOB会のイベントで琴鶴先生がかけられると、ものすごい好評で、続きをやってくれ続きをやってくれということで、琴鶴先生が続きを作って。
いま3部作になっているそうなんです。今日はですね若き日の本田宗一郎ということで。
いやこれも知らない話が多いということが、まず面白いのと。
やっぱり琴鶴先生のストレートにスポーンスポーンとこう入ってくる、
堂々と清々しいんですよね。琴鶴先生の講談というのは。だからこういうヒーローのストーリーは本当によく似合いますね。
まっすぐこう刺さってくる感じ。もうストレートだけでお客さんを打ち取れるみたいな、
何言ってんだがあまりよくわかりませんけれども、非常にいいですね。これももう1回聴いて みたいし。この続きももちろん聴いてみたい。
で、トリが田辺一邑先生。実は僕、お弟子さんはいっぱい聴いてるんですけど、一邑先生初めてだったんですね。
一邑先生は浜松の方のご出身で、浜松のあたりの
偉人の方々の生涯の講談化にいろいろと取り組んでらっしゃる
ということなんです。
本日は『テレビの祖・高柳健次郎』ですね。僕もあの
カタカナの「イ」をこう映して。 テレビの開発に成功した人というのはよく知っていたんですが、
浜松の人だということも知らなかったですし、そこまでの生涯ももちろん 知らなかったわけでございます。
またね一邑先生の
柔らかい語り口の中に
ぴしっと筋が通っていて、緩急自在と
いうあたりがですね。
テレビの祖・高柳先生というこの題材とマッチしていて、非常に聴きやすく楽しませていただいた。それと
この「技術の進歩」というものが人類に平和をもたらすという
考えのもとにですね 本田宗一郎も高柳健次郎も、まあ多分
努力を積み重ねてきて、産業としてそれが開花したわけなんですが、
高柳健次郎は、その最晩年に「技術がはたして人を幸せにしているのか」ということを非常に懐疑的に
見ているというような逸話を最後に一邑先生が挟まれていて、
これがね僕には、もう、どう聴いてもAIのことを言ってるとしか思えないんですよね。
インターネットが、ソーシャルメディアが、
メタバースがAIが人をちゃんと幸せにできるのだろうかと。特にAIがですね、
もたらすものの功罪ともに非常に極端 ですよ。多分そのことに、
一邑先生は、最後ちょっと触れたのではないかなというふうに僕は受け取りました。
それも含めてですね、
非常にあの感動したというところではないかというふうに思います。
知識が増えるっていうのも講談のいいところかなと。もともとね、
そういう芸能でもあったという話もあります。教養を身につけるために講談を聴くというのがあったというふうに聴いておりますので、
そこはもう歴史通り、そういう原点に則ったものであって、でもまあ大衆芸能としての楽しみ
もちゃんと味わえるというところかなというふうに思います。そういう意味でですね、
特集「昭和は遠くなりにけり 技術の進歩」というこの6月1日のプログラムというのは非常に
よくできたプログラムで、企画力の勝利でもあったというふうに思いますし、
みなさん楽しかったです。
今日は、実はあの僕以外にお三方を、この津の守にお連れして、しかもそのうちお二人は「講談初めて」と
いうことでですね。
当たりの日になるといいなぁと思ったら、ちゃんともう大当たりの日になりまして、大変にご満足をいただけました。こういう時、生き甲斐を感じますね。
ということで、シェアする落語の四家でした。ではまた。
14:24

コメント

スクロール