ドン・ノーマンの紹介
サンフランシスコ・デザイントーク。この番組は、デザイナーやデザインに関心のある方、デザインをビジネスに生かしたい方、そしてグローバル展開を目指す企業の皆様に向けてお届けします。
BTRAX CEOのBrandonが、サンフランシスコ本社からここでしか聞けない、リアルで実践的な情報をお届けします。
サンフランシスコ・デザイントーク、本日も始めていきます。MCを務めます、りゅういちです。Brandonさん、本日もよろしくお願いします。
よろしくお願いします。
本日のテーマですが、人間中心デザインの父、ドン・ノーマンとは、というところで、なんかパワーワードがいろいろ出てきましたが、まず、ドン・ノーマンさんという方に迫るきっかけがあったので、こちらをご紹介します。
どうぞ。
実は日頃からこのポッドキャストを聞いてくださっているリスナーの方からのリクエストになりますので、そちらのリクエスト文をちょっとご紹介させていただきたいなと思います。
Brandonさん、りゅういちさん、いつも楽しく拝聴しております。リスナーの豆でございます。いつも豆さんは結構質問してくれますね。
客同士のエピソードは大変興味深く拝聴させていただきました。今後、人物シリーズのテーマとして、デザイナーからもあがめられているドン・ノーマン氏をぜひ取り上げていただきたくリクエストいたします。とのことです。
これ読んだときめっちゃ渋いなと思ったんですよね。渋いところついてくるなと。この方多分すごいデザイン詳しいんでしょうね。なんか僕もついついもう忘れてたぐらいの実は名前でして。
まあでもドン・ノーマンはすごい重要なんですけど、これ聞いたときに学生の頃思い出して、デザイン勉強してたときに必ず出てくる人であり、その思想であり、メソッドだったりするんで、ドン・ノーマン懐かしいって思い出してました。
その学校で最初に習ったって話ですけど、学生当時はそのドン・ノーマンのことを習ってどんな感想をいただいたんですか?
僕は学生の頃に勉強してたデザインっていうのはインダストリアルデザインなんですね。いわゆるIDとか言われるんですけど、インダストリアルデザインって物のデザイン、プロダクトデザインとかになるんですけど、デザインって一言で言っても今もものすごい広いじゃないですか。
多分多くの人がパッと思いつくのは見た目が美しくすることがデザインの役割。それ一つ大きなものがありますね。それと同時にことプロダクトのデザインになってくると、皆さんが使っているスマホであるとか、日々の生活で触れるフォークやナイフやお箸やお皿とかをすべて含めて何かしらのデザインが施されているんですね。
そういったデザインにおいて最も重要なのはその機能を十分に満たしているかっていうことなんですね。お箸だったら食事するときにお豆とかがちゃんとつかめる設計がされてないとお箸の役割が果たさないっていうのじゃないですか。
次に直感的に使えるっていうことが重要なんですね。何かしらのプロダクトがあったときにこれはこういうふうに使えばその役割を果たすだろうっていうのを本能的に人間が感じられるものでなければいけない。
その2つが担保されて初めて見た目も美しいってなるとプロダクトの価値につながるんだけど、結構機能は満たしてても直感的にそれに気づかないみたいなケースがあったりする。
それをよりデザインが人間に寄り添うことで使いやすくするのがインダストリアルデザイナーの役割仕事なんですよっていうのを大学で教えてもらったわけですよ。
それを昔から提唱していて本とかを書いてる人がドンノーマなんですね。なのでその冒頭の今回のエピソードのタイトルって人間中心デザインの知事みたいなところがあったと思うんですけど、
ヒューマンセンタードデザインって英語で言うんですね。ヒューマン人間センタードだからそれを中心に置いたデザインっていうことをデザイナーになるんだったらちゃんと抑えた上でものを作り出さないと使いづらいものになっちゃうよって簡単に言うとそういうことです。
直感的なデザインの重要性
ありがとうございます。このドンノーマンさんは後世いろんな方に影響を与えてるとブランドさんからお伺いしてるんですが、そのうちの一人がAppleのスティーブ・ジョブスっていうことで。
絶対そうですね。すげえ簡単に言うと、ドンノーマンから影響を受けてないっていうことを言うデザイナーがもしいたとしたら、嘘をついてるか勉強不足かのどっちかなんですよ。それか本人も気づいてない。
なぜならドンノーマンさんってまだご存命なんですがもう90歳ぐらいなんですね。なので結構彼が活躍してたって言ったら変だけど話題になってた時っていうのは数十年前になるので、その方の考え方とかフィロソフィーを継いでスティーブ・ジョブスみたいな人とかがAppleにそれを採用してたとすれば、
スティーブ・ジョブスから影響を受けた人ってデザイナーのほとんどだと思うんですけど、その人たちが実は元をたどるとルーツはドンノーマンにたどり着くっていうことに知ってるか知ってないかだけの話なんですよ。
これなんか音楽で言うとロックやってる人からビートルズから影響を受けてるかどうかっていう話なんですけど、直接ビートルズから影響を受けてると思ってる人もいれば全然ビートルズとか聞いてないです。でもビートルズから影響を受けたバンドの曲は聞いて影響を受けてるっていうのの子供か孫か非孫かだけの差であって、ルーツをたどると必ずそこにたどり着くみたいな感覚ですかね。
これ気になったのが、ドンノーマンさんが登場してからとその前ってその前の話がちょっと気になるんですよね。
前のこと僕も実はよくわかってないんだけど、彼の本とか映像とかを見ると結構世の中に使いづらいものとかわかりにくいものっていうのがあったみたいなんですね。
有名な例がドア。これなんかドンノーマンドアとか言われるんですけど、どういうことかというと皆さんの部屋に入るときに必ずドアがある、想像できると思うんですけど、ドアってドアノブがあったりとか押したり引いたりとかすることで開いたり閉めたりできるんですけど、
あまりそのはっきりとしたスタンダードがないと直感的にそのドアが引くものなのか押すものなのかに気づかずに逆のことをしちゃってストレスがちょっと感じるときってあるじゃないですか。
丸いドアノブでひねったときにこれ引くのかな押すのかなって一瞬わかんないときとかってあるじゃないですか。僕たち今アメリカサンフランシスコのビートラックスオフィスにいますけど、実は直感的にそれが気づかないうちにこれは押すものなのか引くものなのかっていうのをわかるように彼は提唱していってだいぶそういうドアになってきている。
うちのビルも実は下の入り口のとこってそうなってるのってリュウイチ気づいてました。
押すと開けますよね。
押すと開くんだけど、押すところってどうなってるか覚えてる?
へこむように押すと。
オフィスから出るときってドアを押すけど、そこに横に棒がついてあって、そこを押すとそこがちょっとへこんでドアが開くじゃないですか。
入るときって、ビルに入るときって引く方だと思うんですけど、どうなってるか覚えてます?
引いて。
覚えてないと思うんですよ。覚えてなくていいんですよ。なぜなら直感的っていうのは脳すら動いてなくてもわかるぐらいの直感性なので。
答え言うと、うちのオフィスってビル入るときって取っ手がついてるんですよ、ドアに。
で、出るときは横に棒がついてるんですね。バーがついてるんですよ。
これが本能的に横にバーがついてたら押すもんだ、取っ手がついたら引くもんだっていうのが常識的になってるんですよね、考えずに。
で、この押すときにたまにフラットパネルになってるやつもあるんですよ。
ちょっと縦長のシルバーのパネルがついてて、で押すとドアが開く。そこまで行くともう引きようがないんですね。
取っ手がないから引っ張ることってできないじゃないですか。
なので押すドアだって直感的にわかるんですよね。
今度縦に取っ手がついてると引くものだっていうのがアメリカではスタンダードになってるんですよ、ドアとしては。
これすごい重要で、なぜかというと、これ僕学校で教えてもらったんですけど、
特にビルから出るときは押すドアになって、それも横にバーがついてて押すとへこむようになって超直感的にデザインされてるんですけど、
これすごい重要なポイントがあって、なぜかというと、ビルで火災が起きたときにみんな焦って逃げるじゃないですか。
でビルから出ようとするじゃないですか。
そのときにドアが引くものなのか押すものなのかを一瞬迷っただけで、そのコンマ何秒の差で息子を分けちゃうんだって。災害とか火災とかあるとき。
それをパニクってるときに脳が全然キャパシティがないときでも、本能的にこれは押すもんだって分かると逃げ遅れないんだって。
なのでアメリカの多くの公共ビルはドアのデザインが統一されていて、横にバーがついてるか縦にフラットのパネルがついてるかは完全に押すだけ。
引くことすらできない設計をちゃんとしたっていうことになってるんですよ。
でもドンノーマがこのドンノーマズドアっていう提唱する前はバラバラだったらしいんですね。
取っ手がついてるのに実は押すドアだったとか。紛らわしいんですよ。
考えなきゃいけないか一回エラーを起こさなきゃいけなくなるんだけど、直感的にやるとそれがエラーを起こさずに思った通りにものが動くと。そういうことになってる。
あー面白いですね。確かに。
あまりビートラックスのオフィス入るときに確かに迷ったことがないかもしれない。
今日帰るときにドアよく観察してみ。すごいよくできてるから。
そんなドア一つ取ってもデザインの仕方で人間が感じるストレスとか、エラーを起こすか起こさないかっていうのが大きく変わってくる。
これが専門的に言うとユーザビリティとか、もっとそこの延長線にはユーザーエクスペリエンスみたいなのにつながっていくので、現代のUXデザインの祖先になる感じだと思うんですよね、彼の考え方って。
デザインの教科書と影響
面白いですね、これ。ただ気になったのが、どんノーム&ドアっていうのがデザインされて、それが業界の統一されたルールメイキングみたいなのにつながったと思うんですけど、
一般的に一人の方が世の中を変えるって時間もかかるし、一デザイナーの方が影響力を持つって難しいのかなっていう印象があるんですけど、
どんノームさんがそれができた理由っていうのが。
彼はあれなんですよね、まず心理学を勉強して、認知科学を勉強して、そのデザインを今度体系化して大学で教えてたんですよね。
なので、彼の学説みたいなものを世の中に広げるようなポジションにいた。
だから彼一人で広げたというよりは、彼の学説とかを吸収した人が実際世の中にそれを採用していった。
あとはすっごい有名な著書があって、1988年なんですけど、日本語で言うと誰のためのデザインっていう本があって、
これデザインの教科書みたいなもので、デザイナーやってる人の多くがもう読んだことあると思うんですが、
プロダクト、機械であったりさっきのドアノブとかスイッチとか何でもいいんですけど、
使いづらいとか迷ってる状態を生み出してたとしたら、デザインがまだダメ。
デザインの改善の余地がある。
人間が使い方を学ばなきゃいけない状態になってるってことは、デザイナーがまだまだ仕事がちゃんとできてないっていう考え方なんですね。
でもどうやらこういう本とかが出る前までは、新しいプロダクトとかテクノロジーとかを含め、
人間がそれに合わせて学んでいかなきゃいけないっていうのは常識だったっぽいんですけど、
ドン・ノーマンの影響
彼が言ってるのはいやそうじゃなくて、人間が本能的に直感的に使えないものっていうのは、
そもそももっと良いデザインが施す余地があるだろうという、そういう話でありますね。
これ1988年の本ですけど、時代を2,30年前に進めたら、
UXデザインっていうのがすごい世の中で認知度が上がって、
うちの会社にもいますけどUXデザイナーとかいう仕事もあるし、
ユーザー体験っていうものも日本語で広がってるじゃないですか。
でもそれの中に専門的用語とかあるんですよ。
アフォーダンスとか何とかかんとかって僕もたまに聞かれるんですけど、
それの元になってるのは、
ドン・ノーマンが言ってる、昔から彼が言ってた2つの重要なポイントなんですね。
これちょっと紹介したいんですけど、
プロダクトでもユーザーインターフェースでも、人間が何かを利用するときに、
そのデザイナーが担保しなければいけないものっていうのは、
一つはディスカバビリティっていう発想があるんですね。
これ日本語で何て言うかちょっと分かってないんですけど、
それがどのように使うかっていうのを本能的に気づかせてくれる。
さっきのドアノブの話もそうなんですけど、
例えばスマホのボタンとかも、
多分直感的にそれが何をするかって分かるじゃないですか。
なのであまり考えずに、それは何の役割を果たす機能であるかっていうのが、
人間がディスカバー簡単にできる。
考えなくていいっていうんですね。
もう一個は、使ったときのこのフィードバックを発生させる。
さっき言った、りゅうちが言ってたドアを押したときにへこむって言ったじゃないですか。
あれってフィードバックで、押されましたよっていう、
そういう表現をドアがしてくれてるっていうことなんですよ。
それはさっきのスマホの例で言うと、
スマホを充電しようと思ったときに、
どこにケーブルを挿したらいいかっていうのは、
もう簡単に言うと穴が一個しかないわけだから、
そこに挿すしかないから、ディスカバビリティそこでタンプされてるじゃないですか。
挿したら、スマホのモデルによるけど、
ポッと音が鳴ったりとか画面にチャージしてるアイコンが出たりとかするじゃないですか。
アニメーションみたいな。
あれがフィードバックがちゃんと与えられてるんですね。
デザイン性が低いスマホがあるとすると、
穴が結構あって、どこに挿していいかがまずわからない。
次に挿した後も充電されてるかどうかが、
うんともすんとも言わないからわからない。
こうなっちゃうと、すごい使いづらいしストレスがたまるんですね。
人間として見れば、ちょっと嫌な体験になっちゃうから、
人間に機会を合わせるとしたら、
挿すとこ1個にして、挿した瞬間にちゃんと充電されてますよっていう、
何かしらのシグナルが、これフィードバックが与えられる状態。
この2つを担保できると相当ユーザビリティが上がる。
結果的にはユーザーエクスペリエンスも良くなるという考え方なんですけど、
多分、実はスマホの前のガラ系って日本にあったと思うんですけど、
ありますね。
僕も昔、触ったこととか日本行ったときとかあるけど、
結構ね、充電するときにどこに挿していいかと、
挿したときに本当に充電されてるかが分かりにくいプロダクトってあった記憶がある。
意外とね。
今だったら信じられないけど、結構いろんなケーブル挿せるようになってたじゃん。
だから、充電はどこなんだろうなとかって迷ったときとかあるから。
ユーザーが迷ってる以降、デザイン性は改善の余地あり。
そういう考え方ですね。
直感的なデザインの必要性
そうですね、確かにガラ系、僕も使ってましたけど、
例えば、画面を開いてたときにホーム画面に戻りたいときって、
ガラ系だとどこを押すかご存知ですか?
真ん中のボタン?
じゃないんですよ。
よくあるのが、電話を切るボタンを押すと、
ホーム画面に戻る。
赤いボタン。
っていうのはありましたね。
あれはちゃんと経験しないと分かんないなとは思いました。
ほら、それで言うと、ドン・ノンマンの思想を継いだスティーブ・ジョブスが、
直感的な操作性でAppleプロダクトをデザインしていたときに、
有名なのは、iPadが言葉が喋れない赤ちゃんでも使いこなしてるっていうシーンとかが、
よく動画とかであるんですけど、その対比に近いですよね。
使い方を学ばないと使えないプロダクトなのか、
生まれたての子供が気づいたら自由に触ってるみたいな。
そこは人間に合わせる、今だったらみんな普通だと思うけど、
ピンチズームみたいなのも、写真とかを指でズームインするっていうのは、
あれはiPhoneが出る前はなかったユーザーインターフェースなので、
Macとかにもなかった?
Macは触れないですからね。
Macの画面はタッチできないですから、ないんですよ。
確かに。
あれはよく考えたなと思うよね。
だってピンチズームってギュッてやってギュッて広げるって、
物理的な操作っぽいじゃないですか。
直感的に一回やっちゃうとそれはそうだなってなるから、
逆に今Macとかそれできないけど画面で、
ちょっと違和感感じるもんね。できないほうがね。
ここのパネルでできると思います。
でもこれも僕の記憶が確かだと、iPhoneが出た後ですよ。
この仕様になったのは。
なぜなら、余談になるんですけど、
iPhoneで操作が慣れたユーザーがMacに移行する、
Macを使い始めたっていう順番が、
パソコンを使ってた人がスマホを使う人もいるんだけど、
スマホスタートでその後パソコンに移行した人のために、
あるタイミングで、どの時期だったか僕は覚えてないんですけど、
このタッチパネルでピンチズームができるようになったのと、
あとデフォルトのスクロールを逆にしたんですよね。
知ってる?このスクロールの上下が逆になったっていう。
覚えてますか?
僕はずっとWindowsPCユーザーだったので、
最初慣れるの大変でしたね。
今は指を上に上げると画面がどうなるんだ?
上に上げると下がります。下げると上がりますね。
スマホと一緒にしたんですよね。
それはもともとパソコン特有のものだったのが逆になったということで、
これも直感的に使えるためにそれをアプライしたということであります。
日本における直感的デザインの実例
あと気になったのが、
ブラウドさんちょこちょこ日本に行くことってあると思うんですけど、
日本のそういういろんな場所にあるものデザインとかで、
まだ直感的じゃないなって思うのとか、
直感的になってきたなって感じる場面とかあったりしますか?
日本の日常生活のものの多くは結構直感的なんですね。
直感的なんですけど、
まず一番素晴らしいなと思ったことから、最近思ってることから説明すると、
駅の改札のパスモとかスイカとかをかざすピッていうとこあるじゃないですか。
ありますね。
あれが最近ちょっと斜めになってきてるんですよ。
通る人の方にちょっと傾いてるんですね。
あれがすごい直感的でいいなと思いましたね。
ここにかざすんですよっていうのはすごいわかりやすい感じになってきた。
直感的じゃないなっていうか、
プチストレスを感じるのが、
お店によって入り口の自動ドアが、
触んなきゃいけないものと自動的に開くものの差がある。
これはなんか、
バーみたいなやつ。
バーみたいなやつが、
ちょっと出っ張ってるバーがついてるものはわかりやすいんですけど、
たまにフラットなのに触んなきゃいけないのとかあるんですよ。
自動ドアで。
それが出っ張ってると触るんだなってなんとなくわかるんですけど、
グレーのプラスチックみたいな。
平らになってるときに気づかずに、
ずっと自動ドアの前で立ち続けるっていう瞬間があって、
あれは結構しんどいなと思いますね。
あと、アメリカから行くんで、
空港にまず着陸して入国するじゃないですか。
経験した方はいるかわかんないんですけど、
自動化ゲートに今なってて、
ほとんどが出入国がパスポートをスキャンして、
顔をスキャンして入るっていう風な仕組みになってるんですけど、
多分最近改善されたんですけど、
どっかの時期に、
そこの機械を見ると赤く光ってるとこがあるんですよ。
そこにパスポートをかざそうとするんですけど、
実はスキャンするとこは違うところで、
そこで迷ったことがあったんですね。
人間って動くものと光るものに目がまずいっちゃうので、
直感的にそこにパスポートをスキャンすればいいのかなと思ったら違ったとかもありますし、
似たような体験で、
これも場所とか店舗とか機種によっては違うと思うんですけど、
日本のATMもカード入れるとこと通帳入れるところと、
入れるところと出てくるところとか結構スロットが複数あって、
まず何をどっから始めていいのかっていうのが意外とわからなかったり、
僕日常で日本でATM使わないので、
たまに使うときに、この前行ったときに使ったんですけど、
なんか全然わかんなくて、
そこはストレスだった。
確かに通帳を入れるところとキャッシュカードを入れるところがあって、
どちらかを入れればいいんですよね。
それで今思い出したんですけど、
アメリカのATMもずっと使いにくかったんですけど、
少しずつ進化してて、
あるときによくできてるなと思うデザイン変更があって、
それは何でかっていうと、
キャッシュカードを入れて、
じゃあお金を下ろすじゃないですか。
キャッシュカードを入れて暗証番号を入れて、
リクエストを入れるじゃないですか。
じゃあお金を下ろしたい、
じゃあいくらって金額入れる。
そしたらお金が出てくるところからお札が出てくるじゃないですか。
っていう順番。
前まではお金が出てきて、
全て操作が終わったらキャッシュカードが戻ってきたんですね。
でも結構どっかのタイミングでこれデザインアップデートされて、
僕が使ってる銀行に関しては、
キャッシュカードを入れて暗証番号を入れたら、
キャッシュカードが戻ってくるんですよ。
それで操作を入れて、やりたいことを入れて、
じゃあお金を下ろすってお金を下ろしたら、
キャッシュが出てきて、
それを取って帰るんですね。
これ何でここの変更になったと思う?
僕はこれ、自分がユーザーとしては明確に分かって、
なんかすごいありがたいんですよ。
分かんない?
それ多分りゅういちがしっかりしてる人だからと思うんですけど、
なぜかっていうと、
忘れ物しないように。
そうなんです。
キャッシュカードを多分取り忘れる人が、
人間中心デザインの重要性
僕もそうなんですけど、
すごい多かった気がするんですよね。
なぜかっていうと、
ミッションがコンプリートすると、
終わったと思って帰っちゃうと思うんですね。
何かっていうと、
じゃあお金を下ろそうと思ってATMのところに行って、
お金が下ろしたら、
もうミッション完了じゃないですか。
OK、これで全て終わったって言って帰るんですけど、
キャッシュカードを取り忘れることが続出すると思うんですね。
だからキャッシュカードをまず最初のうちに戻しておいてあげて、
まだキャッシュが出てきてないわけだから、
そのお客さんはそこにまだ居続けるから、
取り忘れはもう起きないわけじゃないですか。
キャッシュカードを入れて暗証番号を入れて、
キャッシュカードが戻ってきてそのまま帰るわけないじゃないですか。
だって目的果たしてないわけだから。
なのでミッションが終わる前に、
必要なものを戻してあげる仕様に変えたわけよ。
これってすごい人間中心デザインなんですね。
そのドンドンマンの話に戻すと、
じゃあ一つ前のプロセスで、
キャッシュカードが最後に戻ってくる設計になってたとすれば、
キャッシュカードを置き忘れ続出したとしたら、
忘れる人が悪いんだ。
うっかりしてるからだって言うのは簡単なんだけど、
それはドンドンマンが言う、
デザインが人間に合わせてない状態なわけだ。
それをひっくり返したことによって、
人間のミスを減らせたわけだから、
デザインとして正しい役割を果たした。
これって今言ったような全体の流れっていうのは、
実は日常生活から世の中、社会におけるいろんなところで
デザインの改善っていうのがされてて、
ATMならまだダメージ少ないんですけど、
有名なのは飛行機の操作とかがすごい重要なんですよね。
飛行機の操作ってコクピットですよね。
コクピットの操作性っていうのは、
ユーザー中心デザインとかユーザビリティの
スタディの中で最も重要視されている、
どれだけパイロットが誤作動させないように設計するかっていうのは
ものすごい重要なテーマで、
僕はそこまで詳しくないんで、
これ合ってるかわかんないんですけど、
じゃあ着陸するときに車輪を下ろすっていう操作をすると思うんですけど、
例えばその着陸するつもりもないのに車輪を下ろしちゃうと、
飛行機としての飛行に影響を与えるから、
着陸する準備が始まって初めて、
その車輪を下ろすボタンが押せるようになるとか、
そういうようなスイクエンシャルって言われる、
順番でやる場合に、
これをやってこれをやって初めてこれができるようになるっていうような
操作性とかっていうのを担保しとくと誤作動が減るんですね。
なぜならそのエラーを起こしようがないように
エラーを起こしようがないようにしてある。
どんな人でもどんなに無理やりエラーを起こそうと思っても、
物理的に不可能な状態を作ってあげたりすると、
デザインとしては非常にレベルが高いです。
なるほど、あえて制約とか選択肢を絞る。
そうです、おっしゃる通り。
なのでデザインって僕よく提唱してるのが、
物事をシンプルにすることがものすごいデザインの重要な役割って言ってる意味は、
迷わせないっていうのと間違わせないっていう、
その2つを担保させるんですね。
これ一時期数年、2、3年前だったと思うんですけど、
デザイナー界隈で結構話題になったショート動画があって、
日本の緑の窓口の発見する人の操作がすごいっていう動画があって、
リクエストするとカチャカチャって言って、
パソコンの画面をタップしながらここ行きここ行きみたいな操作をして、
あとキーボードもカチャカチャって同時に操作して発見してくれるっていうのがあって、
職人技だっていうので話題になったんですけど、
デザイナーたちが結構、あの発見機はユーザベリティとして非常に良くないと。
だって何でも押せちゃうし、
ああいう職人的な人じゃないと使えないんじゃないのっていうので論争があったんですけどね。
確かにあれ実際やってもらったことあるので、すごいなっていつも思いながら。
すごいけどあそこの域に達するまでに結構大変だよね。
そうですね。
あれは発見するデバイスのユーザベリティとしてはおそらく非常にデザイン性は低い。
けども人間が機械に合わせているので、
これ多くの日本の歴史ある業界にあるあるなんですけど、
経理のシステムとか産業用のソフトウェアとかのUIとかユーザベリティが非常に低いのにも関わらず、
使う人が頑張って覚えてたりとか、
今業界のスタンダードこれだからっていう一言でみんな使うようになるんですけど、
今回のテーマのどんどん的に言うと、
それは人が機械に合わせてるんであって、
機械が人に合わせてないからちゃんとデザインが施されてないっていう、
そういう話になる。
ユーザビリティの課題
ありがとうございます。
ちょっとお時間になってきましたので、
最後締めに入りますが、
最近ビートラックスでもウェブサイトの改善などを中心とした、
UXの改善のご依頼とかお問い合わせって増えていて、
実際に弊社のスタッフが見ると改善の余地あるなって思うことっていっぱいあるので、
ぜひリスナーの方でビートラックスに改善してほしいなとか、
思うことがありましたらお問い合わせいただけたらなと思っておりました。
ブランドさん、本日もありがとうございました。
ありがとうございました。
最後までお聞きいただきありがとうございました。
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