1. セミラジオ ~生き物とサブカル~
  2. スズメバチ帝国の興亡を描く!..
2025-09-27 09:41

スズメバチ帝国の興亡を描く!小説「風の中のマリア」

スズメバチ帝国の興亡を描いた小説「風の中のマリア」についてお話しました!


【お便り&お知らせ&グッズ】


セミラジオお便りフォーム ⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠

⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠https://forms.gle/e356yHPcm8P2Qy2A8⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠


せみやまのX(ツイッター)

⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠https://twitter.com/semibloger⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠


セミラジオのグッズ(ステッカー・Tシャツ)

⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠https://suzuri.jp/semiyama⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠


【音声素材】

下記サイトの音声素材を使用させていただきました。


Howling-indicator

⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠https://howlingindicator.net⁠⁠⁠

サマリー

小説「風の中のマリア」は、大スズメバチのワーカーであるマリアを主人公として、彼女が生きる厳しい自然界やスズメバチのコロニーの興亡を描いています。物語では、彼女の狩りや仲間との関係、さらには繁殖を考慮しない労働の過酷さが描写され、読者は深い感情移入を促されます。

スズメバチの世界の紹介
みなさん、こんにちは。自然を愛するウェブエンジニア、セミヤマです。
今日は、スズメバチ帝国の興亡を描いた小説、「風の中のマリア」についてお話ししたいと思います。
今年は、ニホンミツバチの養蜂をやってみたいと思い立ったところから始まって、蜂関連の本ばっかり読んでまして、
買ったり図書館で借りたりと、とにかく蜂関連の本ばかり読み漁っています。
今回のテーマも蜂を主役に据えた小説だったりします。
今回ご紹介したいのは、「風の中のマリア」という小説で、大スズメバチという生き物がテーマなんですが、
生き物好きの方はもちろん、そこまででもないという方にもすごくおすすめの作品で、ぜひ読んでいただきたいので、大きなネタバレはなしにご紹介したいと思います。
まず、ほとんどの小説って主人公が人間だと思うんですが、
この風の中のマリアの主人公、マリアは人間ではなく、最強の狩り鉢である大スズメバチの働き鉢、ワーカーなんです。
風の中のマリアというタイトルも彼女のことを示しています。
彼女、そう、大スズメバチのワーカーはすべてメスなので、彼女という表現を使いました。
大スズメバチのコロニーは女戦士の集団なんですね。
この作品は大スズメバチの生誕について、第三者的に客観的に描写した小説ではなく、一歩踏み込んだ描写を行っています。
主人公であるマリアの一人称で、彼女の価値観や目線を通して、大スズメバチのコロニーやその周辺の自然環境、
獲物である昆虫や大スズメバチ以外の敵対する蜂の一族などとの激しい攻防が描かれます。
マリアが属するコロニーの他のメンバーも一匹ずつ名前がついていて、会話も交わすんですね。
大スズメバチの擬人化が行われているんですが、登場する大スズメバチやその他の昆虫の行動や生態はあくまで自然科学に基づいたものになっています。
作品の冒頭では足長鉢を獲物として倒して肉団子にして巣に持ち帰ったマリアと入り口で巣を守っていた歴戦のハンターキルステンとの会話が交わされます。
マリアによるとキルステンは、浮かして24日のベテランハンターということなんですが、大スズメバチのワーカーの寿命というのは約1ヶ月なんですね。
浮かして24日というのは、もはや大スズメバチのワーカーとしては老朽に差し掛かっているということになります。
マリアの生きる大スズメバチの世界は人間の世界とはあらゆる点で異なっているんですが、小説という形式を用いることでその面白さや凄さを余すところなく伝えてくれるのが、この風の中のマリアという作品なんですね。
マリアの戦いと葛藤
主人公マリアは同世代のワーカーと比べて体が大きく俊敏で狩りの名手、疾風のマリアの異名で呼ばれています。
マリアは自分の属するコロニーの繁栄のため、お腹を空かせた妹たち、つまり自分の巣にいる大スズメバチの幼虫のため、せっせといろんな昆虫を飼って肉団子にして巣に持ち帰ることを使命としています。
それって面白いの?と思われる方もいらっしゃるかと思うんですが、これがめちゃくちゃ面白いんですよ。
マリアのいる世界は弱肉強食の自然界であって、常に生きるか死ぬかなんですよね。 一瞬でも気を抜いたら危険な生物に襲われて命を落としてしまいます。
鳥なんかは大スズメバチにとって最悪の敵ですね。 他にもオオカマキリやオニアンマなど強力な捕食性の昆虫がそのあたりをウヨウヨしています。
そういった強敵とマリアの死闘もスリルと緊張感あふれる文体で描写されていて、この作品の見どころの一つです。
ところでこの小説の作者なんですが、百田尚貴という人です。 最近はどちらかというと小説家というよりも政治家としての活動の方が目立っているかもしれませんね。
僕自身は百田尚貴の思想って共感できるところがほぼないんですが、この風の中のマリアは大傑作だと思ってますし、大好きな作品です。
百田尚貴の代表作に戦旗物があると思うんですが、大スズメバチの世界って戦旗物として描けるって気づいたのが出発点だったのかなぁと想像しています。
生と死が交差する大スズメバチのワーカーが生きる弱肉強食の世界はまさしく戦場ですからね。
一方でこの作品では個体の損得や利益よりも巣全体の繁栄を優先するようプログラムされたスズメバチのワーカーの被害も描かれています。
スズメバチのワーカーは通常繁殖を行いません。繁殖を行うのは巣に一匹だけしかいない女王で、マリアやその他のワーカーは繁殖を行わないんですね。
そのことでマリアはオンブバッタのメスに、戦いしか知らない冷酷なメス、一生恋も知らないで死んでいく哀れなメスと揶揄されたりもします。
そんな戦いに生きるマリアにも一時の恋が訪れます。
スズメバチのオスは通常秋に発生して同時期に発生する新しい女王と交尾をして子孫を残すんですが、作品中時期外れに生まれてしまい相手に巡り合えないオスのスズメバチとマリアは出会います。
ワーカーであるマリアとそのオスバチは交尾に至ることはないんですが、お互いの触覚を重ね合わせてひととき心を通わせます。
戦いしか知らないマリアの中にそれ以外の感情が一瞬燃え上がる。このシーンとても印象的なんですよ。
大スズメバチのリアルな生態の描写という観点から見ると飛躍はしてるんですけど、こういう葛藤が描かれることでマリアというキャラクターに僕はすごく感情移入したと思います。
そんな風の中のマリアなんですが、昆虫の世界や生態をとてもダイナミックにスリル満点に描きつつ、知的好奇心も満たしてくれる大傑作だと思います。
アマゾンなどで文庫本も新品で購入することができますので概要欄からぜひぜひチェックしてみてくださいね。
セミラジオではお便りを募集しています。Xのハッシュタグセミラジオや概要欄のフォームからお送りいただけると嬉しいです。
今日はスズメバチ帝国の攻防を描いた小説、風の中のマリアについてお話しさせていただきました。ご視聴ありがとうございました。
09:41

コメント

スクロール