00:09
迫真のイドバタ番組、職業、主婦です。
主婦の目線で世間を見る、イドバタ会議的な番組です。
縁の下から社会を支えている、けど意外と知られていない主婦の世界を、都内で子育て中の私、PIUがご案内します。
主婦の方だけでなく、主婦のパートナーの方にもヒントになればというのと、主婦が身近にいないという方にも楽しんでもらえたら嬉しいです。
この番組は、Spotify独占配信でお送りします。
今回のテーマは、最近の読書の続き。
続きと言っても、4回前くらいかな。
最近の読書と主婦もやということで、その時は新書についてもお話ししたんですけど、今回はね、また全然違う本のお話をしたいと思います。
今回はね、私好みの小説についてなんですけど、
まずは、植橋那穂子さん著、孔君。文芸春秋から出版されたハードカバーの上下巻ですね。
この孔君っていうのは、漢字で香りの君、君主の君ですね。その漢字2文字で孔君。
上巻が孔君、西から来た少女。下巻は孔君、遥かな道っていう副題がついてます。
これはね、植橋さんの本ということで、今から1年前ぐらいですかね、発売された時からずっと気になったんですけど、実家に行ったら母が買ってたんですね。
でもその時はもう母も病気で体が辛いっていう時期いて、実家に行くとは、あの本読んだ?なんて聞いてたんですけど、まだ読んでないっていうふうに言ってまして。
で、結局読まないまま亡くなったんですね。
私もだけど、母はね、すごい植橋さんの本が好きだったんですね。
森人シリーズ、守人と書いて森人なんですけど、この森人シリーズとか、鹿の王、ディアのキングの鹿の王とか、これも母に勧められて読みました。
植橋さんといえばね、文化人類学者でもありまして、小説のね、その世界そのものが植橋さんの創作した世界っていうのが圧巻で、でも創作された地名とかね、その時代の風習とかに違和感どころか、どんどん入り込んでね、異世界をどっぷり体験できるんですよ。
関東にその世界の大体の場所の地図がついてて、これを何度も参照しながら読み進めるのが楽しいんですね。
03:03
何よりも、そこで出てくる食べ物が何とも美味しそうなんですね。
素朴な素材で作っているし、名前も馴染みがない料理だったりもするんですけど、味とか食感とかを想像するのが楽しみで、海外旅行を楽しんだ気分になれたりもするんですね、私は。
精霊の森人っていうのはね、ドラマにもなってまして、主人公の30歳の女用人房バルサ、これをね、綾瀬遥香さんが期待通りの迫力のアクションシーンを演じられてました。
一応、自動書等しても出てるし、普通の文庫としても出てて、だからね、長男にも勧めて最近読んでます。
前置きが長くなりましたけど、今回の香くんも、こちらの主人公はもう少し年齢が若い設定なんですけど、これまたね、聡明で勇気と行動力、強さを備えてるっていう少女が中心人物として出てくるんですね。
主人公の少女は愛車っていうんですけど、彼女は人並み外れた嗅覚を持ってまして、植物と昆虫が香りでしているコミュニケーションを香りの声のように感じられるっていう能力を持ってるんですね。
その国には、その昔、神の里から初代の香くん、香りで万象を知るっていう存在とされてるんですけど、その香くんがその昔携えてきたっていうオアレイネ、カタカナでオアレ、その奇跡の稲を香くんがもたらしたっていう、これによってこの国は繁栄してきたんですね。
奇跡の稲っていうのは、虫がつかない、雑草が生えない、痩せた土地でも暮れる、あと冷害、冷たい害ですね、日上がる方にも強い、そんな奇跡の稲なんですね。
でも実は恐ろしい稲でもあった。
それがどんどん明らかになっていくんですね。
不思議な虫が大発生したりして、結果的にはひどい食糧危機に陥っていく。
その当時の香くんだった少女のもとで主人公の愛車が働くことになって、人々を救うために一緒に様々なものと戦っていくんですね。
その様々なものの一つは権力でもあったんですね。
この二人の聡明な少女たちからね、爽やかな風を感じるんですね。
私までクリーンな気持ちになれるというか、そういう少女たちが行動を起こして社会を変えていくっていうのは、本当に救いのある話で読み応えもあって読書を楽しめました。
私はいつも読書をするとき、その世界がぶわーっと映像で広がるんですね。
06:05
これ余談なんですけど、学生時代のテスト勉強もね、例えば資料集を画像として覚えてて、あの場所にあれが書いてあったなとか、そういう感じで覚えていたんですね。
テスト勉強も読書も、そういうやり方が普通だと思ってたらね、夫には否定されたんですね。
だから、みんながそういうわけじゃないんだとその時は思ったんですけど。
その読書の時に映像が広がるっていうその映像はカラーでね、登場人物の顔のイメージも、あと髪型とか体型とか、なんなら声とかね、全部イメージを読みながらどんどん確立させていくんですよ。
そうやって私物語を楽しむんですね。ずっと長いことそういう読み方でやってきてまして、もう癖というかね、そういうふうにしか読めないんですね。
これ毎回勝手に頭の中で映画化、もしくはアニメ化をしながら読書をしてるんですよ。
私これ言ってみたらね、もうつまんない。国語の評論文みたいなのを読む時でも、なるべく立体化して読むんですね。
そうすると私は頭に入ってきやすいんですよ。
私ね、夢を見る時も完全カラーで、声もね、バッチリ聞こえてて、現実の世界の記憶だっけってことがね、あるくらい鮮明なんですね。
ちょっとその分睡眠は浅いかもしれないんですけど、これは本当は関係ないんですけど。
で、この甲君は何より目に見えない香りっていうものを題材にして、ここまで想像力をかきたてるっていうのが本当にすごいなと思いました。
私の中ではね、香りの声の描写の時も、うっすら香りにそれぞれの色をつけながら読んでたんですね。
この目に見えない香りをそれぞれのシーンで全然別物として描き分ける、その言葉の巧みさ、もうこれこそ作家さんの力量っていう感じがして、日本語に光る幸せみたいなのを感じるんですね。
同じように目に見えないものを描いてて、本当に面白いなと思ったのが、
これはちょっと最近の読書ではないんですけど、最後に読んだのも何年も前なんで。
ですけど、これね、誰かに一番面白かった本は何?って聞かれたら、もうこれかもっていうくらい好きな本なんですね。
2016年に原刀社から出版されてまして、本の帯に2017年本屋大賞、それから直木賞との史上初ダブル受賞、著者渾身文句なしの最高傑作ってあるんですね。
これはね、ピアノの国際コンクールが舞台でして、いろんなバックグラウンドのある天才たちが集まって、戦いというかね、もうこれ自分との戦いでもあるんですけど、
09:07
一次予選から本戦までリアルに描かれた小説です。これも目に見えない音楽っていうものをね、これでもかってくらい多彩に描いてまして、まあさすがっていう感じでした。
何年も前に読んでるから多少記憶違いがあったら申し訳ないんですけど、それぞれのコンクールの挑戦者がどんな曲に挑んだかっていうのがね、曲名も書かれてるんですね。
1回目に読んだ時は普通に読んだんですけど、2回目に読んだ時に、その曲をネットで探して、書けながら読んだんですよ、そのシーンを。
これクラシックの素養のある方だったら、そんな手間なしに読めて、余計没頭できるっていうのはあるかもしれないですね。
でもね、音楽をかけると、よりその世界に浸れて、教養がついたような気にもなれました。
そんなことしなくても、1回目に読んだ時もずいぶん面白かったんですけど、曲の違いを書き分けるだけじゃなくて、演奏者によって変わる音色まで豊かに表現されてるっていう、まあこれもあっかんっていう感じでしたね。
たぶん本当のコンクールの会場で演奏をたくさん聞いたとしても、こんなふうに参加者の演奏を聞き分けられる耳が自分にあるとは思えないから、むしろ直接音楽を聞く体験よりも深い理解が得られたんじゃないかとさえ思います。
ここまでは過去の読書なんですけど、ここからは同じく女力さんの本で、本自体は古いんだけど、最近また読んで、やっぱり面白いってなったのが、
これもね、もともとうちの母が持ってた本でして、母が面白いよって勧めてて読んだのがきっかけです。最初に書かれたのが20年以上前の本で、たぶんこれを最初に読んだ時は、まだ結婚前だったかな?
そんなに涙を流した記憶はないんですけど、今回は手に汗握る。これは前回と同様ですね。手に汗握るプラス、涙ながらの読書でした。
簡単にあらすじを言いますと、親が離婚して普段は別れて暮らしている中学生の兄と小学生の妹がいまして、この二人がアルファベットのG国、小説ではなってるんですけど、中央アメリカのグアテマラをモデルにした国ですね。
ここを旅行中にクーデターに巻き込まれて、ジャングルと壮大なマヤの遺跡でピンチの連続、壮絶な冒険、サバイバル体験をするんですね。
12:02
兄は普段おじいちゃん家で暮らしてて、父がG国に住んで発掘調査をしてるんですけど、その父と母と妹は普段一緒に暮らしてるんですけど、その母と妹の4人で1年に1回、家族勢揃いで過ごす旅にG国を訪れたっていう設定なんですね。
家族ドラマ的な要素もあるんですけど、やっぱり圧倒的に、冒険の箇所が緊迫感、緊張感、迫力をずっと持続させるこの出力、素晴らしいんですね。
マヤの遺跡って実際に行ったことがないんですけど、メキシコ以南、私はメキシコより南の中南米には行ったことがないんですけど、コロナ禍になってパスポートも切れちゃって、海外に行くのももういいのかなっていう感じだったんですけど、これ読んだら久しぶりに海外旅行に行きたくなってしまいました。
マヤ文明って別に詳しいとかじゃないんですけど、壮大で謎が多くて、エンタメの題材としてすごく魅力的だと思うんですね。
マヤ文明じゃないんですけど、昔、中学生の頃かな、実家にあって読んでた漫画のオズ、五木夏美さんが描かれている、白泉社から出ている漫画なんですけど、ここにもね、グアテマラとかヒカル遺跡のあたりが出てきまして、昔からなんとなくこの地域気になってたんですよ。
ちなみにこの漫画オズですね、これはアンドロイドが出てくる近未来の話なんですけど、30年以上も前の漫画とは思えない。アンドロイドの研究が随分進んだ、今読んでも違和感なく楽しめるんですよ。
最近もうこれ読んだんですけど、本当に何度も読んだ漫画ですね。
ちょっと話があちこちしますけど、この中南米ね、佐藤極さんのテスカトリポカ、これ門川から出てて直木賞を取ってましたね。これでも舞台になってたんですね。
この本は、麻薬密売、臓器売買、アステカの心臓を捧げる儀式みたいな、ブラック要素満載のずっしり読み応えのある裏社会っていう小説だったんですけど、ここにも正確にはマヤじゃなくてアステカの話だったんですけど、中南米が出てくるんですよ。
まだ体力と気力があるうちに、中南米一度行ってみたいなと思いました。前も言いましたけど、読書って普段体験できない非日常を味わえるっていうのがいいなと思います。
今日ご紹介した植橋菜穂子さんと温田陸さんなんですけど、植橋さんの森人シリーズの一作目、これ新潮文庫のね、精霊の森人、これに温田陸さんが解説を書いてるんですね。
15:11
ちょっとご紹介すると、面白い。下品な言い方だが、ものが違う。それが率直な感想だった。とかね、あなたはラッキーだ。私たちは母国語で読める。しかも私たちが読むべきファンタジーにようやく巡り合ったのだ。
でも絶賛してるんですね。これを機にね、久しぶりにまた森人シリーズ読んでみたいなと思いました。皆さんも機会があれば今日ご紹介した本、ぜひ手に取っていただけたら嬉しいです。最後まで聞いてくださってどうもありがとうございました。
今日はちょっと毛色が違うから取り上げなかったんですけど、名称未設定ファイルっていう本も最近読んだんですね。これ朝日文庫から出てて、品田裕さんの短編小説集なんですけど、これも面白かったです。
こちらはSNSとかAIとかね、現代社会もしくは近未来のリアルな世界が舞台となってまして、いかにも著者がネットを熟知してるっていう感じで、ちょっとブラックジョークあったりとか、薄ら恐ろしいような感じもあったんですけど、そんな感じの小説が好きな人にはたまらない。
手にしたらわかるんですけど、いろんな角度で工夫が凝らされた小説でした。
白心の井戸端番組、職業主婦です。もしよかったら番組のフォローボタンを押していただけたらと思います。新しいエピソードが追加されて聞いていただきやすくなりますし、私の励みにもなります。ご意見ご感想などメッセージも、フォームやインスタグラムで送っていただけると嬉しいです。それではまた。