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スピーカー 2
いやーで椿さん自身も研究者で、サイエンスライターってことなんで、そういうサイエンスコミュニケーション的なことは結構やってるっていう感じですよね。
スピーカー 1
そうですね。今実はその研究者としてどこかの大学とか研究機関に所属してるっていう状態では実はなくてですね。
えっと何年前かな。6、7年前までそれこそジャムステックの方で働いてまして、その後フリーランスのライターとして活動を始めて、で2、3年前に会社という形で活動を始めたっていう感じですかね。
スピーカー 2
会社っていうのは個人でみたいなことですか?
スピーカー 1
そうですね。企業というかして。
スピーカー 2
すごいですね。
スピーカー 1
いやーどうなんでしょうね。ずっと同じ道を突き詰められてる方の方が私からするとやっぱすごいなっていう気持ちありますけど。
スピーカー 2
いやなんか僕も結構こう広報ではないですけど、趣味でポッドキャストとかやってますけど、そういうちょっと仕事にもなったらいいなーみたいな気持ちもあるんで。
スピーカー 1
産業としてやっぱり根付いてないなーってすごい感じますよね。サイエンスコミュニケーションって。
スピーカー 2
なんか日本だとまだ全然いないですよね。それで生活してる人とか。
スピーカー 1
そうなんですよね。なのでそのそういう意味では結構軽雨な例かもしれないですね。
スピーカー 2
いやなんか結構僕の先輩だなーっていうやられてるの見てて思ったんで。で、あとは海面の研究とか海面の本も出されてますよね。
スピーカー 1
あ、そうですね。岩波書店さんの方から岩波科学ライブラリーっていう結構なんか多分中高生とかでも読めるように優しくで短めで多分ページも200ページ全然ないぐらいの本が中心だと思うんですけど、
そういうわかりやすくみたいなシリーズがありまして、それの一冊として海面素敵なスカスカっていうタイトルで。
素敵なスカスカ。いや気になりますよねこれ。
そう言っていただけると嬉しいです。
スピーカー 2
いやそもそも海面って僕は知り合いでちょっと海面系の研究をしてる人がいたりして、ちょっと知ってるところはあったりするんですけど、
でも一般的にどこまで知られてるのかなって普段目にすることはないじゃないですかそんなに。
スピーカー 1
ないですよね。
スピーカー 2
だからどういうことを書いてるのかなとかどういうことを研究してるのかなみたいな話をちょっと今日聞きたいなと思ってゲストに来ていただきました。
スピーカー 1
ありがとうございます。結構その本の副題でつけた素敵なスカスカっていうところに結構自分の気持ちがこもっていて。
スピーカー 2
そうなんですか。
スピーカー 1
そうなんですよ。実際なんかすごいやっぱり研究してて見せられるんですけど、スカスカっていうところがその海面の大きなポイントで、
海面ってあのもうご存知かもしれないですけど、英語で言うとスポンジなんですよ。
スピーカー 2
スポンジボブってこれですよね。
スピーカー 1
おっしゃる通りです。そうなんですよ。
スピーカー 2
それはすごい有名なのかなどうなんだろう聞いてる人どこまで知ってるかわからないですけど。
スピーカー 1
いやでも結構あの驚かれる方多いですよ。スポンジボブのモデルですよっていうふうにお伝えしたら、えー台所のあれスポンジじゃないよっていうふうにおっしゃられる方結構多いです。
スピーカー 2
まあ確かにストレートに受け取ったらそうですしね。
スピーカー 1
そうなんですよ。なんかしかもあいつ、あ、悪口になっちゃう。いいかしら。視覚すぎると思うんですよ。
スピーカー 2
いや、形スポンジすぎますよね台所の。
スピーカー 1
そうなんですよ。多分だからスポンジのパブリックイメージに寄せてったところもあるのかもしれないですけど。
スピーカー 2
そう考えたらあのスポンジボブって海で暮らしてるじゃないですか。意味わかんないですよね。
スピーカー 1
そうなんですよ。でもだから納得しましたとか言っておっしゃってくださる方も結構多いです。
で、そのスポンジが海面なんですけど、そのスポンジって本当にその台所のスポンジでも体洗うスポンジでもいいんですけど、触っていただいたら本当にスカスカじゃないですか。
そうですね。
だからこそこう水を吸わせたり、こうギュッと握りしめたら水をジュッと出したりして、そう泡立ち、あの洗剤をつけて泡立てたりとかができるわけなんですよ。
スピーカー 2
どっちが先にスポンジってついたんですかねこれ。
スピーカー 1
それはあの天然のというかの生き物としての海面が先ですね。
スピーカー 2
じゃあそれをモチーフにしてその台所もスポンジって呼ばれるようになったみたいな感じですか。
スピーカー 1
おっしゃる通りです。そうなんですよ。
スピーカー 2
そっかそっか。
スピーカー 1
だから結構その最近生物の何か使えそうな機能とかを真似して工学的に生かそうみたいなバイオミメティクスとか呼ばれるような分野があるんですけど、
それの言ってみれば先駆けみたいな感じですよね。
スピーカー 2
そっか。そう考えるとめっちゃ身近な感じがする。
スピーカー 1
そうなんですよ。
あとなんかその昔はなのでそのポリウレタンとか人工的にスカスカ構造を作ることができなかったので、
結構その天然海面っていうんですかね、その生物の海面を取ってきて乾かしていろんな用途に結構使われてて、
例えばその今でも雑貨屋さんとかで結構売られてたりするのがあのボディスポンジ。
スピーカー 2
本物の海の海面からできてるんですか?
スピーカー 1
そうですそうです。結構高かったりするんですけど。
スピーカー 2
そうなんだ。見たことないな。
スピーカー 1
いや結構、それこそヨーロッパとかだと日本より多いかもしれないです。
スピーカー 2
ちょっと探してみよう。そうなんだ。
スピーカー 1
ぜひぜひ。そうなんですよ。
スピーカー 2
そんなボディスポンジだから体洗うのに使えるぐらい一応ちゃんと形は保てるみたいな。
スピーカー 1
そうですねあの本当になんだろう台所のスポンジの柔らかい版みたいな感じで、
で結構その赤ちゃんとか肌がなんかまだ柔らかいから優しく洗ってあげたいみたいなニーズがあって、
結構ベビー用品店とかでも売ってるみたいですね。
スピーカー 2
そうなんだ。柔らかいんだむしろ。
スピーカー 1
ぜひぜひ試してほしいです。
スピーカー 2
気になりますよね。
そもそもカイウェって動物なんですよね。
スピーカー 1
そうなんですよ。その動物の中でも最も原始的な多細胞動物っていう風に言われてて、
私たちみたいな人間とか虫とか貝とかって結構心臓があったり肺があったり血管があったり、
何か特定の機能に特化した器官オーガンって言うんですかねを持ってると思うんですけど、
カイウェって実はそういうのが一切ないんですよ。
スピーカー 2
本当にあのいわゆるスポンジみたいなスカスカの構造があるだけっちゃだけみたいな感じですか?
スピーカー 1
そうなんですよ。人間がその天然物っていうかを取ってきて使う時って結構その皮だったら本当に動物の皮の部分だけ、
体の表面だけを使ったりとか角の部分だけとか体のごく一部を使うっていうことが結構多いかなと思うんですけど、
カイウェの場合はボディスポンジとかで使うやつって実はあれカイウェの丸干しなんですね。
本当にもう体全体を干して使ってるみたいな感じで。
スピーカー 2
だから本当に動物っぽくないというか、僕最初なんかあのサンゴとかそういう系の感じなのかなと思ってて。
スピーカー 1
でも実際似てます結構見た目は。
スピーカー 2
似てますよね。
スピーカー 1
見た目はそっくりです。
パッと見サンゴとかなんか岩みたいな感じ。
おっしゃる通りで本当に見た目としては結構その固着動物って言って海底の岩とかにひっついて暮らしてる生き物っていうのもあって、
であの結構ね泥なんかもやっぱり野外で見たら被っちゃったりとかっていうのもあったりして、
なんかこれがなんだあれがどれだみたいなこれが海面でこれはサンゴでみたいなのって結構意外と難しいですね。
スピーカー 2
やっぱりそうなんだそういういますもんね張り付いてる系の。
そうそうそう。
みそぎんちゃくみたいなやつとかそういうのと一緒にいる感じですか。
スピーカー 1
そうですねそういううぞうむぞうの一つなんですけど、
あの体の作りを見るとサンゴとかはなんか固中っていうあの固体の甲に虫って書いて、
あの一つ一つがみそぎんちゃくみたいな形をしたあの虫というかあの固体があってそれがこう群体って言ってつながって一つの大きな生き物としての機能を持ってるんですけど、
海面の場合はそういう群体ではなくて体全体が一つの大きなスカスカで満たされた生き物なんですよ。
スピーカー 2
なんかスカスカで満たされたってちょっと不思議な感じですけど、
でもそのでっかい塊でもう一匹一匹でいいのかわかんないですけど数え方も。
スピーカー 1
一匹でいいと思いますそうなんですよ。
その本当にポイントはだからスカスカでなんでスカスカかっていうと、
実はあのボディスポンジとかの中に張り巡らされているスカスカの正体って体の中に水を通すための水路なんですよね。
スピーカー 1
やっぱりあんまり動物っぽくはないような気がする。
スピーカー 2
植物っぽい感じがするんだな。
スピーカー 1
動物って何みたいな気持ちになりますよね。
スピーカー 2
ですよね。動けるんですか?移動できる?
スピーカー 1
動くの定義が難しいんですけど、
いわゆる私たちみたいに歩行というか運動のための器官があって、
それを動かして移動するみたいなことはできないんですけど、
ちょっとずつ這うようにして、
その岩とかに接着している部分の細胞がちょっとずつ動いたりとかすることで、
1日に数ミリとか。
数ミリか。
スピンソーで動いたりは、動くって言っていいのかちょっと怪しいですけどあります。
スピーカー 2
なんか海で数ミリだったら流されてるだけじゃね?みたいな感じがする。
一応動くんですね。
スピーカー 1
動くといえば動くっていうのはあります。
スピーカー 2
なんかすごい不思議な生き物ですよね。
スピーカー 1
結構本当にすごいシンプルな、体の中には肺も心臓も脳も何もなくてスカスカしかないのに、
私たちが生きるのに必要な酸素を摂ったりとか餌を摂ったりとか、
あるいは繁殖したりということが全て水路、スカスカ経由で全部できちゃってるっていう、
シンプルなのに機能がギュッと詰まってるっていうところにすごく私は見せられてますね。
これ性別とかないぐらい原始的なやつですか?
それは結構種によります。
性は多様で。
スピーカー 2
種によるんだ。
スピーカー 1
そうなんですよ。
オスとメスが別の個体の種類もいますし、
子猶同体オスメスが同時に体の中に存在するやつもありますし、
先にオスとして成熟して、その後メスに性転換するみたいなやつもあります。
スピーカー 2
結構何でもありだな。
スピーカー 1
本当に何でもありで、繁殖とかももうめちゃくちゃって言ったらあれだな。
怒られるな。
でも本当に自由奔放で。
スピーカー 2
どうやって増えてんだろうって全然イメージつかないし。
スピーカー 1
結構どの種も、種がすごい多様なので一般化できないんですけど、
面白い例としてはオスとしての個体、オス個体から水中に性子が放出されるんですね。
そしたらその性子の入った水をメスの個体が普通の水と一緒に水路にちゃーっと吸い込むんですよ。
そしたら先ほどエリ細胞って言って、
弁毛の生えた細胞にエリみたいな構造があるよっていうお話ししたんですけど、
そのエリが何に使うかっていうと、実はそれ近づいてよーく見てみると、
エリって布一枚でできてるんですけど、そうじゃなくて、
ビッシリ小さな、またこれも毛が連なった、何て言ったらいいんですかね、すのこみたいな構造になってるんですよ。
スピーカー 2
エリのさらに上、エリ状にってことですか?
スピーカー 1
そうなんですよ。エリじゃなくて、そのすのこが弁毛一本生えてるのの周りをバーっと取り囲むみたいな形になってて、
そのすのこの隙間を通り抜けれない大きさの餌とか不純物というか、食べれないゴミとかはそこで越し取られるっていうような仕組みになってて。
スピーカー 2
ずっとろ過してるみたいな感じですよね。
スピーカー 1
そうですそうです。なので物理的なその古いわけみたいなのをするんですけど、
その時に食べられるものとか食べられないゴミみたいな砂みたいなものとか、
あとは何でもその物理的に通り抜けれなかったらそこでトラップされちゃうんですけど。
スピーカー 2
なんか詰まっちゃいそうだなって思いましたけど。
スピーカー 1
結構その目詰まりっていうのは、海綿にとってはやっぱり動く能力も少ないんで、すごい深刻な問題ですね。
スピーカー 2
ですよね。詰まっちゃったらもう循環しなくなっちゃうから死んじゃいますよね、たぶん。
スピーカー 1
そうなんですよ。だから結構その目詰まりを防ぐための手段っていうのはいろいろあって、
まずそもそも海綿ってネットで画像を見ていただいたりすると分かる、調べると出てくると思うんですけど、
みんな穴ぼこがボコボコ空いてるんですね。
その穴ぼこって写真で撮れるぐらいですから、もう肉眼に見えるぐらいのサイズで、
数ミリとか以上あるものなんですけど、その肉眼で見えるサイズの穴って例外なく全部水の入り口じゃなくて出口なんですよ。
スピーカー 2
入り口じゃないんだ。
じゃあそうなんですよ。入り口はどこにあるかっていうと、体の表面に私たちの目じゃ見えないぐらい、髪の毛1本よりも細いぐらいの小さな穴がもうびっしりとあって、
スピーカー 1
なのでそこもある意味その大きい砂とかは入れないぐらいのサイズのメッシュになっちゃってるんですよね。
細いところからじわっと吸って、その細い水路に入った水がどんどん水路自体が接続して太くなっていって、
スピーカー 2
最終的には私たちの目で見えるサイズの穴から吐き出されるっていう、一方向の水の流れなんですよ。
なるほど。だからさっき言った静止とかは普通にそこ入れるわけですね。
スピーカー 1
そうなんですよ。それでさっき言ったその巣の子みたいに便毛の周りを取り囲んでる組織でトラップされるところまでは静止も一緒なんですけど、
実はその後ちょっとどういう認識機構かっていうのはまだ分かってないと思うんですけど、食べ物じゃないっていうのがどうしてか認識されて、
それで体の中で、メスなのでもう生成熟して卵があるんですね。それが体の中を移動していって受精するんですよ。
スピーカー 2
体の中を移動っていうのは、その一個のスカスカの一部分の話ではなく。
スピーカー 1
そう、一部分の話で運搬する細胞がいるんですよ。
それに精子が運ばれていって卵子と体の中に既にある卵子と受精して、普通に卵活というか卵活をして、肺って呼ばれるような赤ちゃんの状態になって、
今度また水路の壁の方にワーッとその肺が移動させられて、水路の中にペッて吐き出されて、他の水と一緒に使用済みの水と一緒に外に出るっていうような。
スピーカー 2
普通に放り出されて、別の場所の岩とかにくっついてそこからまた大きくなってみたいな感じですか。
スピーカー 1
大平 そうです。
スピーカー 2
へえ、面白いな。
スピーカー 1
大平 ちょっと人間では何か考えられない仕組みですよね。
スピーカー 2
かなり無防備ですよね、それ。
スピーカー 1
大平 本当にそうだと思います。
ですよね。
スピーカー 2
大平 本当にだから。
よくそれって増えていけるなっていう感じがする。
スピーカー 1
大平 小卵多産戦略だと思います。小さい子供をたくさん産んで、一つ一つの生存確率は低いけど、どれかは生き残るやろうみたいな。
スピーカー 2
そういう虫とかは結構いそうですけど。
スピーカー 1
大平 そうですね。
スピーカー 2
へえ、面白いな。全然知らんこと、全部知らないな。
でも僕結構多孔質っていうんですかね、穴がいっぱい空いてるみたいなやつは、僕は生物っていうよりかは工業とか化学面で結構興味があるというか、普段から使ってるなと思ってて。
有機化学とかだとシリカゲルの絡むみたいなのを常に使うんですけど、あれって要は多孔質で、その固体の中を液体通すと小さい目に見えない穴ぼこがあって、それにどんだけくっつくかで化合物が通れるか通れないか分けられるみたいなクロマトグラフィーって結構な研究者がやってると思うんですけど、
ああいうのも似たものを感じるというか、僕の中の穴ぼこの生物ってシリカゲルなんですよね。
スピーカー 1
でも結構、構造としての類似性は分からないですけど、それこそ3DマイクロCTとかで3D像みたいなのを作って、8面体っていうんですか、サイコロ型に切り出して見てみたりすると、
ああ、なんかそういうちょっとシリカゲルじゃないですけど、科学的な何だろう、人間が作った構造に似てるなとか思ったりもしますね。
スピーカー 2
いやだからそういうのが似てるってことはやっぱりああいう丸い穴がいっぱいあるのが何か効率いいのかなとか。
スピーカー 1
それはきっとあるんでしょうね。なんかその限られた体積の中で最大の表面積みたいな立足だと、そういう構造に修練していくとかあるんでしょうね。
スピーカー 2
ですよね、多分そういう進化の果てにいるわけですよね。よくこの原始的なシステムはずっと生き残ってるなとか思うんですけど。
スピーカー 1
いや本当ですよね。でもやっぱりその複雑化するっていうのは何でもそうだと思いますけど、人間の脳とかもそうかなと思うんですけど、やっぱりいろんな能力とのトレイドオフっていうところがあると思っていて、
なのでその界面はシンプルでい続けたからこそ、逆にそれが強みにもなったっていうところはあるのかなっていうのを彼らを見てて思いますね。
スピーカー 2
なんか天敵的なやついるんですか、これ。
スピーカー 1
結構意外といるんですよ、それが。
スピーカー 2
いるんですか。
スピーカー 1
なんか結構その毒を持った種類が多くて、なので天敵もその種ごとにある程度特殊化したというか、全部の界面食べるよみたいなやつももちろんいるんですけど、そんなに多くなくて、
そのウミウシとかが結構あの界面を食べる天敵としては有名なんですけど。
スピーカー 2
ウミウシが食べるんだ。
スピーカー 1
食べますよ。結構その界面だけ取って帰ったつもりでもバケツの中に実験所帰ってみたらウミウシいるみたいなのめっちゃよくあります。
スピーカー 2
そうか。なんかちょっと似たようなやつが似たようなやつと戦ってるみたいな感じの。
スピーカー 1
本当ですか。
スピーカー 2
ウミウシ違うか。さすがにもっと動くし。
スピーカー 1
いやウミウシはあの結構カラフルで人気、ダイバーとかに人気なので私としてはなんかアイドルぐらいのつもりだったんですけど、違います?
スピーカー 2
いや確かになんか目立ちはしそうだなと思いますけど、あんまりこうなんて言うんですかね、捕食とかしてるイメージあんまなくないですか。
スピーカー 1
でも確かに遅いです。すごいもっちゃもっちゃみたいに、なめくじみたいな感じですよね。食べてて。
スピーカー 2
そう、なんか生子とかそういう系。
スピーカー 1
そういうスピード感です。そういう感じでもっちゃもっちゃって食べてて、あー可愛いなってなりますね。
スピーカー 2
多分食べられるしかないですよね。界面がよからせたらもう逃げれないし。
スピーカー 1
ただ界面のその対抗策というかとしてはそのさっき言ったあの毒を持っているっていうのが一つと、もう一つはあの物理的な防御として体の中に、それこそシリカーですよ二酸化系素でできた骨格を持っていまして、それがあのマチバリみたいな感じですごいトゲトゲなんですよね。
なのでそれが消化できないしお腹にお腹に悪いというかあの物理的な防御になるっていうのが一つありますね。
スピーカー 2
それもう骨みたいなことですか。
スピーカー 1
あ、そうですそうです。ただ私たちの骨と大きく違うのはあの一本一本はすっごいちっちゃい構造であのガラスでできているのでガラスって結構弱いじゃないですか。
パキッと割れちゃったりするじゃないですか。なのでそのガラスで多分ガラスだけで大きい構造を作ったらちょっとやっぱ構造的に脆弱っていうところが背景としてあるのかなと思うんですけど、その一本一本は10分の1ミリとかもっと小さいものもあるぐらいのサイズのちっちゃなちっちゃなガラスの棒なんですけど、
そのガラスの棒があの鉄筋コンクリートの鉄筋みたいな感じで繊維状のタンパク質ですごい大量に寄り合わされてて、それがそれが骨格になってるんですよ。
スピーカー 2
あーそうですね微生物の集合体みたいな感じに見える。
スピーカー 1
そうそうそうなんですよ。
結構その微生物はそのいろんな化学物質を作るのでそれこそ海面の毒の生産とかにもその関係してるっていう風に言われてて。
であの毒ってあの量とか使い方とかを適切に使えばその薬になることがあるじゃないですか。
スピーカー 2
はいはいはい。
スピーカー 1
なので海面の研究っていうとおそらく世界的に見ても一番その進んでるというか材料として使われている分野はそういう医学応用を目指すみたいな分野で多分一番使われてるかなと思います。
スピーカー 2
なんかそういう化合物とかの論文は結構海面動物から取れましたみたいなのを僕も見るなと思ってて。
スピーカー 1
そうですかやっぱりあの多いよなーってなんか私も見ながら思ってるんですけど。
スピーカー 2
多分多いですよね。
スピーカー 1
結構そのただ海面学者として海面に注目してみるとすっごい童貞が甘いんですよ。
童貞が甘い。
この種だっていうのを童貞するのが海面ってめちゃくちゃ難しくってあの本当にスカスカの体にあのちっちゃいガラスの骨みたいな体の構造なのでここを見て見分けるみたいな形質がめちゃめちゃ少ないんですよ。
スピーカー 2
そっかどうやって判別してるというかその種の区別自体が難しそうですよね。
スピーカー 1
そうなんですよ本当にその専門家も少ないしあのまだ思うように分類も進んでないっていうところもあってなのでミキサイ種もそもそもめちゃくちゃ多いですし基地種でもその種内での変異っていうのが多いしかつその結構経験的な要素。
体の中にあるそのガラス質の骨格の構造とか形とかがその種童貞する上での一番大きなポイントになるんですけどそれも結構変異があったり一種類の海面が一種類の形のその骨片っていうんですけどそのガラスの欠片だけを持ってるっていう状況じゃなくて種によってあの体の表面にはこのトゲトゲってあのなってるのがあるけど
体の中にはもっとなんかあのS型みたいなんとかコンペートみたいな形があるよみたいなやつとかもう勘弁してくれよみたいな状況。
スピーカー 2
いやなんか原始生物だからこそすぐ変わっちゃいそうだし多分種類もとんでもなくいっぱいいそうだなーって気がしますねそれ。
スピーカー 1
いやおっしゃる通りさすがです。そうなんです種類もめちゃくちゃ多くて基地種だけで8500種ぐらいいて。
スピーカー 2
8500もいるんですか。
います。
スピーカー 1
そんなにいるんだ。
スピーカー 2
それを見分けるのはマジで難しそうですね。
スピーカー 1
めちゃくちゃ大変で私もちょっと分類学者じゃないんであのめっちゃよくいる種類以外は正直ちょっと無理ですね。
スピーカー 2
マジでわかんなそうだなそれ。
スピーカー 1
ただ淡水はそんなに200種とかしかいないので淡水は皆さん狙い目ですよとか言って。
スピーカー 2
いやーそっかそれでも200かーって感じするけど。
スピーカー 1
あーでもあの8000に比べたら。
スピーカー 2
その分類が甘いっていうのは例えばそういう微生物から取れたっていう論文に書いてる分類間違ってましたとかそういうのあるんですかね。
スピーカー 1
間違ってるまではちょっとやっぱりあの実物標本見ないとわからないんですけどだいたいそのジーナスレベルまで行ってればいい方みたいな感じであのファミリーとかあのすごい高い階層のところで分類が止まっちゃってて分類の解像度がそもそも低いっていう。
のが結構あって。
なのであの同じ種の個体次取ってこれるみたいななんかそういう再現性の面でちょっと大丈夫かいなみたいなのが意外と多いです。
スピーカー 2
いやそうですよねしかもああいうの見てていつものがこの種の海綿動物が取れましたっていうやつも結局その中にいる微生物の多様性って同じ種類でも違うんじゃねとか思ったりするんですよ。
スピーカー 1
いやおっしゃる通りで本当にその微生物の多様性っていうのは地域変異とかもあるしその同じ種だからどうっていうのはなかなか言えないと思いますね。
スピーカー 2
ですよねだからそれはそこから取ったって言っていいんだろうかみたいなのを勝手にちょっと思ってたんですよ。
スピーカー 1
いやそれはまさにおっしゃる通りですね。
スピーカー 2
やっぱりそうなんだじゃあもう一回同じ例えば何これから取れましたっていう加工物があったとしてももう一回取ろうと思っても取れないですよね多分。
スピーカー 1
その可能性結構あると思いますね。
ですよね。
大量生産っていう目的を考えるとそのいわゆるモデルにするリード加工物みたいな感じで使うっていうのであればいいのかなと思うんですけど実際にその何ですかねスピリリナーじゃないですけどいっぱい培養してここから薬を作るんだみたいなのはまあ現実問題かなり難しいんじゃないかなと思いますね。
スピーカー 2
いやそうですよね。
いやでもそこから取れたので薬になってる例とかも知ってるんで。
スピーカー 1
ありますよね。
スピーカー 2
ありますありますしかもめちゃくちゃ意味わかんない構造のやつ取れるんですよね。
一番有名なのがハリコンドリンっていうやつなんですけど多分。
スピーカー 1
そうですねハリコンドリンっていう学名の種から取られた加工物でそれでハリコンドリンって名付けられたっていう風に聞いてますね。
スピーカー 2
そうですね確かこれががんの薬になったやつでなんかあれのなんていうんだろうなすごいのがめちゃくちゃ複雑で形がこんなんよく取れたなみたいな。
だし人間もよくこれを自分でその言ったら千年のやつを元にして薬に改良してみたいなのをやってるわけですけど人間すげえなっていうのを思いましたねあれ見てて。
スピーカー 1
いや本当ですよね。
多分海面の方はそのある意味捕食者との群格競争というか強進化でどんどんこう単純なものだとクリアされていってねじくれた方向にまあトーターツとしてはかかっていくのかなっていう気はしてますけどね。
ねじくれた。
ねじくれた。
スピーカー 2
いやそうなんか何千万年とかかけてねじくれにねじくれてめちゃくちゃ複雑なものを作りあってるみたいな微生物同士が。
僕の中ではそのフィールドっていうイメージがあったんで海面の中自体が。
スピーカー 1
その印象はまさしくその通りだと思います。
スピーカー 2
いやでもだからさっきまでの話を聞くとでも確かに動物っぽい動きもしてるんだなーっていうのは思いましたけどね。
スピーカー 1
そうですねあの動物の定義定義定義動物の認識動物に対する認識を広げれば入ってくるかなみたいな。
スピーカー 2
まあでもそれって多分微生物とかも恩恵あるってことですかね多分そのスカスカの中にある意味飼ってるみたいな。
スピーカー 1
それはそうだと思いますねやっぱりあの結構この海面の中からしか出てこないバクテリアみたいなのもいっぱいいますしそうなるとある意味その種とかが他の種が使ってないニッチを利用してるみたいな状況かなとも思いますし。
スピーカー 2
なんか結構究極の半分以上いるんだったら究極の矯正というか半分乗っ取られてるんじゃないかなと思うんですけど。
スピーカー 1
結構持ち積もった列なところはあるんだろうとは言われてるんですけどなかなかその海面って買うのが難しかったりとかで研究はそんなにあの矯正とかっていう面ではそこまで進んではないと思いますね。
スピーカー 2
ちなみにどういう研究されてたんですか。
スピーカー 1
私ですか。私はですね海面と他の生き物の矯正をしてたんですけど微生物ではなくてもっと大きな貝2枚貝と海面の矯正関係の研究をしてました。
スピーカー 2
2枚貝と矯正してるんですか。
スピーカー 1
想像できないですよね。
スピーカー 2
どうなどういう状況になっているかわからないですけど。
スピーカー 1
なんか2枚が一体アサリとかハマグリみたいな形の2枚の殻がある貝なんですけどあれが海面の身体の中にずっぽり殻が全部入ってしまって。
スピーカー 2
え?包まれてるんですか。
スピーカー 1
包まれてます。
でもそれだと水のやり取りができないので殻の縁のエッジの部分だけが一部海面からスリットみたいな感じで出てるっていうような状況です。
スピーカー 2
あ、でもそれはもう戦略的にそうなってるというかメリットがあるってことですかね。
スピーカー 1
そうですね。それがあんまり実はそんなにそこら中にいる種類じゃないっていうのもあって、実際その海面と2枚貝がどういう関係かっていうのが実はそんな調べられてなかったんですよね。
スピーカー 2
もう見たことないもんな。その状況がまず。
スピーカー 1
あれは結構珍しい種類なんですよね。っていうのもあって、研究が進んでなくて、それでもう見るからに奇妙なんですよ。
だってスポンジにスリットがしかも1匹や2匹じゃなくて、1匹の海面にもう何十、大きな海面だと100以上貝が入ってる状態で、だからもうスリットだらけみたいな。
かなり集合体恐怖の方に見せると悲鳴を上げられるような状態。
なんで明らかにおかしいじゃないですか。
スピーカー 2
いや、というかそれで1個の生物なんかなみたいなものにも見えそうですけど。
スピーカー 1
そうなんですよ。本当に奇妙な集合体というかで。
なのでそこもすごい指導教官に紹介されて興味を持って研究を始めたっていうのが、海面道に道を踏み入れた大きな最初の一歩。
スピーカー 2
海面道。
スピーカー 1
それで調べてみたら、海面の方のメリットとしては、おそらく海面って先ほどガラス状の骨格を持ってて、それで身体を支えてるっていうふうに言ったんですけど、実は種類によったらガラス状の骨格を持ってない種類っているんですよ。
スピーカー 2
それだけだとやられちゃいそうですよね。
スピーカー 1
そうですね。でも多分化学、ケミカルな防御とかで補っているから多分これまで命をつないでこれたのかなと思うんですけど。
でもそういう種類っていうのがいまして、それが私たちがドラッグストアとかで買える天然海面って呼ばれてる種類でもあって、ガラスがやっぱり入ってるとシャリシャリして痛いじゃないですか。
スピーカー 2
そう、それでスポンジにしちゃったらやばいですよね。
スピーカー 1
身体がそうなんですよ。なので昔からボディスポンジとか切手を濡らしたりとかいろんなスポンジ用途で使われてた海面っていうのはガラス質の骨格を持たない種類なんですよ。
スピーカー 2
えー、てか切手濡らすやつも海面の時あんのか。
スピーカー 1
そうなんですよ。意外とまだ海面、天然海面なとこあります。
スピーカー 2
えー、そうなんだ。知らなかった。
スピーカー 1
海と一緒に住んでる海面はその骨格を持たない種類だったんですよね。そもそもそのどの種類にその2枚貝が引っ付くのかっていうのも調べられてなくて、そこから調べたんですよね。
スピーカー 2
なるほど。くっつけにくそうですよね。そういう骨格持ってるとそもそも。
スピーカー 1
それもあると思います。やっぱりその体の表面を貝とかフチツボとか他の生き物で海面が覆われてしまうと、体の表面から水吸ったりとかしてる関係でやっぱり海面としても困るっていうのもあって、食べられるものへの防御っていうのもあるんですけど、付着しようとする生き物への防御っていう側面もすごくあると思うんですよね。
なのでだからそういう付着しやすさっていうのは確かにあると思います。
スピーカー 1
それで骨格のない海面に入ってるので、貝殻っていうのはすごい固いしっかりした構造なので、海面にとっては自分の骨格代わりに貝殻を使うことができるっていうメリットがあるんじゃないかっていうのが一つ分かってきたこととしてありました。
スピーカー 2
なるほどな。にしては結構でかいですけどね、貝を取り込もうっていう。
スピーカー 1
なんかでも住んでるところが結構泥っぽいところだったりするので、結構南方系の温かいところの生き物なので台風とかが結構来るんですよ。
なので台風が来ると何が困るかっていうと海底の泥とかが巻き上げられちゃうことが多いじゃないですか。そうなった時に貝殻を使って上方向にできるだけ高くというか成長できていると、それだけで多分その生き残る確率っていうのが大きく変わってくるのかなと思いますね。
スピーカー 2
上方向にっていうのは貝を積み重ねるみたいなことですか?複数。
スピーカー 1
そうですそうです結構その死んだ貝とかも体の中に解剖したらあの海面の中に残されてて、その上にまた違う新しい貝が、貝の新しい個体が定着してで成長してみたいなのが結構あったりして。
スピーカー 2
でもまあ偶然来ちゃうってことですよね多分その貝からしたらこうちょっと移動した時にそこが海面の上でそのまま取り込まれちゃうみたいなことですか。
スピーカー 1
いやえっと互いにすごい特殊化した1対1の関係で、ある種の海面にしかそのホウオウガイっていう貝なんですけど、そのホウオウガイはひっつかないんですよ。
ええそうなんですか。
1対1の関係ですごい互いにだから特殊化し合ってる。
スピーカー 2
へえ面白いなそれ。貝がだからメリットあるってことですよね。
スピーカー 1
そうなんですよそれで貝の天敵って意外と多くてカニとかエイとかあのいろんな生き物に意外と狙われがちなんですけど、海面ってあの先ほどのお話にもあった通りなんですけど、
化学物質ですねこの種類はあの骨格を持ってないので、なのであの毒で守られるっていうのが一つ大きなところだと思います。
あとあの海面の中に入ると殻に投資しなくてよくなるんですよ。殻がだって薄くてペラペラでも直接その捕食者が来てガリガリって食べたりとかする恐れがないので、
殻を分厚くして防御を固める必要がないので、結構その同じ禁煙の種類の貝と比べてもあの殻っていうのがちょっと繊細な構造になってたりとか。
へえ面白いなあ。そうなんですよ。
スピーカー 2
じゃあもう海面なしで生きていけない身体にもなっちゃってるんですねその貝は。
スピーカー 1
なんなら肉もちょっと丸出しな部分あります。
スピーカー 2
へえすご。
スピーカー 1
海面がだからいなくなるとそこから誰でも食べ放題みたいな体つきになっちゃってます。
スピーカー 2
へえ面白いなあ。完全に依存しちゃってますねそれは。
スピーカー 1
そうなんですよ。だから貝にとってのメリットっていうのはある意味すごい守られるっていう明白なものがあったんですけど、貝面にとって何かメリットあるのっていうのがその骨格っていうのは一つ言われてたんですけど、
でも骨格だったらある意味その死んだ殻とか岩とかでもいいんですけど、生きた貝がたくさん入ってていいことって何かあるのっていうのがわかってなくて、でそこを調べたっていうのが結構私の研究の大きなところかなと。
スピーカー 2
ええめっちゃ面白いなこれ。
スピーカー 2
ありがとうございます。
気になるなあ。
ありがとうございます。
なんでって感じっすよね。
スピーカー 1
そう、それがすごい不思議で、でまず調べたのがその水の流れを調べたんですよ。貝ってアサリとかも見ていただいたらスーパーとかで生きてるのを取ってきて、買ってきてくださいね。買ってきて見たらわかると思うんですけれど。
スピーカー 2
勝手に取っちゃダメっすよね。
スピーカー 1
ダメですダメです。アサリとかって水を吸うクダと出すクダを持ってるんですね。
スピーカー 2
ありますね。
スピーカー 1
ああいう二枚貝っていうのは実は結構進化的なグループで、もうちょっと原始的なというかグループになると、ああいう特殊化したクダって持ってないんですよ。だからあのクダってガイトウマクって呼ばれる貝の内臓を包み込んでる膜があって、その膜が筒状に進化してできたものなんですよね。
スピーカー 2
そうなんだ結構後からできてるんですね。あれ大体あるイメージでした貝って。
スピーカー 1
そうなんです。でも食べるものとかだと意外とあって、でも牡蠣はないんですよ。牡蠣結構皆さん生とかでも見たことあるかなと思うんですけどそうなんですよ。あれは結構だから原始的というかグループで。
で彼らはどうやってじゃあ水を取り込むかっていうとビラビラしたガイトウマクっていう牡蠣だとちょっと縁が黒くなってて殻沿いにベワーと広がってるような構造があると思うんですけど、あれを2枚の布みたいな感じで組み合わせて、でその水を吸う部分は穴というか2枚の組み合わせたところに隙間を作ってその隙間から水を吸って、
でその反対側というか別の場所にはまた組み合わせた2枚のガイトウマクの間に隙間を作って吸ったり吐いたりできるっていう。なので貝側の方で任意に意外と数方向を出す方向を調整できたりするんですよ。合わせ目を自分で描いたらいいだけなので。
結構動きますよね。あの膜みたいなやつ。 そうなんですよ。結構動くんですよ。
ですよね。最近居酒屋でちょっと生きてる貝を見る機会があって。 本当ですか。
居酒屋っていうか貝のなんか踊り焼きみたいなやつを日本で。 結構苦しげですよね。
いや結構えぐいなあって。なんかちょっと拷問感あるのかわいそうだなみたいな感じの料理ではあるんですけど。 そうそう。美味しいですけどね。
スピーカー 2
はい美味しいんですけど。だからなんか最近すごく牡蠣見たなあみたいな感じが。めちゃくちゃ動くから。そこで水のやり取りしてるみたいな感じなんですね。
スピーカー 1
そうなんですよ。水の入り口と出口を絶えず作ってるみたいな感じで。で、ホウガイっていうさっきの海面の中に入ってる貝も牡蠣タイプのガイト膜を持ってて。
なので水の方向自体がアサリとかみたいな感じでこっちから水入ってこっちから出るよねみたいな感じで解剖したら明らかっていう感じではなかったんですね。
スピーカー 2
なるほど。
スピーカー 1
なのでそもそもその貝が吸った水がどこに流れていくかっていうのをまず見たんですよ。そしたらこれはあの先行研究でも言われてたことではあるんですけれど、貝面の体の中にそのまま水が吸い込まれていったんですよね。
スピーカー 2
え?貝の方にまず水が行って、そっから繋がってるってことですか?
スピーカー 1
そうなんですよ。貝面の体の中にだから使用済みの水、自分が餌とかを取った後の水っていうのをじゃじゃ流し込んでるっていうことがわかったんですよ。
スピーカー 2
ああ、じゃあその貝面側からしたら貝が入り口になってるってことですか?その水の。
スピーカー 1
そうなんですよそうなんですよ。それがすごいインパクトとしては実は大きくて、貝面の体のその水の出口は全部目で見えるサイズってあの先ほどちょっと言ったんですけど、なのでその水の出口から水の出てくる量っていうのはある程度抑えられるんですよね。
例えば1分あたりに何ミリリットルこの貝面塊は出してますみたいなのがわかるんですよ。なのでその1貝面包外コロニー全体としてどのぐらいの水の量を1分とか単位時間あたり使ってるかっていうのを調べたんですよ。
スピーカー 2
へえ、それ調べられるんだ。
スピーカー 1
そうなんですよ。結構まあそれは大変だったんですけど。
スピーカー 2
大変そうですよね。水を追っかけるの大変そうだ。
スピーカー 1
そうなんですよ。それは徹夜みたいな実験だったんですけど。
それと貝面の中に入っている包外をその後解剖して出してきて、彼らが体の大きさごとにどのぐらいの水の量を単位時間あたりに出してるのかっていうのを近似曲線っていうか2センチくらいの貝だったら1分あたり2ミリリットルぐらいかなみたいなそういう式が出せるので、
それを出して、貝面の1匹の体の中に入っている貝の数と大きさから1つの貝面の中に入っている貝何匹全員分の合わせて水をどのぐらい使ってるかっていうのを調べて、それを貝と貝面を足した数と比較したんですよ。
スピーカー 2
面白いな。これめちゃくちゃマニアックな数式みたいな感じですよね。
スピーカー 1
そうです。めちゃくちゃマニアックな数式を。
スピーカー 2
貝面の因数分解みたいな感じで。貝に分解してトータルどのぐらいかっていう。面白い。出せるんだ、それ。
スピーカー 1
それを私がD博士課程の時にやったんですけど、そしたら結構驚く数字が出て、半分以上貝面が貝と合わせてコロニーみたいなのを作ってるんですけど、その1コロニーが使う水の量の半分以上は貝由来だったんですよ。
スピーカー 2
えーじゃあ本当に入り口になってるみたいなことなんですか。
スピーカー 1
そうなんですよ。実は貝面の中で先ほど弁毛っていう毛があって、それが水流を起こす役割を果たしてるっていう風に言ったんですけど、その弁毛を動かすっていうのがすっごい実はエネルギーコストがかかることで、貝面がご飯を食べて外から得てる栄養のうちの3分の1ぐらいは全部弁毛を動かして水流を起こすっていうことに使われてるんじゃないかっていうような研究もあるぐらい、
スピーカー 2
すごいコストのかかる行動で。そうなんだ。
スピーカー 1
そうなんですよ。だから貝面にとっては貝が入ってくれることでそこを節約できて、ある意味ポンプ薬として使ってるっていうことが分かって。
スピーカー 2
すげー。すげーな。天然ポンプなんだ貝は。
スピーカー 1
そうなんですよ。そうなんですよ。
スピーカー 2
えーでも貝も貝でその栄養を取り込んでるわけじゃないですか。自ら。でもその残り物を送ってるってことですか。
スピーカー 1
めちゃくちゃ良いご質問で。さすがですね。すごい着眼点が。
スピーカー 2
普通に考えたら貝の排泄した水って言われると栄養そこに残ってんの?みたいな思っちゃうんですけど。
スピーカー 1
そうなんですよ。そこが実はすごい重要な点で、貝面が食べる餌のサイズって実は貝が食べられるサイズよりもだいぶ小さいサイズなんですよ。
スピーカー 2
あーそっかサイズのすみ分けできてるのか。
スピーカー 1
そうなんですよ。だから貝が大きな餌は全部かな。かなり取っちゃうんですけど、小さな餌は腰取れないので、全部残ったままの状態で貝面の体の中に流れ込んでいくっていうような。
なのでむしろ貝面にとっては大きすぎて目詰まりの原因になっちゃうようなものは取り除いた良質な餌の入った水を体の中にバンバン供給してくれるみたいな。
スピーカー 2
えー面白い。すごいな。ある意味ろ過してるみたいなことですよね。貝でろ過したやつをさらにろ過してるみたいな。
スピーカー 1
二重ろ過みたいなそうですね。
スピーカー 2
二重ろ過ってことですよね。そんな上手いことできてるんだ。
スピーカー 1
そうなんですよ。それが分かって、でそこからなんかそれまで実は私貝面じゃなくて貝の方に研究の重心を置いてたんですけど、
なんかこんなシンプルなのにこんななんかエレガントな関係、生き方があるんだと思ってどんどん貝面の方に見せられていって、で気づけば貝面の人に。
スピーカー 2
そこが入り口だったの。
スピーカー 1
彼らは独立してというか何か他の生き物と共生したりしないんですけど岩に自分自身ひっついて暮らしてるんですけど。
あの仲間って結構サンゴの上にひっついたりとかそれこそ海面にひっつく種類とか。
結構いろんな海の固着性の生き物の体の上にひっついて暮らすっていう種類が多くて。
スピーカー 2
結構でもあの辺って共生しそうなやつ多いんですかねやっぱ。
スピーカー 1
結構そうですね貝は共生する種類結構いますね。
それでその例えばサンゴにひっつく種類はいつごろ何回ぐらい進化したのかとかそういうのをその分子的な情報DNA解析をしてその系統樹と呼ばれる種同士のその親戚関係みたいなのを明らかにしてその進化の道筋とその共生の歴史みたいなのを明らかにするみたいなのがメインテーマでやってたんですよ。
スピーカー 2
なるほどじゃあ最初そういう分ちょっと分類系なんですかね。
スピーカー 1
そうですね系統解析とかをやっていて。
スピーカー 2
そこで貝が出てくるのか。
スピーカー 1
そうなんですよ。それで海面と共生してるやつがもういさゆ花ってめちゃくちゃ変と思って野外で採集してくるときに。
スピーカー 2
そうですよさっきの話聞いたらだいぶ変な感じですね。
スピーカー 1
もうそれでもうなんなんだこいつらっていうもうなんていうかそうなるとやっぱ純粋な好奇心ですよね。
それでこう夏休みの自由研究みたいな感じで思いつく限りのことをしてどういう関係なんだろうっていうのを探っていったみたいな感じですね。
スピーカー 2
いや面白いなその入りどんどんだから魚から始まって貝になって貝目にたどり着くっていう。
スピーカー 1
そうなんですよどんどんどんどんマイナーの方向に。
スピーカー 2
いいですねその流れが。
スピーカー 1
ありがとうございますそう言っていただけると。
スピーカー 2
そういう感じなんだいやいやでもなんかその理解できました確かに共生関係とかってパッと見何これっていう感じもするし深掘りしがいがありそうというか。
スピーカー 1
そうなんですよねやっぱりその共生ってなんかすごい共生って言うとすごい互いが互いに利他的にお互いのためにいいことをしてあげるみたいなちょっと奉仕みたいな日本語だとニュアンスが入るんですけど。
生物でいう共生ってシンビヨントとかシンが一緒にでビヨントが生命みたいな意味なんですけどただその一緒にいるっていうところがその用語の意味でもあって。
なのでその一緒にいるだけの関係なのでその互いにどっちがどんなメリットを受けているのかっていうバランスってすごい様々なんですよね。
スピーカー 2
そっかそっかまあでもそれで成り立ってるっていうことではあるんですよね。
共生という言葉自体は。
スピーカー 1
そうですね。
なのでその互いが互いに本当はあの生物ってすごい利他的じゃないですか。
スピーカー 2
そうですね。
スピーカー 1
なのでその自分の子孫が一番多く残せる形のものがどんどん生き残ってきたなれの果てというか結果が今あるその生き物たちのあり方なのでその基本的にその相手を出し抜こうとするのが生き物の本質というかなんですよ。
なのでその互いに出し抜こうとする関係が上手い具合に結構して今一緒にいるっていうのが共生っていう関係なのでそのある意味すごい不安定な安定のところを見るっていうそのダイナミックさもあってすごい面白いなと思って。
スピーカー 2
いやー面白いな。なんか生き物でもすごい広く見たらみんなこう互いに支え合っている感はなんとなくあるなとは思うんですけど中でも共生と言われるとかなり近いですよね。人間だって腸内細菌とかいたりするわけじゃないですか。
ああいうのもそうだし。なんかそこは単純な生存競争じゃない不思議さがありますよね。
スピーカー 1
そうなんですよ。なんかその一口に食われるとかいう関係にはないなんて言うんでしょう奥深さというかその面白さっていうのを感じてそれであの共生っていうものを私も軸に研究できたらいいなってそのすごい思いましたね。
スピーカー 2
なるほどいやめちゃくちゃ納得しましたその面白さみたいなところは。
スピーカー 1
ありがとうございます。
スピーカー 2
でもなんかあんま習わないじゃないですか具体的なこういうやつがいてっていう。やったのかな昔教科書とかであるかもしれないですけど共生時代は。
スピーカー 1
いやーちょっと私の時代と今変わってるとは思いますけど少なくともそうですね20年前とかはなかったですね。
スピーカー 2
そんなないですよね。というか例として教科書に載せるレベルのやつがそんなにいるのかわかんないですけどなんかイソキンチャクと隠れクマの実が支え合ってますみたいなぐらいだったら聞いたことありますけど。
でもなんかこうもっといっぱいあるわけじゃないですか共生のタイプとか種類とか。
スピーカー 1
そうなんですよ本当に海面一つとっても本当にあの貝だけじゃなくていろんな生き物といろんな形で共生してるので本当にその生き物の世界を読み解くというか生態系と言ってもいいかもしれないですけど読み解く一つの大きなやっぱりキーだなっていうのはすごい感じますね。