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原田康徳
昔は、要するにコンピューターを粘土にしようでしたね。
今も変わらないけれども、でも今日話してると、そのキーワードだけじゃ超えてますね。
高見知英
NPO法人まちづくりエージェントSIDE BEACH CITYのポッドキャスト番組、SBCastです。
この番組は様々なステージで地域活動、コミュニティ活動をされている皆様の活動を紹介、
活動のきっかけや思いを伺うポッドキャスト番組です。
進行を務めますのは、私、フリーランスとしてプログラミング、アプリ開発、方針、書籍出版などを行いながら、
このNPOの理事を務める高見知英です。どうぞよろしくお願いいたします。
それでは今回のゲストは、BISCUITを提供されている団体の合同会社デジタルポケット、原田泰則さんにお越しいただきました。
原田さん、どうぞよろしくお願いいたします。
原田康徳
はい、よろしくお願いします。
よろしくお願いいたします。それではまず簡単にではございますが、自己紹介からお願いできますでしょうか。
原田康徳
はい、原田泰則さん。子供たちの前では、原田博士って呼んでもらってるんですけど、
BISCUITという子供向けのプログラミング言語ですね。それを開発して、
最初に発明して、それからずっと開発してるっていう人です。
高見知英
原田さん、どうもよろしくお願いいたします。
原田康徳
はい、よろしくお願いします。
高見知英
それではまずこのBISCUIT、こちらについて、まず簡単にどのようなものかお伺いできますでしょうか。
原田康徳
BISCUITっていうのは、プログラミングを教えるというよりは、コンピューターでどう遊ぶかみたいなプログラムなんですけども、そういうツールですね、になってます。
普通プログラミングっていうと、繰り返しとか順序とか条件分岐とかそういうことが、変数ですかね、出てきますけども、
そういうのを一切使わないで、メガネって呼んでますが、丸が2つですね、その中に絵を入れて、その絵を入れることでその絵で動きを表すと、変化を表すということですね。
変化を並べていくとプログラムになっていって、できることはほとんどプログラミング言語と同じでできるんですけども、そういうツールになってますね。
高見知英
ありがとうございます。そうですね。繰り返しなどを使わず、メガネというもので変化を表すというものですね。
実際に自分も使っていただいたことはありますけれども、メガネの左側と右側にイラストを描くようになると、その間をBISCUIT側が保管しながら動いていくという形になるというふうに言えばわかりやすいでしょうか。
そうですね。例えば魚が左側にあったものを右側のメガネではちょっと右側の方に移動していくと、そこに順次泳いで進んでいくように見えていくようなアニメーションをしてくれるというような形になりますね。
ありがとうございます。こういうのは本当にプログラミングの初歩の初歩、基本的な仕組みっていうものを把握するのには一ついい形になるのかなというふうに思っていますが、
原田康徳
その時に私はもうビジュアルプログラミングの研究はしてたんですけども、あんまり子供向けという感じでは作ってなかったんですが、
そこで慌てて、これは子供向けに作らなきゃって作ったのがBISCUIT。その時にちょうど20年経ちますが、そういうことですね。
高見知英
なるほど、そうですね。ありがとうございます。20年間BISCUITを開発されているということなんですね。
本当に先ほどの電子回路における粘土だというような考えからすごく共感をしておりました。
自分もやはりプログラミングってインターネットのデジタルな空間でのプラモデルのような感覚があるなというふうに思っていましたし、
今はプログラミング料理のようなものっていうふうによく言ってますけれども、そういうような簡単に作れる、簡単に触れるものとしてのプログラミングっていうのがすごくあるなというふうに思いますし、
そういうようなところが原点にあるということは主張に自分も共感ができますので、通じるところがあって良かったというふうに思っておりました。
原田康徳
20年ってすごい長いと思うんですが、私は研究者なので、普通そういう言語を作って論文を書いたらもう終わりなんですよね。
普通は次の研究に行くんですけども、私その後20年これを普及させる方に行っちゃったんですよ。
つまり研究者としてのコースを辞めたっていうね、そこが結構ポイントだと思うんですね、今回のこの話。
なぜ作ったかとかどういう思いで作ったかとかよりも、なぜ20年も続けたかっていうところですね。
高見知英
それを実は今回お話ししたいなと思ってまして。
原田康徳
ぜひよろしくお願いいたします。
20年前って世の中どうなってたかというと、その前は実は教育界ではコンピューターってわりと友達だったんです。子供の友達みたいな感じだったんです。
それはテレビCMでいっぱいあったんですよね。この子供向けのパソコンのCMがね。
高見知英
武田哲也とかね、出てましたけどね。
原田康徳
それからその20年ぐらい前にインターネットが、例えばですね、学校裏掲示板ってありますよね。あの頃なんですよ。
で、そこでなんかすごい悲しい事件がいろいろ起き始めてですね。いじめだとか。
そういうので、教育界でコンピューターを悪者にするっていう動きになっていったんですね。
だから教室からコンピューターを追い出す方向になっていきました。
で、それに対して悪いのはコンピューターじゃないじゃないですか。悪いのは使い方だ。
悪い使い方をするとか、悪い人が使ってるとか、そういう理由で悪いわけでコンピューターは常に中立だと思うんですが。
昔はすごい子供の友達みたいな位置づけだったのが、急にそれには触らせてはいけないになったんですね、教育界が。
で、そこでなるだけハッカーに対する風当たりも悪くなりましたよね。
なんか旦那がハッカーになっちゃって離婚したとか、そんなのがいろいろありましたよね。
高見知英
ああ、なるほど。そういう時代でしたか。
原田康徳
だからもう要するにプログラミングをやることが悪い方向に行っちゃってたんですよね、すごくね。
高見知英
なので、ビスケットはすごく演出をしていて、なるだけハッカーっぽくないようにっていう演出を。
原田康徳
ハッカーって黒い画面でキーボードでカチャカチャってやってっていう感じでしたけども、そうではなく、もうなんか楽しそうにワーワー騒ぎながら絵を描いて動かしてっていうイメージですよね。
そういうイメージがつくように演出して、それをずっと普及させるっていう活動になっていきましたね。
なるほど、ありがとうございます。
高見知英
そうですね、本当に裏掲示板などが出てきて、コンピューター自体が悪者にされるっていうような状況があったんですね。
原田康徳
おっしゃってることほとんど同じなんですけども、プログラミングの定義がちょっと高見さん狭い感じがしてて、つまり狭ければそこはやらなくていいなんですけども、もっとプログラミングっぽくないじゃないですか。
だからそれはプログラミングなんですよ。もっと定義が広くて、多分そのコンピューターの上での物理というか原理を知るっていうのはやっぱりプログラミングを通じるのが一番いいと思っていて、ただしそのプログラミングっていうのはすごく意味が広いよっていう感じですかね。
高見知英
そうですね。実際本当にもっと広く持っていけるといいなと思います。やはり世間の人たちから見るとそういう狭い定義のプログラミングっていうのがプログラミングになってしまいますし、できる人だけができればいいっていうような状況になってしまうので。
そうじゃなくて、ある程度コンピューターに触るいろんな人がなんとなくでも知って動くこと。別に上等な料理みたいなものを作れなくてもいいので、本当にちょっとしたものだけでもいいので作れるようになっているといいんじゃないのかなっていうのはすごく思いますね。
原田康徳
ニスケットの例題で、動画もいろいろあるし文科書のサイトとかにもあるんですけども、風が映っていくシミュレーションっていう例があるんですよ。
健康な人が動いている中に風邪をひいた人1人入れて、そうするとぶつかると相手に風が映るっていう、そういうメガネを作って動かすと、最初は1人だったのが2人になって3人4人って増えていって、途中から急に広がりだすんですけども。
動画をちょっと検索していただくとすぐ出てくると思うんで。それがまさに私、情報の原理なんですよね。情報って複製コストゼロじゃないですか。
それ物理にはないわけですよ。物理は複製できないんで。だから複製コストゼロでっていうものがあると、今度はそれが指数関数的に広がりますよね。つまり最初はゆっくりだけど途中からぐわっと広がるっていうね。
それがその遊びでできるんですけども、それはたぶん2年生ぐらいでやれるので。でもこの情報の原理っていう話をするならもうちょっと上の学年がいいんですが、この遊びをやった後で、実は情報というのは、つまり伝播するとすごい勢いで伝播していくよっていうような話をするんですけども。
高見知英
これまさにコンピューターの原理というか、一番基本的なところじゃないですか。物理と違うところっていうか。
原田康徳
そこはすごく大事です。確かに風が映っていくのに仕組みとしてすごく似てますね。
指数関数の広がりって人間結構苦手なんですよね。理解がね。だから物が腐るもそれなんですけども、物って昨日まで大丈夫だったのに今日急に腐ったってのはこれですからね。この急なカーブですからね。
高見知英
そうですね。確かに。本当にそういうようなところはすごく日常生活ともつながってきますし、やっぱりこういうようなところも含めて何かお子さんだけでなくいろんな人がなんとなくでもこういうのを見ていけるっていうのがあるといいなと思いますね。
原田康徳
その辺の理解は、要するに人工知能が登場してプログラマーがいらなくなったとか関係ないじゃないですか。こういうことを理解するっていうのはみんな人間した方がいいわけですから。
だからプログラミング教育が将来の仕事としてのプログラマーっていう位置づけだったらいらなくなるんですが、そうではなくて、今後これが社会の原理として広がっていくならば、それの動作原理をちゃんと理解するっていう意味ではますます必要ですよね。人工知能がどうあろうとね。
高見知英
そうですね。本当にその考え方は特に見えるものではないので、だからこそ頭の中でイメージできるようになっている状態っていうのがとても大事になってくるのかなと思います。
原田康徳
こないだあれありましたよね。他人のマイナンバーのあれが見えちゃったとかっていう事件がありましたが、あんなの全部この原理がわかるとああなるほどってわかると思うんですけど、わからなかったらただ怖いだけですよね。怖いからもうマイナンバーやめようになると思うんですけども、本当は正しく怖がらなきゃいけないんでちゃんと原理も知ったほうがいいというかね。
そうですね。ありがとうございます。本当に正しく怖がるっていうようなのが大事になりますし、そのためにも本当にこのコンピューターの物理学って知るのはすごく大事になってきますね。ありがとうございます。
それでは続きまして、これを聞いている人にITとどう関わってほしいなどございますでしょうか。
やっぱり他人事じゃなくて自分事にしていただきたいなと思います。