飲食店独立への道
おはようございます。札幌のグルメ情報誌、ポロコ統括編集長、福崎里美です。
私は札幌のグルメ雑誌の編集長として、これまで数多くの飲食店に実際に食べに行ったり取材をしてきました。
そして、たくさんの素敵な飲食店や、そしてそこで仕事をしているシェフにも出会ってきました。
この番組では、多くの飲食店を見てきた編集者の立場から、これから飲食店独立を目指す方、
すでに飲食店を経営していたり、食の仕事、食のPRに関わっている皆さんに向けて、経営のヒントやアイディアをお届けしています。
ぜひ最後まで聞いてください。 さて、今回のテーマは、飲食店で独立するために必要なことにしました。
一つ目、料理と経営、どちらも大切にできるか。
これですね、雇われシェフで修行してという方がほとんどだと思うんですけれども、その後独立してお店を持ちたいという方はたくさんいらっしゃいます。
でも、独立したシェフにいろいろ話を聞いた時に、たまに聞くのが、料理はずっとやってきたからもちろん得意で、味に自信はあるけれども、
経営、そして数字はちょっと苦手なんだよねっていう言葉。
例えば、どんぶり勘定で1日のざっくりとした売り上げは分かるけれども、原価をきちんと把握していないということとかも聞いて、ちょっとびっくりすることもあります。
いろんな業種で経営をしている方いらっしゃいますけれども、それよりもやっぱり飲食店の方がその傾向が強いかなというふうに思ってしまいます。
でもそれはなぜかというと、シェフの方って本当に職人さんなんですよね。
やっぱり料理そのものの味、そしてその味の再現力、あとは食材にこだわっていて、いろんな生産地に回っていい食材を見つけてきてくれたり、
あと盛り付けとか見せ方、そこで楽しませてくれたり、とても素晴らしい才能を持っていらっしゃる方たくさんいます。
それは雇われでやっている部分はそこの部分だけでいいと思うんですけれども、独立してお店をやるということは、それだけでは足りないというふうになってしまいます。
例えば立地ですね、物件一つ取っても、その場所にあった業態を考えることが必要になりますし、自分がこれをやりたいということが強く決まっているのであれば、そういう立地や物件を選ばないといけないです。
例えばオフィス街だったらランチが中心がいいとか、この場所だったら夜遅くやったほうがいいとか、住宅街だったら週末は営業してファミリー層を意識したお店にするということを考えたりとか、そういうことを料理だけではなくて実際に考えていかないといけないです。
何よりも数字ですね、数字にコミットする姿勢。
これは一般の会社とかでも、例えば今月はいくらやります、今年はいくらやりますという目標を決めてそこにコミットするように動いていくんですけれども、やっぱり飲食店もそれが同じだと思うんですよね。
どんなにおいしい料理でも赤字が続くとお店は続けられませんし、例えば原価率、人件費、開店率、PRをどうするか、そういうことを雇われ、シェフのときにも理解して実際に関わって料理とバランスを取れる力というのを養ってから独立しないと続けられないと思います。
そういうことをちょっと苦手だなとかしたくないというのであれば、そのまま雇われるシェフのままで腕を磨いていくのも一つですし、一緒にやるという人にお任せするということになっていくんじゃないかなと思います。
2つ目、人とちゃんと向き合えるか、コミュニケーション力ですね。先ほどシェフの方って本当に職人さんですごいというお話をしましたけれども、独立して自分が経営するということになったときに大事なのはやっぱり人と向き合ったりコミュニケーション力だと思います。
独立してお店を持つと関わる人がまた一気に増えますよね。お客様はもちろんなんですけれども、一緒に働くシェフの方、食材仕入れ先の業者の方、私たちみたいな媒体の編集者とか、SNSのインフルエンサーさんなどなど、今まで雇われたとそこの一部の方と関わってきたと思うんですけれども、そこを関わる方が一気に増えて、
その人たちとコミュニケーションをとっていくということが必要になります。そこで大切なのは信頼関係ですね。あと共感を持ってもらうということで、この人応援したいなとかまた来たいなと思ってもらえること。
例えばお客様にとっては、私自身もそうなんですけれども、料理はもちろんなんですが、人ということがとても印象に残りますよね。なので、どこかで勤務されているのでしたら、独立前からその辺のコミュニケーション、
仕入れ先とかも含めて、関わる方とコミュニケーションをとる。もちろんお客様とファンを作っておくということも有効です。ちょっともうお店を辞めるというふうになったときに、いつお店をやるんですかとか、絶対行きますね、そんな言葉をもらえるようになると、とてもスムーズにいくんじゃないかなと思います。
なので職人さんではあるけれども、経営するということを考えるのであれば、スタッフを含めて皆さんとコミュニケーションをとれる力を養っておくことが必要だと思います。
成功のための覚悟
最後に、お金のリアルと覚悟ですね。避けて通れないのが初期費用や借り入れ、そしてきちんと続けていけるのかということになってきます。
飲食店を始めるには、ある程度の自己資金、そしてほとんどの方が借り入れが必要になるんじゃないかなと思います。物件を探して取得して、内装・厨房設備・食器・広告費、最初に数百万円でしたらいいですが、1000万円単位でかかることも少なくないと思います。
物件とか工事も最初に見積もりを取ったときには、例えば800万円くらいで済んでも、実際に工事が始まったらプラス500万円かかったという話も聞きます。そういうこともありますので、きちんと契約内容を確認することって大事ですよね。
一番怖いのは、せっかくそれほど苦労をして、そして借り入れをしてお店を始めたのに、例えばすぐに辞めなくてはいけなくなること。
やっぱり新規オープンしているお店に私たちも呼ばれることが多いので、そこで大丈夫かな、ここすごく初期意欲がかかっているなと思うところとかもあるんですけれども、大丈夫かなと思ったときに、1年以内くらいでお店を閉店するっていうのは本当によくあることです。
もちろん初めてやることなので、想定外のトラブルがあったり、数ヶ月赤字が続いてしまって自分の給料は取れなかったり、スタッフと衝突してしまって自分の右腕立った人が辞めざるを得なくなったり、いろんなことがもちろん初めてやるとあると思います。
全部うまくいく人なんて絶対いないと思います。
あと辞めなきゃいけなくなってしまうと、リース契約とか借金は残るのに収入がゼロになってしまうということになってしまいます。
初めてのお店で失敗や想定外は当たり前なんですけれども、それでもリカバリーできるくらいの失敗にしないと続けられなくなります。
先ほどお伝えした通り、契約が残っていたり借金が残って収入がゼロになってしまうことは避けたいと思うので、きちんとリカバリーできるくらいということを考えて続けないといけないので、
そこを考えると、いろんな先ほどの契約書のこともありますけれども、きちんと経営者として注意すべきところは注意する。
最低限の失敗にする。そして何よりも続けていくぞという覚悟が必要なんじゃないかなと思います。
ちょっと数ヶ月あっかじ続きだから辞めようと思ってしまうくらいだったら、やらないほうがいいんじゃないかなと思います。
成功する保証は誰にもありませんが、失敗してもリカバリーできる程度にする。そして立ち上がる力を持っているかどうかが大きな分かれ道なんじゃないかなと思います。
いかがでしたでしょうか。今日は飲食店で独立したいというため、独立するために必要なことを3つの視点からお話しさせていただきました。
料理の腕はもちろん経営の目線、そして人と人とのつながりを大事にしないといけないコミュニケーション力ですね。
最後にちゃんと続けるためにお金、契約、そして覚悟。その辺がすごく大事なんじゃないかなと思いましたので、今日お話しさせていただきました。
今回の放送が今まさに夢に向かって進んでいる方の少しでも参考になったら嬉しいです。
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感想、そしてやってほしいテーマなんかもコメントで教えていただけると嬉しいです。
今日も最後まで聞いていただきありがとうございます。福崎さとみの美食、今日も美味しい一日になりますように。ではまた。