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2025-05-02 11:38

ポピュラー音楽の作曲における「自由」は「無秩序」ではない

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ポピュラー音楽の作曲における「自由」は「無秩序」ではない

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みなさん、こんにちは。作曲の先生として活動する、うちやまあちです。
特に、ポピュラー音楽の表現というか、作曲とか演奏とか、それは自由なものだというふうに言われていて、
クラシック系の音題とかで学ぶような、正当な伝統的音楽教育に位置づけられるような、そういう音楽がきちんとした決まりがあって、
その決まりを守るように音楽を表現しているのに対して、ボックスとかロックとか、ポピュラー系はそういうところにあまり縛られずに、
自由な発想でやっていいよっていうね、そういう分野の音楽だと言えるんですけども、特にロックとかもそういうね、
正規の音楽教育のルールを乗り越えるところに美学があったりするっていうか、ロックを表現するときは、細かいルールに縛られることなく、なるべく自由な発想でやるのがいいみたいなね、そういう思想があるんですけど、
ポピュラー音楽は自由みたいな、それを考えるときに、自由っていうところと秩序がないみたいなところをごちゃごちゃにしちゃうと、結構切ないなって私は思ってるんですよね。
自由と秩序がない、無秩序な状態は似てるようで全然意味が違うっていうか、だから今回その自由っていうのは、いわゆるクラシック音楽の伝統的な正規の音楽教育のある程度の音楽の表現の決まりがあって、
さらにその音楽表現の決まりは、一般的な聴き手の皆さんがおこちいって感じる音楽の構造だったりするんで、そういった一般的な親しみやすいとされる音楽の構造がまずあって、それを前提として、それをより自由な発想で乗り越えるってところが本当の自由が意味するところなんですよね。
その無秩序っていうのは本当に何の決まりもなくて、ただ単にそれぞれが好き勝手にいろいろやってるみたいな、やってることが無茶苦茶で統一性がないとかね、意図がないとか、曲からまとまりが感じられないとか、そういう状態。音楽を聴いてる人が混乱しちゃうような、そういうものが無秩序だと言えると思うんですよね。
だから、本当の意味で何でもあるみたいな、それが秩序がない状態。で、ポピュラー系の作曲とかの自由っていうのは、秩序がないっていう意味じゃなくて、ルールを前提として、そのルールの型みたいなのがあって、その型を破る、型破りみたいな。
だから、ポピュラー系作曲の自由はやっぱりその型を理解して、その型を乗り越えるところ、型をぶっ壊すところが自由の面白さだと私は思ってるんですよね。
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だから、やっぱりその型を理解するんで、そのために知識としての音楽の構造を知ること、つまり理論の知識を学ぶとか、それも大事だと思うんです。私は既存の曲を分析して、やっぱり一般的な音楽がどういう構造になってるかっていうのをたくさん知ることが大事かなっていうふうに思ってますね。
で、その一般的な楽曲もその自由な発想で作られている曲っていうのがあるんで、そういう楽曲を分析して、その本当の意味でのポピュラー音楽における本当の自由を理解するっていうのが大事かなと言えますか。
つまり、私がよく言っている曲分析に取り組みましょうってことなんですけど、曲分析すると、いわゆる既存の楽曲がどういう構造になってるかっていうのがわかるじゃないですか。で、たくさんいろんな曲を分析していくと、その共通点が見えてくるんですよね。
で、その自由にやっているなーって思える曲も、その中身を紐解くと、実際結構構造的にはその基本が抑えられてて、その基本の中でその一部に個性的な展開が盛り込まれているっていうね、そういうケースがあって。
だからそれが本当のポピュラー音楽は自由っていうその自由が意味する本当のところを理解できるっていうかね、と思いますね。だから基本を抑えた上でその基本の型を破るっていう意味での自由、無秩序って意味じゃないんだなってところが理解できるっていうか。
で、個性的なその印象に残る曲のほとんどはだいたいその基本的な構造がしっかりしてて、それを裏切るような独自性がそこに盛り込まれてるっていうかね、親しみやすさとその裏切りのバランスが取れてるみたいな。
で、そのバランスもそれぞれの曲で変わってくるんで、だからいろんな曲を分析していると、例えばある曲は結構基本に忠実に作られている。でも別のある曲はその基本を結構大胆にアレンジするように作られてたりするんですよね。
だから具体的にその基本に忠実ってのは曲のキーがあって、そのキーに紐づくそのキーの音のメロディーがあり、そのキーの音から生み出されたダイアトニックコードをそのコード信号の主体にしてて、で、その曲が持つその拍子もね、例えば4拍子、1、2、3、4みたいな4拍子の感じで最初から最後まで一定な状態にあって、リズムのアクセントも標準的なところにあって、
で、曲の展開とかもなんかAメロ、Bメロ、Cメロ、Cメロという名のサビですけど、というような場面転換がすぐ把握できるような一般的な構成にあったり、そういう状態がそのいわゆる基本に忠実っていう状態なんですけど、その一方でその自由な曲っていうのはその曲のキーが定まっているけど、
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その中で例えばキーがすごい頻繁に変わるとかね、転調を頻繁にするとか、あとはそのメロディーにキーから外れる音が結構たくさん入っているとか、コード信号もそのキーにひも付くダイアトニックコード以外のコードがたくさん使われているとかね、
その基本を忠実、基本を抑えた上でそれを破るように乗り越えるところに自由度があるんで、そう、だからあとは何か、何だろう、曲の拍子が4拍子を主体として曲の最初から最後まで行く、一定で行くわけではなく、途中で3拍子が入ったり、5拍子が入ったり、いわゆる変拍子の構成がそこにあったりとかね、
あとは曲の構成がAメロ、Bメロ、サビみたいな感じじゃなくて、サビの後にDメロみたいなのが来たり、Eメロが来たり、そういう構成になっているとか、だから自由度がより高い構成であるほどに、そういろんな基本に忠実であるところを乗り越えるようないろんな自由な要素がそこに入ってくるし、
あとはもうちょっと保守的な感じっていうか、メロディーラインは結構キーの音を使って標準的なんだけど、コード進行だけちょっとダイアトニックから外れるものがたくさん入っているとかね、転調もないしコード進行も基本に忠実だし、メロディーも普通だし、なんだけど4拍子じゃなくて5拍子になっているとか、そういう感じ。
そういうバランスの取り方もあったりしますよね。それをよく聞くとリズムがすごく個性的で、自由に作られてるなぁと思うんですけど、中身を紐解くと結構キーの概念とか、そのキーに紐づくダイアトニックコードの使われ方とか、そういうのは結構標準的なことをしているだけで、曲の拍子とかリズムだけが特徴的になっているんだなぁとか見えてきたりするんですよね。
それがまさに一般的な楽曲の型を踏まえた上で、それを応用する形で踏み込んでいる自由の状態だと言えるんですよね。
だから曲分析やるとそういうのが見えてくるんで、いろんな曲を分析して、そのポピュラー音楽における自由っていう言葉の本当の意味をぜひ探ってみてほしいんですけど、分析やってそういうのが理解できたら、今度はやっぱりそれを自分の作曲にも取り入れていくようにすると。
作曲者自身としてもそのポピュラー音楽における自由っていうのを表現できるようになってきますよね。だから聴き手がその曲に親しみを持ちながらも独自性が生み出されている状態っていうかね。
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だからそれがそのポピュラーの作曲における自由な発想で作曲をするっていう状態に相当するものだと私は思ってます。
だから繰り返しになりますけど、作曲の中で自由を取り入れていくためには、やっぱり初めに標準的な楽曲の型を知って、それをある程度作れるようになって、その型を破るように自分らしさを加えるっていうかね。
それが大事だと言えますかね。型を破るためにまず初めに型を知るというかね。だから自由にやっていいって言って、もう何も考えずに本当に無秩序でやると、ただ単にわけわかんない曲になっちゃうだけなんで。
だからやっぱりそうじゃないと。本当の意味でのポピュラー音楽の自由は型があり、ルールがあり、ルールを乗り越えるところに自由があるんで。だから親しみやすさと個性的なアイディアのバランスを取るっていうかね。
それが大事ですかね。それがやっぱり作った本人としても、その両方のバランスが取れてる。で、結構個性的でもあり、きちんとその音楽としてもそこに親しみというか、その個性的であることを受け入れられる魅力がある曲になり、その作品としての満足度も高くなると思うんですよね。
で、聴き手の皆さんもその理想的な形の自由っていうのをきちんと表現できてるその曲を聴いて、いいねってね、個性的でいいね、独特な雰囲気があっていいねっていうようなポジティブな意見をくれるようになるんですよね。
だからそういう感じで、その自由と無秩序を履き違えないようにするっていうかね。自由っていうのはやっぱルールがあり、型があり、それを乗り越える、それを前提としてそれをぶっ壊すっていうかね。そこに自由度があるんで、ぜひそういう発想でね、本当の意味でのこの自由な発想で、いい音楽を作ってみてほしいと思います。
はい、というわけで今回はポピュラー音楽の作曲におけるその自由っていう言葉がね、意味する本当のところについてね、お話をしてみました。
はい、また今回の内容について感想や質問等があれば、概要欄のリンクでぜひメッセージをください。
はい、では今回はこれで終わりになります。ありがとうございました。
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