DogsorCaravanのポッドキャスト、Run the Worldへようこそ。ということで、先週のことになりますけれども、
Mt. Fuji 100、2025年も開催されました。私もいろいろなことをやらせていただいたんですけれども、
この目の前で展開されるレース、非常に見応えのある様々なストーリーがありました。
それについては、DogsorCaravanのライブの速報というか、レポートの中でもお伝えしたものもありますし、
翌週に書いたDogsorCaravanの記事、レビュー記事、リザルトの紹介記事の中でもご紹介したんですけれども、
改めて、そういう中ではある程度客観的な情報をお伝えしたんですけれども、
もうちょっとお伝えしたいことがあったというか、私も発見したことがあったので、
このポッドキャストのエピソードとして、一人喋りというスタイルでお送りしようかなと思っています。
今日は8つ、全部で8個のストーリーラインということで、8個のトピックを用意しました。
それについて、それぞれ紹介していこうと思います。
まず1つ目は何と言っても、ホワキン・ロペス選手が歴史を刻む17時間台でのフィニッシュ、
100マイル17時間台、すなわち具体的には17時間48分40秒というタイムで優勝したという、
前人未到の大記録を叩き出したということなんですね。
優勝したからすごいタイムということなんですけれども、17時間48分というのはちょっとびっくりしませんか。
これまでマウントフジのコースって少しずつ変わっていますし、
2025年、今年のコース、コンディションは非常に良かった。
暑すぎず、ウェットなコンディションでもなかったので、非常に走りやすかったのは間違いないです。
ただそれにしても、これまで19時間台だったんですよね。
昨年のデンゴーミン選手もそうだし、非常に激しいバトルが広げられた、
2018年のパウカペイ選手とニステリカッタ・ディランボーマンのタイムもそうでしたし、
2019年のグザビエ・テペナールのタイムもそうでした。
なので、やっぱりそういう中で17時間48分というのはちょっととんでもない数字なんですよね。
私も途中レースの経過を追っていたところでは、
約97キロ地点の北陸公園のチェックポイントに到達したあたりでは、
大体19時間を切る、18時間台が見えているというような通過タイムだったんですよね。
なので、フィニッシュタイムは19時間をちょっと切るぐらいのタイムではないかと予想していたんですけれども、
恐ろしいことに、そこからどんどんどんどんペースが上がっていったんですよね。
最後には18時間を切って、17時間48分。
これはもう遅いました。
マラソンとかでも、最初のペースよりも後半の方にペースを上げてフィニッシュするという、
ネガティブスプリットという話がありますけれども、
まさにこの100マイルのトレイルレースでネガティブスプリットみたいなことをやってのけたのが、
今回のオアキン・ロペス選手ということなんですよね。
ちょっと本当にびっくりしました。
彼がフィニッシュした後にいろんなお話をしていましたけれども、
非常にこのコースのことも正確に把握していて、前半は非常に走れるコース、
後半に大きな山が回っていて、全然違うタイプのレースが2つ合わさっているようだと。
だから、両方が走れて、どっちも上手に走れる選手でなければ、
完璧なランナーでなければ、このマウントフジ100マイルは走れないんだと。
だから、今回自分をはじめ、感想をした選手の皆さんには本当におめでとうと言いたい、
敬意を表するというようなことを言っていたんですよね。
さらに、走っていて疲れませんでしたかというようなお話についても、
途中からはもうやめたくてやめたくてしょうがない、
でもやめたいから早く走ってフィニッシュしてやめたいんだと言っていましたよね。
それがネガティブスプリットみたいなすごいレースに繋がったのかどうかはちょっと分かりませんけれども、
やっぱりとんでもないことを成し遂げる人という人にはとんでもない発言があるものなんだなと改めて思いました。
あと彼の話の中では、今は彼はスペインに住んでいるそうなんですけれども、
自分の生まれた育ったエクアドルへの強い思いということを非常に強く私も話を聞いていて思いました。
この富士山の眺めについても彼が引き合いに出していたのはコトパクシですね。
これはエクアドルの中部にある大きな火山の山で、富士山よりもずっと高い6,000メートルぐらいある火山なんですけれども、
自分の生まれ育ったエクアドルにもコトパクシがあるんだよというようなことをおっしゃっていたんですよね。
もしかするとエクアドルという首都の基地とかも標高4,000メートルぐらいあるところに首都があるんですよね。
だからそういう国全体が非常に標高の高いところにある全体で言ってもいいと思うんですけれども、
そういうところで生まれ育ったことが何か有利に働いているということもあるのかもしれないですね。
自分が南アメリカ出身で、エクアドルの出身で、そこからトレイルランナーとして活躍することになったということを非常に誇りに持っているということをおっしゃっていて、
マウントフジについて、これは昨年のUTMB3位になった時もそういうふうに言っていましたけれども、
今回のマウントフジでもフェルナンド・マシェールさんがブラジル出身でバルセロナに住んでいる方で、
UTMBファンの皆さんにとってはおなじみの名前だと思いますけれども、
フェルナンド・マシェールさんに続いて、南米出身の自分が表彰台に立ったことを非常に誇りに思うということをおっしゃっていました。
これ以外にも、あといろいろなお話があったところでは、フィニッシュライン以外で業以外でもお話があったところでは、
自分でもコーチを一度受けたり、また奥様もいらっしゃっていましたけれども、奥様と一緒にこのレースに向けて準備をしてきて、
サポートを受けてということで、これはチームでの勝利なんだというようなこともおっしゃっていましたよね。
ご自身でもこういう南アメリカのトレイルランニングコミュニティをもっと盛り上げていきたい、
強い選手を生み出したいというような気持ちも持っていて、そういうコーチングのような組織というか、そういったことも始めているということだそうです。
南アメリカっていう、ブラジルにせよエクアドルにせよ、なかなか日本からは距離が遠いなとは思うんですけれども、
そういう形で日本で挑戦の場を選んでくれたアホアキン・ロペス選手がいたということは、
我々にとっても南アメリカ、エクアドルだったり、身近に感じる機会になったんじゃないかなと思います。
私個人的なお話で思い出したのは、
例えばブラジルのランナーの方とかでも、中には日本からブラジルに移民された方の、
昔ですね、100年前とかに移民された方の子孫というか、孫さんだったり暇子さんだったりという方がトレイルランニングをされていて、
そういう方と海外で会ったこともあって、自分も日本に縁があるので、ぜひ日本のレースで走ってみたいというようなお話を聞いたこともあります。
距離的には遠いですけれども、縁があるのかなというふうに思いました。
そして1つ目の、まだ1つ目しか話してないんですけれども、ストーリーラインですね。
2つ目のストーリーライン。
2つ目のストーリーラインはですね、新設の新しくできたアスミ40Kについてです。
初代女王はシャンフージャオが制した。
そして地元在住の吉住ユリさんとのデッドヒートを制したという話題であります。
アスミというレースは、今年初めて生まれたレースで、40キロのレースなんですよね。
まだ日本のストーリーラインファンの皆さんの間では、マウントフジといえば100マイルのレースであって、
40キロというのは物足りないんじゃないの?というような感覚があるんだと思うんですよね。
日本の有力選手は数が少なめだったかなという気がしましたけれども、
前後に他の各地でそれくらいのディスタンスのレース、ちょっと大きなレースが挟まれているということもあったと思うんですけれども、
ただ海外の選手はこういったところもちゃんと目をつけているんだなと思ったのが、
シャンフージャオさんがこの大会の40キロを選んでくれたということですよね。
ご存知の通り、2019年と2023年のマウントフジバンアンドレッド100マイルのチャンピオン、シャンフージャオさんなんですよね。
今回は40キロを走ったということであります。
最後の最後まで、それに加えて日本からはご存知、
ズーミンコとヨシズミ・ユリ選手がこの40キロに挑戦しました。
地元、富士ヨシダに住んでらっしゃるヨシズミさんにとってはホームのコースということで、
そこで世界トップクラスのトレールランナーという評判が確立していると言っていいと思います。
そのシャンフージャオさんとのレース、すごく燃えたというふうに思います。
実は熱いレースが繰り広げられました。
展開としては、ヨシズミさんも振り返りのインタビューの中でおっしゃっていましたけれども、
あすに40キロってお城に出て、富士ヨシダの江戸ステーション25キロ地点ですかね、
そのあたりまではわりと走りやすい、起伏の小さめのトレイルが続いているんですよね。
そこで1分差でリードされているというふうにヨシズミさんは聞かれたというふうにおっしゃっていたと思うんですね。
だからまだ追いつける可能性があるぞということで、その後追って、
最後の下山、標高差700メートルぐらいの登りがあるセクションですけれども、そこに向けて勝負をかけたということなんですが、
実際にその下山の登りを経て降りてきたところでは、このシャンフージャオ選手がリーを広げていたということだったんですよね。
実際2人の間は約3分半ほどの差が開いてフィニッシュということ、フィニッシュ地点では3分半の差に開いたんですよね。
ヨシズミさんもこれにはちょっとね、自分のコースレコードというか、いつも走っているベストのタイムで駆け下りたぐらいだったんだけれども、
そこまで差を広げられたということに唖然というようなことをおっしゃっていたと思うんですね。
これに対してシャンフージャオさんですね、フィニッシュした後にいろんな話がありましたけれども、最後の表彰式の時にですね、
コメントしてマイクを向けられて、ヨシズミさんの名前を挙げて、ヨシズミさんと今日はすごくいいレースができたということをおっしゃって、
シャンフージャオさんは言ってたんですよね。シャンフージャオさんに曰くヨシズミさんは地元のレース、地元に住んでいるランナーで、
ここはホームとして走っていてすごく強い選手だということもよく知っていた上で、今回のレースでヨシズミさんと一緒にレースをしたということで、
本当に最後の最後、自分がちょっと運が良かったというふうに振り返っていました。
あともう一つ、シャンフージャオさんがおっしゃっていたのは、自分もヨシズミさんも非常に小柄で、
そういう小柄であるところで、自分も中国ではあなたってそんなに小柄なのによくそんなに走れるねというようなことをよく言われるということなんだそうですね。
そういうふうな経験があるからこそヨシズミさんを見て、自分たちは小柄だけれどもすごく力を持っていると、走れば速いと、強い足を持っていると、
だからもっと他の人の周りから見た目だけではわからないようなことができるんだというようなことをシャンフージャオさんはおっしゃっていて、
ヨシズミさんにエールを送る、一緒に頑張りましょうというエールを送っていたんですね。
これもさすがだなと思いました。
正直言ってシャンフージャオさんにとって今回のアスミというレースは、自分がプロランナーとして育っていくようになったきっかけをくれた
このマウントフジ100という大会に何らかの形で関わりたいということだと思うんですね。
実際この前の週に中国の雲中山というマウント雲バイUTMBというレースで100キロのレースでかなり優勝しているんですよね。
だから中国のトレードランナーとして、中国で行われたバイUTMBのレースではそこで勝つというのが今回の大きな目標であっただろうと。
前の週に大きな目標があったと。
さらに6月にはウェスタンステージが掛かってますよね。
去年シャンフージャオさんは2位だったので、今年はウェスタンステージで頂点に立ちたいという気持ちが当然あると思うし、そこに向けて最優先で調整をしているということだと思うんですね。
そういう中でアスミという距離をあえて選んだということなんですけれども、
そういう中でも単に自分が遊びに来たということではなくて、
ヨシルネさんへのリスペクト、マウントフジという大会へのリスペクトというのがすごく感じられるコメントでもあったし、今回の参加されたシャンフージャオさんの姿だったのかなというふうに思いました。
あとシャンフージャオさんについては、僕が一つ気がついたこととしては、
彼女のイメージとして、日本の皆さん、マウントフジでご覧になった皆さんは、いわゆる荒れちゃんスタイルというんですかね。
髪を後ろでまとめて、大きなボストン型のメガネをかけて走るという姿というのがすごく印象があると思うんです。
今回もそういうスタイルだったんですよね。
僕は何度か中国だったり、香港とかでシャンフージャオさんと会ったし、走っているのも見ましたけれども、
特にここ2,3年、最近はですね、必ずしもメガネされていないこともあるんですよね。
メガネせずにレース走っていることもあるし、
あと髪も、パーマっていうんですか、少しウェーブがかかったような髪型をされていることもあるし、
必ずしも、いわゆる荒れちゃんスタイルではないんですよね。
ただ今回はマウントフジに来るにあたっては、やっぱり荒れちゃんスタイルを自ら選んだってことじゃないか。
つまり日本の皆さんにとっては、自分はこういうイメージだからと、
自分はこういう荒れちゃんスタイルということで知ってもらっているから、
それに応えた見かけにしようというふうに彼女は思ったんじゃないかなと思うんですね。
これは直接そうですかと聞いたわけではないんですけれども、
多分そういうことだろうと。
何が言いたいかというと、すごいプロ意識だなということなんですよね。
周りからどういうふうに見られているかということをよく意識して、
それに応えるようなスタイルだったり、話し方だったり、メッセージだったりとか、
もちろん本人の性格から来るものが大きいとは思いますけれども、
すごくトレーランニングのアスリートとしてここまでプロ意識を持っている人がいるんだなというふうに、
私はそんなふうに感じた今回のマウントフジだったんですよね。
はい、ちょっとまた話が長くなりましたけど、まだ3つ目です。
3つ目は原野富士100マイル女子ですね。
有力候補がリタイヤする中で、ちゃんまいさんが栄冠をつかみました。
富士100女子のレースは非常に荒れたレースになりましたね。
まず優勝候補の2人いたんですよね。
そのうちの1人であったイーアンナさんですね。
中国の他チームのアスリートで、この方もレースの前にインタビューしました。
非常に面白いエピソードを持っている方で、
ほとんど走った経験はなかったけれども、
わずか2,3年前に太りすぎていたから、それで痩せたいと思って走り始めたところ、
どんどんランニングにハマっていって、トレイルランニングにハマっていって、
ウルトラディスタンスにハマっていって、
したら世界トップクラスに近いようなところに手が届くようなランナーになっていて、
今や他がサポートするプロトレイルランナーになっているというのが
イーアンナさんなんですけれども、残念ながら日本には来ていらっしゃったんですけれども、
ちょっと故障というか怪我があってスタートはしませんでした。スタートラインに立ちませんでした。
ということで1人の優勝候補がスタートしなかった。
もう1人がクラウディア・トレンペス選手なんですね。
クラウディアさんはスペインのバルセロナというかカタロニアの選手ですね。
カタロニア出身で今も在住の選手。
建築家という顔も持っている、そういうクラウディアさんなんですけれども、
今回は満を持して去年も来たかったんだけれども、
十分な調整ができるような日程で旅行を日本に来る予定が決めなかったからということで、
あえて見送って今年2週間近く前から日本に入って、
入念にトレーニングしながら観光するというようなリラックスした姿勢で準備をしてきたということだったんですよね。
ただ実際、私もインタビューしましたけれども、
すごくマウントフジへの強い思いが感じられたんですよね。
ぜひインタビュー見ていただきたいと思うんですけれども、
ただ実際スタートすると連座されてしまったということなんですね。
しかもかなり早いタイミングで、
この23キロ、24キロかな、最初のチェックポイント、フジノミアに来る時には、
ちょっと足がおかしいんだよねということで、
そういうジェスチャーというか、スペイン人のカメラクルーとかがいたので、
スペイン語で多分話したと思うんですけれども、
ちょっと足を押さえながらそんな話をしていたということなんですね。
レースが終わった後にインスタグラムを見ると、
気がつかないところに穴があって、東京電力の総電線の巡視塔のあたりなんですかね、
そこに足がはまってしまって、そこで足をくじいてしまったということが書かれていました。
その足の痛みを抱えながらもレースはリードしていて、
その後25キロ以上走ってふもと52キロまでたどり着いていたんですけれども、
その時もトップだったんですが、
どうしても足がこのままではフィニッシュできそうにないというような不安があって、
最後はエイドステーションで涙をおえつしながらというか、
胸が締め付けられるようなシーンがありました。
なかなかつらい判断だったと思いますが、
ここでクラウディアさんがリタイアしてしまったんですよね。
その後トップに立ったのはチャン・マンイー選手。
この方は香港のアスリート、トレーニングランナーで、
香港のコミュニティの間では非常に有名人ですよね。
スワッと長い足が、非常に見ていてかっこいいランナーでいらっしゃるんですけれども、
トレーニングランナーとしては、2022年に
香港4ウルトラトレイルズチャレンジですね。
290キロか、一気に走り通すというチャレンジで、
60時間以内のフィニッシャーとなっています。
さらに2023年の香港100のチャンピオンでもあるということで、
香港のコミュニティではよく知られたランナーなんですね。
このチャン・マンイーさんが先頭に立つことになって、
前にいた選手を追い抜いたわけではなかったんですけれども、
途中から先頭に立つことになって、見事にリードを守りきったということなんですよね。
フィニッシュタイムが23時間、42時間、24時間きりを達成されたということなんですよね。
このチャン・マンイーさんは2019年の雪が降った時にですね、
マウントフジ100、当時はUTMFでしたけれども、
その時、女性選手って9人ぐらいしかフィニッシュしてないんですけれども、
彼女は5位でフィニッシュしてたんですよね。
その時のことを思い出して、
その時はフジさんも見えなかったけれども、今回はフジさん見えてすごく良かったということを
フィニッシュラインのインタビューでもおっしゃってました。
あと僕が色々調べていて気が付いて、本人にもお尋ねしたところ、
そうだということだったんですけど、実は彼女のもう一つの顔として、
お医者さん、ドクターでいらっしゃって、整形外科のドクターでいらっしゃるそうなんですね。
大きな病院に勤めて勤務されている整形外科医という顔を持たれているチャンマインさん。
その整形外科のお医者さんであることって、トレイルランニング、ウルトラランナーとして
何か役立つことありますかというふうにお尋ねしたんですけれども、
走っているといろんな痛みがありますということで、
そういうのをどこが痛いかを自分で調べて確認して、
痛いところを痛めないような走り方をしたりすることもあるということをおっしゃっていました。
実際にはお医者さんだから、整形外科だから、
うまく走れるというか、怪我せず走れるということでは必ずしもないのかもしれませんけれども、
なるほどなというふうに思いました。
これからもチャンマインさん、
日本と香港のトレイルランニングコミュニティをつなぐような
そういうキャラクターというか、アスリートとして
今後も私に注目してお話を伺っていきたいなというふうに思いました。
そしてどんどんいきましょう。
4つ目のトピックですけれども、4つ目のトピックは川崎さんです。
日本の維持とばかりに頑張った川崎優弥選手が世界の壁に挑んで見事3位になりました。
田口銘選手、タイラー・グリーン選手とも2位争いを制したということになります。
富士100マイルはホワキン・ロベス選手の話をしています。
先ほどしましたけれども、それに続く選手たちもすごくドラマチックな展開でした。
結果としては川崎さんが争いを制することができなかったんですね。
川崎さんは3位、18時間57分21位。
田口銘選手はわずか48秒ほど前にフィニッシュしていったということで、川崎さんは2位になることは残念ながらできなかったけれども、見事に3位に入ったということです。
川崎さんにとっては昨年のマウントフィジ100DNFということになりましたので、なんとか今年は頑張ろうという思いで強かったというふうにレース前のインタビューでも伺いました。
川崎さんは2023年のマウントフィジ100でジョージャージュ選手について準優勝していますよね。
そういうこともあるので、海外勢はマウントフィジ100は国際的な大会なので、海外のトップ選手が頂点に立つというのが多くて、日本の選手にとってはなかなか表彰台に立つことも大変ハードルの高いことなんですけれども、川崎さんはそれに何としても挑もうということで、
日本のレースなんだから日本人として頑張りたいというような強い意思を持って、今回のマウントフィジにも臨まれたということだったんですよね。
最後、お子さんを抱えてフィニッシュしていらっしゃったんですけれども、フィニッシュラインでもおっしゃっていましたけれども、本当はよくあるように手を繋いで一緒に走ってテープを切りたいというようなことを考えていらっしゃったそうなんですけれども、
川崎さんのタイムが18時間57分21秒ということで、何とかしても19時間は切りたいということで、途中からはもう抱きかかえてフィニッシュすることになりましたということをおっしゃっていました。
そんなお話だったんですね。川崎さんの検討の背後で、実はデンゴーミン選手が2位で、2位のデンゴーミン選手と、あと川崎優弥選手から8分ほど後にフィニッシュしたタイラー・グリーン選手も検討したというか、ちょっとした悲劇があったんですよね。
実はデンゴーミン選手とタイラー・グリーン選手は途中どこかロストしていたということなんですよね。私ちょっと気になって、いぶきとかを少し見てみたんですけれども、どうも97キロ地点のチェックポイント、北陸公園の体育館ですね。
体育館を出て、フェアサポートを受けて体育館を出てからコースに戻るんですけれども、そこで北陸公園の中でコースを間違ってしまって、結果としては北陸公園の中を陸上競技場のトラックの裏側の方をぐるっと回ってくるような形になってしまって、あれおかしいぞということになったみたいですね。
その後ろに続いていたタイラー・グリーン選手も一緒にそこで時間をロストすることになってしまって、確かに30分弱、25分ぐらい、その北陸公園の中をぐるっと回ってしまっていて、あれここどこだとなって、そしてちゃんと正規のコースに乗っとって、北陸公園の外に出るまで25分ぐらいのロストがあったということですね。
なのでデン・ゴーミン選手、タイラー・グリーン選手にとってはちょっと心残りではあったと思います。
それでもデン・ゴーミン選手が川崎さんを捉えて前に出たというのは本当に意地というか、決して諦めないというかですね、ロストということがあったとしても自分のベストを尽くすんだという強い意志の現れということだったかと思います。
30分ロストですからね、これは心のショックは大きかったと思いますけれども、そこを持ち直して最後に2位になるまで走り続けたというところはデン・ゴーミン選手、さすがあっぱれ、昨年のチャンピオンの素晴らしい走りを今年も見せてくれたということを言っていいんじゃないかと思います。
タイラー・グリーン選手にとっても4位にはなりましたけれども、やっぱりトップ3に入りたかったし、さらにもっと上も狙いたかったですよね。
ちょっと残念な結果では、残念な出来事ではありましたけれども、決してそれを文句というのではなくて、今見ている話もね、私がちょっと聞いて色々調べてやっと出てきた話ではありますので、
そんなことも皆さんにちょっとここでお伝えしていけたらいいなと思ってお話ししました。
彼女はノルダのアスリートということで、私も先日レビューさせていただいたノルダ005を履いていましたね。
1回70Kはノルダで勝利したということでした。
あと3つほどストーリーラインがあります。ご紹介しましょう。
アスミの40Kですね。アスミ40Kの男子はモンガンフー選手が勝利しました。
わずか18秒差で小笠原孝賢さんとの最後のバトルを制したというレースだったんですね。
こちら女子の方について、アスミの男子の方でも中国のモンガンフー選手が優勝しました。
小笠原孝賢選手との最後までの競り合いということになったんですが、
ただ、僕が後で聞いた話というか、本人が言っていたインタビューでのコメントとかも考えても、
やっぱりこのモンガンフー選手の方が実力では小笠原孝賢さんよりも上だったのかなという印象を持ちました。
まだ27歳のモンガンフー選手、まだ若い選手ですけれども、
すでに中国のトレイルレースでは大きなレースを次々に制している注目株なんですよね。
悲しむと40キロが強いという選手でもないんですよね。100キロとかが本当は速い選手なんですけれども、
あえて今回は40キロを選んで、どういうコースなのか。
これも先ほどの慎二谷選手の話に通じますけれども、どんな大会なのか、
雰囲気を感じ取って、それを理解した上で、次に来年以降に行かそうという、
そういう発想になったみたいですね。
レースの展開としては、モンガンフー選手と小笠原孝賢選手と、
あとソマス・カリ選手、フィンランドの3選手が序盤からの戦闘集団で、
下にモンガンフー選手と小笠原孝賢選手というレースになって、
藤吉田のチェックポイントですね。
25キロ、あと残り11キロというところで大きな山を残したところで、
モンガンフー選手が少し先に出るようになって、下山には先に行っちゃう。
そこからの先は、あえて引き離さずに近いところを走りながら、
モンガンフー選手はフィニッシュしたと。
モンガンフー選手は、私が少し聞きかじった情報によれば、
最後の最後まで、割と余裕のあるリラックスしたジョブというスタイルで、
完全に全力を出しているという感じではない軽い走りだったという話を聞きました。
小笠原さんも、もしかしたらそんなに軽い走りだったのかもしれませんけれども、
今の話からすると、やっぱりモンガンフー選手が、
ちょっと余裕を持った走りでフィニッシュしたのかなという印象を持ちました。
ただ、これシャンフージャオさんの話にも通じますけれども、
フィニッシュラインでのインタビューでは、
彼もすごく真摯というか、小笠原さんに対するリスペクトというか、
失わないというか、最後の最後まで競り合うことができて、
少し運が良かったから自分が勝てたというような話し方をするんですよね。
この辺もリスペクトというか、プロらしいというか、
すごくよく考えた発言をする人だなと。
もちろん彼がいろんな人にアドバイスを受けて、
プロとしてはこういう発言をしましょうということを、
教育というか、アドバイスを受けているんだと思うんですよね。
ガチでぶち当たって、ガチで勝負して、
どっちが速いか競い合うのを楽しみにしているというのも面白いけれども、
そういう場面だけではないレースもあるし、
そういう中で自分がどういうふうに発言すればいいかとか、
どういう態度でみんなの前にお話しすればいいかとか、
よく考えられているし、
なかなか日本のランナーとかでも、
同じような話しぶりというのはあまり聞いたことがない気がするんですよね。
だから、別に誰もが真似しないでいけないようなことではないですけれども、
中国のトレイルランニング恐るべしだなというふうに思いました。
これからも日本のトレイルランナーにとっても参考にするべきところが
いろいろあるんじゃないかなというふうに私は思いますね。
で、たぶんこのモンガンフル選手もおそらくは来年、再来年には
どこかで100マイル、あるいは会かもしれませんけれども、
富士の100マイルを挑戦して、
いつかは頂点、富士の100マイルのチャンピオンになる日が来るだろうというふうに私は思います。
これは予言だとして、あまりにも簡単すぎる予言だと思います。間違いないと思います。
そして伊藤有香選手のお話です。100マイルの女子ですね。
伊藤有香選手が女子3位に入りました。
日本の女子の選手にとっては、今回優勝候補の2人の選手がレースを知らなかったり、
リタイアしたりしましたので、トップ3に入るチャンスだったと思うんですよね。
そういう中で、トップは少しずつ入れ替わっていって、最後に伊藤有香選手が3位につけたということですよね。
伊藤さんも、特に九州のウェディランディングコミュニティの間でも
すごく活躍されている選手としても知らない人はいない存在だと思うんですけれども、
伊藤さんもおっしゃっていましたけれども、
昨年は目標としていたレースで思うようなシーンがなかなかできなかった。
例えばアジアン選手権とかも埋めてですね。
もう一つというところが正直あったと。
そういう中で、あともう一つは自分は100マイルという距離が好きなんだとおっしゃっていましたよね。
他の距離もいいけれども、100マイルというところで自分の力がどれだけ出せるかということに
すごく意味を感じているということだと思うんですね。
そういう特異とする100マイルレースで今回3位になったというのはですね、
伊藤さんにとっても大きなアスリートとしてのマイルストーンになるような大きな出来事だったんじゃないかと思います。
24時間59分43秒ということで、伊藤有香さんが選手が3位になりました。
そのストーリーラインですけれども、今回のフジワンハンドレット、過去最多の3800人弱がですね、
富士山旅行をかける45カ国から集まる非常に国際的な大会となりましたということなんですね。
もちろんインバウンドは一般的な状況として海外からの観光客が増えているという状況も手伝っていると思うんですけれども、
そういう中でトレイルランニングのレースを日本でしてみたいというような人にとって、
マウントフジワンハンドレットがすごくいい場になっている、格好の場所になっているということだと思うんですね。
いろんな大会、他にも100マイルの大会、魅力ある大会はありますけれども、
海外の人たちにとって参加しやすくて情報があって、ぜひ走ってみたいというふうに思える大会であるというのはね、
それがマウントフジワンハンドレットであるということは間違いがないのかなと思いますね。
これは他人のフジという場所がいいというだけでなくて、海外の人たちにとってもどんなホースなのか、
どんな経験ができるのかということを分かりやすく伝えて、
実際にそのオペレーションもね、いろんな工夫をして磨き上げられてきたと。
本当にマウントフジの大会とか夜とか、車でコースの近くとかを通るだけでもですね、
本当にたくさんの方がその選手を応援して、安全に走れるように警備の方がいらっしゃって、リードステーションがあってということで、
本当に大きな力が動いている、たくさんの人の助けとお金もかかってますけれども、
そういうものがあって成り立っているものなんだなというふうに思いますし、
なかなかこれだけの規模の大会が月々に生まれてくるというふうにいかないというのも分かる気がするというか、
大変な大会なんだなということを改めて思いました。
これからも、先日ナミレムさんとレビューのエピソードをお話ししたときには、
マウントフジはエントリーの人、まずは100マイル走ってみたいという人が目標にするという大会で、
ある程度やるとまたちょっと違う大会を走ってみたくなって、
あとはその世界トップを目指すような、日本のトップクラスのランナーの目標にするような大会ということで、
ちょっと両極端な大会になっているんじゃないかということをお話も出ましたけれども、
それも確かだし、いろいろ経験を積んだ上で、
フジ以外の100マイルのレースも走られるのはいいと思うんですけれども、
また、このマウントフジの魅力をいろんな人に思い出されなきゃというのも意味のあることなんじゃないかというふうに思いました。
というわけで、以上8つのストーリーラインに基づいて、
2025年のマウントフジ100を振り返りました。
ドクサーキャラバンのポッドキャストランザワールドでは、