1. 青空文庫朗読する人
  2. 去年の木/新美南吉
2024-10-20 05:02

去年の木/新美南吉

spotify apple_podcasts youtube
作品名:去年の木
著者:新美南吉

図書カード:https://www.aozora.gr.jp/cards/000121/card4719.html

青空文庫:https://www.aozora.gr.jp/index.html

ブンゴウサーチ for Kids:https://bungo-search.com/juvenile

BGMタイトル: Maisie Lee 作者: Blue Dot Sessions 楽曲リンク: https://freemusicarchive.org/music/Blue_Dot_Sessions/Nursury/Maisie_Lee/ ライセンス: CC BY-SA 4.0

サマリー

去年の木と小鳥の友情の物語は、冬に別れ、春に再会する様子を描いていますが、木が亡くなると、小鳥はその痕跡を探し求める旅に出ます。

去年の木と小鳥の友情
去年の木、新美南吉。
一本の木と一羽の小鳥とは大変仲良しでした。
小鳥は一日その木の枝で歌を歌い、
木は一日中小鳥の歌を聴いていました。
けれど寒い冬が近づいてきたので、
小鳥は木から別れて行かねばなりませんでした。
さよなら、また来年来て歌を聴かせてください、
と木は言いました。
ええ、それまで待っててね、
と小鳥は言って南の方へ飛んで行きました。
春がめぐってきました。野や森から雪が消えていきました。
小鳥は仲良しの去年の木のところへまた帰っていきました。
ところがこれはどうしたことでしょう。
木はそこにありませんでした。
根っこだけが残っていました。
ここに立ってた木はどこへ行ったの?
と小鳥は根っこに聞きました。
根っこは木こりが斧で打ち倒して谷の方へ持って行っちゃったよ、
と言いました。
小鳥は谷の方へ飛んで行きました。
谷の底には大きな工場があって、
木を切る音がディーン、ディーンとしていました。
小鳥は工場の門の上に止まって、
門さん、私の仲良しの木はどうなったか知りませんか?
と聞きました。
門は木なら工場の中で細かく切り刻まれて
マッチになってあっちの村へ売られていったよ、
と言いました。
小鳥の歌と火の灯
小鳥は村の方へ飛んで行きました。
ランプのそばに女の子がいました。
そこで小鳥は、
もしもし、マッチをご存じありませんか?
と聞きました。
すると女の子は、
マッチは燃えてしまいました。
けれどマッチの灯した火がまだこのランプに灯っています、
と言いました。
小鳥はランプの火をじっと見つめておりました。
それから去年の歌を歌って火に聞かせてやりました。
火はゆらゆらと揺らめいて、
心から喜んでいるように見えました。
歌を歌ってしまうと、
小鳥はまたじっとランプの火を見ていました。
それからどこかへ飛んで行ってしまいました。
05:02

コメント

スクロール