路地裏クリエイティブの谷口です。
同じく丸山です。
この番組は、事業会社とPR会社という広告クリエイティブの路地裏にルーツを持つ2人が、企画やコピーなどについて自由に語っていく番組です。
決まった台本は特になし、興味のあるテーマについて気の向くまま喋っていきます。
なお、番組内での発言は基本的に個人の考えであり、所属する企業の立場や見解を反映するものではありません。
それでは早速スタートです。
谷口さん、突然ですが問題です。
また来ましたね、今回。
このスタイルでやらせていただきます。
ある日、カザフスタンで総合格闘技の試合が行われた。
しかし、普通はマッチすることのない男女の選手が対決する特別マッチだけが組まれた。
それはなぜだろう。
はい、ということですね。
路地裏クリエイティブ、今回は世界の面白企画事例クイズ、スパイクスアジア2025編ということでですね。
ちょっと拍手している余裕がないんですけど、今考えているんで。
前回のAdFestに続いてスパイクスアジアもやってきましたが。
前に放送した回で、AdFest 2025というタイの広告祭の事例をクイズ形式で紹介させてもらったんですけれども、それが結構好評でして、ありがとうございます。
ありがとうございます。
そんな中、スパイクスアジア2025というですね、こちらも世界の代表的な広告祭の結果がちょうど4月末に発表されまして、
収録のタイミングは今5月なので、ちょうどいいタイミングだなということで、また紹介していきたいなと思って、ちょっと擦らせていただこうかなと思っております。
このフレームをね、擦れる分だけ擦っていこうという作戦ですよね。
でもスパイクスも僕も全然事例知らないので、前回はハメられましたけど、今回も知らないので同じ状況ではあるんですけど、一生懸命考えて答えたいなと思いますので、よろしくお願いします。
よろしくお願いします。この瞬発力が求められるコーナーということで。
こちらのコーナーはですね、この世界の今面白い広告企画の事例を受け手の生活者目線のミニクイズ形式でインプットしていく、そんなコンセプトでやっております。
まず今回題材としているスパイクスアジア2025なんですけども、このスパイクスアジアという広告祭についてちょっと軽くお話しさせていただきます。
スパイクスアジアはですね、世界最大の広告祭であるカンヌライオンズのアジア太平洋地域版のフェスティバルになります。
カンヌに並ぶですね、代表的な世界の広告祭として毎年シンガポールで開催されているということで、業界の人にとってはお馴染みだと思います。
歴史は意外と古くて1986年、実に40年前くらいから開催されていて、2025年は20の国と地域から2700点以上の実際に掲出されて成果を残した世界の7つの広告事例のエントリーがあったらしいですということですね。
一応個人的なスパイクスアジアとの因縁というか、
因縁。
物についてはですね、僕が去年、ヤングスパイクスというですね、30歳以下のクリエイターだけが参加できる若手版の企画コンプみたいなものがありまして、そこに参加をしておりました。
これがですね、アジア太平洋の各国で選ばれた、その国で2組だけが参加できるというもので、いくつか部門があるんですが、僕はその中のデジタル部門という部門でですね、国内予選でシルバーをいただくことができて、参戦することができました。
なお、ゴールドのチームがフランスのカンヌのほうのヤングカンヌというものに行って、シルバーのチームがアジアのスパイクスのほうに行くというようなことになっております。
これがまたオリエンテーションを受けてから、24時間で企画書を作って、しかも英語で作って、その後英語でプレゼンしてって、すんごい大変なんですよ。
ヤバそう。
そんなことを若手の30歳までにするっていうのが、一つの広告業界の中の目標みたいなとなっているわけなんですけども。
でもあれですよ、僕みたいに瞬間的に3秒で答えを出さなきゃいけない、このプレッシャーも並々ならぬものがあるので、同じくらいかもしれないですよ。
逆に24時間当たらないから。
そちらは24時間あるわけですよ。僕は3秒しかないですから。
確かに。
瞬発的な力っていうのは同じように求められているかもしれないですけども。
一応その現地で去年コンプに参加してきて、スパイクスの空気感みたいなものを肌目で感じたんですけども、
個人的にこのスパイクスというフェスティバルの独自性だなというふうに解釈したところは、
このカンヌの系譜であるとにかくグローバルでパワフルなインサイトとでっかい課題解決のリザルトという要素と、
地域版ならではのローカルな事情とか背景からなるインサイトっていうのを両立しているクリエイティブが多く受賞している。
そんな印象を僕は持ちました。
受賞作自体は以前お話ししたアドフェストで受賞しているものも結構多いんですけども、
アドフェストの方がよりローカルな事情とか背景を利用して面白いことをしているというものが評価されているんじゃないかなというふうに、
どちらも現地で見た感じとしては受けました。
この辺りは前回のアドフェストの事例クイズの方も、もしよければお聞き比べしてみてもらえたらなというふうに思います。
ぜひぜひ。
やっぱり海外の広告書なんで、文化や言葉を飛び越えてですね、世界中の人が本能的にすごいとか面白いって思うようなシンプルでボールドな事例が多くて、
やっぱり僕はこういうのが好きなんで、今回も結構強烈な事例をいくつか。
強烈なやつ。
インパクトが大きい、クリエイティブジャンプが大きいものを持ってきましたというところで、
基本情報はそんなところにして、世界の最先端の広告事例ということで早速紹介していきたいと思います。
はい。
では冒頭の問題に戻りますね。
はい。
ある日、カザフスタンで総合格闘技の試合が行われた。
しかし、普通はマッチすることのない男女の選手が対決する特別マッチだけが組まれた。
それはなぜだろう。
ということで、こちらジーフォースグレイというですね、現地の広告代理店が手掛けた社会啓発の事例になるんですけれども、こちらいかがですか。
社会啓発の事例。
はい、ちょっと一個ヒントを。
ヒントですね、それはめちゃくちゃ。前回ヒントくれなかったからちょっとだけ優しくなったってことですね。
ちょっとだけハードルを下げてきましたね。
でも全然わかんないですけど、普通に直感で社会啓発を含めて思ったのは、やっぱり女性の方が社会的な身分が低いとされていることを変えるというアクションとして、
普通に部門が違ったものを男女で一緒にして、実は女性も強いんだぞ、みたいなことをやったっていう風に最初は思うんですけど、
それだとそのね、ビッグでボールドなジャンプかって言われると、なんか普通だなぁみたいなことを思ったんで、勝手に、でも啓蒙のところなんですもんね。
いや、啓蒙っていうヒントがなければ好きかって言えたんですけど、勝手にもうそっちを暴走して話しちゃうと、
なんかそういうプロテインメーカーとかが女性用のやつを作っていて、これを食えば男性よりも勝てるよみたいな形のPRとしてそういうの仕込んだのかなと。
ちょっと無理やりジャンプを、そこに食品メーカーみたいなことを掛け合わせていく形で面白くしようかなと思ったんですけど、
でもそうすると社会啓蒙とはちょっと違ってくるので、どういうことなんだっていうのはちょっと自分の中で今クエスチョンが浮かんでいます。
なるほどね。それもなんか面白いですね。マーケティングというか反則のPRとして。
そうですそうです。なんかもうそういうことかなとかちょっと思ったんですけど。
確かに確かに。子供が食べて大人に勝つみたいな、そういう構図にも展開している。
そうですねそうですね。
確かに確かに。でもなんかまさに今お話ししてもらったように、ある種ちょっとこのカザフスタンという国で女性がちょっと弱い立場にあるっていう問題の啓発っていうようなところだったので、
そこがちょっと出たのでまたすぐ回答に。
そこはあっているってことなんだ。ちょっとそこからの続きが楽しみだな。
そうなんです。これはですねかなり僕すごいなと思った事例ですね。
こちらの事例はですね、カザフスタンの国内で深刻化している男性から女性への家庭内暴力の問題に対する男性の無関心を打破するための施策。
そっちか。大きなテーマはあっているけど、なるほどな。そこか。
一応カザフスタンでは多くの家庭で男性から女性への家庭内暴力が発生していたという状況がありました。
しかし男性の方がこの問題に無関心で、犯罪なんだけど犯罪としても認識していない状況でしたと。
社会的な議論もほとんど行われていなかったという状況だったんですね。
そこでですね、カザフスタンの国内でとっても人気の高い、特に男性人気の高い総合格闘技の試合中継というものに着目をしました。
初めて国内で男女のマッチを組んで、これが家庭内暴力をメタファーしているんだよというようなメッセージをつけて、
目を背けられていた問題を無視できない形で、かしかし議論できる社会を作り出したのだったということで、
カザフスタンのThe National Sport of Kazakhstanという事例でございます。
なるほど。でもそれってテレビ見てたら、男性が女性を結構パンチして暴力を振るっているわけじゃないですか。
スポーツなんで、そこはエンタメもありつつだと思うんですけど、結構女性をバシバシ叩いたりしていることが流れたっていうことなんですかね。
そうですね。これは男性も女性もプロのMMAの選手で戦ったっていうことらしいんですけど、
勝敗というよりは企画面もすごい良いなと思って、The National Sport of Kazakhstanじゃないですか。
今のこの状況だと、カザフスタンの国のスポーツって家庭内暴力ってことになっちゃわないっていうことを啓発しているというか。
このMMAというもののフォーマットを借りて、カザフスタンの中で今流行っているスポーツみたいな感じで、家庭内暴力をメタファーしたっていう、ここにものすごいクリエイティブジャンプがあるという。
という解説を受けて、僕もなるほどと思ったんですよね。
なんかね、男性の女性暴力だから、それを他の場に転換したら、そういうスポーツ的なボクシングとか含めて男女がやってればみたいな、なんかそういうことじゃないってことですよね。
しかもちょっと話聞いてて、僕もいいなと思ったのは、男性が無自覚であるから、男性が見ているメディアに対してそれを忍ばせるっていうやり方が、ちゃんと戦略的に合致しているというか、
そこに戦略があるから、表現として評価されている感じがすごくあるので、ただの思いつきアイデアじゃなくて、そういう気づかせたい相手に対して、そこが見ているメディアにこういうメッセージを仕込むっていう、そこの部分でジャンプが起きているところが、すごいいい企画なんじゃないかなと思いましたね。
おっしゃるとおりだと思います。やっぱりこのアイデアのジャンプの飛ばし方って、個人的に大きく二方向あるなと思っていて、一つが今タニムさんがおっしゃってくれたように、みんながすでに接している自然な動線の中に課題解決とかメッセージを仕込ませる、潜ませるっていうタイプ。
既存の何かをハックするみたいによく言うようなパターンですよね。
そうですね。もう一個が、新しいみんなが意識するようなものというか、関心を寄せるようなものを作り出して、それによって何かを伝えるっていうような。
新しい基準とか視点を世の中に打ち立てるみたいな感じですよね、そっちは。
この事例に関してはまさに、みんなが無意識のうちに見ているものに問題啓発っていうものを仕込ませるという。
割と社会啓発とかっていうものっていうのは、こっち側の方が相性いいのかなっていうような気もしますし。
今のこっち側っていうのは前者ってことですかね。
そうですね。無意識のうちに接しているものに潜ませるっていう方が相性がいいのかなと。
気づかせる上では早いですもんね、ドキッとさせるっていう意味ではね。
全く新しいところからそういうこと言われるより、自分が馴染みよく触れてたものから、でもそれってこうじゃないですかみたいなことが急にパンチされる感じみたいなのは早いですもんね。
確かに確かに。そもそも社会啓発って、みんなが無意識のうちに感じ取ってるけど、何となく目を向けてないものについて、インパクトを持って、それ目を向けなきゃいけないんじゃないの?伝えるって話じゃないですか。
そうすると確かに、こう、意識してなかったけど、あなたも当事者ですよねっていうふうに懐から差し抜くことが、このメッセージの方針だとやっぱり強いというか。
結構、それこそヤング観音とかでも、こういう社会啓発系の課題がずっと出されてるんですけど、上位になってるのって基本的にこういう方針のアイデアだなっていうふうに思って。
やっぱり社会啓発っていうものと相性がいいのかなっていう。
啓発系の課題を考えるときは、その社会啓発をしたい相手が慣れ親しんでいる、メディアなのかコンテンツなのか、生きてる上で何かしら必然的に出会う動線に何かを仕込むとか、そこに対してアイデアを付与するみたいなところがいいんじゃないかっていうのがサマリーってことですね。
そうですね、まさに。はい。ということでこちら、The National Sport of Kazakhstanという試作でメディア部門のグランプリなどをですね、すごく軒並み受賞していた。
メディア部門っぽいな、そして。
メディア部門っぽいですよね。MMAの試合というものをメディアとして表すっていう、これはいいクリエイティブジャンプだなと思いました。はい。では次の問題いきたいと思います。
問題、スリランカで学習用のノートの再利用のために子どもたちが使い終わったノートを回収した。しかしノートはそのまま配布された。弁学に再利用された。つまりノートにもいろいろ書き込まれたものがある状態で再利用されたということなんですけど、これはどういうことだろう。ということで、こちらプロメイトというですね、文房具ブランドの試作になります。
これはもうすぐ思いついたんですけど、それは要はメッセージとして、紙の再利用っていうことだけじゃなくて、先輩が書いてくれたノートとか、そこに愛してのアイデアの築きであったり、線が引いてあったり、メモが取ってある、その知識の再利用こそが一番その世界において大事な再利用なんじゃないかっていうブランドのメッセージを体現した。
これは結構即答的にそれしかない気がしたので、ブランディングメッセージ大好き人間としては、そういうことは自分自身も何か考えれそうだなって思った。自分の引き出しがすぐ空いたんで、っていうメッセージなんじゃないかなって思いました。
面白い、確かに。ブランドとしてのメッセージを、子供たちが書いた筆跡を継ぐということに託すみたいな。
そうですね。ただ自分で言っておきながら、子供たち視点で言うと、なんか新しいノート欲しいよってなりそうな気もするんで、そこは考えられてない試作だなって思った。自分で言っておきながらの良くない部分も見えたんで、違うのかもしれないんですけど、パッと思いついたことで言うと、それ思いました。
すごい。この十数秒くらいの間にいきなりPDCAを回す。
振り返りも含めて。
素晴らしい。早いですね。すごいその視点面白いなと思って。ちょっと回答の方向性はまたちょっと違うので、これもこれでやっぱり面白いかと思ったので、早速回答の方をお話しさせていただきます。
回答なんですけども、まずキーポイントになるところが、この弁学に再利用された時の弁学をする学習者の人なんですよね。
ターゲットってことか。
ターゲットです。実はこの学習者は視覚障害を持った学生で、展示の教材として再利用された。
なるほどね。そういうことか。いかに自分が狭い範囲で見てたかっていうのを思い知らされた。今すごいパラダイムシフトが起きました。
一応その背景として、スリランカでは毎年250億ルピーぐらい、日本円に関すると120億円ぐらいらしいんですけど、それぐらいの相当量の紙が廃棄されていて、これを再利用することで視覚障害者への教育支援というのが、すごくまんべんなく行き渡る可能になると考えられていました。
そこで使用済みのノートを回収して、展示用の教材として展示を打って再利用する。展示の教材なのでノートに文字が書いてあっても支障はないので、新しい学習の機会を提供することができたのだったということで、スリランカのノートブックス・ザ・キープ・ギビングという試作でございます。
SDGs的にもその紙の廃棄とかそういうのがある中で、そこもクリアしてるんで、僕は結構これは好きだなと思いました。でも一つ言わせてもらうと、それが先輩のメモも入っているわけだから、その展示になるやつがすでに学習をした人の思考プロセスさえも展示でなぞられたら、より美味しいんじゃないかなと思ったので、僕のアイディアも不利をしてもらうという答えでどうでしょうか。
どっちもドッキングして作ってます。
これから第2弾をご検討される代理店の方、そのアイディアも次から貸してみてはいかがでしょうか。
アイディアの懸念味というか、ちょっとこれがクリエイティブジャンプしてるなっていうデザインとして成立する上で、確かに過去にある種目が見える健常者の方がノートを書き取ったっていうストーリーが見えるのもいいっていうのはめっちゃありますよね。
そこの学習の筆跡みたいなものが展示によって上書きされてるんだけど、それでちゃんと成り立っているっていう、このすごく書かれたものっていう、手書きされたものっていうもののメッセージ性みたいなものも、やっぱこう表現としてのジャンプ感につながっている気もするというか。
そうですね。なんか感じる余白というか、人の気持ちが乗っている感じがそれによってしますよね。
そうですね、そうですね。まさにまさに。これはもう本当に、もう人を見て解説聞いた瞬間には、すげえ試作だなと思ったというか。
確かにそんな表現の仕方があるなっていう。表現のパワーがすごいっていう感じですよ。
どこの課題からそこに行ったんだろうっていうのはちょっと思いましたね。
なんでその視覚障害の方が出てくるのか。これが結構どっちのパターンもあると思うんですけど、仕事していても。
この視覚障害の方に対してのアクションを起こしていこうっていう中で、そういう彼らが勉強する機会って、実はこういう形で解決できるんじゃないかっていうアプローチもあると思いますし、
文具メーカーとして、世の中に対して新しくできる社会にお役立ちできることって何だろうっていうのを考えた結果、そういう再利用のやり方というところを発見したっていうのと、どっちもある気がするんで。
課題はどこから入って、どういうふうにこの企画になったんだろうっていうところにも結構気持ちが泳ぐというか、想像が膨らむなと思いました。
確かに確かに。そういういろんなメッセージ性みたいなところも表現一発で捉えてるっていうのがすごくいい試作だなっていうふうに思いましたね。構造だけじゃなく表現も満たしてるということで。
これも勝手にエッセンス自分のためにも抽出しておくと、誰かにとってはいらないというか、もう使用済みの何かが誰かにとっては実は新品と同等の価値を持っているかもしれないっていう視点で使い終わったものとかを見るっていう、この視点はもしかしたら何かに応用効くかもしれないなと思ったので、
なんかそういうサスティナブル系の企画とかSDGs系のブランドのメッセージを伝えていく上で、そういう視点で自分が関わっているものを見てみるっていうのは、結構何か見つかりそうな気がしたんでやってみたいなと思いました。
確かにそうですね。身近なものにもありそうですし、まさに僕が見た審査員好評の中でも、そこが評価点としてすごく言われてたというか、廃棄物として見なされているものに新しい価値を視点で生み出した。
そうですね。それに多様性っていうのが掛け合わさっていることがすごいと思っていて、多様性っていうのがそこに掛け合わされないと、要は多様性がない社会、目が見える人だけの世界で考えたその物体っていうのは、ただの使い終わったノートでしかないわけじゃないですか。
でも多様性の社会の中で目が見えない彼らにとっては、それは新品のノートであるっていう風に定義できるっていうことの発見がすごいので、そこの発見をできる人間でありたいなっていうのは、クリエイターとしてもそうですけど、社会を生きる位置構成する人間としても
そういう多様性の中で本当に自分が見ているものだけじゃない世界があるっていうことを常に意識しておかないといけないなっていうちょっと大人な感想ですけど、というのをちょっと思いました。
めっちゃそうっすね。ありがとうございます。
ということで、3ランカのノートブックス・ザ・キープ・キービングという施策で、ダイレクト部門のシルバー等を受賞している事例でございました。
では次の問題、第3問です。
問題、オーストラリアでヒトクイザメが生息する海を泳ぐ映像が公開され、オーストラリア現地の女性が勇気づけられた。どういうことだろう?
ということですね、こちらはモディボディという水着ブランドの施策でございます。いかがでしょう?
さっぱりわからん。ジョーズみたいなのが泳いでる動画が拡散された。動画が作られた。
そうですね、キャンペーンムービーによってオーストラリアの現地の女性の人が勇気づけられたっていうようなストーリーですけど。
女性が勇気づけられた。
それによって性的に自分のことを見てくる男性がその海水浴場に来なくなって、女性がみんなそういう視点じゃなく楽しめるようになったみたいなことは思いついたんですけど、そんなスケール低いかっていう。
自問自答が始まって何もわからなくなったっていう感じ。
サメが泳いでるので女性が勇気づけられる。
そうっすよね。
むずいな。
今、谷口さんの今の思考は、この人食いサメが生息する海っていうので、サメっていうのを何かのメタファーとして捉えたっていうことですよね。
これ実はですね、サメはメタファーではない。
実際のサメ?
はい。っていうのがすげえなって思ったんですけど。
実際にサメが泳いだわけではないんですよね、でも。
えっと、これなんというかフィクションムービーというわけではなくて、実際に人食いサメが生息している海域をマジで泳いでるっていうムービーなんですよ。
そういうキャンペーンなんですけど、これちょっとすごいぶっ飛んでて、インパクト強いなって思った試作なんで。
今、振りとおちが離れすぎてて、ん?っていう状態なんで。
そうっすよね。
これ、じゃあちょっとその解説の方に行きたいと思います。
これすっごいジャンプしてるように見えて、意外とここがシンプルにつながる課題設定っていうのがあって、そこに輪を感じたんですけど。
このモディーモディーというブランドがですね、一つプロダクトをですね、出していて、それが女性が生理の時でも泳ぎを楽しめる水着のブランドっていうのを出していた。
このオーストラリアに住む多くの女性の方が、生理中に泳ぐのは無理っていう風に感じていらっしゃって。
特に海では、このサメが血の匂いを嗅ぎつけてくるっていう迷信があって、これが製品購入の障壁になっていたと。
そんな課題がまずあるんだね。
そんな課題設定をしてたんですよ。
おもろいな。
そこでこの迷信を出して、さらには生理中でも海を泳いだりプールを泳いだりっていうことを楽しめるっていう世の中が今来ているんだ。
うちの製品があればっていうことを伝えるためにですね。
エンパワーメントというところまで伝えるために、製品の効果を実証する実験として、ダイバーの女性に自社の生理用水着を着て泳いでもらって、
サメのいる海を見事泳ぎ切るっていう映像を作ったと。
ということで製品の品質をセンセーショナルに伝えて、生理中の方でもアクティビティを楽しめるっていう風にオーストラリアの女性の方が勇気づけたっていうようなリザルトが生まれたのだった。
ということでオーストラリアのフィアノットという事例でございます。
自分にはちょっと思いつけなさすぎる企画ではあるんだが。
サメと血は近いから、そこと女性をブリッジさせて生理的なところの商材に近づけていくっていうのはできた気がするんで、これはちょっと悔しいっていう感想。
これすごくないですか。
僕の中での一つの企画作りのフレームとして、自然が絡むとアイデアって強くなるっていう一つの方程式。
自分の中で感じてるんですよ、ストックしてて。
過去にもハキリアリって言うんですよ。葉っぱを切って、それを巣に運ぶアリに、葉っぱに穴を開けて、そこにヘルプって書いてあるような、メッセージを載せた葉っぱの切り抜きみたいなものをアリに運んでもらって、
あたかも野生動物からヘルプのメッセージが伝えられてるみたいな、そういうことを伝えたキャンペーンみたいなのがあったりしたんですけど。
動物だったり自然が絡んだ時に、相手のパワーがでっかくなるっていうジャンプを感じつつの、
血っていうものと海での懸念っていうものと、しかもサメっていう脅威としても大きな役者、役者というか動物を使って全部をシンプルでボールのアイデアにまとめ上げるっていう、このジャンプ凄まじいなってちょっと思っちゃったというか。
アレマさんがよく言うやつで言うとね、本能的に感じるって意味ではね、本能的に恐怖を感じるますもんね、サメに対してはね。
そこが海にいるっていうことと、その商品が伝えたいところを重ね合わせたってことですよね。
ではですね、次第4問いきたいと思います。問題、ある時オーストラリアでモデル犬がデカデカと乗ったドッグフードの広告が掲出された。それを見た人から問い合わせがたくさんかかってきたが、この問い合わせはドッグフードについての問い合わせではない。これはどういうことでしょう?ということで、オーストラリアのドッグのメーカーのペディグリーの試作でございます。
これは知ってます。答えを。
これ結構有名な試作というか。
カンヌかなんかでも先に取ってるみたいなことありますかね。
そうですね。
なんか事例勉強してた時に1個知ってる事例だなと思ったんで、多分時間差でいろんな章を取ってるパターンのやつですね。
そうですね。カンヌとスパイクスが半年ぐらいのグラウンドがあるんで、前年のカンヌで取ってたものをスパイクスで取るみたいな。今回ご紹介している事例も結構そういうのもあるんですけど、まさにそういうのもあったりして。
じゃあその中でカンヌの時にインプットされてた事例ということだと。
はい。これをちゃんと正直に言ったことを褒めて欲しいんですけど。
ここでね。差も知ってたかのように回答できるんですけど、それはやらないっていうね。正直ベースに来てるものですからね。
確かに。誠実さが。
これなんで真沼さんから簡単に、せっかく僕もすごいめちゃくちゃいい企画だと思うんで。
めちゃくちゃいい企画。
ちょっと簡単に紹介していただいて、ちょっと別の位置もまたいただいて終わりにしてみるみたいな。
なるほど。了解しました。
どうでしょうか。
はい。OKです。
ではですね。こちらも早速解説をさせてもらいます。
こちらはですね。ペディグリの広告でですね。
自社のドッグフードの広告に保護犬の写真を採用したという施策になります。
保護施設にいる犬の写真をAIできれいに整えて、広告のビジュアルに活用すると。
そうするとこの広告が製品の宣伝だけじゃなくて、保護犬のサトウヤ探しの手段としても機能するようになって、
掲載された犬の約半分、50%のサトウヤが決まって、保護施設のサイトの保護物も6倍になったと。
ということでですね。反則と社会啓発、社会に良いことというのを両立した素晴らしい事例ということで、
オーストラリアのアドプタブルという施策になります。
これはもう社会メッセージが良いというのはもう全員わかると思うんで、あえてノーコメントなんですけど。
テクノロジー的にクリアしているというところが結構、僕も事例分析した時に思って、
昔絶対できなかったじゃないですか。今いる保護犬、保護猫とかが、
サイネージとかデジタルで出荷できる時代だからこそ、そこのモデルに組み込んで、
その子が引き取られたら多分その犬が変わるという仕組みだったと思うんですけど、
それができるようになったのがデジタルの今の技術というか、そういうことによっても達成されている感じがして、
社会が進んでいる技術の正しい使い方だなと思って、そういう意味でもすごいいいなと思いましたし、
そこの評価というものもあるなというのは当時思いましたね。
そうですね。やっぱり今の社会に存在しているテクノロジーを有効活用して、
それをいち早く広告に取り入れているというところの評価点もある。
これなんか試作の名前もすごくいいなと思って、アドプタブルという試作の名前なんですけど、
アドプトというのがサトウゴヤとのマッチングというか、サトウゴヤが見つかるという意味の言葉らしいんですけど、
アドプトという言葉、英単語の先頭がADなんですよ。つまりアドになっている。
確かに。
ここで広告とサトウヤ探しというものが掛け合わさっているよというダジャレをめっちゃ一単語で示しているっていう、ここにも何か凄まじさを感じるというか。
いい企画はいい企画名からっていうやつですね。
これ日本語でもよくやりますけど、ダジャレの強さってことですよね。
ダジャレの強さですよね。
確かに。
この単語でまとめることの強さというか、日本でも過去いろんな賞を受賞している事例で、シェルメットってあるじゃないですか。
あれもシェルとヘルメットをこんなに綺麗に一単語で掛け合わせられるんだっていう輪を回るというか。
日本語の試作名はホタメットだけど、シェルメットの方がいいよねって思う気持ちもある。
そこね、あえて変えてるんだ。
それも戦略ですごいですね。
なるほど。
ということですね。
このようにですね、カンヌで受賞している事例が時間差で次のスパイクスで受賞したりっていうのもありますし、逆もしっかりスパイクスで受賞した事例が次のカンヌを取るっていうのもあったり。
実はそのアドフェストで受賞している事例も結構取ってたりするんですけど、前回アドフェストの事例の時に紹介したような事例は僕は省いて今お話をしています。
いろいろ気を使って選んでいただいてありがとうございます。
選挙願をちょっと求められているので。
じゃあ最後の問題に行きましょうか。
はい、では最後の問題でございます。
ある日、インドの大手新聞史が黒ではなく紫のインクで新聞を吸って発行した。
人々は見慣れた新聞の印字が突然紫になって驚き、惣然となったが、なぜ紫のインクで印刷したのだろう?
こちらはインドの大手新聞、The Times of Indiaという新聞社の事例でございます。
なんで紫なのかっていうところが気になってるんですけど、これはちょっとインドのとある事情が限りになって、かなりローカルな事情ではあるので、もしかしたら答える側としては難しいかもしれないんですけど、
その事情を考えて考えた時にすごくいい事例だなと思ったので、あえてご紹介させていただきます。
なんかそれも聞くと紫っていうことが何か文化的なローカルのところで意味があるんだろうなぁとは思ったんですけど、それがちょっと何かわからないけど、
でも苦労が紫になるっていうところで言うと、ニュース、新聞画っていうのはポイントですもんね。
メディアとして情報を伝える意味で、何となくこの日だけそういう風に変わるみたいな仕掛けにはなっている気がしたので、
なんかそういう民族的な多様性みたいな話の中で、この日にっていう意味と掛け合わさって、何か社会にメッセージが届いたっていう事例なのかなっていう、中身に一切言及しないで側だけ喋るっていうパターンで答えてみました。
ありがとうございます。ちょっとローカルな話なので難しいところもありつつ、まさにこの紫のインクを使うっていうことに何かシーズナルなフックがあるんじゃないかっていう事ですよね。
おっしゃる通りのポイントなので、その具体の中身について解説しながら回答をお話したいと思います。
インドではですね、国政選挙の際に、その選挙の投票に紫のインクというものを使用します。
しかし、2019年の選挙で、前回から投票率が33%も減少し、その低さが問題となってきた。
結果、7500リットルの紫のインクが未使用になってしまった。
この問題を啓発するために、インドのThe Times of Indiaは、インド全土で新聞が擦れてしまうほど紫のインクが選挙で使われなかったっていうことを表現すべく、紫のインクで新聞を擦ったなと。
結果、2024年のインドの選挙では大幅に投票率が改善し、ブランドのインプレッションも向上した。ということで、インドのインクオブデモクラシーという作でございます。
かっこいい!
タイトルおもろいな。
タイトルおもろいな。
いやー、すごい理解できました。
でもある種、別の課題を持ってきているところがユニークですよね。
選挙の課題を新聞社が見ているという意味では、直接的にはちょっと違うじゃないですか。
そうですね。
選挙支援団体とかそういうことじゃないから、そこのずれがあるにもかかわらず、やっぱりマスメディアっていう新聞ってやっぱり選挙報道するところでもあるから、そこの掛け合わせによって社会の投票率を上げるっていうことが、
そもそも新聞社としての使命としてその企業が捉えているんだっていうことが、その施策をやることによって伝わるから、新聞社のブランドが社会を見ているブランドだよってことに最終的に着地しているような気がして、そこのメッセージの残り方がすごい巧みだし、そこが結構いいなって思いました。
そうですね、まさにまさに。やっぱり新聞社という社会の後期としてのマスメディアみたいなところもあるし、インクの使い手としての第一人者みたいなところもある。
確かにね。印刷っていうものを未だにやってるわけですもんね。
紙媒体のすごいでっかい当事者であるっていうような事業者であるからこそ、選挙という課題とインクというものを結びつける必然性が、ここのタイム・オブ・インディアにしかないっていうところにもすごいメイクセンスを感じますよね。
グローバルで見たときに、そこを使ったんだっていう鮮やかさがわかりやすいですよね。
とってもわかりやすいし、インドの中にある特殊な慣習っていうものを鮮やかにシンプルに使っている感じっていうのも、すごくトリビアとしての発見感もあるから、これは外から見た観測者としての面白さというか、っていうのもすごい感じますよね。