限界利益管理の基本
この番組は、中小小売企業の取締役経験のある2人が、そのリアルについてゆるくお話しします。
人事に軸足を置いたジェネラリスト、私戸部由里が、2度のM&A経験がある連続企業家、樋口幸太郎さんに話を聞いていきます。
既に小売企業を経営している方、これから小売ビジネスで企業を考えられている方に役立つ情報を楽しく語っていきます。
リテールトーク68回目になります。よろしくお願いします。
よろしくお願いします。
では、限界利益管理をサイト運営にどう活かすかというテーマでお話ししていきたいと思います。
全然雑談ですけど、小部さんいつも予約する店イケてますよね。
嬉しい。ありがとうございます。
飲み会用のリストとか持っているんですか?
そうなんですよ。タベログってあるじゃないですか。
はいはい。
タベログを私文字ってトベログって呼んでるんですけど。
くだらない。
そう、結構漢字的な役回りをみんなが嫌がるけれども、私別にそんなに嫌じゃないので引き受けることが多くて、やってるうちに良いリストがどんどんできてきてるんですよね。
しかも私たち飲むじゃないですか結構。
飲めますね。
だからアラカルトで良い店だとすごい値段になっちゃうじゃないですか。
だから飲み方がちゃんとついて、コースで5、6千円みたいな店が結構充実してます、タベログには。
確かに。お財布に優しかった記憶がおぼろげにありますね。飲み終わった後。
なんか分かんないけど、樋口さんと飲むときだいたい渋谷じゃないですか?
そうですね。あれ渋谷がいいわけではないけど渋谷に集まってますよね。
そうですよね。タベログも渋谷が一番熱いんですよ。
それはなんでですか?
なんか渋谷の仲間が多いからなのか。
だからこの間一緒に行ったのが南平台のゴリョンさんっていうお店とかは美味しかったですよね。
美味しかった。
なんか割と結構ボリューム出てくるので、私たち的にはそんなよ食べられへんみたいな感じのぐらいの量出てくるし、
あともう何回か前にあっちのセルリアンタワー側のほうのつばき堂っていう店も割とみんなにいいじゃんって言われる店ですね。
じゃあ次回もちょっと楽しみにしてます。
そろそろでも切れてきましたね、もう。
そうなんですね。
はい、本題行きたいと思います。
はい、お願いします。
テーマが限界利益管理をサイト運営にどう活かすかですね。
この間あれでしたよね、ダウンロードできるスプシ、楽天市場の限界利益管理をするフォーマットみたいなのが公開されてましたよね。
そうなんですよ。結構反響良くて多くの人にダウンロードしてもらえて良かったなと思ってます。
楽天市場はやっぱり手数料提供が本当に複雑なので、
請求も突きずれを起こしてPCの手数料に関しては2ヶ月遅れですとか、アフィリエーターは1ヶ月遅れですみたいな感じで、請求も項目によって突きずれを起きるので、本当に管理しにくいんですよね。
財務会計、いわゆる出入り士さんに書類を渡しして、儲かってる儲かってないみたいな管理をしていても、突きずれが激しくて本当にこの月儲かってるんだっけみたいなのが見えにくい。
利益管理が難しいので、興味持ってもらえたんじゃないかなと思ってます。
限界利益率と広告費の重要性
コンタンとしてはスプレッドシートで管理できるんですけど、やろうとすると面倒くさいんですよ。
注文をダウンロードして、楽天って5000件以上の受注データって一括でダウンロードできないんですよね。
なので全職とかだと、5月1日から5月10日までのデータをダウンロードして、11日から20日までをダウンロードするみたいにやっているので、
やってみて面倒くさかったらストアレコードでやってほしいなという、そういうコンタンでシートを配布しています。
なるほど。
楽天だけじゃなくて限界利益管理をサイト運営にどうやって活かすのか、どういう意思決定をしていくのかみたいなのをざっくり振り返りも含めて話しできればなと思ってます。
限界利益なんですね。これ私もこのポッドキャスト始めるまであんまりよく分かってなかった概念ですね、限界利益。
本当にやっぱりECRと変動費が大きいので、ポッドキャストでよく話しているけれども、売上から変動費である商品の減価と販売手数料、物流費用、広告宣伝費を除いた利益のことです。
広告宣伝費を変動費として含めるかは結構議論が分かれるところです。
ただ僕ら主戦場としているEC事業の場合は広告宣伝費が売上と連動しているケース、クリック連動だったりというところが多いので、含めて管理するのをお勧めしています。
小さい中小規模の事業者、売上100億いかないぐらいの事業者であれば、固定費的な広告宣伝費であっても基本的には売上アップのために行われているかなとは思うので、
限界利益に含めて管理すると、固定費的な広告を実施した月とそうじゃない月で売上利益の伸びがどう変化しているのかみたいなところを見ていくことができるので、固定費的な広告の収益性であったり貢献性みたいなところは測れるのかなと思っています。
テンポビジネスよりも変動比率が高いECだと特に見ておくべき指標という話ですよね。
限界利益管理をサイト運営にどう生かすのかみたいな話でいくと、まず最初にどの程度を絶対額として限界利益出ていて、あとは限界利益率としてどの程度あるのか、それが自社にとってどの程度が健全なのかっていうのを理解するのが必要かなと思っています。
現状のPLから売上げ、売上げ減価、販売管理費のうち変動費にあたる費用がどのぐらいあるのかっていうのを整理して、公正費比率を出すみたいなところをちょっと面倒だけれどもやってもらうのが大事かなと思っています。
自社の現状をしっかり把握するのが大事っていうのは結構常々教えてますもんね。
そうなんですよね。やってると思うんですけれども、絶対額として限界利益で最低いくら必要なのかみたいなのはパッと言えないといけないと思っていて、固定費として人件費に月々200万。
家賃、椅子賃料とか店舗で50万。その固定費で50万かかっていると、合計300万円です。ということは、月間300万円の限界利益が出てないと赤字ですよねっていうところの整理は絶対必要。
同様に利益率でも把握しておいて、限界利益率が何パーセントあれば十分な利益が出るのかっていうのを整理するのも大事かなと思ってます。
具体的な話でいくと、僕ら全職の子供服だとZOZOを主洗浄にしていた。ZOZOの売上比率が半分弱ぐらいみたいな感じだったので、変動費部分が大きいですと、ZOZOの販売手数が35%以上取られるみたいな形で有名なプラットフォームなので、
それに広告費入れると変動費で40%ぐらい取られるみたいなモデルなので、僕ら限界利益率で大体15%程度残せればOKみたいな認識でいたんですよね。逆に言うと限界利益15%ってことは固定費の部分5%に収めないと営業利益率10%って目指せないんですよ。
人件費の比率は売上に対して4%ぐらいで、地代家賃とその他固定費を1%に収めるのがなかなか難しくて、2.5%ぐらいになって合計6.5%売上に対して固定費で運営して8%ぐらいの営業利益率を出すみたいな、そういう設計をしてました。
なるほどですね。この尊益分岐点みたいな絶対額はちゃんと把握した上で、率でも資費を持っている必要があるっていう感じなんですね。
僕、入社したタイミングでこの構造を把握しようと思って最初に整理しました。現状はこうです。ビジネスモデル状はこうです。入ったタイミングだと売上1億ぐらいだったんですけど、これが10億ぐらいになったときに営業利益率10%残すために限界利益率15%でどのぐらい人員貼れるかみたいなのを整理していって、
それを中期経営計画じゃないですけど、こういう姿になるようにやりましたみたいな形でやっていって、おおむねその形に収まったという感じですね。
整理があると、どこまで広告費や反則に踏み込めばいいのかというのもわかりますし、10億のときに人件費比率4%って考えると4000万円で、そうすると1人当たり500万円、法定福利費も入れて500万円で考えると8人しか取れないな。
この8人のメンバーってどういう構成の人がどういう部署にいてみたいなことを考えられるので、結構計画的にもなるし採用に無駄に取らずに筋肉質な組織になるっていうところでも考えた方がいいかなと思って。
なるほど。費用の構造がそうやってわかって、比率の指標とかもわかったら、実際の施策単位とかに落としていくのかなとは思うんですけど、実際何をどう見直せばいいんですかね。
結構僕らの会社もそうだったし、今ストアレコード入れたりコンサルしているクライアントさんでも、モールごとであったり店舗ごとの限界利益と限界利益率見ていくと結構バラバラなんですよね。
楽天はすごい利益出てる、ただ自社あんまり出てない、ゾゾも出てないとか楽天と自社出てるけどゾゾ出てないとかいろいろバラバラになってます。
ポテンシャルとして伸びそうなんだけれども、手が出せてない、もしくは反則費を十分に使えてない店舗ってどこなんだろうっていうのを見に行くのがまず一つ目かなと思ってます。
現状の限界利益率と広告宣伝費の比率、あと限界利益率を見直しすることによって、例えば限界利益率は5ポイント落ちるけれども売上が倍になる可能性のあるプラットフォームってないかなみたいな探し方をします。
結構あるのが、僕らも前職でそうだったんですけど楽天が伸ばせなかったです。
その時に限界利益率をゾゾと自社と楽天市場3つで並べると楽天市場の限界利益率がすごい高かった。
要するに売上低いけれども費用もかけてないので利益体質でしたみたいなことがありました。
そういうものが見つかったら、じゃあ限界利益率を犠牲にして、逆に言えば広告宣伝費突っ込んで売上伸ばせないかなっていうのを検討していくっていう感じですね。
なるほど。チャンネルによって特性違うからちゃんと分解してみなきゃいけないんですね。
そうなんです。意外にこれを見れてる会社さんとかも少なかったりするので、まずはその整理をちゃんとやりましょうと。
プラットフォームごとの利益分析
ECモール、楽天とかゾゾを重視している企業だと自社サイトが全然できてなくて、広告に突っ込んでないから利益率は高いんだけれども何もできてませんっていうケースがあれば、
逆に自社ECメインの会社だと特に楽天とかAmazonみたいな反則の自由度が高い、いろんな広告メニューがあって、
みたいなモールになると攻略が後手になっちゃってどうやって伸ばせばいいかわかんないみたいな形で限界率が高いままっていうケースがあるので、
そういうところをまずは特定をして伸ばしていくっていうのが1個かなと思っています。
なるほどですね。
モールではこれくらい広告をかけられるねとか、そういうのを費用構造を把握した上で全体の比率を決めてそこからチャンネル特性を見て分けて出すみたいなのって、
逆算して具体策まで計算するっていうのはやれてる企業さんやっぱり相当いないんじゃないかなっていう感想を持ちました。
本当にできてる会社さんはできているのでそのままやっていただいて、できてない会社さんだと大きく伸ばす余地があるので、
この整理をするだけでも結構勉強になるというか、会社の考えることになるかなとは思っています。
うちが得意としている支援分野でいくと、ECモールとか卸しとか店舗メインの企業さん向けの自社EC伸ばしますっていうのが得意ですと。
それって自社ECやりたいけれどもどうやっていいかわからないみたいな企業さん向けに、
基本的に商品はいいものとしてECモールでも売れてるし、卸しとか店舗で支持されている商品なので、
ちゃんと買う可能性の高い方、ECモールで買っているような方であったり、卸しの先で買っている消費者の方に、
ちゃんと広告で届けば買ってもらえる可能性が高いですよねみたいな形で話をして、
支援の際には必ず限界利益率と費用構造から、何パートまで広告突っ込めますかねみたいなところの握りを最初にやりますと。
本当に低い会社さんだと5%ぐらいに留めたいという会社さんも多いんですけど、5から20%の間で、
限界利益率が目標となるような率を残せた上で、その金額かけていいみたいなところでやってますと。
アパレルとか雑貨だとまだまだインスタとの相性がいいので、
インスタのフォロワー獲得広告とメタのコンバージョン広告に加えて、
Google X、TikTokの広告を実施して、売上がちゃんとこの設定した広告費の比率の中で伸びていくかというのを見ていくというような感じです。
基本的にECモールとか店舗卸しで評価されている、消費者の方に一定の評価をされているような商品だと、
広告を実施したタイミングで売上がぐっと伸びるというケースが多いので、
広告費の比率を維持しながら、今度は1回買ってくれたユーザーがもう1回買ってもらえるようにCRMの設計しましょう、
メルマガこうやりましょう、LINEの配信はこうやりましょう、みたいなところから新商品の継続的なリリースをしましょう、
それをインスタとLINEとメルマガで案内をして買ってもらえるようにしましょう、みたいなのをぐるぐる回していくということをやってます。
これ、小さい企業さんだと広告はこれくらい入りたいからこんくらいにしようみたいな意思決定の10万章とか、
そういう決め方をしている企業さんも少なくないんじゃないかなと思っていて、
この全体の構造から逆算してっていう数字が出ると納得感もあるというか。
腹くくりやすいですよね。構造になっていて、とりあえず30万円だけかけましょう。
これで想定通りの限界利益率残せたらいいし、残せなかったらやめてもいいですと。
そうしたら一旦ここは伸びないので別のやり方をやりましょうみたいな腹のくくり方ができるのが数字の整理をするところかなというふうに思ってます。
結局こういう経営上の意思決定で重要なのって、どこを伸ばすのかっていう決める。
先ほどの話でいくとどこの店舗であったりモールを伸ばせばいいのかっていうのを意思決定するというところと、
いくらまでだったら使っていいのかっていうのを決める。
これで伸びる場合と伸びない場合はあるけれども、ここまでは使いましょうみたいなのを決めてトライするというところは、
数字出すとパッと決めやすいです。
限界利益率と営業利益率っていうのを費用の構造で理解しておくと、
ここまでだったらオケドしないなとか、ここまで使って伸びないんだったら諦められるなみたいなところがよく理解できるし整理できるかなと思っているので、
この整理しておくと意思決定のスピードが上がります。
実施して伸びなかったとしても、その理由を振り返れば次の施策に活かせるし、次の意思決定にも生きていくっていう形なので、
意思決定のプロセス
費用構造の整理をして、限界利益毎週振り返って事業をどう伸ばせばいいのかっていうのを毎週意思決定していくと、
事業伸びやすいんじゃないかなと思っているというそんな形です。
決めるだけじゃなくて、振り返ってちゃんと見直していくみたいなのもすごく大事そうですね。
ですね。なんで予算設計の大切さみたいなところもまた改めてお伝えできればなと思っています。
ありがとうございます。今日は限界利益管理をサイトの上にどう活かすかっていうテーマでした。ありがとうございます。
はい、ありがとうございます。
リテールトークここまでお聞きいただきありがとうございます。
番組の詳細欄にGoogleフォームのURLがあるので、質問やメッセージはそちらからお送りいただけると嬉しいです。
番組内でご紹介させていただくかもしれません。
次回もぜひよろしくお願いします。