番組の紹介とテーマ設定
この番組は、中小小売企業の取締役経験のある2人が、そのリアルについてゆるくお話しします。
人事に軸足を置いたジェネラリスト、私戸部由里が、2度のM&A経験がある連続企業家、樋口幸太郎さんに話を聞いていきます。
既に小売企業を経営している方、これから小売ビジネスで企業を考えられている方に役立つ情報を楽しく語っていきます。
リテールトーク71回目になります。よろしくお願いします。
よろしくお願いします。
今日はですね、一人当たりの売上・粗利・限界利益の目安という話をしていきたいと思っています。
最初に雑談ですが、樋口さん漫画好きですよね?
漫画めっちゃ好きで、あれを使っちゃってますね。
そうですね、なんかしょっちゅう課金してるイメージ。
そうなんです。毎週末結構まとめて買って、読める時にダーッと読むみたいなのをやってますね。
やばいですね。最近のおすすめなんですか?
最近一番面白かったのは、遅ればせながら青足を全巻買って、6月の末に最終回があって、これで終わるって聞いてたんで、じゃあせっかくだしもう一回読み直そうと思って読んだんですけど、やっぱ面白かったですね。
終わり方もちょうどいいというか、スラムダンク的なこの終わり方のちょうど良さを感じました。
へー。
あれスラムダンクは読んだんですよね。好きですよね。
スラムダンクは好きですね、世代ですね。
へー。どんなのが好きとかあります?
いや、漫画自体読む習慣はなくて、ただ、何だろうな、勧められたやつは一応読もうかなーではあるけれども、好き嫌いはあって、美少女が出てくるようなやつはあんまり得意じゃない。
昔、私たち子供の時ってジャンプ黄金世代だったじゃないですか、ユーハークとか、それこそスラムダンクとか、あの世代に私の友達はリボンを読んでたんですよ。
でもリボンを読まずにジャンプを読んできたもので、キラキラした女の子の漫画とかはあんまり得意じゃないですね。
なるほど、一期百パーセントとかダメなんですか?
いやー、通ったことないですね。
ジャンプの王道、恋愛漫画。
ジャンプに乗ってたけど、私はスルーしてたやつですね。
そういうことですね、そっち系は読まないんですね。
他そっち系も、マジックナイトレイヤースとか最近読みましたよ。
なんすかそれ。
ちょっとあれ、世代違いますかね?
レイヤースか、レイヤースやってたな、テレビでやってたの覚えてます。
めちゃくちゃ美少女ものかと思いきや。
美少女ものじゃないんですか?
重厚なストーリーのある、しかも結構完全調和区じゃない、ちゃんとしたプロットのストーリーがあるんで結構おすすめです、僕は。
へー、なんかセーラームーンの類だと思ってました?
いやいや、セーラームーンもそうなのかもしれないですけど、僕そっちは詳しくないんであれなんですけど、レイヤースは結構いいストーリーです。僕好みのストーリーでした。
へー。
っていう感じで結構幅広く読んでます。
もう一個おすすめありますか?
暴挙太郎もめっちゃ面白かったですね。
暴挙太郎。
日本の勝者の僧侶一族の直社長みたいな人、40歳くらいの人が冬眠、コールドスリープで寝てたら500年経っちゃって、人類が滅んでるというか、だいぶ退化した世界に現代人として前戻ったと。
で、その世界ではようやく物々交換とお金が生まれ始めてきたみたいな、そういうところに現代のお金に対する知識とかを使いながら生き延びていくっていうストーリーで、結構面白いですね。13巻まで出てて。
13巻もあるんだ。今冒頭数ページだけ見たら面白そうだな、読んでみようかなって気持ちになったけど、13巻もあるんだったらやめとこう。
僕からすると13巻あっという間なんで。
あ、そっか。1日ぐらいで読んじゃいます?
1日で読みますね、13巻だったら。めっちゃ知ってるから。おすすめです。
下手したら手で出すかもしれないですね。
本題に行きたいと思います。テーマは一人当たりの売り上げやラリー限界利益の目安という話ですね。
そうですね。この話しようと思ったのも、クライアントの一部省みたいなところが利益全然出ないと。
ちょっと画本的にコスト構造を見直したいなみたいな話になっているけれども、そもそも高売りであったりD2Cの事業者で、どういう経営指標の目安を持てばいいのかなみたいな話になって、
その中で、労働生産性の指標を持ってないし、その辺調査した上で、一人当たりの売り上げやラリー限界利益ってどのぐらいあると事業として成立する、ないし、目標とする営業利益率が達成できるのかみたいなのを、ちゃんとコスト構造を作って経営しましょうみたいな話になったので、今日話せればなというふうに思っています。
私もこの指標持ってなかったけど、振り返った時にこれ必要だったよなぁって感じてたものでした。あれですか、ペアバナン時代とか一人当たりの何かっていう指標を設けてました?
ものすごい儲けていて、すごい意識していて、結論先に言ってしまうと、一人当たり売り上げで1億、限界利益率が15%だったんで、1500万は欲しいよね、最低限これは欲しいよね、みたいな形で思ってました。
入社したタイミングで売り上げ1億だったので、もう僕が入社したタイミングで2人になってるんで、ビハインドからスタートしているんですけれども、売り上げ伸ばして追いつかせる時にこの指標っていうのをすごい意識してました。
入社したタイミングで経営計画3か年作って、2年目このぐらい、3年目このぐらい、4年目このぐらいみたいなのを作ったんですよね。
その時に売り上げはこういうふうに伸びそう、なんでこの人数、例えば5億、10億、20億みたいなそんなイメージを作っていたので、5億の時は5人ぐらい、10億の時は10人いかないぐらい。
20億の時は20人もいらなそうなんで、十数人、十二、三人にして、一人当たりの売り上げ高1億ちょっとみたいな感じを目指しましょうみたいな、そんな感じで持ってました。
同時に人件費の比率を売り上げの4%みたいな形で決めていて、その範囲の中で採用も運用するし払える給料決めていくみたいな形にしてました。
これあれですね、ここでもやっぱり限界利益なんですね、あらりじゃなくて。
そうですね、わかりやすいかなと思っていて、変動費が多いので、店舗と違うのはやっぱり店舗だと人件費と固定費が結構かかるので、あらりに対して人件費比率何%、あとは販売手数料を含めた店舗の家賃何%みたいな設定の仕方が多分わかりやすいんだと思います。
インターネット専業でやっていくと売り上げに連動する広告費であったり販売手数料の割合が大きいので、限界利益を引いて販売手数料引かれました、広告宣伝引かれました、物利引かれた後の限界利益から、あとは大きい固定費が人件費とオフィス賃料ぐらいしかないので、それが引かれると営業利益まで出るみたいな考え方がいいかなというふうに思ってました。
業界別の売上指標
1500万、売上1億円限界利益率15%で限界利益1500万って設定したのは、ある程度1500万あればある程度まともな給料と固定費を賄ってでも営業利益が出せるだろうなっていうイメージの中から作ったっていうのと、よく聞きません?1人当たりのあらり1500万はないとねみたいな話。
あらりが月間100万ぐらいのことは考えてましたね。
なるほど、1200万ぐらいってことですよね。
そうすると、まともなお給料をちゃんと払った上で、1人にかかるオフィス賃料割った分みたいな、付加経費みたいなの賄っても利益出るよねみたいな、そういうイメージがしやすかったので、この指標にしてたっていう形です。
ちなみに運用面の話聞いちゃうんですけど、この1人1500万ってみんなに共有してるんですか?それから経営者だけの指標なんですか?
共有してますけれども、従業員1人1人の脳、味噌に染み込ませるために昭和するみたいな運用はしてなくて、経営者がメインになってこういうふうに持ってなきゃいけないよね、これ割ると経営上まずいよねっていうのはすごいコミットして2人では思っているけれども、従業員には売り上げとそれに対する費用構造ってこうなっていて、1人当たり限界利益1500万ないとまともな給料払えないからこういうふうにやっていきましょうぐらいな感じで、
ことあるごとには言っているけれども、染み込ませるみたいな運用はしてなかったです。
これベアマノンさんの場合は限界利益で1500万だけど、他の企業さんだとどうとかってあります?
結論、限界利益を算出するのはめちゃくちゃ難しかったので、1人当たりの売り上げとあらりみたいなものは、
会社もクライアントさんにこういう指標を、こういう企業はこのぐらいの目安でやってますみたいなのをIR資料抽出して整理して提案するみたいなことをやっているので、
その辺をデータ化したものを元に話すと、結構面白いのは、島村と西松屋の1人当たり売り上げ高って2億超えてるんですよね。
めちゃくちゃ高くてユニクロで5000万ぐらい、アダストリアも4000万ぐらいみたいな中で、2億超えてる1人当たり売り上げってめちゃくちゃ高いと。
1人当たりの売り上げ総利益も7000万、9000万と2社とも高いんですけれども、この後の費用、半関費はかかるというか、あらり率が低いので、あらりに占める半関費の割合は結構大きいんですよね。
営業利益でいくとユニクロとかの方が全然出てるんだけれども、1人当たり売り上げ高とかあらりで見るとこの2社はものすごい高い。
要因としては、そもそもローコストオペレーションで家賃の低いロードサイドのだざっぴろい土地に出店しているみたいなところが1個あるのと、
そもそも正社員、この1人当たり売り上げを計算するのに有価証券報告書の従業員数とってるんですけど、これパート除く数字になっているので、
パートの割合を増やすと、この数字は必然的に高くなっちゃいますよというような感じ。
店長1人でとか言ってましたもんね。
そうですね。店長1人で3店舗回す西松屋みたいな感じなので、そこが低くなるというような感じですね。
面白かったのは、面白いというとあれですけど、ライトオンと夢店舗、今かなり営業利益的に赤字で苦戦してます。
おそらくなんですけど、売上とかあらりの減少スピードに人件費を含めた固定費の削減が追いついてないので、
1人当たりの売上高が夢店舗とかだと2800万で、1人当たりのあらりが1300万ぐらいしかないというような感じで、
これはかなり上々企業の僕が見ている小売企業の中ではかなり最低水準の数字みたいになってました。
そうなんだ。
D2C系の企業って、総じて1人当たりの売上とあらりが高いですと。
そういうのも、その分広告費の比率が高かったり、モールで販売してたりするので、そっちの販売手数料が高かったですと。
一方で、最近上場したAIロボティクスっていう、全くAI関係ないコスメ、ヘアケア系のブランドをやってる会社なんですけど、
一人当たり売上の重要性
1人当たりの売上が5億、売上総利益が4億みたいな感じで、ものすごい数字を叩き出してました。
私知らなくて今見てますけど、ヤマピとか芸能人を使って、コスメ、ヘアケア系のブランドをやっているけど、
小売企業っていうよりAIシステム開発企業で実際D2Cもやってるみたいな雰囲気なんですかね、これ。
AIシステムは全くやってなくて、100%D2Cの売上だと思いますね。
ああ、そうなんだ。
多分、素量の時が違うのかなっていう感じですかね。
それは面白かったですね。
こういうのを比較していくと見えてきて、自分たちのビジネスモデル上はどういう会社に近しいので、
1人当たり売上がこのぐらいないと。
プラスあるいはそこから限界利益ないしあらりを見て、どういう費用の構造。
人件費の比率は何%で、地代家賃何%で、広告宣伝費何%みたいなのを目安を引きながら、
自社の都合にも合わせて設計していくっていうのを、結構やってそうでやってない会社さんが多いので、
この辺りでやってるかなと思ってます。
関連して言うと、ニトリなんかは労働生産性仕様、1人当たりの売上総利益の目標値っていうのをIRで開示してます。
一応1000万円以上っていう目標値を出してるんですけれども、直近ずっと2000万円以上出てて、
1000万円っていうのが多分、ペガサスクラブっていう、ご存知ですかね。
知らないです。
チェーン店理論っていうのがあるんですけれども、そこでの多分数字を出しているのかなと思ったんですけど、
多分現代のコスト構造だと、1人当たりの労働生産性、1000万円以上じゃ足りなくなっていて、
2000万円以上がいるんじゃないかな、みたいな感じなんだと思うんですよね。
こういう形で出していて、この資料も結構、特に店舗やられてる会社さんは参考になるところが多いと思うので、
このニトリのIR資料の勝ち負け表みたいなのがあるんですけど、
見ていただくとすごい商品回転率が何回転以上でとか、売り場の販売効率はどのぐらいであったり、
従業員1人当たりの売り場の担当面積は何坪以上です、みたいなのが結構載っていて、
感覚値として多分店舗経営されてる方はこの辺りがすごい分かるんじゃないかなと。
反則の比率、広告員の比率も6パー以下みたいな形でニトリは出していて、それも見られたりするので面白いなと思いました。
すごいですね、これ。2000万円以上、直近5年以上ずっと2000万円以上達成してるのすごいな。
逆にこれ出さないとまともな利益出ないみたいな形なのかもしれないですね、2000万円は。
これ持っておくといいところは、本当ちゃんと1人当たりの売上高あらり限界利益の指標を持って、
その中で運用しようとすると下手に採用できないんですよね。
下手に採用できないと、本当にちゃんと効率よく採用もしていくし働きましょうという認識になるのと、
売り上げの減少フェーズで粘れるネース長くなります。
利益の幅が大きくなるので、このところは結構意識して、
僕自身はペアマノンやってる時、売上半分になっても利益出るかトントンになるかなみたいな感じで運営したいなっていうのを結構思っていて、
要はかなり流行りしたりのあるビジネスなので、急落することも覚悟してくださいって当時の代表には言われていたので、
そうするとやっぱりそういう設計にした方がいいかな。
現にやっぱり調子よかったけれども、どんどん調子悪くなっちゃうみたいな会社の話も聞いたりするので、
そういう労働生産性の指標を持って、特に大きい固定費が人件費になるので、
ここをちゃんと持っておいて、その間に立て直しするかどうかみたいなところを、
経営指標として持っていくのが大事なというのは当時から考えていました。
労働生産性の指標
実際これ、守っていくための変数として、やっぱり無駄に人を増やさないとかっていうのがあるし、
あといかに業務効率化するかっていう話にもなってくるので、
労働生産性を維持するとか改善していく上で、やっぱり指標として掲げているべき数字なんでしょうね。
これ余談なんですけど、自分自身の労働生産性というかパフォーマンスみたいなものって、
子供ができてから初めて意識したところで、この時間からしか働けないし、
この時間までしか働けないというのが決まってからかなり意識するようになったなと思っていて、
こぼれて、他で対応できないから、この時間に詰め込んで処理していくしかないので、
ギュッと詰めるみたいなのを子供ができるまではそんな考えてなかったなと思っているので、
こういう指標が共有されていればとか、自分が共有していればもっと意識してたんだろうなというのはふと思いました。
確かにお子さんいらっしゃる方は、この辺の時間効率、厳しく考えられている方多いなと思って、いいなと思ってますね。
ちなみに結構ダラダラ派です。
働きたい派です。結構。
常に考えて、ダラダラやりたい派ですね。
結構人によるのかなと思って、みんなきびきびやる派が多いのかなと思ってたんですけど、
ダラダラ長時間働いて、長時間考えて、向き合える時間短いけれども、長時間考えている派の人も結構いるかなと思ってますね。
仕事学じゃない人なんでしょうね。
っていうより、働き方のスタイルなのかなという気もしましたね。
そうなんだ。
面白い。ありがとうございます。
今日は、一人当たりの売り上げあらり、限界利益の目安という話でした。
ありがとうございます。
ありがとうございます。
リテールトーク、ここまでお聞きいただきありがとうございます。
番組の詳細欄にGoogleフォームのURLがあるので、質問やメッセージはこちらからお送りいただけると嬉しいです。
番組内でご紹介させていただくかもしれません。
次回もぜひよろしくお願いします。