中小企業の課題
この番組は、中小小売企業の取り締まり役経験のある2人が、そのリアルについてゆるくお話しします。
人事に軸足を置いたジェネラリスト、私戸部有利が、2度のM&A経験がある連続企業家、樋口幸太郎さんに話を聞いていきます。
既に小売企業を経営している方、これから小売ビジネスで企業を考えられている方に役立つ情報を楽しく語っていきます。
リテールトーク69回目になります。よろしくお願いします。
お願いします。
今日は、AI時代を見据えた中小企業の発注・納品フローの改善というテーマです。
AI時代という話ですけど、前もこんな話した気がしますけど、生成AI普段使ってますか、樋口さん。
大規模使っていて、業務とプライベート両方使ってますけど、業務でよかったのでいくと、要件定義がめっちゃ楽になったかもしれないなというのがあります。
今、ストアレコード開発しているときに、要件定義は僕が基本的には書くんですけど、
ショピファイとかのAPI連携とかだと、もうドキュメントがかなり整備されておいてあるんで、
ChatGPにこのドキュメントをもとにこういうことをやりたいんだけどっていうと、コードまで書いてくれると。
そのコードを書いてくれたのをもとに、Notionでチケット管理をしているんで、Notionに全部コピーして貼って、
それを要件定義書にしてエンジニアさんに渡すと、エンジニアさんそれをもとにこんな感じで書けばいいんだっていうのをわかってくれるんで、
今まで僕がドキュメント読み解いて、多分こんな感じで取得できるんで、これでよろしくお願いしますみたいなのを結構書いてたのを、
ChatGPに聞いたら終わりになるんで、これはかなり楽になったなっていう感じですね。
なるほどですね。そんな使い方があるの。
Tobeさんはどうですか?何か使ってます?
使ってますね。結構内製に付き合ってもらったりとかそんな使い方もしながら、
この間はですね、Googleフォームに回答があったらスラックに飛ばせたら楽だなと思ってたのを聞いてみたら、
シュッとGASで教えてくれたんでやってみたら、シュッとできてすげーってなってました。
簡単なコード書くとかすごい良いですよね、GASとかで。
そうなんですよね。
うちもワクチンは書けないけど、それでGASを書いてもらって業務効率化とか結構進めてますね。
うんうん。あれすごい、なんか絶対できない人間なので、すごいできて楽しい気持ちになります。
でもできない人間って言っても、それ要件定義できてChatGPに渡せるっていうのは結構違いかなと思うのと、
そもそもこれできるんじゃねっていう発想ができるかどうかも結構差として大きいかなっていうのを、
周りの社員含めて使ってる人もいると思うなって思ってますね。
確かにそれはあるかもですね。できそうかなみたいなふうな見たてがつくかっていうのはありますよね。
Googleなくなりましたよね。
Googleのはやめてはないですけど、本当ちょっとめんどくさいこととかは、
これ調べてよって言って調べてもらうのが増えましたね、確かに。
うんうん。私もこの間、履歴の頃じゃないですか、あれ結構恥ずかしいんですけど、
カラオケのハウリングの直し方とかっていうのがあって。
なるほど、全部業務じゃないやつですね。
カラオケ行った時にハウリング直したいからChatGPに聞いてたらしいんですよね。全然覚えてないんですけど、そんなのもありました。
僕とかは最近真面目な方のやつでいくと、決算書まとめてホワイトペーパーみたいに作ったりしてるんですけど、
そこでアパレルの上場企業の1人当たり売り上げ高とか見てて、島村がやったら高かったんで、
なんでなんだっけみたいなのをChatGPに聞いたら、いろんなソースから調べてくれて、なるほどみたいな。
要はもう店長1人だけプラスパート3、熟練のパート3で運用できるようにマニュアル設定してますみたいな内容だったんで、
なるほどなと思ってっていうのをやってます。
なるほど、ドンキサイゼのサイゼ型の話ですね。
そうですね、西松屋みたいな、そういう運用になってるっていうのをパッと聞くと出してくれていいなっていう感じですね。
本題行きたいと思います。テーマはAI時代を見据えた中小企業の発注、納品フローの改善ですね。
私も今西松屋に日常的に使うけど、やっぱり業務の効率化とか仕組み化に生かすみたいなところはフローとして落とせていなくて、そこに課題感じてたりするので気になるトピックだなと思ってました。
今結構発注と納品の業務フローを整備して形にしていきましょうみたいな会社さんが結構あって、ようやく形になってきましたと。
いわゆる発注書と納品書がいわゆるマス目で発注するタイプで、発注書ごとにフォーマットが定まってないというか、
思いついたタイミングで行と列を追加して必要な情報を継ぎはぎしていくタイプの発注書でめちゃくちゃ苦労しましたと。
最初はガスで何とかしようかなと思って、ガスでここに何が定義されてるみたいなのを10個ぐらいやっていい感じで進むかなと思ったら、
11個目にフォーマットが崩れたのがブワーって流れてきて、全部崩れるみたいなことをやっていて結構苦労しましたと。
結局最終的にはもうこれ手動だなと思って、もうBPOみたいな形でマス目の発注書と納品書を全部データベースに入れやすいように、
カラムごとに一行ごとCSVで読み込めるような形にして、うちの開発しているストアレコードに順次入れていくみたいな、そんなことをやってます。
いつも思いますけど、めっちゃ地道なことされてますよね。
そうなんですよ。この辺をAIとかシステムでかっこよく解決したいなと思いながら、結局手作業で支援してるんですけど、
こういうのやってて思ったのは、発注と納品って小売業において最も重要なデータと言っても過言ではないデータかなと思ってますと、
そういうデータもちゃんとデータ化されていないというか、なかなか後回しになっちゃう。
LINEの中に眠ってるとか、そういう感じになってしまうので、結構大きな問題が起きてるなと。
その問題を感じ始めるのが売上5億超えてとか、数億超えたタイミングでちょっとやばいかも。
10億超えてくると支払いの額が分かんないと、いつキャッシュが足りなくなるか分かんないみたいな状態なんで、
お問い合わせいただいてるかなと思っていて、この辺り結構悩まれてる企業の代表とか、
経営者の方も多いかなと思ってるんで、その辺り話せればなというふうに思ってます。
仕組み化と分析の重要性
発注、納品管理ですよね。そもそもこれらの管理が必要なのって、大きい部分だと、
その月末の請求額把握するのにやっぱ必要だし、分かんないとキャッシュフロー分かんなくなっちゃって困るよねっていう話かなと思ってるんですけど。
おっしゃる通りで、会社によっては先方から請求書が来て初めて、
あ、こんだけ月末払わなきゃいけないんだっていうのが分かるみたいな、すごい不健全な状態の会社さんがありましたと。
支援先の医者さんでも売上希望が年間10億超えたぐらいのタイミングになっても、
発注とか納品がデータベース化されていないので、いつくら支払う必要があるかっていうのを、
各ブランドとかの担当者に納品書の発注数量と単価をピックアップして、
だいたいこれもPDFをLINEでもらってますとか、ファクトシでもらいましたみたいな会社もあるので、
それを束にしてまとめてExcelに転記して単価かける数量を計算して、
買いかけ金の金額っていうのを計算して、毎月提出してますみたいな。
作業にもやっぱ数時間かける発注先分やってますみたいなことがやってますと。
そもそも納品書を入れてませんでしたとか、LINEの奥深くに眠ったままですとか、
共有フォルダに格納するの忘れてましたみたいな形でやってるんで、
転記したこのまとめたのと先方の請求書の金額にズレがあって、だいたい少ないんですよね。
そのズレの要因分析をするために共有フォルダ探ってとか、担当者にメールしてみたいなことをやっていて、
無駄な時間が何十人もかかっているみたいな感じなので、
この業務フローを含めて設計し直すところとデータベース化を進めたいみたいなので、
ご相談を受けてますと。
幸いこの会社さん、すごいいい形で売り上げが伸びているので、
キャッシュフローこういう形で毎月月末いくら払うのかわからない状態なんだけれども、
借り入れだけは十分にできると。金融機関もすごい親身になってくれて、
伸びているから貸しますねみたいな感じなので、現金をぶっちゃけ多めに積んでいる状態です。
今は問題は起きにくいけれども、売り上げが減少したり、
伸びている途中でもドカンと仕入れたタイミングでキャッシュが足りなくなるみたいなのは怖いから、
今のうちから手当てしたいみたいな形でお話を受けています。
発注の品管理ができていないと困るよねって、キャッシュフロー的な意味の他にもあるんでしたっけ?
あとは追加発注で正確な数量、発注算がわからないので、
いくつ発注していいかわからなくなっちゃうっていうのがあります。
発注と納品をSKUの単位で紐づけるって結構面倒くさいんですよね。
発注番号とSKUと納品書の番号とSKUをちゃんと紐づけるみたいな作業になるので結構面倒なんですよね。
これやってないと発注100個しました、納品いくつされたかがわかんないんで、結局発注算が差し引きいくつあるかわかりません。
なのでそこのデータを出すのにものすごい時間がかかったり、何ならもう出せないから諦めちゃって、
なんとなく100個発注していて、60個ぐらいは届いてそうなんで発注算40で一応計算しますみたいなことをやってるっていうのが結構あるあるです。
やっぱり追加発注するときって正確に今在庫がいくつあって発注算いくつあるのか。
直近どのぐらい売れていて将来どのぐらい売れそうかみたいなこの4つのデータが必要なんですけれども、
どれか1個でも不正確だと過剰な発注になったりちょっと怖いから過小な発注にしてしまうみたいな形で
キャッシュフローの悪化もしくは機械損失を招きやすいなと思ってます。
過小な発注も怖いけど発注算把握できてないか故に過小な発注になってて機械ロスみたいなのもあるわけですね。
思い切って発注してもいいはずなのに発注算いくらあるかわからないからいっぱい発注したかもしれないからやめとこうみたいなので
ロスしちゃうっていうのは結構もったいないなと思ってます。
最後にこれも問題だなと思うのはMD、マーチャンダイジングの振り返りを行うことって
継続的に良くしていく上で筋トレみたいなもので大事だなと思ってるんですけど
発注とか納品がデータベース化されてないとこのあたりの振り返りを行う難易度も高いし
そもそも振り返れないみたいなことがあるかなと思ってます。
振り返りできないってどういうことですかね。
例えばなんですけどいつどの商品がいくついくらで発注して納品されたかのデータっていうのがないと
発注フローの重要性
例えばなんですけどAという商品は1回目の発注2回目の発注は30日以内に全部消化されました。
一方で3回目の発注は消化率55%でシーズンが終わっちゃったんでその後45%は残っちゃいました。
これを振り返るときって1回目2回目の発注は量が少なすぎて
3回目の発注は時期の問題もあるけれども発注数量が多すぎたっていう振り返りができるんですけど
じゃあ1回目いつのタイミングで発注して何個発注していていくらで発注したかみたいなデータが残っているとこの振り返りもすごい楽なんですよね。
アストアレコードで行くと発注納品の日付で区切ってその期間の販売数っていうのデータでダウンロードしてガッチャンコすればすぐ出るっていう形なんですけれども
これが共有フォルダに発注書と納品書が入ってますっていう状態だとどうやって探していいかもわかんないみたいになっちゃうっていうのが本当具体的なやつです。
もう2つぐらい具体的な事例話すと2個目が僕ら全職子供服やっていて
1つの品番にEC専業だったんでいっぱいカラーを紐付けますと売れると品番単位でランキングが上下するのでカラー数が多いほどいいみたいな運用をしていましたと
そうすると1品番に20カラーとか紐付けるんですけど中には売れ行きが悪いカラーとか出てくるんですよね。
売れ残ったんでセールの時期にいっぱいオフして販売しているので荒利率が悪いカラーとすぐ早めに売り切れちゃうので荒利率も消化率も良いカラーみたいなのがあるんですけれども
こういう品番の下のカラー単位で消化率と荒利率両方良いかどうかみたいな分析をするときもデータがないとできないみたいな
これをもとにカラーの入れ替えとかをすごいやっていて残すカラー3割残りの7割が入れ替えるみたいな運用してたんですけど
この振り返りと入れ替えみたいなのが結構大事だったのでここのデータとか正確に欲しいなと思うんですよね
3つ目が季節商材を適切なタイミングで発注できているかみたいなところを振り返るとすると各商品ごとの発注日と納品日を時系列で出して
消化率荒利率を見ると良いタイミングで発注して納品されてるかみたいなのが出るかなと思ってます
クライアントさんでストアレコードを出しながら分析した会社さんでいくと
12月発注1月納品の冬物が結構あってこの冬物納品は売れ筋でいいから発注したけれども
もうセール期に届いちゃったんでセールして販売してたんで利益が全く残ってないみたいな分析ができて
この12月発注特に後半の12月発注は絶対やめましょうみたいな感じの振り返りができたというような形です
そもそもデータ整ってないとこういう振り返りをやらない全くやれてないみたいな会社さんが多くて
一方で振り返りの精度がこんな形で高いと前回のこの発注は良くなかったけどここは良かったみたいな形で
より強固なMDとか経営体制の構築ができるなと思っていて
それによって継続的な成長ができるんじゃないかなと思っています
AI活用の必要性
なるほど精度の高い分析とか振り返りをしていくにはちゃんと前段階としてデータがないといけないよねってことですね
これAI自体を見据えたっていう話でしたけどこれも同じことですかね
そもそもAIちゃんとデータないといい回答してくれないっていうのが大前提としてあって
その上でそもそもAIに対する期待値がめっちゃ高いなっていうのを感じてます
現状の業務フローとかデータが全然整ってないのに
なんかAIかませると吉田にやってくれてうまくいくんじゃないかみたいな感じで話されることもあって
ちょっとそうではなくてちゃんと業務フロー整えてからじゃないと
AIちゃんも困るんでここから一緒にやっていきましょうみたいな説明が結構大変ですと
やっぱ業務フローの蓋開けるとAIだと理解できないですよこれみたいなのが少なくないんですよね
そもそもその子社でExcelの発注書作ってる場合って他の会社で使ってない発注書になっているんで
AIにとってもデータ初めて見るデータみたいになっちゃうんですよね
本当AIの重要性高まってきてるなっていうのを日に日に感じていて冒頭話した通り業務でも使ってますと
業務効率化に大きくつながるなと思うんですけれども
やっぱりAI考えるための材料であるちゃんとしたデータみたいなのがないと精度の高い回答難しいなと思っていて
本当一社単独のフォーマットだとそもそも学習してどこに何があるかみたいなところが分からないので
AIがどの数字が何なんだっけみたいなのが分からなくなっちゃうなっていうのは思ってますと
そんな状態だとAI使った業務の効率化もできないので
まずは業務フローしっかりしましょうと
AIが見ても分かりやすいデータっていうのを整えるところが結構スタートとして大事だなと思ってますと
一方でクライアントさんで大きい企業さんもいるんですけど
そういう会社さんだと基幹システムにデータは一応入れている
基幹システムの使い勝手云々っていうのはあるんですけれども
データ入れるフロー自体はあるので本当正確なデータについては大量に持っているから
データとAI活用の文脈だと大手企業の方が有利になるかもなみたいな感じで思ってます
で中小企業といってもそういう大手との競争環境にあるので
そういった最低限の仕入れのデータとか在庫のデータ売り上げのデータみたいな
重要なデータはデータベース化しておいて
AI使ってとかデータの分析使って
より少ない人員で大きな売り上げとかあらりを作り出すみたいなところは
考えた方がいいのかなと思ってますと
ポジショントークも含めてですけど
本当データベース整えるの早ければ早い方がいいなと思っていて
売り上げ1億年収1億超えるようなタイミングでは
整い始めるとAI時代にとっても業務効率化しやすくなるので
いいんじゃないかなっていうのが最近思っているところです
ありがとうございます
今日はAI時代を見据えた中小企業の発注の品フローの改善というテーマでした
ありがとうございます
リテールトークここまでお聞きいただきありがとうございます
番組の詳細欄にGoogleフォームのURLがあるので
質問やメッセージはそちらからお送りいただけると嬉しいです
番組内でご紹介させていただくかもしれません
次回もぜひよろしくお願いします