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This is ReinaMoro's Podcast. 世界のクリエイティブ思考
Hi everyone, this is ReinaMoro. 皆さんこんにちは、ニューヨーク・東京・シンガポールを拠点にするグローバルイノベーションファーム
I&CO共同創業パートナーのレイ・イナモトです。 目まぐるしいスピードで世の中が変化する中、この番組は日本人が世界で必要不可欠な存在となるためのヒントを探ります。
今回は、僕が気になったクリエイティブ作品を紹介する、注目のクリエイティブです。 今日もこの番組のプロデューサー、竹村祐子さんと一緒にお届けしたいと思います。
はい、レイさんよろしくお願いします。 今日は何を取り上げますか?
映画の衝撃と影響
そうですね、今回は映画の世界から一つ作品を選びたいと思います。 これはですね、何を隠そう、僕が小学校5年生とか6年生ぐらいの時に見た映画なんですけども、
ある意味すごい衝撃を受けて、そしてある意味すごい感銘を受けて、僕もこういうものが作れるようになりたいっていうふうに思った作品なんですよね。
それがですね、映画のラスト・エンペラーです。 では早速いきましょう。
ベルナルド・ベルトルッチ監督の映画、ラスト・エンペラーは、1987年に公開された中国最後の皇帝、フギの波乱の生涯を描いた作品です。
坂本隆一さんがアカデミー賞で日本人初の音楽賞を受賞したことでも、当時大きな話題になりました。
レイさん、この映画を取り上げた理由は何ですか?
そうですね、映画一本これぞっていうのを選ぶのって結構難しいと思うんですけども、今回この中国のクリエイティブのコーナーを作ることで、いろんな領域のものが選ばれるわけなんですけど、映画の話ってあんまりしてないと思うんですよね。
初めてですね。
そうですね、ほぼ無限にある映画の中から、僕もまあ生涯全部数えると、1000本は見てないにしても多分何百本の映画は見てると思うんですが、その中でこれぞって選ぶのは実はすごく難しいことじゃないですか、これは誰でもなんですけど。
そうですね。
そんなことを考えた時に、あえてこう遡ってみたもので、そして未だにある意味の衝撃が残っているもの、印象強かったものってことを考えた時に、この映画が真っ先に思い浮かんで、その理由っていうのは、自分の将来の夢の作文を書きなさいっていう課題があった時に、
僕は映画監督になりたい。その理由は、この映画ラストエンペラーにすごく衝撃を受けたからですっていうふうに書いたのを未だに覚えてるんですね。
それが小学校6年生ぐらいだったと思うんですけども、そんな子供にもそれぐらいの衝撃を与える、そしてそれだけの感動を与えるっていうのは、なかなか簡単なことではないと思いますし、
あとやっぱり、それまでテレビとか、子供ながらに見る映画っていうのはそれなりにはあったんですけど、世代を問わずに映像から音楽、衣装、物語、いろんな要素を含んで、そして人に感動を与えるって、映画すごいっていうふうにその時思ったんですね。
そういうことができるようになりたい、そういうものを作れるようになりたいって思った一番最初の映画の作品がこれだったので、今回取り上げることにしました。
芸術とエンターテイメントの融合
じゃあ、もう子供の時に気づいた芸術の素晴らしさ、映画の素晴らしさの原点にあるような作品なんですね。
ラストエンプラーという名前にもあるように、この彼が最後の中国の皇帝だったわけですよね。内容は結構こうダークなこともあって、だからその歴史の節目っていうこともあれば、あとこの皇帝の妻である人がですね、薬物にはまっちゃって、ちょっとこう病になったりとか、そういうちょっと子供にはかなりヘビーなところがあるんですけども、
そういう重たい内容ももちろんそのリアリティを持って表してるんですけども、なんか子供でもこういう世界があるんだっていうのを分からせてくれてる。
そしてその歴史の中にはいろんなことが含まれてるっていう、ある意味その教育的なところもあれば、その芸術として音楽として映像としてすごく美しいものでもある。なんかその醜いところと美しいところが両立してるっていうのが、今になってちょっとこう何が印象だったかっていうのを今自分なりに分析をして考えてみると、そういうなんかいわゆる矛盾ですよね。
美しいものと醜いものが同じところに描かれてるっていうのは、まあ映画ではそういうのは当たり前かもしれないんですけども、なんかそういうのがその芸術のすごさだなっていうのを、なんかその時に少しずつ理解してきたかなと思います。
なるほど。
たぶん少なくはないとは思うんですが、この映画ラストエンペラーで僕すごいなと思ったのは、そこのちょうど境目をうまくバランスしてるんだと思うんですね。ちゃんと人々が楽しめるエンターテイメントとしても存在しているし、なおかつその少し違うレイヤーのいわゆるアート、芸術としても存在して、それを両立している映画の一つだと思うんですね。
今の特にその、いわゆるそのハリウッドの映画ってエンターテイメント、娯楽に寄っていて、まあハリウッドもハリウッドでビジネスなので売り上げあげなきゃいけないとかっていうのがあると思うんで、どっちでもその大衆系だったりとか、暗いことを描かないとかなんかそういうふうに言っちゃうと思うんですよね。
なんですけど、ベルトルッチ氏がそういう監督でもあるので、そのアートっていうところとエンターテイメントっていうところをバランスとりながら作品を作ってると思うんですけども、特にこのラストエンペラーっていうのはエンターテイメント性、その大衆向けでもありながら、芸術的なところを残しているっていうのが僕はすごいなと思います。
- それも監督の本当に力量ですよね。すごく自分の好きな要素だけを盛り込んで、ものすごい評論家には好かれるクロート好みの映画なんだけど、ちょっと一般の人にはわかりづらいかなみたいな。カンヌは撮るけどアカデミー賞はちょっとみたいな映画って世の中いっぱいあるわけじゃないですか。
それを両方の要素をうまく盛り込むなんて本当にすごいことだなというふうに今聞いていて思いました。
- だからこれは彼はたくさんいろんな作品作ってますけども、僕が見た彼の映画の中ではこれが一番最高傑作だなと思います。
- なるほど。中国最後の皇帝の映画なのに、映画を撮っている人たち、映画を作っている人たちは、例えばアメリカの人だったりイタリアの人だったり日本の人だったり、世界中の人たちが集まって作られた作品でもあるんですが、そういうところも子供ごころにレイさん、世界の人たちと働きたいなみたいな気持ちがあったんでしょうか。
- その時すごいなと思ったのは、この監督、ベルトルーチ監督ってめちゃくちゃ巨匠なんですけども、その監督の作品を見たのがこの時が初めてで、すごいなと思ったのは、一人の人がいろんな役割の人を指揮して指示を出して指揮をして演出をして、それをこうやって一つの作品にまとめるっていうのはすごいことだなっていうふうに思ったんですね。
映画制作の魅力
- だから映画だと、もちろん竹村さん映像を作られる方なので、これはほぼ感覚的に理解されていると思うんですけども、なかなかそういう全然違うものを合わせるのってすごい難しい技だし、なんか料理するときも全然違う味を混ぜて新しい味が出るみたいに、音楽だったりとか衣装だったりとか映像だったりとか文章だったりとかってこうミックスして、それをこう自分なりの、
多分監督だとやっぱりこういうものにしたいっていうビジョンがあって、それに基づいてそういう要素をミックスするわけじゃないですか。
- それがすごいなっていうふうに思って、その後にこれが日本人の音楽家もいれば、中国人の俳優もいれば、アメリカ人の制作スタッフもいるみたいな、そういうのがだんだんわかってきたんですけども、違う技術だったりとか、違う技を混ぜ合わせる一つのものにする力っていうのはこんなにすごいことなんだっていうふうに、その時少しずつ意識し始めたような気がします。
- レイさんは結果的には映画監督ではなくデザイナーになったわけですけれども、何か今のお仕事をしてて、こう似てるなーって思うところとかありますか。
- そうですね、一応僕役職としてはデザイナーというの、それこそ空港で税関とか通るとき、職業は何ですかっていう欄にはデザイナーって書くんですけども、正直自分でデザインをすることは今ほとんどなくて、
どっちかっていうと監督みたいにいろんなチームの人たちを集めて、そして最終的に形にしていくっていうところなので、もちろん映画監督とは違う立場ではあるんですけども、ビジネスという世界の中でブランド戦略というのを専門にして、デザイナーの視点で物事を見て、
それをちゃんと経営者の人たちだったりとか、いろんな人たちにプレゼンをして、いろんな人の意見を受けながら、でもちゃんと軸はぶれないように最終的にはお客様のためになるものを作っていくっていうのは、映画とはちょっと違う監督ではあるんですが、いろんな技術の人だったりとかいろんなものをミックスして一つのものに収めていくっていうのはちょっと似てるのかなと思います。
今日あげていただいた映画はこれは歴史の映画ですけど、普段どんな映画とかご覧になってるんですか?
僕はですね、映画、非常に理想的ではない環境で見ることが多くて、どうしてかっていうと飛行機の中で見ることがいろいろ時に見るのが多いんですけど、
ストーリーテリングとして、物語として、どうやってストーリーを作れば、そして伝えれば相手に感動を与えられるんだろうっていう、ちょっと職業柄のストーリーテリングという方向で見る時もあれば、だからパラサイトみたいな映画はそういう観点で見るんですね。
あれば、もう完全に脳みそを休める娯楽として、もう本当に何にも考えなくてもただ普通に楽しめるみたいな、そういう観点で見る時は、もちろんストーリーも大事ですけども、自分の脳みそを休める道具としてそういうエンターテイメントを楽しむ場合があるので、そのどっちかで結構見ることが多いかなと思います。
じゃあ、年間結構いろんな分野のいろんな映画をご覧になる感じなんですね。
そうですね。年間何十本とは見てないと思うんですけども、移動はそれぐらいしますし、そうですね。で、あと、ネットフリックスとかそういうストリーミング系だと、どっちかっていうとドキュメンタリーの作品を見ることが多いですかね。
わかりました。ぜひこのラストエンペラーもまだご覧になっていない方は見てほしいですよね。
はい。もう30年以上前の作品なんですけど、今見ても特に芸術性っていうところは衰えてないと思いますし、ちょっと正直長い映画ではあるんですが、いろんな側面から見て楽しめて感銘を受ける作品だと思います。
さて、ここまでお送りしました。レイナモトの世界のクリエイティブ思考。今回の注目のクリエイティブは映画ラストエンペラーについてお送りしました。
映画の印象と影響
子供の頃に見た映画って大人になって見る映画よりもガツンと心に印象を残ってたりしますよね。
そうですね。数はその時はまだまだ見てないですし、まだ初めて見た映画ではないですけども、でも今でも結構鮮明に覚えているので、その衝撃はすごかったんだなって今になって改めて思います。
はい、皆さんもぜひ見てみてください。
世界のクリエイティブ思考、お相手はレイナモトと竹村由紀子でした。
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