This is ReinaMoro's Podcast 世界のクリエイティブ思考
Hi everyone, this is ReinaMoro 皆さんこんにちは、ニューヨーク・東京・シンガポールを拠点にするグローバルイノベーションファーム
I&CO共同創業パートナーのレイ・イナモトです。 この番組では世界で活躍するトップランナーのクリエイティブ思考に迫り、21世紀を生き抜くヒントを探ります。
今回も前回に引き続き、僕が気になったクリエイティブ作品を紹介する注目のクリエイティブです。
今日もこの番組のプロデューサー、竹村由加さんと一緒にお届けしたいと思います。
はい、レイさんよろしくお願いします。
前回は発泡美人にならないブランドメッセージの重要性をテーマに、レイさんがスーパーボールで注目したテレビコマーシャルについて取り上げていただきましたが、
今回はハーフタイムショーについてお話を伺います。
そうなんです。今回はですね、今年のスーパーボールのハーフタイムショー、ケンドリック・ラマーという大人気のラッパーなんですけども、彼がメインの主役として出ていたものなんですが、
今日はこのハーフタイムショーについて、エンタメとアートの違いをテーマにお届けします。
では早速いきましょう。
So, let's get started.
毎年スーパーボールのハーフタイムショーを話題になりますよね。
時代を象徴するアーティストが登場するんですが、今年はレイさん、どんなところが印象に残りましたか?
今回はですね、これ事後の話ではあるんですけど、ハーフタイムショーがすっごい話題になってるんですよ。
今、これ収録しているのはスーパーボールが終わってからもう20日以上経ってはいるんですけども、もう本当に話題が絶えないというか、
オンラインでYouTubeだったりとかTikTokとかインスタでも、僕はそれを気にして見ちゃってるっていうところもあるとは思うんですが、
もういろんな人が、それもアメリカだけではなくて世界中の人がそれに反応しているんですね。
ハーフタイムショーって15分ぐらいしかないので、そんなに長い時間ではないんですけども、その中からのある一つのシーンを切り取って、それを振り付けを真似してTikTokに流してる人たちもすごく多いんですけど、
そういう表面的なところだけではなくて、社会的背景だったりとか歴史的背景なところにも、このアーティストであるエンターテイナーであるケンドリー・クラマーが元気をしていたっていうのが今までになんかなかった現象なんですね。
それは歌の中で表現したっていうことですか?
そうなんです。ケンドリー・クラマーとあとドレイクというラッパーで、結構対照的な存在で、まだケンドリー・クラマーが有名じゃなかったときに、同じ彼のコンサートに出してあげたりをして、
ドレイクがちょっと先輩的な存在で、ケンドリー・クラマーの背中を押してあげてたことがあったんですね。もう15年くらい前の話なんですけども。
その後、2015年くらいになって、お互いの仲が悪くなって、ケンドリー・クラマーの方も人気が出てきて、
俺がそのラッパーとして一番なんだぞ、みたいなことを言い始めて、お互いそのラップの歌を通じてディスり合うという、これはそのラップの世界では結構普通にあることなんですけども、歌詞とかを通じてお互いを間接的、もしくは結構こう直接的に批判しちゃったりとかするっていうことをし始めたんですね。
もうバチバチですね。
そう、それが10年くらい続いてたんですけども、2024年にかなり明確にもう名前も名指しでドレイクとかっていう言葉を歌詞の中に入れて批判する曲を出したんですよ。
まあ、なかなかそのいわゆる日本で地上波では流せないような言葉もたくさん使っている歌なんですけども、それがですね、もうすごい打ヒットをしたんですね。
で、もうほんのそのスーパーボールの2週間くらい前にあったグラミー賞でもその歌が2020年の最高賞に輝いたりとかで、もうすごい脚光を浴びて、もうこれはこれでケンドリック・ラマーがドレイクを古典派にやりのめしたよねっていう状況にまで行ったんですね。
ただその内容が内容だけに結構過激な内容なので、さすがにその1億人以上を見るような場ではこれケンドリック・ラマー歌えないよね、でも歌うのかなみたいな話題が事前に流れていました。
で、ハーフタイム賞が出てきて、ハーフタイム賞もですね、サミエル・ジャクソンという俳優、これ黒人の俳優なんですけども、アンクル・サム、これは戦時中にアメリカの徴兵を促そうとしていたポスターの主人公にアンクル・サムというキャラクターがそのアメリカの帽子をかぶってスーツを着て指を指しているポスターがその戦時中に作られたんですけども、
そういう予想をした黒人のサミエル・ジャクソンがハロー、アンクル・サムという形で出てきて、いかにもなんかそのブロードウェイのミュージカルが始まるような感じの設定になっていたわけなんです。
で、そこから彼がその司会としてケンドリック・ラマーを紹介するんですけども、さすがにこんなこと言えないよね、ちゃんと綺麗なことを言ってくださいよ、みたいなことを紹介しながら言うんですけども、最後にはそれをケンドリック・ラマーが裏切って、そのドレイクを批判している歌を歌うんですけども、その中にも、ただその2人のイザコザだけではなくて、歴史的背景にある、例えばその黒人の権利とかっていうことも言及してるんですよね。
このハーフタイムの中で、このケンドリック・ラマーがいくつかセリフがあるんですけども、その中でまずこれは音楽だけのことじゃない、もっともっと広いことなんだっていうことを言って、その後に40エーカーアナミオという形をするんです。
これ知らなかったんですけど、これ直訳すると40エーカーとラバ、ラバっていうロバみたいな動物ですね。それって農業に使われる動物なんですけども、黒人が奴隷だった時代、そして黒人が解放されるときに、今まで奴隷だったことへの代償として40エーカー、東京ドーム3.5個分っていう結構な土地と、
そこで農業をするためのラバを提供しますよっていう、白人からの黒人に対する代償を約束したんですね。ただそれを渡さなかったんですよ。口では言っといて。
ひどい。
だからそういうもう100年ぐらい前の話なんですけども、やっぱりどうしても黒人が社会的地位としてずっと苦しめられてきた。今回のハーフタイムショーですごく目立ったのは、出てた人たちがすべて黒人なんですね。すべて。
ラッパーのケンドリックラマーだけではなくて、バックアップダンサーも何十人も出たんですけども、すべての人が黒人で、それもそれでいろいろ批判はされた。それこそダイバーシティがないみたいなことをDIをけなしている人たちから引き上がったりとかして結構矛盾はしてたんですけども、
だからその黒人の権利を主張するっていうのを結構あからさまにやっていたハーフタイムとして、なんか僕も毎年リアルタイムでは見てないとしてもどんなもんだったのかなっていうのは確認するんですけども、
これほどその人権だったりとか特に今回黒人の人権に対して主張を間接的そして視覚的なおかつ言葉でも表してるっていうエンターテイメントって後にも先にも思いつかないんですね。
いわゆるこういうかなり公の場、それも何億人もの目の前にして自分の権利を主張するっていうのをやるってのなかなかできないと思うんですよ。
で、これその今回のテーマのところに戻ると、このハーフタイムショーって今まで僕そのハーフタイムショーみたいなものってコンサートだったりとかっていうのはもうエンターテイメントになって結構割り切っては思ったんですけども、
なんかその事後にこういう歴史があったとか、この言葉にはこういうシンボリズムがあったとかっていうのを検索してる自分を見て、考えさせられることってこれってアートの領域に入ってるなっていうふうに思ったんですね。
確かに。ただかっこいいとか、ただ面白かったとかだけじゃなくて、みんなの心に爪痕を残す、そこから何か考えさせる、調べさせる、次への行動の背中を押すっていうことをちゃんとやっているっていうことですよね。
しかも訴えられるリスクも自分で、それよりも大切なことがあるからやるんだっていう、これはもう本当にアートですね。
本当にアートですね。だから、もちろんその表面的なところで、今TikTokとかも見てもらえればわかるんですけども、もう世界中のいろんな人がこのケンドリー・クラマーが舞台上でやった、すごくシンプルな踊りなんですけども、それを真似してめちゃくちゃもう流れてるんですね。
っていうすごくこうある意味、深くない意味でのエンターテインメントもあれば、そういう歴史のことについて語っているっていうところもあったりとかで、もう本当にいろんな意味が隠されているっていうのが、YouTubeでもその解説をしている動画がたくさんあったりとかで、だから僕が知らなかった歴史とかもそういうところに反映されているっていうのがすごく僕は衝撃的でした。
皆さんもぜひこちらも番組の概要欄にリンクを載せておきますので、ぜひぜひご覧になってみてください。
さて、ここまでお送りできました。レイナウトの世界のクリエイティブ思考。今回の注目のクリエイティブはエンタメとアートの違いをテーマにお送りしました。
エンターテインメントは人を楽しませる。アートはもちろんそういう要素もあるんですけども、それ以上に考えさせるっていうところが結構決定的な違いかなとは今日思ったのと、
あとやっぱりそういうところでそのハーフタイムショーを見ると、もちろんケンドリックラマーという主役がいるんですけども、このプロデューサーはJGと一緒にこれを制作しているジェシー・コリンズというイベントのプロデューサーなんですけどもその人だったりとか、
あとハミッシュ・ハミルトンというイベントの監督をする人がいるんですね。その人はそのハーフタイムショーだったりとか、オスカーのイベントだったりとかを監督する人なんですけども、一般的には全く知られていない名前で僕も知らなかったんですけども、そういう人たちがいろんな知恵とアイディアを出し合って、チームとして人の心に刺さるものを作っている。
そのクリエイティビティはすごいなと、今回改めて思わされたので、今日このハーフタイムショーというのはなかなか日本では取り上げられないですし、僕も正直ここまで考えたことはなかったんですけども、いやークリエイティビティの力強いなっていうのは思った次第です。
注目のクリエイティブにぴったりの題材でしたね。
はい、僕もこれを取り上げることにはなるとは思わなかったんですけども、取り上げることができてよかったです。
では次回もお楽しみに。世界のクリエイティブ思考、お相手は麗奈本と竹村由紀子でした。
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