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2022-11-15 21:50

#006 リスナーからの質問に回答「これからの広告業界を生き抜く方法」

第6回は、リスナーがレイ・イナモトに直接質問をする“Open Mentoring”。日本の大手広告代理店「博報堂」でアートディレクターをしている永井貴浩さんの「時代が変わる中、広告業界の人間として、今後どう進化すれば良いのか?」、「クリエイティブディレクターにステップアップする方法は?」、「戦略的思考はどう組み立てれば良いのか?」などの問いに、レイ・イナモトが自分自身の経験を踏まえ、具体的にアドバイス。 クリエイティブ思考を武器に21世紀を生き抜くヒントを紹介します。


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This is ReinaMoto's Podcast. 世界のクリエイティブ思考
Hi everyone. This is ReinaMoto. 皆さん、こんにちは。クリエイティブディレクターのレイ・イナモトです。
この番組では、日本人がクリエイティビティを武器に、世界で戦うにはどうしたらいいのかをテーマに、21世紀を生き抜くヒントを探ります。
So, let's get started.
Open Mentoring
今回は、リスナーからのご質問に、僕が直接答える、そんなスペシャルバージョンでいきたいと思います。
それでは早速お呼びしましょう。
こんにちは。初めまして。長井と言います。
僕は現在、日本の広告代理店の博報堂という会社でアートディレクターとして仕事をしています。
ちょっと正直驚いたんですけど、名前を出してちゃってもいいという。大丈夫ですよね?
はい、大丈夫です。会社にしっかり確認を取りまして、名前を出した方がいろんな人に伝わるものも多いかなと思ったので。
まさか、本当に匿名だったら大丈夫ですよ、みたいなことでご返事いただくのかなと思ったんですけど。
別に名前を出して何がダメなんだろうなと思って、許可をしっかり取りました。
今後は匿名で出ていらっしゃる方もいらっしゃると思うんですけども、
今回は匿名で具体的なお話ができればなと思いますので、よろしくお願いします。
よろしくお願いします。
今日、ご相談をされたいのはどんなことかお聞かせください。
僕はまず広告代理店にデザイナーとして入社しまして、現在アートディレクターとして業務を進めているんですけども、
僕が入った当初、ポスターだったりCMだったりっていう仕事が多くて、それを作るためにずっと仕事を頑張ってきたんですが、
昨今、表現の場がすごい多様化してきて、
例えばデジタルだったりとか映像だったりPRだったりプロモーションだったりっていう、そういったものが世の中にあふれてきている中で、
アートディレクターの価値っていうものをどうやって高めればいいのかなっていう、すごい大きな悩みがありまして。
なるほど。表現の場がやっぱり広がっているってこと、これ永井さんもおっしゃられたんですが、
それまでっていうか、そうですね、20年ぐらい前までは、いわゆるマスメディア、広告、テレビ、ポスター、グラフィック、新聞広告、屋外広告みたいな、すごく限られてたところがあるんですが、
今はそれがもう5年に1回ぐらいガラッと変わっちゃうっていうか、
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今後もやることは増えますよね。
最近の職種でUXデザイナーだったりとかUIデザイナーっていう言葉をよく目にするんですが、
UXっていうのはUser Experienceで、そのユーザーの体験をデザインをする方たちをUXデザイナー。
UIというのはUser Interfaceで、User Interface Designer、
そのアプリの画面だったりとかウェブサイトの画面だったりとかSNSの画面をデザインする人たちをUIデザイナー。
会社が、これ広告代理店がってことじゃなくて、いろんな会社が必要としている求人広告の数で言うと、
UXデザイナーとかUIデザイナーの数はめちゃくちゃ多いんですけど、
アートディレクターとコピーライターの求人の数ってその10分の1もないぐらいなんですよ。
これアメリカのデータなので日本がこうなのかっていうのはちょっとわからないんですが、
多分そうだと思うんですけど、アートディレクターとコピーライターの求人の数って需要が全然減っちゃってるので、
たぶん徐々には減ってたと思うんですが、コピーライターとかアートディレクターの求人の数が減り始めたのは、
それが顕著に現れてきたのはここ5,6年ですね。
やっぱりその時代の変化っていうのは日本でも海外でも同じことで、
それが具体的にアートディレクターという触手の求人口号がすごく減ってたりとかっていう細かいところにも出てくるので、
それが現実的にあるっていうことは、これは僕もアートディレクターとしてやってきた人間ですし、
永井さんもアートディレクターっていうタイトルでやってらっしゃるので、
これはちょっと受け入れなきゃいけない現実だなっていうのがまずスターティングポイントにありますと。
ちょっと巻き戻すと、そもそも美大に行かれて、大学院にも行かれてますよね。
ちなみにそのきっかけっていうのは何ですか?その広告を作りたいと思ったのは。
そうですね。いろんな広告の作品とかキャンペーンとかを見てると、
世の中に影響を与えていて、そのアイデアにあふれてるなというか、
すごい楽しそうだなと思って、こんなの僕も考えたいなっていう思いがやっぱり強くなって、
すごい表面的にもちろん取られちゃってると思うんですけども、
やっぱ広告行きたいっていう思いが強くなってって感じですかね。
なるほど。今までされたお仕事で、ご自分でこれは自分の自信作だっていう、そんなお仕事ってありました?
こういうことがしたかったんだなって思った仕事は、
静岡市の仕事で、静岡の街をプラモデルにしていこうっていう仕事がありまして、
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静岡市って全国のプラモデルの出荷数が83%ぐらいを占めていて、プラモデル産業がすごい街なんですね。
静岡の街に転在しているといいますか、ある郵便ポストだったりとか報酬電話みたいなものを、
まだプラモデルが型にはまった状態、ランナーっていうんですけども、
ランナーにはまった状態で街にモニュメントとして転在させるっていうプロジェクトをやったときに、
アートディレクターとして、本当に一番最初からプロジェクトに入らせてもらって、
すごい面白くなりそうだぞみたいな、アートディレクションとしても色々こだわって仕事もできたりしたので、
こういう仕事とかが今後たくさんできるといいなって思いました。
これってちなみにお題は何だったんですか?
これは静岡の街おこしですね。
静岡市ってプラモデルが本当はすごい有名な街で、それをしっかり可視化していこうっていう。
もちろん来る人もそうなんですけども、街の人も楽しんでもらえるようなものを作るのが大事。
地元の人もしっかり楽しんで見てもらえるようなものにしないといけないっていう話になり、
プラモデルを使って何かやろうと。
それによって街に今まであったものがバラバラになっているっていう方が面白いなと思って、
実際郵便ポストとか公衆電話作ったんですけども、それも電話かけれますし、郵便ポストもそこから郵便物出せるんですね。
すでにあるものが変わっていくっていう、単純に銅像を置くみたいなことではなくて、
今まであったものがどんどん分解されて変わっていくっていうのが面白いんじゃないかと思って、この施策を考えました。
2つあると思うんですけど、
1つはそのアートディレクターという職の今後の在り方と需要性っていう話と、
あと永井さんが今まで10何年か20年近くですかね、15年5、6年こう仕事をされてきて、
まずデザイナーとして入られてアートディレクターになられて、今後のキャリアをどうしようかっていう2つちょっと軸があると思うんですね。
その後者の方から考えると、永井さんご自身、今40歳ぐらいかなっていうふうに僕は想定してるんですけど、
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今後アートディレクターっていうことはこだわらずに広告の仕事をやっていきたいのかとか、どういうことをやっていきたいとか、
ご自分なりのビジョンみたいな願望みたいなのはあります?
そんな大きなビジョンではないんですけども、やはりまずクリエイティブディレクターになりたいなとは思っています。
美大出身で採用された広告代理店で最初デザイナーとして入社しまして、
アートディレクターの下についてずっとアートディレクションを学んでいく数年間がありまして、
そこから一人立ちしてアートディレクターとして一人で仕事をすることになるんですけども、
その後に今度クリエイティブディレクターになるための試験といいますか、大きな山というかがあって、
クリエイティブディレクターにとてもなりづらいといいますか、戦略的な思考だったりとか、
そういう物事を俯瞰で全部見るっていう訓練というか特訓といいますかね、
そういったことがなかなかされないままアートディレクターになってしまうもので、
その後のアートディレクターからクリエイティブディレクターへ昇格といいますか、
上がる時に俯瞰して物事を見ることがなかなか難しいなっていうのが、
今僕の現状で難しいところだなというふうに思っています。
物事を戦略的に考えていくとか、あと経営者の人たちの話を聞いてそれを形にしていくときに、
なぜこういうことが必要なのかっていうところを、
英語で言うとクリティカル・ティンキングっていうんですけど、
見つけていくことができれば具体的に行動には移せていけるんじゃないかなと思います。
テクニックっていうのは非常に大事ですし、やっぱり我々みたいなものづくりだとそこができる人間なので、
色がどうなのかとか形がどうなのかとか書体がどうなのかっていうところにこだわるのは非常に重要なんですが、
それ以上に問題が何なのかっていうことを常に問い正しながら、そこをぶれずに追求していく。
それが重要なんじゃないかなと思います。
なるほど。
具体的に何をすればそういう力が身につくのかとか、そういう機会に触れ合うことができるのかっていうことを考えると、
これもちょっと自分の体験談からなんですけど、
僕も長井さんみたいにもともとデザイナーで会社に入って、アートディレクターっていう町に行って、そしてクリエイティブディレクターにはなっていったんですが、
その過程で個人的に一番役に立ったのが、プロジェクト以外に結構文章を書くことを僕はやってたんですね。
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僕の場合は広告の今後の在り方みたいなことを30代初めぐらいの頃から結構書き始めてたんですけど、
別に広告について書くっていうことよりかは、文章を書いて、それこそ数ページぐらいでいいと思うんですが、
文章に書いていくことによってアイディアを言葉に落として明確にしていくっていう力が徐々についてきたのかなと思うんですね。
デザイナーとかアートディレクターがはまりやすい罠っていうのがあるんですが、
やっぱり我々色がどうのこうのだったりとか書体がどうのこうのだったりとか形がどうのこうの目に見えることを作っていく人間じゃないですか。
それ良くも悪くも社内の人だったりとかクライアントの人たちに見せると、
良くも悪くもパッと見てそれが好きかそれが好きじゃないかっていう判断になっちゃうんですね。向こう側は。
そういう状況になっちゃうと、物音の判断が好き嫌いの判断で主観的な状況になっちゃうんですよ。
そこに持っていっちゃうと、会話がこれ好き、これ良くない、嫌いっていう会話になって、
なぜこれがいいのかとか、なぜこの方向だっていうのがそこの本質的な会話にならずに主観的な好き嫌いの会話になっちゃうんですね。
そうすると結局その見せたものでそこだけのその表面的な会話になって、戦略的な会話にはもうなかなかなりづらい。
なんですが、その見せる前だったりとか見せる時にも、その裏側にある考え方っていうのを具体的に文字で書いておけば、
それで納得してもらえれば、その表現のところはもう任せてもらう。
表面的な会話に持っていかないっていうところですかね。
なるほど。
やっぱその仕事において、得意先と対峙したいっていうのがすごい大きくてですね、
やっぱその戦略を考えたりだとか、得意先の相談相手にしっかりなっていきたいなって思っていまして、
アートディレクターをやっていると、表現だったりポスターだったりとかそういう表現物があった時に初めて得意先とやりとりが発生するっていう状態なので、
その手前から僕はすごい入っていきたいなって思っています。
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結論から言うと、全然大丈夫だなって思うんですね。
実は長井さんの強み、これは長井さんだけではないかもしれないんですが、
我々のようなデザインとかアートディレクションをやってきた人間の強みの一つとして、
点と点をいくつか繋いでビジュアルで見せて、パッと見てパッとわかるソリューションで提供しているわけじゃないですか。
なのでそれができることがデザイナーだったりとかアートディレクターの強みなんですね。
先ほど長井さんもおっしゃられたみたいに可視化っていうことなんですが、
イメージとして手を動かして作る作業する人みたいなところも結構強いんで、
そっちの方が具体的なことなので頼む方としてはそっちの方が頼みやすいんですよね。
これ可視化してくださいっていうお題よりかはポスターを作ってくださいっていうような、
出す方も楽であれば受ける方もアウトプットがはっきりしてるから分かりやすいじゃないですか。
だから多分ここからやっていかなきゃいけないことの一つとして、
アピールっていうとちょっと薄っぺらい方にはなってしまうかもしれないんですが、
その抽象的などうしたらいいんですかっていう悩みを絵で見せること、そして可視化すること、
そして本質的なところとつなげるところっていうのが強みなので、
そこをまず社内でアピールをしていって、
そしてそこからそうすれば徐々に得意先に相談をする場にも一緒に参加できて、
そうすると今度逆に強みになると思うんですね。
やっぱりその経営者の人たちっていうのはざっくりとしたお題をたくさん抱えてるわけですよね。
それをバッと周りの人たちに投げかけて、
周りにいる人たちはその作業に移していった方がやりやすいので、
そういうじゃあ現場でどういうことをやっていこうかっていうことにすぐ走りがちなんですけど、
そこでじゃあこの経営者の方、そしてこのトップの人がなぜそういうことを言ってるのかっていうことを理解して、
で、そこからじゃあこういうソリューションにするっていう、
ソリューションを落とす前に可視化するっていうことができると、
すっごい強いんですよ。
僕も今その経営者の方たちとそういうお話をしていて、
最終的なキャンペーンとかポスターとかCMとかアプリとかSNSとかって落とす前に、
なぜこういうことを言ってらっしゃるのか、
そしてそこからどういうアイデアに落としていくかっていうところを、
もうできるだけ簡潔に絵として見せていくっていうことができるようになれば、
先ほど俯瞰という言葉を使ってらっしゃいましたけども、
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その俯瞰で物音を見ることができて、
それを具体的に可視化していく。
そこがアートディレクターの本当の強みで、
ポスターを作るとかは、
それはどうでもいいとは言わないんですが、
そこが本質じゃないんですよね。
そこはアウトプットの一つなだけで。
なるほど。
本当にわかりやすくアドバイスいただいて、
まさに具体的に文章を書いてみろっていう、
そこは本当に僕は欠如している部分だって自分でも思っていたので、
言葉にしっかり落とし込むというか、
というのは本当に今日、今から、
でも今やっているプロジェクトをガッと言葉に落としてみようかなって思いました。
長谷さん、今日いろいろお話を聞かせていただいて、
非常に僕も興味深いお話をありがとうございました。
もちろん悩んでいらっしゃるところは、
僕もすごく自分も通ってきた道でもありますし、
悩んできた内容もすごくよくわかるんですね。
そうなんですが、やっぱりデザイナー、アートディレクターの強みっていうのは、
技術を超えて、そして時代を超えていろんな場で使えますし、
特に経営者の人たちと話すことができるようになると、
他では持っていない力を出して、
そしてすごく稀で、すごくためになる存在になると思うので、
未来はすごく明るいと思います。頑張ってください。
長谷さん、ありがとうございました。
クリエイティブディレクターとして、お会いできるよう待っています。
期待していてください。
ここまでお送りしてきました、レイナモトの世界のクリエイティブ思考。
今回はリスナーの方のご質問に、実際に僕が答えるライブメンタリングをお送りしました。
業界あるあるな質問もたくさんありましたし、
僕も個人的に通ってきた道で悩んでいるところでもあったので、
すごく共感できましたね。
なんか、ためになることをやっているということで、
僕も聞いていて楽しかったです。
また、やっぱりその時代の変化っていうのは、
日本でも海外でも同じことで、
それは時代には逆らないところがあるので、
じゃあ本質的にどういう力を出せるのかっていうことも考えられたので、
僕にも個人的にもためになりましたね。
やっぱり今後も、デザイナーとかアートディレクターで残っていく人たちっていうのは、
そのものを作るっていうことも大事なんですが、
その次のレイヤーで経営視線だったりとか戦略とかっていう話をしながら、
それをこう形にしていくっていう、
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そういうその右脳さんをどっちもスイッチできる人材っていう人こそが、
今後大事になっていくんじゃないですかね。
リスナーからのご質問は番組の詳細欄、
そしてツイッターからも受け付けていますので、
ぜひぜひどしどし応募していただきたいです。
ツイッターではハッシュタグ世界のクリエイティブ思考を送ってください。
皆さんのご質問に答えていきたいと思います。
では次回もお楽しみに。
お相手はレイアウトでした。
デジタルガレージは危険な海に最初に飛び込むファーストペンギンスピリットを、
創業以来大事にし続けています。
これからくるWeb3、オープンソース時代を見据えた、
テクノロジーで新たなビジネスを生み出す仲間を募集しています。
番組詳細欄にあるリンクよりぜひご覧ください。
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