This is Reina Moro's Podcast. 世界のクリエイティブ思考
Hi everyone, this is Reina Moro. 皆さんこんにちは、ニューヨーク、東京、シンガポールを拠点にするグローバルイノベーションファーム、I&CO、共同創業パートナーのレイ・イナモトです。
この番組では、世界で活躍するトップランナーのクリエイティブ思考に迫り、21世紀を生き抜くヒントを探ります。
今回のゲストは、Pretty Birdという製作会社で映像プロデューサーを務める、アリ・ブラウンさんです。
アリさんは、数々のブランドのCMなど、ハイクオリティな映像をたくさん製作しています。
今回は、そんなアリさんに、1から育てる才能についてお話を伺いました。
So, let's get started. 始めましょう。
クリエイティブ・ボイス
What do you do? どんな仕事をしていますか?
I would say, describing what I do for outside the industry, I feel like, if you imagine your spouse, your parent, your therapist, your ATM machine, your workout buddy, and your cheerleader put into a single person, I think that's my job.
Like, that is my job. I feel like it's all in service.
TV CMやドキュメンタリー、ミュージックビデオといった映像製作以外にも、ファッションショーやコンサートのプロデュースなど、様々な仕事をしています。
映像プロデューサーは、プロジェクトに応じてアイデアを考え、それを実現するために必要なクリエイターを集め、作品に落とし込むのが仕事です。
もし、クリエイティブ業界で働く人以外に私の役割を説明するとすれば、私は時にクリエイターのパートナーであり、時に親のようでもあり、お金の管理もして、セラピストのように相談にも乗って、ジムのトレーナーのように一緒に体を鍛え、チェアリーダーのように全力で応援する、チームのクリエイターたちのために一人でそれを全部やるような存在だと言えるかもしれません。
アイデアを形にするため、あらゆることをやっています。
国際的に注目された作品の一つが、ヘッドホンが人気のオーディオブランド、ビーツ・バイ・ドクター・ドレイの、「You Love Me!」というCMです。
この映像は、商品を全面に打ち出すことなく、「黒人としての文化は愛してくれているけど、人間としても平等に愛してくれている?」と見る人に問いかける内容でした。
アメリカでは、当時、黒人男性が白人警官によって殺害されたジョージ・フロイド事件で社会が分断されていたので、ビーツがブランドとしてこのようなメッセージを発信したのは、とても意味のあることでした。私はこの作品を手掛けたことをとても誇りに思っています。
Pretty Birdは常に質の高い作品を発表していますが、制作する上でどんなことを意識していますか?
多くの制作会社が営業のプロによって設立され、プロジェクトごとに監督やプロデューサーを外部から引っ張ってきて映像を作っていますが、Pretty Birdは違います。
私たちは全員がもともとプロデューサーで、営業の経験はありません。だからこそ、私たちは営業出身の人たちが思いもよらないようなとっぴなアイディアを形にすることができるんです。
全員が作り手なので、どうすれば良い映像になるか、そうしたノウハウを誰よりもよく理解しています。だからこそ、他とは違う視点を持った質の高い作品を発表し続けることができるんです。
制作会社の中には大物監督に巨額のギャラを払って映像を作っているところもあります。でも、私たちは無名の人の中から才能の原石を見つけ出し育てることを重視しています。
才能を発掘し、応援しながら才能が開花するように環境を整えてあげるんです。干渉しすぎて才能を潰してはいけませんから、見守るのは決して楽ではありません。
ただ、常に新しい才能を見つけているからこそ、この業界で20年以上も他とは違う質の高い作品を作り続けられるんだと思います。私はどんな時でも、来たメールには必ず目を通して返信します。
どこでまだ見ぬ才能と出会えるかわからないからです。どこにでも才能は転がっています。私たちは独自の視点を求めていて、技術が未熟でもセンスに磨きがかかっていなくても、初期の作品にオリジナリティがあれば一緒にやりましょうと説得します。
みんな最初は無名でしたが、結果的に誰もが知るようなミュージックビデオを手掛けた人もいますし、うちの会社の役員にまで登り詰めた人もいます。
私の家は裕福ではありませんでしたが、芸術を身近に感じられるよう、母は姉と私をいつも美術館に連れて行ってくれました。
生活が苦しかったので、両親は子どもたちに世界を見せる余裕がないのがわかっていたんだと思います。ただその代わりに、いつも家では音楽をかけ、シェイクスピアを声に出して読み、私たちを美術館に連れて行くなど、世界を家に招き入れ、芸術を最優先にしてくれました。
こうした生い立ちが私に才能を見極める神秘感を与えてくれたんです。最終的に私たち姉妹はどちらも芸術の道に進みました。姉は現代美術のキュレーターになり、イエル大学の教授をしています。母にはとても感謝しています。
仕事をする中で忘れられない出来事はありますか?
実は私自身もプリティバードに才能を見出された一人なんです。ある日知り合いからプリティバードの創業者を紹介され、あなたの人柄を見て雇いたいと思ったと言われて、私の人生は一変しました。
どうやって仕事をしていっていいか何もわからなかったけれど、これまでの経験が全て役に立つような気がしました。かつて右も左もわからなかった私が、今となっては新人の才能を発掘し様々な映像をプロデュースしていると思うと、とても感慨深いです。
ここまでお送りしてきましたレイナウンドの世界のクリエイティブ思考。今回はアリ・ブラウンさんに一から育てる才能についてお話を伺いました。
プリティバードという会社も17年くらいですかね、ある会社なんですが、とにかく最初からずっとクオリティの高い作品を継続して打ち出している。
そこの彼女はプレイジデントという代表という立場なんですけど、ファウンダーではないんですけど代表という立場でもう15年以上そこで働いていらっしゃるんですが、どうやったらその質を担保できるのか。
特にこうやっていろんな技術がどんどんどんどん出てきて変わって、そして人もどんどんどんどんこう変わっていく業界の中にいて、そんな中その質というクオリティという一つの要素のレベルを常に高いレベルで作り出して打ち出しているっていうのって、考えるとシンプルなことではあるかと思うんですが、非常に困難なことだと思うんですね。
そういう力の源はどこにあるのかなっていうのをちょっと聞いてみたくて、今回お声を掛けをしたっていうのがアリさんとの話の一番最初のきっかけなんですね。
今回そのアリさんとの話で2つすごく印象的だったポイントがあるんですけども、まず一つは彼女の老いたちで、もともとその家庭がそこまで裕福ではなくていろんなところに行けなかったっていうのをおっしゃってたんですね。
でもそうなんですが、ご両親がそれもあってか、じゃあどうやってその文化的にそして精神的に裕福なそしてリッチな環境を作ろうかっていう工夫をされて、その同じ町地元にある美術館とか、そして音楽、家の中での音楽だったりとか、そういうものそのお金をそこまでかけずに感性が豊かになるような工夫をしてくれてたっていうことをおっしゃっていたんですね。
で、それが今その映像プロデューサーという仕事の中で、やっぱりこの作品が良いとか、この人の才能があるとか、この人のセンスがあるっていうことを見極める上で、その子供の頃、幼少期、小学生、中学生ぐらいの時に行っていた美術館で見た絵の影響だったりとか、聞いていた音楽だったりとか、そういうのがもう20年、30年もたった今になって、そのセンスの源になって、
っていうことを話の中でおっしゃっていて、その子供の頃にその絵を描くのが好きだったんだよね、みたいなことをおっしゃる今までのゲストっていうのも何人もいたんですけども、そのお金があんまりなくて、でも親が気にして精神的に豊かになるような環境をどう作ろうか、それを行くことができないから家庭内に持ってくるっていうことを工夫してくれてたんですね。
何か僕は意外なポイントでしたし、あと自分も子供を何人か持つ親として、もう10代の頃から小っちゃい子もいるんですけども、なんかそういう小っちゃいことなんだけども、例えば絵を見せてあげるとか、音楽を聴かせてあげるとかっていうのは、思わぬところで20年、30年後の仕事に役立ってるんだなっていうのは、
アリさんの話を聞いても思いましたし、あと自分も結構そういうことを親がしてくれたので、それが今自分の感性の一つの土台になってるっていうのは思いました。それがまず一つ。
二つ目に、そこの延長線上ではあるんですが、もう一つ彼女が言ってたことですごく印象に残ったのは、外部の人から、特に知らない人からメールとかが来て、作品集を見てくださいみたいな映像作家とかディレクターの人たちからそういうものが送られてきたときに、彼女は必ず全部目を通してるっていうふうに言ったんですね。
僕らみたいな仕事だと、メール毎日何十通、下手したら100以上来て、追いつけない場合、僕の場合なんか追いつけない場合がよく多いんですけども、特に見知らぬ人からメールとか来て、これ見てくださいみたいに言われると、どうしても後回しになってしまって、なかなか見れないっていうのが、それが結構普通かなと思うんですね。
そうなんですが、そこは彼女はすごく意識をして、あえて全てに目を通してるっていうふうにおっしゃっていたっていうのが、結構驚きだったんですね。
やっぱり忙しいですし、なかなか知らない人からメール来ても無視しちゃうことって簡単だと思うんですけども、でもそういう一つ一つの才能を見極める仕事をしている中で、やっぱり見て、さっき言った子供の頃に親が提供してくれた環境、親が連れてってくれたところだったりとか、見せてくれたりしたものが、
今、知らない人から来た作品書を見て、これなんか光るものがあるとか、この人は今まで映像を作ったことないけど、ストーリーを作るのが上手いから映像を作らせたら良くなるんじゃないかとか、そういう見極め方をするのに、子供の頃の感性が今になって役に立っていて、
なおかつ、やっぱり気づかないところだったりとか見えないところにある才能を常にレーダーを張っていているからこそ、この一から育てる才能っていうことができてるんじゃないかなっていうふうには思いました。
彼女もご自身の経験で、十何年前にプリティバードが始まったすぐに、創業者の二人の方がいるんですけれども、アリさんの上司にあたるクロスティンさんという創業者の一人がいるんですけれども、その彼女がアリさんを雇いたいって言ったときに、
私はアリさんの経験があるからとか、こういう技術があるから雇うのではなくて、あなたの人柄を買ってるから雇いたいんですよっていうふうに言って、アリさんを雇ったそうなんですね。
そういうチャンスをもらえたことに、アリさんすごく感謝しているっていうふうに言ってましたし、やっぱりその才能を育てるっていうのは最初はやっぱりその荒削りだったりとか、どっか隠れたところにある才能を誰かがこう気づいて、そしてそこから育てるってことをしてあげてるから、
今、プリティバードっていう会社が15年以上常に高いレベル、そしてすごくいい質のレベルで作品を作り続けられているのも、常にそういう見えないところの才能を発掘して、そしてそれを育ててるっていうことを組織としてやってるのが、こう解説するとまあそれはそうだよねっていうふうに思われるかもしれないんですけども、