1. 世界のクリエイティブ思考
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2022-11-08 35:03

#005 「クリエイティビティはお金持ちの特権なのか?」

第5回は、デザイン、テクノロジー、ビジネスの融合を追求し、過去にはMITメディアラボで副所長を務めるなど、教育分野でも活躍するジョン・マエダさんがゲストで登場。 「クリエイティビティとお金の関係」、「日系アメリカ人デザイナーとしての使命感」、「寅さんから学んだ高潔さ」について伺いました。


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This is Reina Moto's Podcast. 世界のクリエイティブ思考
Hi everyone, this is Reina Moto. 皆さんこんにちは、クリエイティブディレクターのReina Motoです。
この番組では、日本人がクリエイティビティを武器に世界で戦うにはどうしたら良いのかをテーマに、21世紀を生き抜くヒントを探ります。
前回は、デザイン・テクノロジー・ビジネスの融合を追求し、過去には美大のハーバードと呼ばれるRISDの学長、そしてMITメディアラボでも副所長を務めるなど、教育分野でも活躍してこられたJohn Maedaさんのインタビューの前編をお送りいたしました。
されいさん、前半いかがでしたか?
John Maedaさんみたいな、すごく経験が豊富で、業界でもすごくリスペクトされている人が、噛み砕いて話してくださっていたので、それはなんかすごく新鮮でしたね。
本当にこのブリッジパーソンという生き方というところもインスパイアリングでしたね。では早速、インタビューの後編も聞いていきましょう。
クリエイティビティは生まれ持った才能なのか、それとも学べるのかを聞いてみました。
クリエイティビティは生まれ持った才能なのか、それとも学べるのかを聞いてみました。
彼はクリエイティブでいるというと刺激的に見えるかもしれませんが、同時に新しいことに挑戦する怖さというものはつきものです。失敗するかもしれないからです。
失敗したい人なんていませんよね。失敗するとみじめな姿をみんなに見せることになりますし、特に日本ではみんなの前で醜態を晒すと笑われてしまいます。
そして彼は言いました。
例えば、もしご家族と仲がよかったら、家族が何が好きで何が嫌いかを思い浮かべてください。
友達の好きなもの、嫌いなものを思い出すのでもいいですね。どんな人でも興味を持っているというものは違いますから、必ず違いを見つけられると思います。
何で他の人が好きなものを自分が嫌だと思うのか、その理由を考えることで誰でもクリエイティビティを磨くことができます。というふうにジョンさんはおっしゃっていました。
他の人とは違うことを好きだと思う。こうした興味の違いに気づくことは、あなたがもっとクリエイティブになれるという成長の証です。みんなもっとパワフルな良いエンジニアになりたいと思っているでしょう。
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本当に素晴らしいエンジニアっていうのは、実はアートを愛するクリエイティブな人たちなんですよ。というふうにジョンさんはおっしゃっていました。
他の人が好きなものを自分が嫌いだったら、何でなんだろうって考えることが、よりクリエイティブに成長できるポイントだっていう話などもありましたね。
クリエイティビティにエクスポージョンが必要という言葉は、すごくシンプルでそれこそ良い教えだなと思います。
いろんなものにエクスポージョンさらされる必要がある。いろんなものに触れる必要があるっていう、そういったお話ですよね。
例えばエンジニアとかエンジニアリングとかだと、正解を求めるじゃないですか。何が正しいのか。
アートだったりとかクリエイティブ作品っていうのは、正解がないことを求めていかなきゃいけないので、ある意味真っ暗なところを歩いていくっていう感覚にも近いのかなとは思うんですね。
そういう怖さですね。
センスっていうのは、有能であれ、作能であれ、アートであれ、プログラミングであれ、ビジネスであれ、やっぱり共通しているのかなっていうのは思います。
そしてどうやってクリエイティビティを教えているのかと聞くと、ジョン・マイラさんの答えはこうでした。
まずはお金がないとクリエイティブになれないという驚きの答えが返ってきました。
ジョン・マイラさんは、身も蓋もない話ですよね。でもクリエイティブっていうのは、みんながなれるものじゃなくて、住む家があって、食べ物があって、ようやくクリエイティブになれるんだ。
だって、食うにも困る状態だったら、まずは生きるために稼がなきゃならないし、クリエイティブどころじゃないでしょ。
だからいつも私が最初に強調するのは、クリエイティブでいるっていうのは、豊かな人の特権だってことなんだよ。
ここで僕は、生きるためにお金がいるのはもちろんだけど、お金を稼ぐことにフォーカスしてしまうのは良くないんじゃないかと、僕自身の哲学をジョン・マイラさんに投げかけてみました。
そうするとジョンさんは、「もしお金をたくさん稼いでいれば、好きなことにも使えるんだよ。」と、ジョン・マイラさんがデザイナーに憧れるきっかけになった大御所のデザイナー、ポール・ランドさんとのエピソードを紹介してくれました。
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このポール・ランドさんというのは、20世紀を代表するアメリカのグラフィックデザイナーです。
知られるところで言うと、例えばIBMという大企業のロゴをデザインしたりとか、テレビ局のABCという会社、また郵送会社のUPS、これはどれもアメリカを代表する大大大企業なんですが、
そういう会社のブランディングを担っていた、もう本当に知らない人はいないというぐらいのグラフィックデザイン業界の超大物の方です。
ジョン・マイラさんはこの彼にお会いをして、アドバイスを直接もらったことを紹介してくれました。
初めてポール・ランドさんに会った時に、ジョンさんは、「たくさんお金を稼ぎなさい。」と言われたそうです。
これにはジョンさんも思わず、若者にそんなアドバイスをするのかと思ったそうです。
するとポール・ランドさんは、「君は分かっていないね。」と、ご自身の代表作となった本を出版した時の話を始めたそうです。
この本には様々な色が使われていて、タイトルは銀色の文字で白押しされていたんですが、当初、出版社はそんなにお金をかける必要はないというスタンスだったようなんです。
そこでポール・ランドさんは、自分でお金を出して美しい本を作ったということで、ジョンさんに、「お金をいっぱい稼いでいれば、やりたいことだってできるし、やりたくないことをやらずに済む。
お金があれば、お金にならないことでも、やりたいと思うことでも何でもできる。人生、それを忘れちゃいけないよ。」とジョンさんに言ったそうです。
これを聞いて、ジョンさんは、クリエイティブを志す人間にとって最高に役に立つアドバイサーと思って、ご自身の人生に取り入れているそうです。
はい。とても気になったのが、クリエイティブでいるためにはお金が必要だというお話がありました。これって、なかなか皆さん言わないですよね、こういうこと。
言わないですね。僕はですね、そのキャリアを積んでいく上で、結構若いうちにもう25になるかならないときに、職場でお金の話をするのはやめようというふうに決めたんですね。
というのは、同僚とお金の話になったことが何回かあって、アメリカの場合は、特に個人個人がバラバラの給料をもらったりするので、お金の話をすると、必ず誰かが嫌な気持ちになるんですよ。
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つまり、君がいくらお金をもらっているのというと、どっちかが多いわけなんですね。そうすると、多くもらっている人は、ほっとするか、ちょっとまずいな。少なくもらっている人は、どう見ても嫌な気持ちになるわけで、そういうことを何回か経験して、もうお金の話はやめようと。
お金を求めるのもやめようというふうに、結構若いうちに思ったのはあって、そういう考えでずっと20年間ぐらい働いてきたので、クリエイティビティというのはお金を持っている人の特権なんだよねって、ジョンさんが結構さらっと言われていたのは、正直ちょっと驚きました。
ジョンさんがお金をちゃんと持たないとクリエイティビティ追求できないというふうに思ったきっかけというのは、ポール・ランドさん。
伝説的なポール・ランドさんが、若い君よ、お金稼ぎなさいって。自分で稼いだお金で好きなことをやりなさいっていうアドバイスをしてたっていうことですよね。
そうですね。だから、もちろんお金がないからこそ工夫をするっていう精神はすごく必要で、それはそれで必要な考え方だとは思うんですが、形にしたりとか、またさらにより良くしたいときにはお金が必要な場面も少なくはない、そして多々あるっていうことだと思います。
次に、アメリカで生まれ育った日系アメリカ人として、ジョン・マイラさんがどんな問題に直面したのかを聞いてみました。
日本人の遺伝子を受け継いでいることで、いくら流暢な英語を話しても、ご出身はどちらですかと聞かれることはよくあります。シアトル出身ですと答えても、アジア系の見た目ということで、そういう意味じゃなくて、生まれたのはどこですかっていうふうに聞かれるんです。
これはですね、僕も受けることがある偏見なんですが、アメリカで生まれ育っても、白人でない人たちがここの人ではないっていう勝手な思い込み、そして偏見を持っているアメリカ人は少なくありません。アジア人に対する偏見っていうのは未だに根強く残っています。
ジョンさんは続けます。
12:16
アメリカで生まれ育っていると実感しました。
この時、僕はそれぞれのコミュニティ同士をつなぐブリッジ・パーソン的な存在になりたいって心から思ったんです。
シリコンバレーで働いたことをきっかけに、僕は女性や有色人種のマイノリティの才能のある人たちにスポットライトが当たるように積極的に行動しています。
どんな理由であれ、仲間外れにするような人たちには腹が立ちます。
ジョン前田さんは続けます。
誰かが人種や性別を理由に差別され、仲間外れにされているのを見過ごすような人生は起こりたくありません。
私は人種などタイプの違う人たちをつなぐブリッジ・パーソンでありたい。
人々をカテゴライズする境界線を取り払ってみんなをつなげていきたいんです。
ジョン前田さんの日系アメリカ人としての視点というところでお話いただいたんだと思うんですが、
僕が興味深かったのはあまり言わないんですよね。
人種差別をされたから苦しかったとか、アジア人だから苦しかったというのは、
これはジョンJさんもジョン前田さんもあんまり言わなくて、でも絶対受けているわけで、
そういうところを自分の不利な立場だということはすごくよくわかっていて、でもあんな活躍されている。
そしてそういう社会的な偏見を受けている人たちの味方になるというのは、
特にジョン前田さんはすごく意識にされているなというのは思いますね。
そうですよね。ご自身が経験から得てきた視点というのを実際行動に移しているということですよね。
その前田さんの人たちの味方に自分がリーダーとして行動で表せたりというのはすごく尊敬します。
多分これ5、6年前なんですが、ある企業からイベントの司会を頼まれたんですね。アメリカなんですけど、
その時にデザインとテクノロジーのテーマのイベントで、一番先に思いついたのがジョン前田さんだったんです。
ジョン前田さんのサイトに行って、メール出したんですけどなかなか返事が来なくて、
2ヶ月ぐらい経ってからジョン前田さんのアシスタントから返事が来て、
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そしてちょっとまず出るっていう合意をする前に話したい。
Zoomかなんかで話した時にジョン前田さんが一番最初に指摘したのが、
これ日本のイベントだったんですけど、そのイベント見たんですけど、男性しか出てないと。
そこにジョン前田さんが僕が出るって言っちゃうと、また男性になっちゃうんだから出たくないっていうふうにジョン前田さんはおっしゃられたんです。
そこで僕はジョンさんに、いやそれは実は僕も気づいていて、
頼まれた立場としてそこを変えたいから、ダイバース、多様性のあるいろんな人を呼びたいんだ。
マイノリティであるジョンさんも呼びたい。
そして女性であっていろんな人たち呼びたいから、それの代表としてお一人として出てくれないかって言って、最初は結構渋々だったんですけど、合意してくれたんです。
だからジョンさんご自身も自分がああいう立場の方なのですごくよく頼まれるんですけど、やっぱり出る側として意識をされていて、
一応マイノリティだけでも男だから、だったらその前に他の人たちに場面を渡してくれっていうのはすごくおっしゃってて実行されてます。
よくイベントとかでも男性しかいないイベントって未だにあったりしますね。
未だにあるのは本当に登壇してもらいたい方、例えば能力とか立場の方を選んだ結果男性だけになりました、みたいなこととかは言う方とかは多くて、
それに対してどういうふうに向き合っていけばいいのかなっていうところは、ぜひ議論されていくべきものだと思うんですけど。
能力を見て男になったっていうのは、ちょっと僕はイラッとしますね。
そうなんですよね。本当に女性であるとか、例えば人種が違うっていう、それって違う視点を持ってるって、それだけでも能力というか、
一つ違う視点を与えるという意味で大きな意味があると思うので、能力って測り方自体がどうなのかなっていうところはあるなとは思いますね。
でもそれは多分測ってる人たちも、それを決めてる人たちも男性なわけじゃないですか。
そうですね。
英語で言うとイクオリティという言い方とエクイティという言い方があって、これって微妙なんですけど結構な違いで、
イクオリティっていうのは平等にするっていうことなんですけど、
エクイティっていうのはもともと不利な状態、例えばアメリカの場合だと黒人だったりとかラテン系の人だったりとかアジア人も含めて、
不利な状態でスタート地点が下がってたりとか低いところにあったりとかする人たちが、
ちゃんと特権がある白人の人だったりとか日本だと男性の人たちとスタート地点が一緒っていうことだけでは、
同じ戦いはできないっていうことなんですよね。
その能力をベースにって言ってること自体が僕はちょっと、
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でもそれってちゃんとその最初のスタート地点から考えて、それでそうだったらいいかもしれないけど、
そこ多分違うよねっていうことは都合よく無視されてるんじゃないかなって正直思いますね。
スタート地点の話もそうですし、さっきレイさんおっしゃっていただいたように、能力を測っているのも同質的な人たちだとしたら、
その定義で測れる能力ってすごく制限されていませんかっていうところはすごく重要だなって思います。
この番組ではゲストに毎回人生のターニングポイントを聞いているんですが、ジョン・マイラさんのターニングポイントは僕の想像を上回っていました。
彼いわく、人生で一番インスパイアされたのは日本人にはおなじみの映画男は辛い世の主人公、風天のトラさんです。
トラさんは正直な人柄ですよね。みんな誰もがトラさんみたいな誠実な人間でありたいと憧れるけど、現実には難しい。
だからこそ映画を見て心揺さぶられるんだと思います。
スーパーマンが空を飛んでいるからといって、観客にワイヤーが見えてしまったらおしまいだろうって、
スーパーマンの神秘性を守るためには裏側を見せない方が良いって語っていたんです。
周りのイメージを崩さないっていうのは大変なことです。
でもプロとしてそれを身をもって実践して見せてくれた。そのぐらい強くなりなさいっていうことだと思うんです。
だからトラさんには本当にインスパイアされました。
インタビューの前編で、ジョン前田さん、日本の大学院でデザインを勉強されたお話などいただきましたけれども、
トラさんインスパイアされたのがターンポイントということですね。
トラさんのキャラクターに関する言及で、インテグリティという言葉が何回か出てきたと思うんですが、
これ日本語だと、誠実さとか、正直さ、高潔さみたいな、そういった解釈ですか?
そうですね。ちゃんと自分の信念を持って、正義を持って人に接するだったりとか、自分の仕事に接するっていうことは、
もちろん口で言うのは簡単なんですが、なかなかできることでもないですし、
ちゃんと自分が持っている役割を果たしていくっていう責任感ですよね。
そこをジョンさんも持っていらっしゃるっていうのは、僕は意外でした。
このインテグリティという言葉は、にわかに経営者の方がお話ししているときに出てくる言葉なんですよね。
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これよく出てきますね、最近。
伸びている会社だったりとか、成功している会社だったりとか、
あと失敗から這い上がっている会社の経営者の人たちは、結構これを持っているところがあるなと思いますし、
例えば、僕が付き合いあるところだと、やっぱり前々回のジョン・Jさんのお話も出てきた、
柳井社長とかもそのインテグリティのすごい感じますね。
一番最初に会う、初めて会ったのが6年ぐらい前なんですが、
その前にあるビジネスの、また別の経営者の人から、
日本一怖いおじさんだから覚悟しときなよって言われたんですね。
ドキドキしながら、初対面だったので、なかなかザックバラのお話はできなかったんですが、
やっぱり6年とかお付き合いをしていると、言っていることがぶれないんですよね。
長い目で物事を捉えられていて、失敗するっていうのは、もちろん失敗したくはないっていうのは経営者の方なのでお持ちだと思うんですが、
失敗しても挑戦していくっていう強さだったりとか、怖いところありますけど、
でもインテグリティがすごくはっきりされているかなと思いますね。
厚見教師さんがトラさんというキャラクターを演じているから、
そのイメージを崩したくなくて、一般的にインタビューではあまり受けなかったっていう厚見さんの言葉が、
このジョンさんはすごく影響を受けたっていうのをおっしゃってますよね。
それってやっぱりデザイン業界、そしてテクノロジー業界のすごくリーダー的な存在であるっていうことを自分でも意識されていて、
自分が世の中に与える、そしてビジネス業界に与える影響っていうのもすごく意識されているんだなっていうのはこの話で、
直接はおっしゃってなかったんですが、言葉の間に感じられる意気込みというか、心の構え方っていうのは見えましたね。
代表作を聞いてみたんですが、過去の作品よりも今何をやっているかということが大事だからと質問を交わされてしまいました。
では現在何をしているかというと、ジョン前田さんは今宇宙規模の問題解決に向けた事業に取り組まれています。
地球の存在を懸けた問題について、山火事、洪水、暴動など様々な深刻な問題について、
あらゆる専門知識を持つ人たちを結びつけて、チーフテクノロジーオフィサーとして人類の安全を守るために、
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関係機関とのブリッジパーソンをしているんだそうです。
現在のような橋渡し役ができるのも、エンジニア、デザイナー、教育、投資会社と全く違う分野を横断して、
どこでも一生懸命やってきましたから、幸運が転がり込んできたんです、というふうにジョンさんはおっしゃっています。
一つの分野に留まらなかったことで、他の人と違う考え方をすると評価され、素晴らしい機会に恵まれることもあります。
桃太郎のお供をする猿や鳥みたいに、誰かにくっついていって冒険をしている感じです。
人前で失敗しても素早く立ち直る、そういう人生を歩んでくることができたのはラッキーでした。
よく周りにも、なんでそのことができるの?って聞かれます。
その度に答えているのは、新しいことに挑戦していたら、いつか立ち上がれなくなるほどの失敗する日が来るかもしれない。
その時に初めて、これが終わりなんだって気づくんじゃないかなって。
寅さんの映画だってギネス記録になるぐらい続きましたが、自分でこの作品で終わりって決めて終わらせたわけではなくて、
僕も寅さんみたいに終わりが来るまでずっと自分のやりたいことを続けようと思います。
いやー面白いお話ですね。
すごいなぁ、ここでも寅さん出てきましたよね。
この道あるところを進んでいるとかではなくて、これ他の人たちからどうやったの?ってよく聞かれるって言います。
っていうふうにおっしゃってますけど、どうやったとかじゃなくて、
Fail publicly and recover quickly っていう、これがキーワードだというところですよね。
ちょっとここで背景を説明するとですね、
実はですね、ジョン前田さんはロードアイランドスクールデザインリズディから半分ちょっと追い出された感じになったんですね。
MITメディアラボの教授をやっていらっしゃっていて、
所長になるかならないかぐらいまでの候補だったんですよ。
そこのメディアラボの所長にはならずに、ロードアイランドスクールデザインの学長になるっていうふうに移られたんですね。
なんですが、ジョンさんが結構改革しようとして、
いろんな変革とかそういう改革とかいろんな新しい計画を持ち込んでやろうとしたんですが、
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やっぱり大学の政治というものに巻き込まれて、なかなかそれがうまくできなかったと。
日本でいうと、寝回しだったりとか、そういうのがうまくいかなくて、
結局ね、1年半とか2年ぐらいで、他の教授の賛同が得られなくて、出なきゃいけない羽目になった経験があるんですね。
それが、to fail publiclyっていうところで、かなりそれも教育の業界で大きなニュースだったので、
そのことをおっしゃってるんだと思います。
だからそこから教育の世界でちょっと苦い思いをされて、
そして自分の持っているデザインの知識だったりとか、それを持って、
じゃあ今度はビジネスの世界に行こうということで、そこでうじうじせずに次のステップに行ったっていうのは、
ここでははっきりおっしゃってないですけど、そういう背景もあるっていうのは僕は知ってたので。
すごく説得力ありますよね。
そうなんですよね。
失敗することは悪くないって、よく口ではそういうふうに自分も言えますけど、
実際自分が失敗するのはやっぱり怖いですし、
だから実際に失敗してリカバーできるってものすごい強い人だなっていうのは素敵だなって思いますよね。
今やってらっしゃるお仕事っていうのはどういうものだというお話だったんですか。
彼はですね、エバーブリッジっていう会社の役員をやってらっしゃるんですが、
気候変動だったりとかそういうことを大きな課題をデザインだったりとかテクノロジーだったりとか、
彼のご自身の経験を持って結構大きいことにチャレンジされてるんじゃないかなっていうふうに思いますね。
この番組ではゲストの方に毎回ご自身の代表作伺ってますけれども、
まさかの今回過去の作品に自分で興味がないですというジョン前田さんのお答え、これ驚きますよね。
そうですね、出てこなかったですね。僕は引き出そうとして、もちろん僕は彼の作品を見てそれに感銘を受けてこの仕事をやってる部分もあるので、
彼の過去の作品、彼から見てどれがいいっていうふうに思ってるかを聞きたかったんですけど、結局聞き出せなかったですね。
自分を常に進化させているところは、僕も見られなきゃなっていうふうには思いましたね。
なんかこのデザイナーの方っていう枠に本当にはまらない方、おそらくこのトラさんっていうの出てきましたけど、
こういったトラさんのようなインテグリティを持ってやってらっしゃる、人としての輝きみたいなところっていうのを、そういった生き方ってすごく素敵だなって思いましたね。
ここまでお送りしてきましたレイナモトの世界のクリエイティブ思考。今回はジョン前田さんをゲストに迎え、どうやってクリエイティビティを教えているのか、
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ご自身の日系アメリカ人としてのご経験、またトラさんに影響を受けた人生の美学などたくさんのお話をしていただきました。
本当に哲学的なお話も盛りだくさんで、ジョン前田さんの人生だけじゃなくて、そこから皆さんきっと一つ得られるものがあった、そういうインタビューだったんじゃないかなと思います。
今回のお話、ジョンさんに改めてじっくりとお話を聞いて、やっぱり軸としてあるのが、自分はブリッジパーソンなんだっていう、哲学、そしてアイデンティティをすごくはっきり持ってらっしゃるんだなっていうのは意外でしたし、すごく印象的で、
このジョンさんとのお話を改めて聞き直して思ったのは、教育をする立場の人の重要性っていうのを一つ思って、何かっていうと、
ジョンさんがまずMITメディアラボで、ミリエル・クーバーさんに教えてください、あなたのグループに入りたいですって言ったら、ある意味突き放されたわけじゃないですか。
それで彼は日本に来て、日本でまず名前をあげて、そしてそれをもってアメリカに戻られたっていうところがあるんですけども、僕も実はジョンさんに突き放された立場で、
メディアラボにちょっと興味があって、彼に会いに行って、でも君はデザインもできてないし、プログラムもできないからそれを勉強していきなさい。
その後僕は実はアプライをして、MITメディアラボに申請をして、でも浮かんなかったんですね。
だから結局ジョンさんのところでは、僕は勉強できずにこういうキャリアを進んできたんですけど、逆にある意味突き放されたから、ある程度今の自分があるのかな。
そしてジョンさんも師匠にしたかった、ミリエル・クーパーさんから突き放されたところがあって、そういう道が切り開かれたところがあると思うので、
彼は意識はしてなかったと思うんですけど、教育者としてこういうことをやりなさいっていう、はっきり道を見せてあげるっていうのは必要なんだなってちょっと今改めて思いました。
なるほど、なるほど。それが教育者として重要な要素。
一つだと思いますね。突き放してばっかりいるとなかなか人がついてこないかなと思うんですけども、
それもそれで、その時はちょっと苦い薬というか苦い教えではあったかもしれないんですけど、結果的には良かったので。
確かに、ジョンさんやっぱり日本に来られて、日本の人たちはなかなか馴染めなかったところの話とかもあったと思うんですけれども、
なんかそこが、その中から言われたこととか悔しさになったりとかして、そこからすごい頑張られたっていうお話もあったので、
そういう何でしょう、ちょっと凸凹で言うと、ちょっとボコの部分ですね。ちょっと凹んじゃう。
その部分がその人の唯一無二の個性を作っていくすごいポイントなのかなっていうのは、今のレイさんのお話を伺っていてもすごく思いました。
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この番組ではリスナーの皆さんからのお便り募集しています。
番組で取り上げてほしいテーマ、レイさんに相談したいことなど、番組の詳細欄にあるリンクからお寄せください。
リスナーの皆さんに番組に出演していただき、僕が直接ご質問に答えるコーナーにしていきたいと思っています。
これはクリエイティブ業界の方でなくても、キャリアに関する悩みだったり、どんな質問でもいいんですよね、レイさん。
そうですね。幅は結構広いとは思います。
竹内さんも今、経済キャスターとしてもご活躍されているわけですし、あと大学院も行かれていることで、
今後のご自身のキャリアのこともすごく考えていらっしゃると思うので、
僕だけでなく、ユリナさんの目線からでもリスナーの方々のお役に立てればと思っていますので、そういうのでご相談、ご質問をいただけると嬉しいです。
そうですね。和気あいあいとご質問を色々答えていければと思いますので、ぜひどしどしレイさんいただきたいですね。
よろしくお願いします。
この番組では、クリエイティビティを武器に21世紀を生き抜くヒントをお伝えできればなと思いますので、ぜひご質問やお便りをお寄せください。
出演をご希望の方は連絡のつくメールアドレスなどのご記入もお忘れなく、また番組への感想はツイッターでもお待ちしています。
ハッシュタグ世界のクリエイティブ思考とつけて投稿してください。
僕に紹介したいあなたの注目のクリエイティブ作品があれば、ぜひハッシュタグ注目のクリエイティブとつけてツイッターで教えてください。
デザイン、アート、テクノロジー、建築やビジネス、映画など何でもOKです。
今後番組でも取り上げていこうと思いますので、ぜひよろしくお願いします。
それでは次回もお楽しみに。お相手は滝口由里奈とレイナオトでした。
デジタルガレージは危険な海に最初に飛び込むファーストペンギンスピリットを創業以来大事にし続けています。
これからくるWeb3、オープンソース時代を見据えたテクノロジーで新たなビジネスを生み出す仲間を募集しています。
番組詳細欄にあるリンクよりぜひご覧ください。
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