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This is Reina Moro's Podcast 世界のクリエイティブ思考
Hi everyone, this is Reina Moro
皆さんこんにちは、ニューヨーク、東京、シンガポールを拠点にするグローバルイノベーションファーム、I&CO共同創業パートナーのレイ・イナモトです。
この番組では、世界で活躍するトップランナーのクリエイティブ思考に迫り、21世紀を生き抜くヒントを捧げます。
今回のゲストは、ソーシャルメディアで一躍人気ブランドとなった水のスタートアップ、リキッドデスのクリエイティブを統括する、アンディ・ピアソーさんです。
リキッドデスというブランドは、その名も、死の水という飲んだら死ぬのかな、みたいな普通だったら絶対につけない名前と、そのブランディングが受けて、ほんのわずか5年で10億ドル以上の売り上げを上げている、大成功している企業なんですね。
このリキッドデスのクリエイティブを統括するアンディさんとは、実は僕は知り合いで、2008年に彼が新卒の頃に会っているんですね。
その当時、僕はAKQAというクリエイティブエージェンシーでクリエイティブ統括をしており、その傍ら、フューチャーライオンズという生徒のためのコンペティションの審査委員長、そして組織をやっていたんですね。
それに彼が応募してきて受賞するんですが、それはちょっと詳しく後編のエピソードで話しますので、その辺をぜひぜひお楽しみにしてください。
リキッドデスの成長と変化
前編では、アンディ・ピアソンさんに常識を超えた商品の売り方についてお話を伺いました。
アンディさんが入社してからの3年間で、リキッドデスはどう変わりましたか?
僕が働き始めた時から、リキッドデスはブランドとしての完成度が非常に高くて、創業者のマイクセサリー用のビジョンがとても明確でした。
ただ当時はオンラインでしか商品を購入することができなかったので、世間ではまだあまり知られていませんでした。
今では全米のスーパーやガソリンスタンドなどで手軽に買えるので、誰もが知る存在となっています。
ブランドとして爆発的に成長したんです。でもまだまだ何十倍にも成長できると信じています。
3年前に入社した時と比べて、缶に入った水に対する人々の意識も大きく変わりました。
面白いことに、これまでみんな水は透明なペットボトルに入っているからこそピュアで美味しく感じるんだ、そう信じて疑わなかったんです。
だから他の会社の人たちから、あのみかんに入った水なんて誰が飲むんだよ、以前はそんな風にはっきり言われたこともありました。
それがこの1年半ぐらいで大きく変わったんです。
誰に話してもみんな、あー缶入りの水ね、とまるで当たり前のことのように反応するようになりました。
これはiPadがみんなの生活に浸透した時と似ています。
AppleがiPadを発表した時はみんな、こんなの何に使うんだ、いらないだろう、そう言いました。
でも今となっては子供から大人まで当然のように毎日iPadを使っています。
どんな素晴らしいアイディアでも、初めはみんな戸惑って受け入れることが難しいんだと思います。
マーケティングが成功したこともあって、リキッドですが急速にみんなに受け入れられるようになって、とてもうれしいです。
世間の反応は徐々に変化したんですか?それとも一気にガラッと変わったんでしょうか?
一気にガラッと変わりました。
リキッドですは一見まるでビールのような不健康そうなパッケージをしているんですが、
ペットボトルよりも圧倒的にリサイクルしやすいやるみ缶に水を入れた環境に配慮した商品でもあります。
そのためリキッドですを飲んで、これを飲むとプラスチックの削減につながっていいね、とコメントをいただきました。
リキッドですはこうして作り手と消費者が双方向にコミュニケーションを行う形で、マーケティング的な成功を収めてきました。
みんなはじめはなんだこれと思っても、何かのきっかけでリキッドですを飲むと、その印象が一気にガラッと変わるんだと思います。
ブランド戦略の独自性
リキッドですは商品がユニークなだけではなく、これまでにないようなマーケティングを行っていますよね。どうやって戦略を立てるんですか?
リキッドですの戦略を考えるときに、僕たちはリキッドですをブランド化するために、リキッドですを公開するという、
一般的な、要するにリキッドですのユニークなカフェなどを作る機会を持っていない状態で、
リキッドデスの戦略を考えるときに
僕たちはリキッドデスをブランドとして 捉えるのではなく
リキッドデスをまるで人間のように捉えて キャラクターを設定しています
そうすることでキャンペーンなどあらゆる場面で この人ならこういうだろうなとか
この人はこういう仕事は引き受けないだろうなとか 基準が明確になるんです
マーケティングや広告業界でそんなことを 考えているのは僕たちぐらいだと思います
僕たちはどちらかというと 脚本家に近いようなことをしているのかもしれません
リキッドデスを人間だと考えて 物語の筋書きを書いているような感じです
ブランドではなく人間として捉えることによって
チームのメンバーも 自分の主観を排除することができます
例えばSNSに何か投稿するときも 自分だったらこうコメントすると思うけど
きっとリキッドデスは こんな言い方はしないだろうなとか
素早く客観的に判断することができるんです
リキッドデスのキャラクターがブレないように 制作する必要のあるものは外部に委託せず
全て社内で作っています
リキッドデスをよく理解している人だけが関わることで
妥協しないでより良いものが作れると 考えているからです
マーケティングが成功しているのも ただ売上を伸ばそうとか
ただ広告として面白いものを作ろうとか そう考えていないからだと思います
僕はユーモアの力というか 笑い合うって強烈な感情体験なんじゃないかって考えているんです
ユーモアって人と人の コミュニケーションの中でしか生まれませんよね
2人の人間が同じものを見たり聞いたりして それについてお互い意見を言い合うからこそ
ユーモアが生まれて 笑いを分かち合うことができると思うんです
だから面白い広告を作ろうとか そういうことではなくて
リキッドデスという人間が何かを言った時に それを僕たちのチームのメンバーが本気で笑えるか
そんなことを重要視しています
広告主がマーケティングを外部に依頼するとしたら そんなことはまず誰も言わないと思いますが
僕たちはユーモアの力を信じているし だからこそ自分たちだけでやっているんです
ここまでお送りしてきました レイナウトの世界のクリエイティブ思考
今回はアンディ・ピアソンさんに 常識を超えた商品の売り方についてお話を伺いました
パッケージデザインのインパクト
リキッドデスの商品を初めて手にしたのは 近所のホールフーズというスーパーマーケットだったんです
でもその時にはリキッドデスがやっている マーケティング活動はすごく有名になっていて
僕もそっちのほうから気をそそられて 買ってみたんですけども
まずパッケージがビールの缶みたいな形なんですね
ちょっと細めの長めで そしてビールの缶の中に入っている
パッケージのデザインもリキッドデスという名前と あとドクロの絵が書いてあって
もう本当ヘビメタバンドのものなんじゃないか みたいなそんな印象なんです
で飲んでみるとお水なんですが スイスのアルプスのお水っていう立ち位置なんですが
なんか見た目のギャップとその中のピュアな水の感じが 見た目のギャップとその中のピュアな水の感じが
見た目のギャップとその中のピュアな水の感じが 見た目のギャップとその中のピュアな水の感じが
なんか見た目のギャップとその中のピュアな水っていうもののギャップがすごくて
これは気のせいかもしれないんですけども
なんかすごく綺麗なものを飲んでるみたいな感じになっちゃうんですよね
だからその見た目のギャップと中身のところが 実はなんか心理的な影響を与えるのかなっていうのは
ちょっと思っちゃったりもします
ブランドを人として捉える
今回のこの常識を超えた商品の売り方 3つのテイカウェイなんですが
まず1つはブランドを人として捉える
2つ目に宣伝ではなくエンタメ
そして3つ目にあえて大ヒットを狙わない
1つ目のこのブランドを人として捉えるというポイントなんですが
彼になんでこんなにリキッドデスの広告、マーケティング、ブランディングが人々に刺さってる
その秘密って何なんだろうっていうことを聞いたんですね
今までの常識ではそれこそ水というピュアな商品のパッケージに
こういう結構暴力的な言葉だったりとか絵を使うっていうのはありえなかったと思うんですけど
でもそういう人格のブランドであるっていうことを前提に
マーケティングとか宣伝とか広告を作るときに
これが人だったらどういう行動をするんだろう
どういうことを言うんだろうっていうことを頭の中に描いて
それをコンテンツにしてるっていうそういうアプローチをまずするそうなんですね
2つ目にこれの延長線上なんですが
じゃあどうやって具体的にマーケティング活動をしていこうかって考えたときに
まずそのマーケティングしようとか宣伝しようとか広告を作ろうっていう
そういうことを考えない
そうではなくてオーディエンス
見る人が本当に純粋に楽しんでもらえるようなエンタメ
それを作るんだっていうふうにおっしゃってました
だからもちろんビジネスなので売らなきゃいけないですし
例えばこういうプロモーションだとか
こういう宣伝だとかこういう広告だっていうことは
それは前提にあるんですけども
その概念をできるだけ100%に限りなく近く取り払って
そうではなくて人を楽しませるエンターテイメントは何か
それをとことん追求している
それがリクイッドです
そしてアンディのこのマーケティングに対する姿勢なんですね
だからそのマーケティングそのものをマーケティングっていうふうに
捉えるのではなくて宣伝ではなくて
エンターテイメントとして活動している
そこがすごく言葉にするとシンプルなことなのかなとは思うんですけども
なかなかできない企業が多いと思うんですよね
大ヒットを狙わないアプローチ
そこを振り切ってエンターテイメントして発信していく
それが2番目
そして3つ目はあえて大ヒットを狙わない
これはどういうことかというと
そもそもメディアにお金をかけるってことをしないんですね
以前我々の番組に出てもらった
イエティというブランドとリクイッドですが
実は最近コラボをしたんですね
この2つの企業がコラボをして
なんと缶オケを発表したんですね
それは死体を入れるっていうことではないんですが
リクイッドですとイエティがコラボした缶オケは
氷を入れて
そしてそこにリクイッドですの商品を入れたりとか
他の飲み物を入れて
夏など冷たい水を楽しんでください
っていうことを発表したんです
実は数週間のオークションで
6万8千ドルでこれを購入したという消費者がいるんです
普通だったらそれぐらいのお金をかけて
千円電費にするっていうことが普通だと思うんですけども
そうではなくてこういうアイディア
すごく小さい活動ではあるんですけども
それが話題になって何千人も参加をして
なおかつそこにお金を
それも1万2万円ではなくて
6万8千ドルって1千万円なんですけども
1千万払って買うっていう
マーケティングに参加するっていう
そこまでする熱狂的なファンを作っている
そしてこれは別にそういう大ヒットを狙ったわけではないんですが
そういうことの積み重ねが
リクイッド・デスというほんの5年で
14億ドルの企業になっているという
大成長を遂げているんですが
こういうことをやっているから
こういう成功につながっているのかなと思います
今日のリクイッド・デスのクリエイティブを統括している
アンディ・ピアソンさんとの話の3つの聞いてくれは
まず1つブランドを人として捉える
2つ目宣伝ではなくエンタメ
そして3つ目にはあえて大ヒットを狙わない
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次回も引き続きアンディ・ピアソンさんと
バランスを無視した先の可能性についてお届けします
どうぞお楽しみに
世界のクリエイティブ思考 お相手はリーナウンドでした
デジタルガレージは危険な海に最初に飛び込む
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