前編では、アンディ・ピアソンさんに常識を超えた商品の売り方についてお話を伺いました。
アンディさんが入社してからの3年間で、リキッドデスはどう変わりましたか?
僕が働き始めた時から、リキッドデスはブランドとしての完成度が非常に高くて、創業者のマイクセサリー用のビジョンがとても明確でした。
ただ当時はオンラインでしか商品を購入することができなかったので、世間ではまだあまり知られていませんでした。
今では全米のスーパーやガソリンスタンドなどで手軽に買えるので、誰もが知る存在となっています。
ブランドとして爆発的に成長したんです。でもまだまだ何十倍にも成長できると信じています。
3年前に入社した時と比べて、缶に入った水に対する人々の意識も大きく変わりました。
面白いことに、これまでみんな水は透明なペットボトルに入っているからこそピュアで美味しく感じるんだ、そう信じて疑わなかったんです。
だから他の会社の人たちから、あのみかんに入った水なんて誰が飲むんだよ、以前はそんな風にはっきり言われたこともありました。
それがこの1年半ぐらいで大きく変わったんです。
誰に話してもみんな、あー缶入りの水ね、とまるで当たり前のことのように反応するようになりました。
これはiPadがみんなの生活に浸透した時と似ています。
AppleがiPadを発表した時はみんな、こんなの何に使うんだ、いらないだろう、そう言いました。
でも今となっては子供から大人まで当然のように毎日iPadを使っています。
どんな素晴らしいアイディアでも、初めはみんな戸惑って受け入れることが難しいんだと思います。
マーケティングが成功したこともあって、リキッドですが急速にみんなに受け入れられるようになって、とてもうれしいです。
世間の反応は徐々に変化したんですか?それとも一気にガラッと変わったんでしょうか?
一気にガラッと変わりました。
リキッドですは一見まるでビールのような不健康そうなパッケージをしているんですが、
ペットボトルよりも圧倒的にリサイクルしやすいやるみ缶に水を入れた環境に配慮した商品でもあります。
そのためリキッドですを飲んで、これを飲むとプラスチックの削減につながっていいね、とコメントをいただきました。
リキッドですはこうして作り手と消費者が双方向にコミュニケーションを行う形で、マーケティング的な成功を収めてきました。
みんなはじめはなんだこれと思っても、何かのきっかけでリキッドですを飲むと、その印象が一気にガラッと変わるんだと思います。
リキッドですは商品がユニークなだけではなく、これまでにないようなマーケティングを行っていますよね。どうやって戦略を立てるんですか?
リキッドですの戦略を考えるときに、僕たちはリキッドですをブランド化するために、リキッドですを公開するという、
一般的な、要するにリキッドですのユニークなカフェなどを作る機会を持っていない状態で、
リキッドデスの戦略を考えるときに
僕たちはリキッドデスをブランドとして 捉えるのではなく
リキッドデスをまるで人間のように捉えて キャラクターを設定しています
そうすることでキャンペーンなどあらゆる場面で この人ならこういうだろうなとか
この人はこういう仕事は引き受けないだろうなとか 基準が明確になるんです
マーケティングや広告業界でそんなことを 考えているのは僕たちぐらいだと思います
僕たちはどちらかというと 脚本家に近いようなことをしているのかもしれません
リキッドデスを人間だと考えて 物語の筋書きを書いているような感じです
ブランドではなく人間として捉えることによって
チームのメンバーも 自分の主観を排除することができます
例えばSNSに何か投稿するときも 自分だったらこうコメントすると思うけど
きっとリキッドデスは こんな言い方はしないだろうなとか
素早く客観的に判断することができるんです
リキッドデスのキャラクターがブレないように 制作する必要のあるものは外部に委託せず
全て社内で作っています
リキッドデスをよく理解している人だけが関わることで
妥協しないでより良いものが作れると 考えているからです
マーケティングが成功しているのも ただ売上を伸ばそうとか
ただ広告として面白いものを作ろうとか そう考えていないからだと思います
僕はユーモアの力というか 笑い合うって強烈な感情体験なんじゃないかって考えているんです
ユーモアって人と人の コミュニケーションの中でしか生まれませんよね
2人の人間が同じものを見たり聞いたりして それについてお互い意見を言い合うからこそ
ユーモアが生まれて 笑いを分かち合うことができると思うんです
だから面白い広告を作ろうとか そういうことではなくて
リキッドデスという人間が何かを言った時に それを僕たちのチームのメンバーが本気で笑えるか
そんなことを重要視しています
広告主がマーケティングを外部に依頼するとしたら そんなことはまず誰も言わないと思いますが
僕たちはユーモアの力を信じているし だからこそ自分たちだけでやっているんです
ここまでお送りしてきました レイナウトの世界のクリエイティブ思考
今回はアンディ・ピアソンさんに 常識を超えた商品の売り方についてお話を伺いました