2025-03-11 37:52

#115 実例集「HUMAN MADE 個人ブランドから組織ブランドへ」

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第115回は、実際にクリエイティブ思考を使って問題を解決した事例を紹介する「Mind Shift 〜発想の転換〜」をお届けします。今回は、HUMAN MADEのCEO 松沼礼さんをゲストにお招きし、「個人ブランドから組織ブランドへ」についてお話を伺いました。


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サマリー

今回、ライフスタイルブランド「Human Made」のCEOである松沼レイさんが、個人ブランドから組織ブランドへと進化する過程とその成長戦略について語ります。スプリームに代表されるストリートウェアブランドのトレンドの変遷や、松沼さんが日々取り組んでいる組織文化の構築について深掘りされます。このエピソードでは、HUMAN MADEが個人ブランドから組織ブランドへと成長する過程が論じられ、特にオンライン販売の重要性やアーティストとの協働によるブランドの拡張についても触れ、購買体験のデザインが持つ価値に焦点が当てられます。ヒューマンメイドのブランド成長には、地道な取り組みと組織内の価値観の統一が重要であると説明されています。松沢さんは、サプライチェーンの整備や商品企画の見直しを通じてミッションを明確にし、ブランドの基盤を強化しています。また、経営は矛盾との戦いであり、企業文化の重要性が強調されています。個人ブランドから組織ブランドへの移行においては、価値観の統一と地道な努力が重要であることが示されています。

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This is ReinaMoro's Podcast 世界のクリエイティブ思考
Hi everyone, this is ReinaMoro
皆さんこんにちは、ニューヨークと東京、シンガポールを拠点にするグローバルイノベーションファーム I&CO 共同創業パートナーのレイ・イナモトです。
目まぐるしいスピードで世の中が変化する中、この番組は日本人が世界で必要不可欠な存在となるためのヒントを探ります。
今回は、MindShift 発想の転換をお届けします。
このコーナーでは、ビジネスシーンで実際にクリエイティブ思考を使って問題を解決した実例をご紹介します。
今日もこの番組のプロデューサー、竹村いこさんと一緒にお届けしたいと思います。
はい、レイさんよろしくお願いします。
ストリートウェアの進化
今回、MindShift 発想の転換でお話を伺うのは、前回に引き続き、ライフスタイルブランド Human Made の CEO 松沼レイさんです。
レイさん、このライフスタイルブランドっていうのは、海外でもすごく注目を集めているジャンルなんですか?
そうですね、ここ10年から20年ぐらいの流れだと思うんですけど、それまではストリートウェアと言われていて、すごくニッチなものだったブランドがかなりメインストリームになって、そしてラグジュアリーなステータスを持ち始めていると思うんですね。
というのも、もうこれは有名になって久しい話ですけども、スプリームとかって、僕がニューヨークに来た1990年後半から2000年前後の時、ニューヨークの一角にお店ができたんですけども、その頃はほんの高校生、大学生、せいぜい20歳、25歳ぐらいの男の子たち、若者が崇拝していたブランドで、いわゆる大企業が気にしているような存在ではなかったんですね。
それが2000年前後だったと思うんですが、その後2010年とか15年ぐらいになったら、そういういわゆるストリートブランドが大企業から注目をされ、そしてそれこそレビトンだったりとか、いわゆるマスなんだけどすごく高価なハイブランドから注目を浴びて、そして買収されたりとか、
あとそういう高価な、もっと年齢層の高い人たちをターゲットにしていたブランドが、例えばスニーカーを出したりとか、すごくラグジュアリーのストリー化がここ15年ぐらいで起きてたと思うんですね。
このヒューマンメイドっていうのも、どっちかというとそのジャンルとしてはストリートウェイに入るとは思うんですが、そこがうまくバランスが取れていて、すごくマスブランドではないんですけども認知度がかなり上がってきていて、なんだけど全ての人が関門でもない、なおかつ広がっているってちょっと矛盾しているところはあるかもしれないんですが、なかなか日本では、そしてグローバルで通用しているブランドとしては数少ない存在なんじゃないかなと思います。
2023年にはニューヨークでポップアップストアをやったりとか、2024年には韓国でポップアップストアをやったりとか、かなりその実店舗にもお客さんがたくさん来たりするような人気ブランドっていう感じなんですよね。
実際にそれまでもそのECとかで海外にも展開はされていたんですが、店舗は主に日本だったのが、ここ3、4年くらい特に松山さんがCEOになられてからその海外展開もじわじわとされてきていて、アジアでも展開を徐々に広めているという現状ですね。
2016年に設立されたヒューマンメイドは、もともとその2号さんというカリスマ的なクリエイティブディレクターがいらっしゃって、その彼が設立されたんですけども、それまでは彼のブランドとして移っていたところが大きかったと思うんですね。
今回その松山さんにお話を伺いしたのも、ここ3、4年でその個人ブランドであった2号さんがやってらっしゃったヒューマンメイドっていうのがヒューマンメイドとしての存在感をメキメキと出してきていて、それがブランドそしてビジネスの成長につながっている。
個人ブランドから組織ブランドへっていうことなんですが、それにどういうことをされてきたのか、どういうテクを入れだったりとか、どういうことに注力をされて組織とブランドを成長させてきたのかっていうところに迫りたいなと思います。
では早速お話を伺いましょう。
この番組のそのトピックでもある一つの趣旨として、やっぱりその日本が元気になるには、ジャパニーズブランド、日本企業が日本だけではなく、やっぱり海外で成功していかなきゃいけない、呼びなきゃいけないなっていうのもあるんですけども、
口じゅうの簡単なんですが、なかなかできないところが多いと思うんですよね。
そういうところでここ3年間で松山さんがつられてから何倍も売り上げが伸びていて、具体的にその辺をぜひぜひ、もちろん話せないこともあると思うんですが、そうとは言わずに秘密をぜひ皆さんにお伝えしていただきたいなと思うんですけども。
僕が入った時からも熱量の高いお客様っていうのがいて、比較的商品出せば売れるっていうような状態ではあったんですけれども、何分僕は全職ユニクロだったので、いわゆるサプライチェーンマネジメントであったりとか、いわゆるこの商品が企画されて計画されて、生産されて運ばれて売られるっていう一連の小売りの仕組みがあると思うんですけども、
やっぱりその仕組みが全く整ってなかったというところが最初のいい意味で衝撃というか、これはもうやりがいがあるなというふうに思いましたね。
結局その商品を作る人と売る人はいるんだけれども、間接的な人が全くいない状況だったので、一番最初にやった仕事はまず組織図を作って、こういう組織にしなきゃいけない、こういう組織に対してここでこういう人が必要だろうっていう、やっぱり採用に力を入れたっていうところがあるんですけれども、状況としては本当に人数も20人ぐらいですかね。
お店のスタッフ入れるともうちょっと30人ぐらいいたかもしれないんですけれども、当時で。
で、売上に伴って今人数も5倍とか6倍とかになってますけれども、本当にそこをまず整えるっていうところの状況でありましたね。
最初の1年で一番大変だったことって何ですか。
いっぱいあったとは思うんですけれども、やっぱり最初の1年もそうですけど、今もそうですけど、急速に事業が成長拡大していって人が増えると、やっぱりそこの価値観の共有というか、やっぱりみんないろんな会社さんから来るし、いろんなバックグラウンドをお持ちの方もいるので、
例えばユニクロとか他の大手の小売とかっていうのは新卒採用されて、そこである程度組織文化がある中で若い時から成長されていくので、
基本的な考え方の軸みたいなのはある中でのビジネスみたいなことがあると思うんですけど、やっぱりまだまだ若いブランドですし、いろんな方がいろんな業態から、だからもう本当にそれもアパレル限らずいろんなところが来るので、
やっぱりそこの文化を作っていって、そこを共鳴しながらやっていかないと、1たす1が2でしかないというか、本来で言うと1たす1がもっと5とか10になっているようなことをしなきゃいけないんですけども、そこを作り出すっていうことが課題でもあったし、
そのために今回4月5月に会社もヒューマンメイド株式会社に変えて、改めてミッションとバリーを作ったんですけれども、やっぱりそこのプロセスが非常に大事だなと今振り返ってみても思いますね。
商品企画とマーケティング
なるほど。じゃあ結構それって地道なことというか、全然表からはなかなか見れないことですし、お客さんもその辺はわからないところだと思うんですけども、やっぱりそういう基本的なところ基礎的なところを整えることによって、そんだけやっぱり違いが結構すぐ見えたんですか、結果としては。
そうですね、僕が入った時は基本的にMDみたいなファンクションもまだ全然整ってない状況でもあったので、やっぱり小売とかのベースっていうのは当たり前ですけれども、MDの計画があって、いわゆる販売計画、ユニクロの時は呼んでましたけれども、その計画に基づいて商品の企画とか生産とか物流とか販売みたいなことが一気通貫した形で回っていくんですけれども、またその計画がないがゆえに、
要は企画ができて生産ができて売れるっていったタイミングが売るタイミング。だから売った後に2、3週間商品が発売されなかったりとか、その企画が続かなかったりとかっていうことがあったと思うんですけれども、一番最初にその計画を作るっていうところが非常に重要なことで、そこに対する課題感を持っているMDもいたので、
その方と一緒にまず計画を作ること、販売計画を作って、それに対して全てのファンクションが連動するような形っていうことを最初にやったことによって、いわゆる僕たちは社内用語で言うと52週マーチャン大臣と言ってるんですけれども、毎週木曜日に情報発信をして土曜日にドロップする、商品の発売をするっていうルーティーンを作って、
そうするとお客様の中で木曜日に新商品の情報ができて土曜日に発売されるっていうその習慣が頭の中に根付いていくので、そう習慣化された上での購買行動だったりとか需要喚起みたいなことがされて、それが基本の計画からの連動みたいなことができてきたっていう。
それによってだいぶ見える景色が変わっていったというか、売上ももちろん上がってきましたし、その辺が結構ポイントだった気がしますね。
番組のリスナーでマーチャンダイジングとかMDとか、あと小売の仕組みがわからない人も多分たくさんいらっしゃると思うので、ちょっとすごく基本的なことになると思うんですけども、僕の間接的に今ユニコーンさんだったりとかアパレル業界、ファッション業界と関わっていて、
だいたいシーズンごとにスプリングサマー、SSだったりとかFWと言われるフォールウィンターでシーズンごとにコレクションだったりとか商品が出てくるっていうのが一般的だと思うんですけども、ヒューマンメンドさんの場合はそういうシーズンごとの商品企画になってるんですか?
そうですね。基本的には全てのアパレルの予算は一緒だと思うんですけど、やっぱり大きく春夏と秋冬、スプリングサマーとフォールウィンターに分かれていて、その中で春夏モノ、秋冬モノできっちり商品構成を組んで、商品構成っていうのは当たり前ですけど、男性モノ、メンズ、ウィーメンズがあって、
その中でもアウターからシャツとかカットソーとかボトムスとかっていう風に部門があってグッズとかアクセサリーとかっていう風な構成の中で、その計画に基づいて商品の企画をして生産していくっていうことですね。
基本的には数で言うと大体何点ぐらい出されるんですか?シーズン。
具体的には言ってないですけど、カウントしていったら分かるかなと思うんですけど、毎週10商品から多くて15とか、少ない時もありますけれども、それかける52週なので500とか、それかもうちょっと多いぐらいですかね。
毎週木曜日ぐらいに今週のドロップがこういう商品ですよとかTシャツだったりとかアウターだったりとかボトムスみたいのを情報として発信をして、週末にはその商品がお店に入ってきたりとか、あとオンラインも規模としては割合は結構あるんですか?
オンライン販売の重要性
そうですね。うちは他のアパレルさんとかと違って結構ユニークなポイントだと思っているのは、今おっしゃっていただいたようにオンラインの売上の比率が非常に高くて、サイトにも載ってるので言えると思うんですけど、4、50%ぐらいがオンライン上で販売されていて、
かつ、メンズ主体のブランドであるものの女性の購買比率も非常に高くて、40%とかもうちょっとぐらい女性の方がユニセックスとして買っていただいているので、サイズの小さいものからっていう。
それに伴って普通のアパレルと違うのはグッズ類とかアクセサリーとか、その他ライフスタイル系とかって呼んでますけれども、インテリアからアウトドアまで、要はいろんなものを販売しているっていうところが、たぶんちょっとユニークな部分として見えているっていうところはあると思います。
ライフスタイル、全体的に服だけではなくて、もうちょっと幅広いところで商品を売ってるという。
あとやっぱり2号さんの存在も大きいのかなと思うんですけれども、
もちろんです、それは。
その2号さんの世界観だったりとか価値観に感銘を受けたりとか興味を持っている人たちが、彼のことをフォローして、それの延長線上としてヒューマンメイドというブランドがあって入ってきているっていう場合も結構。
ありますね。
それももちろんあります。
よく2号さんと話すのは、例えばインスタグラムのフォロワー数で言ったらまだ2号さんの方が多いんですね、ヒューマンメイド。
やっぱりこのフォロワー数をヒューマンメイドが超えることが、やっぱり超えなきゃいけないよね。
やっぱりどうしても2号さんきっかけでヒューマンメイドを知る人も多いだろうし、最近で言うと2号さんを知らなくてもヒューマンメイドを知ってて好きになってるっていう人たちも増えてきているので、それはすごい喜ばしいことでいい傾向だなと思うんですけれども。
そこはやっぱり相乗効果っていうか、お互いがいい意味で面白いおかしいことをやりつつ高み合っていくような関係性がうまくできているのかなっていうふうに思いますね。
で、なんかそうなってくると、例えばベルディさんっていうアーティストの方とか、他のアーティストの方とか、やっぱりヒューマンメイドのプラットフォーム、僕たち2号さん筆頭にファレルさんとかカウさんとかベルディさんとか、他いろんなクリエイターの方とかヒップホップとかアーティストの方とかも含めて、それは僕がユニクロでUTUやってたときと近しい感覚なんですけれども、
彼らっていうのはアーティストであり、そのものを作ることはもちろんできますし、それを発信することはできるんだけど、じゃあそれを世界中の方に届けるとか、世界中でそういった活動を展開していくっていうときに、やっぱりプラットフォームというかビジネスのリソースがないとできないようなことだと思っているので、
そのクリエイターの夢を実現する、クリエイターが成し遂げたいことを僕たちが実現することが、そのクリエイターのフォロワーとかクリエイターの方が好きな人たちのためにもなるし、もちろん僕たちのためにもなるし、クリエイターアーティストの方たちのためにもなるし、
結果、そこで社会的に生まれた商品とかっていうのが世の中に気づきを与えて、いわゆる三方よしじゃないですけれども、そういったことにもつながってくるから、やっぱりそこのクリエイターと一緒にやっていくようなプラットフォーム、ビジネスのエコシステムを作っていくっていうことが僕たちの会社に求められていることにもなってくるので、そこのエコシステムが今回り始めているのが、この成長の機動力になっているのかなというところですかね。
購買体験のデザイン
でも、例えば商品計画とか企画をするじゃないですか。
週に10品とか15品とかだと、例えば貼るものが12週間あるとしたら120点とか150点とかのものを企画するとします。
そういったときに最初に2号さんからこのシーズンはこういうものでやろうとか、どういうディレクションが出るんですか。
それで言うと他と違うのは、あんまりシーズナル性というか、シーズンに対してシーズンテーマみたいなことを設けない。
コレクションブランドではないので、コレクションブランドだとデザイナーの方とかが、要はスケッチを描いて、絵型を描いて、これで何カタで、それでショーするみたいな進め方だと思うんですけど。
それはテーマがあってやることだと思うんですけど、そことは全然違うような。
だから普遍的な価値のものをこのシーズンの中でやっていくべきもの。
それはさっきの上はアウターから下はボトムスまでみたいなことの商品分類もそうなんですけれども、
Future is the pastって言ったときに、服って長い歴史の中で、もちろん西洋から移り渡ってきて、あらゆる服のジャンルっていうのが歴史由来があるじゃないですか。
ジーンズだったらもちろん労働者の服から来たとか、ミリタリーは軍隊から来てたとか、例えばアメカジとかバーシティみたいなことを言うと大学の戦況的なところから来たとか、
あらゆる出自がある中で、その中で僕たちとしてフックすべきような、ある種カテゴリーとは呼ばないかもしれないですね。
そのときのムーブメントみたいなことを自分たちで解釈し直したときに、こういったコレクションが面白いよねとか、こういった考え方が面白いよねっていうことを、
うちのデザイナーたちが試行錯誤しながら考えて、そういった考え方を2号さんと意見交換したりとか、
その中で、じゃあこういったものがいいんじゃないっていうふうに、だんだんだんだん解像度が上がって、商品の輪郭が見えてくるっていうような。
だから、ストリートブランドみたいなカテゴライズもあるんですけれども、結構ものの作り方としてはユニークな。
それを気づかれてか気づかれてないかわからないんですけれども、そこが面白がってくれてるのかなっていう気はしてますね。
なるほど。
例えば、ヒューマンメイドっていう言葉に名はタイを表すじゃないですけど、出てる事例としては、
毎日発売しているデイリーティーシャツっていうのがあるんですけれども、それは日付が入ってるんですね。
その日の。
インスタグラムのストーリーで今日の日付の入ってるものをアップして、それに対してそれを見たお客さんがすぐオンラインサイトで買えるようになっていて。
それは例えば同じTシャツのデザインで、今日は例えば3月1日はこれ、3月2日は同じなんだけども、どっかに日付が入ってるのがそれが違うのか。
そうそう、単純に日付が変わってるっていう。
日付が違う。
じゃあやっぱりその日に買ったっていうことが、例えばインスタのストーリーで、今日3月2日だからリンクがあって購入してサイズを選んで、数日後にはその3月2日に買ったのが届くっていう。
おっしゃる通り。
なるほどね。
なんか購買体験をデザインしてるっていうか、ある種そのきっかけ作りから僕たちなりのエモーション体験を作りたいっていうことまでデザインしちゃってますね。
最後届いた時の箱を開ける時までのワクワクまでデザインするっていうことが大事だと思ってるので、だからその梱包されてる箱とかも相当いろんなサンプル作ってこれだよねって決めましたし、
今ちょっとしたこうありがとうの気持ちを込めてノベルTとかも入れてるんですけども、それとかも手を変え品を変え、お客様が毎回買って毎回同じものが入っててもつまらないじゃないですか。
その購買頻度に合わせた形でちょっと毛色の違うアイテム、なかなか売ってない非売品でこんなのがちょっと自分の生活になったらいいなって思ってもらえるようなものをちょっと入れて、
最後、そのノベルTとか商品を取った後にサンキューって一言メッセージが入ってるとか、なんかそういったこと。
Appleもね、箱を開けるときはワクワクするじゃないですか、デザインがカリフォルニアっていうところからも含めて。
そこまでやっぱ体験をデザインするっていうことがすごい大事。
逆にそういう体験って、これ大平がないように言いたいんですけども、規模がある程度個人マインドしてた方がやれることも多いと思うんですね。
あまりにもそれこそユニクロさんの規模になっちゃうと、そこまでハイタッチなことってできないじゃないですか。
その天井みたいのは持ってらっしゃるのか、まだまだできるからやってるのか、多分どっかでこれもう無理だよねみたいなことが来るんじゃないかなと思うんですけども。
これはですね、やっぱりそれこそユニクロの柳井さんからも、経営とは矛盾との戦いだっていう話だなと思ってるんですけど、
結局効率を求めることとホスピタリティを実現するって、ある種相反するようなようなものに聞こえると思うんですけども、
それをその矛盾を解決してどっちもできるようにするっていうのができるようになるっていうのが、
ある種これも日本企業、日本企業っていうカテゴライザーしない方がいいのかもしれないですけど、得意とするというか、やっぱりそのあたりがポイントなんじゃないかな。
だから別に規模が多くなればそういったことができないっていうことではないかもしれないですね、そこは。
松山さんが入れる前から海外ではある程度は売ってはいたんですか。
海外は基本的に卸先さんに一部商品を卸してるっていう形で、もちろんスタンダードアローのお店ではなく、各セレクトショップの中でラック展開してるみたいな形ではありましたね。
で、こないだ韓国でのお店あれはポップアップ?
あれはもう直営ではないんですけど、現地のパートナー会社さんの運営のもと、あたかも直営店の形のように路面店でヒューマンメイドという矢口がドーンとついた形で、
僕たちは外縁前のところにヒューマンメイドと、あとブルーボトルコーヒーと、要は服買いながらお茶も飲めるっていうような形態で開発してる業態があるんですけど、
それをそのまんまソウルに持って行って、なのでオフラインストアっていう名前なんですけども、オフラインストアソウルっていう形で持って行った初めてのお店ですね。
今後そのブランドを成長させるっていう意味で、ヒューマンメイドのような、いわゆるマスブランドではないじゃないですか。
それこそユニクロとかザラとか、そこら中にお店があって何十カ国にお店があってっていうマスブランドではないと思うんですけど、
ちょっと違う路線の話で言うと、例えば一時ある意味一世風靡というか、すごく話題になったシュプリームみたいなブランドがある意味中途半端にマス化したというか、
最近またどっかに買収されたりとかで、ちょっとこう一時そのブランドとしてのすごい価値があったんだけども、
そこをちょっと超えちゃって、そのエクスクルーシブなところがなくなっちゃって、価値が下がってきたのかなっていうふうにここ5年ぐらいで思ってるんですけども、
なんかその辺の調整の仕方というか、どこまで伸ばすのが我々の良さを保っていて、
どっかのこの一線を超えちゃうとセラウトじゃないですけども、なっちゃうのかなみたいなことを、その辺どう思われてます?
ブランドの成長と重要な視点
それはそうですね、大事な視点というか、やっぱりブランドが永続できるっていうことは、成長はしていかないといけないと思ってるんですよ。
ある一定の、結局その成長するか落ちていくかの2極にはなってくるので、現状維持でブランドの維持を高めていくっていうのは、それはそれで難しい部分でもあるかなと思っていて、
今Supremeの話は出ましたけれども、例えばその歴史に裏付けされている企業とかで、アメリカで言うと例えばラルフローレンとか、
ヨーロッパのラグジャリブランドのはちょっと経路が違うかもしれないんですけれども、
やっぱり長くブランドに愛されているところって、ある種の共通項みたいなことはあるのかなと思っていて、
やっぱり何々系とかこういったものが欲しいと思ったときに自然に想起されるブランドっていくつかあるじゃないですか。
アパレル以外でももちろんナイキとかアップルとかもそうだと思うんですけども、そういったところにおいて、この手の洋服とかこういったものが欲しいときはヒューマンメイドだよねっていうところも考えていかなきゃいけないですし、
オーセンティックなトラットなアメリカンカジュアルみたいなことで、やっぱりラルフローレンっていうのはある種の格式と歴史に裏付けされたものでずっと展開していると思うので、
ヒューマンメイドブランド自体はまだまだこれからだと思うんですけれども、そういったことも意識しながらブランドの格を上げていくというか、
ちょっと話外れますけど、コラボレーションってほとんどしないんですよ。コラボレーションってやっぱり人の色がついてしまうので、
コラボレーションすることによって、その商品は売れるかもしれないんだけれども、実体として自分たちがやっているブランドのイメージがどう左右されるかってお客さん次第なんで、
本来でいうとコラボレーションしない方が、やっぱりいわゆるブランディングというか、ブランドの立ち姿っていうのは高められると思っていて、
顕著な例で言うとAppleとかもそうですよね。
しませんもんね。
全くしないじゃないですか、そこは。なので、やっぱりそういったことを意識するっていうこともすごい大事だなっていうふうに思いながら、
そういうことを2号さんとかいろんな方とは話しながらやってますね。
まだまだあるべきブランド像はこうだっていうところまで行き着いてないですけれども、日々商売をさせていただいている中で考えている部分ですかね。
経営の実際とミッション
まだできてないことでやりたいこととかってあったりします?
それはいっぱいありますよ。やっぱり今、eコンバーサル売れてるのが結構割合としては大きいとは言いつつ、やっぱり海外のお客様が手に取れる機会っていうのは全然限られているので、
フィジカルに手に取れるような店舗もそうですし、えっきょいしいとはいえ、やっぱり送料とか関税とかお客様にご負担いただいている部分も多いので、
なるべく世界中のお客様が同じ条件のもと、不公平感あまりなく買っていただけるような世界を作りたいっていうこともそうですし、
またそういう自分たちのブランドの存在意義とかを考えたときに着手すべき領域とか、もっとこういったことやっていったらいいよねっていうところは多分これからいっぱい出てくると思いますし。
じゃあ5年後、10年後のヒューマンメイドをどう描かれてますか。
なんとなくおぼろげながらには構想というか、こういう世界を作れたらいいなっていうのがあるんですけど、
会社のミッションっていうのが人間の手とか人間のひらめきで作られている輝きっていうのは世界中の人に届けたいというふうなミッションを持っているんですけど、
それの対象となるものっていうのは商品だったりサービスだったり、一色順にまずはあらゆることだと思うんですけど、
やっぱりそれを世界に広めていって、僕もレイさんもそうだと思うんですけど、若い時に見た映画とか音楽とか、それこそヒップホップにしても何でもロックにしても何でもいいと思うんですけど、
その頃はやっぱりアメリカとかイギリスとかそういった国からその情報が来て、
当時はネットもなかったから、自分たちで探しに行って触れて、そこで初めてカルチャーを知って、それに対して夢中になって、自分のリテラシーが上がるというよりかは、いろいろ人生の余白みたいなことが増えていると思うんですよ。
それがやっぱり東アジアとか東南アジアとか、そういった人たちに対してまだまだそういったカルチャーが根付いていないような独自のカルチャーが発展していると思うんですけど、そこに対する新しい築きみたいなことを事業を通してやっていきたい。
そういう若い人とか若い感度のあるような方とかにそういった思いを届けられるようなことをやりたいです。
なんか一個そのユニクロの時のカウズさんと仕事をしようときに、すごいユニクロと仕事をしてよかったというふうに当時言ってくれていて、それは何かというと、今までやっぱり東南アジアとかで彼の認知とか知名度がだまなかったんですけど、
UT、ユニクロでコラボすることによって自分の名前がそういった国に広がって、そこでムーブメントブームみたいなことが起こって、結果としてある国でギャラリーを作ってカウズさんの展覧会をやりたいみたいなオファーがあったりとか、
今ではそういう国からそんな話もなかったから、僕一人ではできないんだけれども、あなたたちと組むことによってそういった自分のアーティストとしての可能性も広がったし、逆に言えばその国に対してそういう文化が根付いたことによってギャラリーがどんどん増えていくかもしれないし、
そういったアートに対するリテラシーが増えていくっていうふうにもなるので、そういった動きがグローバルにできていくようなことをやっぱりやりたいなというふうに思いますね。
社内の価値観の統一
なるほどね。
さて、ここまでお送りしてきました、レイナモトの世界のクリエイティブ思考。今回はマインシフト、発想の転換で個人ブランドから組織ブランドへをテーマにお届けしました。
レイさん、今回もたっぷり松沼さんに話していただきましたが、どんなことが印象に残りましたか?
やっぱりここ数年ですごく成長してるんですよね。何が秘訣なんですかって聞いたときに意外な答えが来て、まず一つはつまらないことこそ実は大事。
二つ目に経営は矛盾との戦い。そして三つ目に組織内での価値観の統一が鍵。この三つを改めて気づかされました。
まずこの一つ目のつまらないことこそ実は大事という話なんですが、松沢さんにじゃあ何から始めたんですかっていうふうに聞いたときに、最初に出てきた言葉、そして最初に出てきたことが実は結構地道であまり派手なことじゃなかったんですね。
なんか経営者とかもしくは新しい人材が経営層に入って改革していくとかっていうことになると、例えばマーケティングキャンペーンをやるとかリブランディングをやるとか、外に見えることをしがちなんですよね。
とか、なんか新しい商品をバーンと打ち出すとか、そういう目立つことをやりたがるんですけども、松沢さんがおっしゃっていたのは、まずそのサプライチェーンを整えるっていう、これって表にはほとんどわからないことなんですよね。
でもサプライチェーンを整えて、そして商品企画の計画を作ったっていうふうにおっしゃってるんですね。それまでもちゃんと商品企画っていうのもされてましたし、サプライチェーンもあったんですけども、やっぱりその大企業から来られた松沢さんから見たら、もっとこれってしっかりできるなって思ったらしくて、物流が工場からお客様の手に届くまでちゃんと成り立っているのか、そしてそれが効率よくできているのかっていうところを見直しをされて。
なおかつ商品企画っていうのをシーズンごとでそれまでやってらっしゃったらしいんですけども、それを毎週何かを出していくっていう結構細かい企画にしてたんですって。
そうすることによって毎週土曜日にニュースレターを配信しますと。
そこにその週の注目の商品ということで載っけると必ずその商品が売れるんですって。
それを毎週やっていくことによって今週土曜日にこの商品を打ち出しました。
それを何回かやっていくとお客さんがまた来週土曜日にもっていうふうに期待するようになってくる。
それで物流の流れとあとそのものが情報になって、情報としてのものの配信ができるようになって、そしてお客さんがファンとなっていくっていうすごくシンプルな構造ではあるんですが、
なかなかそれってこう話してみると当たり前のことかもしれないんですけども、この業界にもう20年以上いる僕でもやっぱそうだったのかっていうふうに改めて気づかされたポイントですね。
2つ目に経営は矛盾との戦いというポイントなんですが、このポイントはですね、やっぱりその規模が大きくなればなるほど小さかった組織、
そしてブランドの規模が小さかった時のきめ細やかな工夫だったりとか日本語で言うおもてなしとかがやりにくくなると思うんですよね。
そういうところをそういうふうになっちゃう時にどう経営をしてるんですかっていうふうに聞いた時に、いや経営っていうのは矛盾との戦いなんです。
そういうその矛盾っていうのは常につきまとって、それを解決していく、それと戦っていくのが経営者の役割なんだなっていうのは松山さんからのお言葉で気づきました。
そして3つ目のキーテイクアウェイなんですが、これはですね、組織内での価値観の統一が鍵というふうにおっしゃっていたんですが、
これはそのヒューマンメイドのサイトに行かれると実は結構浮き彫りになっているかなと思うんですが、
その会社の概要のページとかに行くとちゃんとこの会社のミッションとかがすごく明確にはっきりと表されているんですね。
人間のひらめきが生み出し、人間の手が作り出す輝きを世界へ、これをミッションと掲げられていて、想像こそ人間の根源的な価値である、私たちはそう信じているという言葉から始まるんですけども、
松山さんがヒューマンメイドに転職されて、もちろんさっきお伝えしたすごく地味なつまらないこともちゃんと立て直したっていうこともされていたんですが、
社内の価値観を揃えるためにミッションを書き直したりとか、そこをちゃんと言語化して社内で理解してもらうっていうところを最初の半年から1年ぐらいでやられたそうなんですね。
これって社内の意識をちゃんと整理するために、こういうふうに価値観っていうところをこういう明確な言葉にして恩恵知信っていう、これは前編でもお伝えしたことでもあるんですけども、その考え方を明確にしたりとか、
そういうところを社内で組織内で持つことによって、今まではヒューマンメイドっていうブランドがNigoさんというカリスマ的クリエイティブディレクターの頭の中で存在してたと思うんですね。
ブランドの移行と戦略
それを松間玲さんという経営者が引き出して、そしてこうやって言葉にして、そして広めていくということで、組織内での価値観を揃えて、それがまた外向けのブランドになっていくっていう。
個人でブランドを持ってる人っていうのはこれ大きな悩みの一つだと思うんですけども、そこの組織内での価値観の揃え方っていうのは、これもシンプルなことかもしれないんですけども、実は非常に難しいことですね。
やっぱり個人ブランドから組織ブランドへスケールアップしていくためには、有名な人に衣装として洋服を着てもらうとか、どこか他のブランドとコラボするとか、やっぱりそういう派手なことをやっていった方が認知度が高まってスケールできるのかなーなんて思いがちなんですけれども、そこはマインドシフト発想の転換で、
実は大事なのはそういう派手なことではなくて、本当に足場を固めるとか地道なところが大事なんだなーっていうのは、なんかクリエイティブ思考っていうところとはちょっと真逆に感じるようなところでもあるんですけれども、改めて、なるほどなーと気づかされるポイントでした。
ブランディングとかっていうと、対外的にどう見せるかっていうふうに考えてしまう癖があると思うんですけども、実は周りを変えていくために一番の早道は自分が変わることで、これは個人でも組織でも一緒だと思うんですね。
マーケティングとかブランディングの役割って、実はどんどんどんどん中になってるんじゃないかなと思います。
今回のマインシフト発想の転換、個人ブランドから組織ブランドへをテーマにお届けしました。
今回の3つのキーテークアウェイは、1つ目、つまらないことこそ実は大事。
2つ目、経営は矛盾との戦い。
そして3つ目のテークアウェイは、組織内での価値観の統一が鍵。
これが個人ブランドから組織ブランドへ成長していく3つのキーテークアウェイでした。
次回のゲストはですね、この方は日本ではほとんど認知度がなくて、彼が働いているブランドはリクイッドですというリクイッド液体です。
これは、死を意味する死の水っていう飲料の会社なんですけども、この会社もですね、ここ10年ぐらいにできて、2016年だったかに設立されて、すごい勢いで伸びている会社なんですよ。
その会社のクリエイティブのトップをやっている、僕の古い友達なんですが、アンディ・ピアスンさんという彼をお招けして話を聞いてみたいと思います。
世界のクリエイティブ志向、お相手は李奈本と竹村由紀子でした。
デジタルガレージは危険な海に最初に飛び込むファーストペンギンスピリットを、創業以来大事にし続けています。
これから来るWeb3、オープンソース時代を見据えた、テクノロジーで新たなビジネスを生み出す仲間を募集しています。
番組詳細欄にあるリンクより是非ご覧ください。
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