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2020-11-02 20:23

第19回「コレクションズ」ジョナサン・フランゼン著 ~親と子の笑える争い~

【今回の紹介本】 

■『コレクションズ』ジョナサン・フランゼン著 黒原敏行訳 

今回第19回目でご紹介するのはジョナサン・フランゼンの『コレクションズ』です。 

ランバート家の老家長アルフレッドは頑固そのもの。妻イーニッドはなにかと落胆する日々を過ごしている。成人した子供たちの生活も理想通りとはいえない、そんな家族を描いた長編小説です。 

【番組内で紹介したトピック】 

■『コレクションズ 上・下』ジョナサン・フランゼン著 黒原敏行訳 ハヤカワepi文庫 

https://www.hayakawa-online.co.jp/product/books/310064.html 

■映画『20センチュリー・ウーマン』 

https://eiga.com/movie/86002/  


【文学ラジオ空飛び猫たちとは】

硬派な文学作品を楽もう!をコンセプトに文学好きの二人がゆる~く文学作品を紹介するラジオ番組です。

案内役の二人は、 東京都内で読書会を主催する「小説が好き!の会」のダイチ

京都の祇園で本の話ができるカフェを運営する「羊をめぐるカフェ」のミエ

文学のプロではない二人ですが、 お互いに好きな作品を東京と京都を繋ぎ、

読書会のようなテイストで、それぞれの視点で紹介していきます!

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#本 #小説 #読書 #読書会 #文学 #海外文学 #ブック

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どうもみなさん、こんにちは。文学ラジオ空飛び猫たちです。この番組は、いろんな人に読んでもらいたい、いろんな人と語りたい文学作品を紹介しようコンセプトに、文学と猫が好きな二人が緩くトークするラジオ番組です。お相手は、私小説が好きの回のダイチと
はい、羊を巡るカフェのミエの二人でお送りします。文学のプロではない二人ですが、東京と京都をつないでお互いに好きな作品をそれぞれの視点で紹介していく番組です。
お互いの紹介に関しては、第0回で話しているので、そちらをお聞きください。
はい、今回はですね、先週に引き続き課題本ではなく、二人とも同じ本を読んで話すのではなく、どちらかが一冊を紹介するという回になってまして、今週はミエさんにご紹介いただく回になってます。
はい、そうですね、僕が去年読んだ小説を紹介するんですけど、ダイチさんが結構青春の思い出の話を語っていたと思うんですけども、僕はあんまり青春とかはなくてですね、去年読んだ本の中ですごく面白かったものをしゃべっているので、ちょっとサラッとした内容になっているんですけど、楽しんでいただけたらなと思ってます。
ちょっとすいません、先週話しすぎたというか、熱く話してしまった。
本と自分の人生というか、両方とも話しちゃったみたいな。
申し訳ない、ちょっと先週をしたあれが悪かったです。というところですけど、じゃあ今日はミエさんがお話いただくので。
はい、では僕が紹介する本が、ジョナサン・フランゼンが書いたコレクションズになります。早川エピ文庫から出ていて、黒原俊幸さんが略をされています。
では今からこちらの本を紹介していきたいと思います。
じゃあ次はミエが紹介する、ジョナサン・フランゼンのコレクションズになります。
これあらすじを、ランバートゲの課長アルフレッドは頑固そのもの。
妻イーニットは何かと落胆する日々を過ごしている。成人した子供たちの生活も理想通りとは言えない。
裕福な銀行員だが妻子と喧嘩ばかりの長男ゲイティ。学生と関係を持ち勤務先の大学をクビになった次男チップ。
末っ子の一人娘、再期あふれるシェフのデニースは恋愛がうまくいかない。
卓越した出力で描写される5人の運命とその絆の行方は。
ということで、コレクションズも家族小説になっています。
アメリカの中流家庭の舞台で老年に差し掛かる夫婦とその3人の子供たちの話になるんですけども、
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この小説、すごい面白くて好きで、文学ラジオで取り上げる本のリストに行ってもらって思ったことがあったんですけど、
結構上下感で、すごいボリュームがすごくてですね、それぞれ500ページ近くて、
ちょっと取り上げるの大変そうやなと思って、保留にしていたんですけど、
ちょっと今回紹介する形式だったら。
なるほど、いいですね。
ちょっと話しやすいかなと思って。
僕、このコレクションズ読んだのは去年の11月頃ですね。
結構読むのに時間かかって持ち歩いたりしていたんですけど、
ちょうど去年11月ぐらい東京でヨーロッパ文芸フェスというのに参加見学に行ったりして、
そういう時も空き時間とかに常に読んだりしていて、すごい楽しい読書体験でしたね。
いいですね。
面白いのが、やっぱりそのユーモアがすごい至るところにあって、
1ページに1回ぐらい笑えるところがあるというか、
すごいボリュームたっぷりなんですけど、飽きずに読めてしまうという。
面白さでいうとですね、この家族の奥さんのいいニートっていう人ですね。
この人がすごい良くてですね、中流の家庭なんでそんなに貧しい暮らしとかではないんですけど、
やっぱりその欲があるというかですね。
世間体をすごい気にする奥さんで、
息子たちがいかにエリート街道を歩んでいるかとか、そういうところばっかり気にする人で、
結構その物事を自分の都合のいい方に飛躍させて捉えてしまうという傾向も強くて、
会話の節々でそんなんがあって、それが面白いんですけど、
結構僕笑ったのが、この次男のチップっていうのが、この次男のチップっていうのは大学で先生をやってあったんですけど、
ちょっとクビになってしまうんですね。教え子に手を出してしまって。
なるほど。
このチップってもともと作家志望でもあって、小説を書いたりしてたんですね。
それを確かウォールストリートジャーナル課に原稿を見せるとか、
そんなレベルの話で、それで次につなごうかなっていうのを、
お母さんのイーニットに、今最近どうしてるのと聞かれて、
ウォールストリートジャーナルに話しに行こうと思ってて、
次男のチップからすら原稿を見せる程度に言ったつもりが、
このイーニットがすごい飛躍させてしまうんで、
06:03
息子がてっきりウォールストリートジャーナルに正社員として就職決まったと思い込んでしまって、
大学辞めて、そういうチップのところで働くんだねと、
それやったらお母さんも応援するよと言って、
早速近所にそれを言いふらすんです。
息子がウォールストリートジャーナルで記者になったって、
しかも息子はもともと法律の勉強をしてたのかな、
今はそっちとは違う分野で大学の先生、
大学では経済を教えてあったと思うんです。
すごい頭いい人なんで、
ウォールストリートジャーナルに就職したし、
さらにニューヨークの法律事務所でも仕事をしてるっていうね、
そんなのも勝手に言いふらすんです。
たしかに、
ジナンはそういう法律関係のこともちょっと触ったりしてたのかしれないですけど、
全然大したことないことを、
全て世間によく思われる方向に捉えて、
しかもそれを速攻で近所に言いふらすっていう、
これがめっちゃ面白くて。
そういうお母さんなんで、
クリスマスの日ですよね。
これはやっぱり家族全員で過ごすものっていう、
その固定観念がすごい強い人で、
結構この小説のドラマの部分でもあるんですけども、
子供たち3人でも職にもついていて、
家庭もあったりして、
離れたところでみんな暮らしてるんですけど、
クリスマスはみんな帰ってきなさいとお母さんが言うんです。
でもそんな暇ないしとか、
結構親のこともうざいなと思っている。
この本とかもいて、そんな嫌だなって。
それをお母さんがあの手この手で、
子供を帰ってくる仕掛けをしたりして、
孫にあたる子供の子供に、
雨というか、
子供の子供が来たくなるようにしむけたりとか、
あとこれめっちゃ面白いのが、
それでもやっぱりクリスマスは実家には戻らずに、
家族で過ごしたいという、
長男のゲイリーとかがいるんですけど、
ゲイリーもとはいえ、
クリスマスぐらいに戻ってもいいんじゃないのって、
ちょっと思ったりする。
それを奥さんが大反対して、
実家に戻るぐらいだったら絶対嫌だって。
ゲイリーも奥さんに最終的には、
子供とか奥さんのためを思って、
行くのはやめようと言うんですけど、
それを見越していったのかのように、
お母さんのいいにとか、
今から家に向かっているわよって感じで、
急に電話がかかってきたりとか、
家族のドタバタ感というか、
09:02
それがめっちゃ面白くてですね。
あと一人一人、やっぱりキャラがすごいいいんですよね。
これ話すとまた長くなってしまうんですけど、
お父さんもお母さんも息子さんにも、
すごい個性があってですね。
結構この小説、ボリュームたっぷりなんですけど、
一人一人にちゃんとスポットを当てて、
その章を書いていて、
読んでいくと結構、やっぱりこれは、
単純な話ではないというか、
実はそういう一面があったんだとか、
そういう過去があったんだっていうのが書かれていて、
結構面白いところで。
あともう、
そういったところで小説を表している言葉が、
中に出てきてですね、
エリート子供たち3人って、
やっぱりすごい勉強もよくできたし、
エリート街道を歩むと思われていたんですね。
実際に長男は歩んでいて、
次男もいいところまでは行っててと、
でも結局その3兄弟って、
親の期待を裏切ってしまうんですね。
それを表す言葉として、
3人とも母親や母親の友達やその子供たちが、
望むようなものを望まなかった。
3人ともハレンチなほど徹底して、
違うことを望んだのだった。
ハレンチなほどっていうのがですね、
結構肝で、
ノーマルではないというかですね。
ちょっと変態なところがあったりして。
教えが見ておられちゃったり。
それが面白いお菓子が書かれたりして、
そこもすごい良いんですけど。
僕はこの本を読んでいて、
世間から見ると成功しているような家族で、
しかも3兄弟もすごい立派に育っていって、
というふうに一見して思えるんですけど、
実はこの、それぞれの章を読んでいると、
この3兄弟というのが、
本当どうでもいいようなことに悩んでいたり、
実は変態だったとか、
親の期待とか、全然違うところに
興味関心を持っていたりとか、
そういう一面が書かれていて、
それを読んでいると、
一見すると立派な人というのが、
実は適当な人間なのかなと。
立派というのは他人が作り出しているもので、
でも党の本人というのは、
意外とそういう他人の作り上げたものとは違う、
やっぱり人物像であるのかなと。
そんなのが結構感じられて、
それで僕はその時、東京で
ヨーロッパ文芸フェスとかに参加して、
いろんな話を聞いていたんですけど、
作家さんとか関係者とか、
いろんな人が聞きに来たりしているんですけど、
ジョナサンフランゼンが書くような人たちと一緒で、
12:04
実は意外と世の中適当に生きている人も
中にはいるんじゃないかなと思えたりして、
すごい気持ちがちょっと軽くなったというか、
そういう小説でしたね。
なるほど、いいですね。
ジョナサンフランゼンは大地さんと呼んだことは?
ないですね。ないですし、
初めて聞きましたかもしれないですね。
もしくは名前見たことあるかもしれないけど、
意識あんまりしなかったですね。
なんか面白そう。
長いんだ、でも。短いのもあるんですか?
長編しかないですね。
そうですね。
翻訳されているのは3冊あるんですけども、
コレクションズを含めて、
結構な長編で、
しかも家族の小説という、
テーマが一貫しているというところです。
アメリカってそうなんですかね。
私が今日話すニール・サイモンもとてもコメディの
上手い方なんですけど、
そういう思い込んで言いふらしちゃったりして、
話が大きくなっていく話とか結構あるじゃないですか。
そうですよね。
こういうのってアメリカから生まれてきたのかな?
あんまり日本は輸入した感じなのかな?
そういう話はあると思うんですけど。
なんかでもやっぱり、
プライドが人それぞれあって、
奥さんのいいニットを持っているプライドは、
ちょっと笑えるような行動になっちゃってるんですけど、
みんなそこに対して
そんなプライドがあるんだっていうような
人それぞれ別々のものは持っているのかな?
と思うんですよね。
プライドのところが結構あるのかな?
日本ってもしかしたら
最近はそういう感じにはなってきているかもしれないですけど、
昔はちょっと違ったかもしれないですよね。
クリスマスが大切な行事なんだなと。
アメリカにとってやっぱり。
そうですね。
いろんな作品でも、
クリスマスに集まるっていうのが結構重要事項な感じで描かれているから。
そうですね。
ジョナサンフランゼって今のアメリカを代表する作家であるんですけど、
やっぱすごいなって思ったのが、
このチナンのチップが
一時期リトアニアで生活をするんですね。
リトアニアの副首相と
スペイン人の
ビジネスパートナーみたいな感じになって、
逆にアメリカやとちょっと居づらいっていうか、
そういう状況になって、
じゃあリトアニアで人肌あげようかっていう感じで、
そこで面白かったのが、
リトアニアのことをめっちゃリアルに描いているんですね。
なるほど。
結構な分量を費やして、
15:02
リトアニアのことなんでちょっとサラッととか抽象的になるのかなとか、
思いきや全然そんなことなくて、
リトアニアでもすごい笑えるハプニングばっかり
言うんですけど、
リトアニア編もまためっちゃ面白くて、
リトアニアでいろいろ政権が不安定な国。
そういうちょっと不安定さがある国だから、
人肌あげやすいっていうところがあるんですけど、
そこでちょっと失敗してしまって、
これはもうアメリカ戻ってこれないんじゃないかとか、
リトアニアの外から出れないんじゃないかと。
でもクリスマスがもう迫ってると。
お母さんがもうジナンは戻ってくるからって、
周りに言いふらすんですけど、
もうクリスマスまで時間がないと。
それで果たしてどうなるのかっていうね。
あそこのところとかめっちゃ面白かったですね。
面白そうですね。これ映画とかにはなってないですか?
長いから難しいのかな?
ちょっとその情報は調べてなかったですね、映像観のとかは。
なんかでもすごいこういうドタバタって、
映像で見るとめっちゃ面白かったりするのかな。
映像とかで形になっているもので見ると。
そうですね。でもね、ジョナサンフランゼンのその、
やっぱり出力っていうか、
小説の腕がすごいんで、これは小説でも引き込まれましたね。
なるほどか。
アメリカのちょっと他こういうコメディチックなのって、
パッと今というか、ウィリアム・ギャレスのJR。
2019年の翻訳大賞を取ったJRがちょっと、
あれもなんかコメディだけどめちゃくちゃ長い。
そうですね。
でもあれコメディ以外の何物でもないんですよね。
なんかそこで感動とかが生まれるわけじゃなくて。
あんだけ長いものを読んで、
まあ面白いんですけどね。
というのもあるんで、なかなか。
アメリカのその辺の感覚ってなんかあるのかなってちょっと思いました。
そうですね。確かに。
アメリカらしい部分ってあるのかもしれないですよね。
今回結構お互い、
家族の話っていうのを、
そういう小説を取り上げていて、
面白かったんですね。
しかもちょっとコメディ寄りだっていう感じですね。
アメリカでしたね、両方とも。
そうでしたね、本当に。
というところでなかなか面白かったですね。
まあちょっと私の方も、ニール・サイモンの方も多分普通のラジオのあれでは絶対話せないなと思ってたんで、
紹介できてよかったし、
みなさんのこのフランゼンもちょっと話し聞けてすごいよかったです。
500ページかけるにはちょっと元気いりますね。
そうですね。多分ね、
パスト900ページくらいの、
あ、でも1000ページ近いか。
ちょっと読もうとすると結構時間がかかりますね。
そうですね、ちょっと勇気いるんですが。
移動中に読むじゃないですか、移動中とか。
18:01
結構時間かかりましたけどね。
じゃあこのところで、ちょっといつもとは違う感じでお送りしましたが、
名がJonathan Franzenのコレクションズを紹介してとなります。
ありがとうございました。
じゃあちょっと次回予告して終わっていきましょうか。
次回予告なんですが、
長いですね、ちょっと冒頭でも話したんですけど、
長いというか、
長い話をちょっとご紹介します。
めっちゃ長いですね。
そして高いですね。
David MitchellのBone Crocsをご紹介します。
こちらクラウドアトラスで知られる作家の新刊になっています。
世界幻想文学大使を受賞した超大作ですね。
みなさん少し読み出してます?
まだなんです。
これからです。
最初ちょっと冒頭50ページぐらい読んだかな。
まあ面白そうな感じですね。
長そうな。
僕Jonathan Franzen長いから紹介するのやめとこうって言ってきながら、
それと同じぐらいの多分、
ボリューム感なんですよね。
上下2段組だしね。
結構時間かかるかなと思ってます。
2週間後収録しますが、
ちょっと話しますけど、
もしかしたら前半後半ぐらいに分けたいなとは思ってます。
という感じです。
もしかしたら2週に渡ってお届けする感じになるかもしれません。
じゃあちょっとそちらお楽しみにしていただければと思います。
それでは番組の感想やリクエスト、
またこのラジオを聞いて紹介されている本を読みました、
読み返しましたなどありましたら、
ハッシュタグ空飛び猫たちをつけて教えていただけると嬉しいです。
ツイッターやインスタの投稿、
DMやリプライなどでお待ちしております。
メールアドレスも番組情報欄に載せてますので、
そちらからいろいろいただいても大丈夫です。
積極的に拡散共有していただけると助かります。
じゃあ今日はちょっと特別な回でしたが、
次週はBoneClocksをお届けしたいと思ってますので、よろしくお願いします。
それではまた。ありがとうございました。
ありがとうございました。
20:23

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