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2025-04-07 58:43

第191回 ガザで亡くなった詩人が編んだ物語たち『物語ることの反撃』リフアト・アルアライール編

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文学ラジオ第191回の紹介本

『物語ることの反撃 パレスチナ・ガザ作品集』

リフアト・アルアライール編、藤井光訳、岡真理監修・解説、河出書房新社

⁠https://www.kawade.co.jp/np/isbn/9784309209111/⁠

 

⁠⁠⁠⁠⁠パーソナリティ二人で作品の魅力やあらすじ、印象に残った点など、読後の感想を話し合っています。ぜひお聴きください!

 

 【今回の内容】

第十一回日本翻訳大賞二次選考対象作品/ 初のパレスチナ文学/等身大に感じれたパレスチナ・ガザの人たち/著者&作品紹介/今も続くパレスチナへのジェノサイド/日本での関心について/イスラエル寄りの情報操作/出版前後の出来事も含めての物語/学生たちとの人生を変えたリフアト・アルアライール/現実の出来事と思うと辛いフィクション/「撃つときはちゃんと殺して」の父親と赤ん坊のどちらかを選ばざる得ない状況/「あっというまに失って」のガザの住民と難民の格差が日本の今にも重なる/「僕は果たして出られるのか?」と「包み」の闇バイト感/「不眠症への願い」のイスラエル側の視点/「Lは生命(ライフ)のL」の父親の作り話を信じる息子/リフアト・アルアライールの「家」/VG+(バゴプラ)のオンラインイベント「パレスチナでのジェノサイドにフィクションはどう立ち向かうのか」を視聴した感想/次回予告

 

▼参考情報

VG+(バゴプラ)のオンラインイベント「パレスチナでのジェノサイドにフィクションはどう立ち向かうのか」 視聴チケット販売中。4月28日(月)まで視聴可能。

https://palestinian-fiction-archive.peatix.com/view⁠

 

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版元サイトより

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現代パレスチナを代表する詩人が編み遺した、ガザの若き作家たちによる23篇。過酷な「日常」を書き留め、暴力と占領に物語ることで抵抗する、魂の作品集。

2023年12月、イスラエル軍の空爆によって命を落としたパレスチナの詩人、リフアト・アルアライール。忘却に抗うため、そして想像力によってあたらしい現実を立ち上げるため、彼が私たちに届けた、23の反撃の物語。

 

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▼お知らせ:『エジプト人シヌヘ』課題本読書会の追加開催が決定しました!

5月18日(日)開催の『エジプト人シヌヘ』課題本読書会がイベント公開後、すぐに満席となったため、6月19日(木)に追加開催を行います。追加開催の日にもゲストとして翻訳者のセルボ貴子さんとみずいろブックスの岡村茉利奈さんにご参加いただきます。『エジプト人シヌヘ』は読むと誰かと語りたくなる小説ですので、ご興味ありましたらぜひこの機会にご参加ください。詳細・申込はpeatixイベントページより↓

⁠⁠⁠https://peatix.com/event/4341247⁠⁠⁠

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サマリー

リフアト・アルアライール編の『物語ることの反撃』は、イスラエルによるパレスチナへのジェノサイドに対抗するため、ガザの若き作家たちによる23の物語を通じて文学の力を示す作品集です。2023年12月にアルアライールが襲撃で命を落とした背景のもと、パレスチナの現状と人々の思いが描かれています。エピソードでは、リフアト・アルアライールが編集した『物語ることの反撃』について語り、その出版に伴うガザの現在の状況や問題を掘り下げます。また、著者の死がもたらした影響力や、若きパレスチナの作家たちの物語が現実をどのように反映しているかについて考察されます。第191回のエピソードでは、リフアト・アルアライール編の詩集『物語ることの反撃』から、ガザの詩人の作品が紹介されており、特に戦争の悲劇や家族の苦しみをテーマにした作品が印象的で、ガザにおける状況や人々の心情が深く描かれています。このエピソードでは、リフアト・アルアライール編集の作品集『物語ることの反撃』に収められた詩人たちの物語やガザにおける現在の状況が掘り下げられ、特にイスラエルの兵士の視点や封鎖された家への感情が印象深く語られています。

抵抗の文学
現在も続く、イスラエルによるパレスチナへのジェノサイドに物語によって抵抗する。
2023年12月にイスラエル軍の攻撃により亡くなったパレスチナの詩人リフアト・アルアライールが編集した
ガザの若き作家たちによる23の物語、物語ることの反撃 パレスチナ・ガザ作品集を紹介します。
どうもみなさんこんにちは、文学ラジオ空飛び猫たちです。この番組は、いろんな人に読んでもらいたい、いろんな人と語りたい文学作品を紹介しようコンセプトに、文学と猫が好きな二人がゆるーくトークするポッドキャストです。
パーソナリティは、私ダイチとミエの二人でお送りします。文学のプロではない二人ですが、お互いに好きな作品を時には熱く、時には愉快に、それぞれの視点で紹介していく番組です。
今回紹介するのは、リファート・アルアライールさん編集の物語ることの反撃 パレスチナ・ガザ作品集です。
藤井光さん役で、岡麻里さん監修・解説 川嶋忍者から2024年に出版された本になります。
こちらですね、日本法約大賞の選考後に残っていたんですが、最終選考で5作に絞られなかった作品となっておりますが、ちょっと今回我々票があった直後にこの収録してるんですけれども、
もともともこれは紹介しようという話がなっていたので、今回ちょっと紹介したいなと思います。
ラジオで初めてのパレスチナ、ガザ・パレスチナの文学作品ですね。僕なんかこれは買ってすぐに買いましたね。出版されてすぐに買いました。
あれじゃあだいぶ前から持ってたってこと?
そうですね。2024年の11月の終わりなので、もう本当出てすぐに、そうです、これはちょっと読みたいなと思って持ってたんですけども、
日本法約大賞の2次選考16作品には残ってというので。
てところで、今回パレスチナというかガザですね、の作品集ってことで、非常に今紛争というか、イスラエルとパレスチナの紛争が続いていると思うんですけれども、
そういったところもですね、ちょっと背景も踏まえて今日は話せたらなと思ってるんですが、かなりこの問題は複雑で、
ウクライナの話と比べると日本ではあまり認識されてなかった、理解されてなかったりするのかなっていうのはちょっと個人的にも思ってますし、
私自体ですね、このあたりのことっていうのはほぼあまり知らずに来ていた形ですね。
なので、あえてはやっぱりこの視点で今日は紹介していきたいなと私は思っています。
我々のラジオのリスナー、文学が好きで、いろんなことに興味関心がある方々が多いと思ってるんですけれども、
例えば私のようにですね、あまりこの問題について今まで触れてこなかったって方もいらっしゃると思うので、今日はですね、一緒にこの問題も考えられたらなと思うので、
そのあたりもちょっと意識して聞いていただけたらなと思います。
で、あとまず端的に今回この作品を読んで思ったのは、間違いなく文学の力を感じる一冊だと思うので、
そういう意味でもですね、文学が好きな方とか文学の力を信じている方には読んでいただきたい一冊だなと、ちょっと改めて思ったので、
この点もですね、ぜひちょっとお話できたらなと思っています。
そうですね、僕はこの本、もともと興味は持ってたんですけども、
ただそのパレシナ、ガザーっていうところに対して、そこまで深い知識は持っていなくてですね、
ちょっとニュースで追っていたとか、そういうレベルではあったんですけども、
それでちょっと小説、内容的に難しいのかもしれないっていうのは、ちょっと最初は思っていたんですけども、
でも読んでみるとそんなことはなくて、おそらく前提知識がない方でも、この小説ですね、作品集は読んでいけるかなと思います。
結構、パレシナ、ガザーっていうところが舞台になってくるので、そこでどういうことが起きているのかっていうのが、読むとリアルに感じれるかなと思うんですけども、
そこにはやっぱりちょっと辛い話もあると思いますし、一方、ニュースを追っているだけでは入ってこない、そこで住んでいる人たちの様子というかですね、
そういったのも感じれて、僕はすごくこの作品集読んで、そのパレシナに住んでいる人たちのその等身大の姿というか、
あとちょっと辛いところもあるんですけど、そういう人たちがどういうことを願っているのか考えているのかっていうところがですね、
ちょっとその思いを感じれるところがあって、そこをすごく読めてよかったなと思いましたね。
芸術と認識
やっぱり海外文学を読む良さの一つは、やっぱりその自分が知らないその土地とか国の生きる人たちの感情とか日常とか思いとかに触れられる部分だと思うので、
まさしくそれはこの作品集から感じますよね。じゃあちょっといろいろ長くなる可能性があるので、
まずは、著者というかリフワートさんですかね、に関してちょっとお話、編集したリフワートさんに対してお話したいと思います。
1979年ガザ生まれ、パレシナを代表する詩人の一人、作家・活動家。
ユニバーシティカレッジロンドンで比較文学の修士号を、マレーシアプトラ大学で英文学の博士号を取得。
ガザイスラーム大学で世界文学と文芸創作を教え、若い世代の抵抗手段として執筆の力を醸成することに尽力した。
2023年12月6日、イスラエル軍の空爆によって殺害されたとあります。
ちょっとこのあたりの話も、殺害の話もちょっと後でしたいなと思いますが、編集されたリフワートさんの紹介はこちらになります。
じゃあ具体的にちょっと入っていきたいなと思います。
刃元ホームページの紹介文を読みたいと思います。
現代パレシナを代表する詩人が、亜美残したガザの若き作家たちによる23編。
過酷な日常をかき止め、暴力と占領に物語ることで抵抗する魂の作品集。
2023年12月、イスラエル軍の空爆によって命を落としたパレシナの詩人、リフワート・アルワライール。
忘却にあがらうため、そして創造力によって新しい現実を立ち上げるため、彼が私たちに届けた23の反撃の物語となっております。
なかなかちょっと重々しい始まりですけれども、まずパレスティナとイスラエルの問題について少し触れたいなと思っているんですが、
我々もちろん専門家ではなくて、このあたりの知識もですね、そこまで深いわけではないんですけれども、少しちょっと触れたいなと思います。
じゃあまず、なぜこの問題が起きているのかっていうところを少し話していきたいと思うんですけれども、
まずこのパレスティナとイスラエルというのは、同じ土地を今奪い合っているというか、ずっと奪い合ってきている歴史が今ある。
あって紛争が続いている、定戦と紛争を繰り返しているような状況があるのかなというところですね。
で、これ元々どうしてこうなってしまっているのかっていうのは、パレスティナ側は元々その土地に住んでいた、このガザとかパレスティナに住んでいたわけですよね。
で、イスラエルっていうのはユダヤの方々がちょっといろんな戦時中、第二次世界大戦とかその前から来ているんですけど、この土地に移民というか輸入してきていると。
で、ここにイスラエル国を作ろうとしてユダヤの方々が流れ込んできたんですね。
で、それでイスラエル側が侵略されてしまったりとか、あとは欧米かな、これも多分一方的な感じなんだと思うんですけど、イスラエルに土地を認めてしまったとか、そういう流れがあって、この土地の所有というか場所を奪い合っている状況がずっと続いているという形ですね。
これが民族同士の争いではあるんですけれども、パレスティナ側はもともと自分たちが住んだ場所だから、もちろんこの土地は自分たちのものだというのは主張しますし、イスラエル側はイスラエル側で、この土地を自分たちがここで国を作ったということで、所有しているというのを主張しているという形になってますね。
で、ここがもうずっと和平がうまくいかなかったり、話し合いがうまくいかなかったりして、今の今まで続いているという、今も現在も紛争が続いているという状態ですね。
で、このイスラエルという国ができて、その中にパレスティナ地区というのがあって、パレスティナというのもガザ地区とヨルダン川西岸地区という2つの地区に、今パレスティナの人たちが押し込められているというような形ですね。
そのイスラエルによって、その周りはイスラエル、あとヨルダンとかエジプトが接しているんですけども、そのパレスティナから出ることもなかなか許されなくて、で、今戦争が起きてるんですけども、戦争というよりかも一方的なイスラエル側の攻撃ですね、アジアのサイドになると思うんですけども、それも何十年という歴史の中であるんですけども、
特にですね、この2023年の10月からですね、パレスティナの戦闘員がハマスというところが首都になってイスラエル攻撃をしてという、まあそういうふうに言われているんですけど、そこからイスラエルがガザに対してもう凄まじい攻撃を行うという、アジアの制度を行うというので、
その2023年10月からの死者が、パレスティナ側の死者が今5万人を超えているという、3月末の報道で出ていてですね、で、これも軍と軍の焦燥とかではなくて、イスラエル側が結構民間人を攻撃していて、
5万人の死者のうち、子供が1万5千人を占めるとかですね、すごいデータが出ていてですね、なのですごいひどいことが起きているという、パレスティナ自治区という外に出れない中で、そういうジェノサイドが起きていて、それを世界中の国が知っていながら、
アメリカはイスラエル側にいたし、ヨーロッパも、もともとの大日世界大戦後にその土地はイスラエルにしますというので、そこに同意しているところもあって、そういう虐殺が起きているのに、それが止まらないというか続いてしまっているという
いやこれほんとそうだよね、なんかね、イスラエルがなぜ民間人をっていうところもいろいろ多分あるんだと思うんだけど、ちょっとね、状況としてはかなりひどいことが起きているし、この作品の中でもかなり描かれるんですが、なんか読み取ることはできますね
そうですね、本当は国際人道法っていうところで、戦争とかの時は民間人と戦闘員を区別してしないといけないとかってあるんですけども、イスラエルはスパイとみなして民間人攻撃して、相手が実際のスパイかどうかとかっていうのは、それは死人に口なしですし、
イスラエル側は何とでも言えますし、実際そういうスパイとかしてない人でも一方的に攻撃して、あの人はスパイだったとかですね、というのでもう本当に一方的に攻撃しているっていうのが現状としてあるんですよね
そうですよね、もうなんか本当に何してもいい感じになっちゃってるよね、これきっとね、そのあたりが非常に、本当になんかこの作品にもね、ミサイルのところとか爆撃されるところとか描かれてるんですけど、本当に民間人が本当に子供が死んだりとかしてるっていうのはね、本当にどうしてって思ってしまうところはありますよね
ちょっと続いてちょっと私はやっぱ気になっているのは、この問題なんですけど、日本では最近すごく認識されるようになったなってイメージがありまして、もちろん今ミヤさんが言った2023年のね、その攻撃が非常に大きな契機になってると思うんですけれども、なんか以前よりもこのパレッシナガザーについてはですね、関心が向いてるなと思うんですが、これまでもあまり認識が弱かったりとか
まあ今現在もね、あの関心がある人がすごく多いかっていうとそうでもないなっていう感じはしていて、特にウクライナと比べちゃうと、ウクライナもね大変なことになってますし、またちょっと今ね、今ウクライナもまた色々な状況が変わりつつあるんですけれども、まあまだまだ解決はしてないというか、続いている問題ではあると思うんですが
とはいえ、ウクライナは割とフューチャーされているけれども、パレッシナ、このイスラエルの問題に関しては、あまり日本でこう議論されることが少ないというか、関心を向けてる人もそこまで多くはないなっていう認識がちょっとあるんですが、これは何なのかっていうのはちょっと気にはなりましたね、今回ちょっと
中東問題の理解
私自体もやっぱりちょっと弱かったなって思ったので、これは何でこうなってるんだろうなーっていうのはちょっと気になったんですが、一つにはやっぱり我々日本っていう状況からすると、ここの中東の地域の対してやっぱりちょっとまだ距離が遠くて、イメージしにくいとかっていうのはやっぱりあるんだろうなーっていうところと、あとやっぱりこの何でしょうね、この民族感とか宗教
の問題もあるのかなっていうのが、ちょっと我々は結構イメージしにくいんだろうなーってのはちょっとありますね、逆にやっぱりこの国際的な話になってくると、やっぱり我々どうしても北朝鮮が関心ごとに強くなったりすると思うので、そのあたりとか国際的な関心っていうのは生きにくいし、ってなるとおそらく日本のメディアの報道の優先順位も下がってるのかなとか、ちょっと思ったりはするところもありますね
なんかちょっとダラッと話しちゃったけど、なんか今、素人する人しか知ってないみたいなイメージがちょっとあったりしますね
たしかに、なんかそれは感じますね。僕もそうですね、なんか自分ごとで考えても、なかなかニュースだけ追っていたとき、すごい問題ではあるんですけども、なんかそれがこの小説を読んだ後に捉えているのとちょっと違うというかですね
たしかにね
なんかこの小説を読んだり、今回岡間麻里さんが解説を書いているんですけども、岡間麻里さんのその発信している情報に触れたりして、なんかね、この問題の重さっていうのをすごい感じるようになってですね
これは今回読んでみて痛感した部分だし、この本が間違いなく入り口になってくれてる感じはあるんですけど、今回私が読んで、本当にこのなんていうか、自分のこの今までのこの認識の低さみたいのをちょっと反省する意味も込めてなんですけど、やっぱなんで日本にとってちょっと意識が弱いんだろうね
そうですよね、うん、そこはなんか気になりますね、ちょっと
でもやっぱメディアだと思うね、やっぱり報道の優先順位がやっぱりどうしても、ちょっとあの放送の優先順位が何によって決まってるかってのはもう本当になんていうかその時々のいろんな状況があって、伝えなきゃいけないことっていうのがたくさん世の中にもあると思うので
その辺のものと、あとはまあ逆に言うと日本人が共感しやすい部分とか、理解しやすいこととか、そういうのにやっぱり集中しちゃうんだろうなとはちょっと思いましたけど
たしかに、メディアというところで情報というところでいくと、イスラエルがやはり情報ソースをすごいしている国で、例えばその報道でパリシナのハマスという組織がイスラエルにテロ行為を行ったからその報復としてパリシナを攻撃したとかですね
っていうニュースが流れると、で、そういう中東でテロ行為ってなるとですね、その表面的なニュースだけ追っていると、そういう民族同士の争い、まあでもテロをしてる方が悪いのかなとかですね、勝手にちょっと印象操作されているところもあるのかなと
これはもう同等でも、実際テロとかなくてもテロを受けたから報復したっていうことはできますし、結構そういう情報操作をやってて、まあそれをね、やっぱりアメリカとか大きな国がそこに加担しているって考えると、
なんかそのパリシナの実情みたいなところっていうのがメールに包まれたままで、なんか情報だけがその世界中の人に、イスラエルの都合のいい情報だけが発信されているとかですね、あるのかなとかですね、まあそんな詳しくはないんですけども、まあその本とか読むと、なんかそういうのにまんまと僕なんかはニュースだけ追ってた時とかはそう思ってたんだろうなって思いますし
あの欧米側が割とね、イスラエルのニュースを流しがちだし、それはあるよね、あとやっぱりそういう意味でもこの本当のこのパリシナの人たちの気持ちっていうのに触れられるのはやっぱりこの諸説っていうのは大きいな、まあメディアと言ってしまったらちょっとあれかもしれないけど、まあ大きな表現とかそうですね、大きなものだなと思いますね
そうしたこのパリシナとイスラエルのこの問題のいろんな経緯、いろんな認識があると思うんですけども、ちょっとここでこの作品ですね、物語ることの反撃に戻ると、どうしてこの本が出たのかというところにちょっと話をしたいなと思うんですけども、そもそもは2013年にこの本が英語で出版されていて
で、日本語訳は2024年に、まあ昨年、翻訳が出たんですけども、最初に出版されたのは10年前、原書が、で小説時代に書かれたのがあれですよね、2007年、8年とかあたりですかね、もうちょっと先か小説は書かれていて
2008年か、2008年の12月末から2009年の1月半ばまで、23日間のキャストレットっていうね、イスラエルによるパリシナへの攻撃、封鎖しているガザに対して行った攻撃があって、それが23日間ですよね
そうですね、でその後にそうですね、この作品がそうですね、小説が様々な語り手によって書かれて、まあそれが23の物語ですね
23日間のキャストレット攻撃に、まあ反撃するわけではないけれども、まあそういう意味を込めて、23の物語を揃えたっていうことですよね
若い作家たちの声
というので、結構この作品の特徴に入っていきたいと思うんですけども、作品集で23の物語が収録されているんですけども、その出版前後の出来事も含めての、この一つの大きな物語、作品になっているのかなという点ですね
なんかまあそもそもの経緯が、キャストレット作戦っていうのがあってなんですが、そういうジェノサイトっていうのがそこで行われて、そこに反撃として作られた本であるんですけども、でも結局なんかその時だけではなくて、それからまた何年、またこの2023年もですけど、そのジェノサイトっていうのは繰り返し行われてきたわけで
なんで、ここの中で描かれていることっていうのは、当時のことだけではなくて、かなり今にも重なるような出来事かなと思いますし、というこの本がなぜできたっていうところから、ちょっと衝撃的だったのは、この本を編んだ、編集されたリファート・アルアレイルさんが2023年の12月に亡くなるんですけども、それはもうイスラエル軍から狙われてですね
だからそのパルシナ側のジャーナリストとか知識人とか、そういったのを集中して殺害、攻撃して殺害していくっていうのをですね、イスラエルがしていて、そこでちょっとこのリファート・アルアレイルさんも狙われてしまって、亡くなられたという、そこが伝えられるというですね
これそうなんだよね、序文が出版当時の時から加えられているものがいくつかあって、それがこの2024年のこの日本の翻訳に合わせてというか、加えられている文章がいくつかあるんですが、その中でこのリファートさんの死のこととか、死ぬ直前のこととかね、ちょっと記載されてるんですけれども、彼が狙われて殺害されてしまったというところですね
そうですね、ちなみに3月末、この収録している、ちょっと前にも朝日新聞の記者で、パルシナの方でムハンマド・マンスールさんという、現地のその状況とかレポートを送ってくれている記者の方いらっしゃるんですけど、その方もですね、犠牲になったというのが報道されてですね
なんかその、現地からのその情報、今回のリファートさんだったら文学作品であったりを、そういったのを作っている方、届けてくれる方っていうのがちょっとなくなっていくというところが、なかなかこれはニュースとか追っていると、なんかね、本当に衝撃を受けますし、すごい悲しくね、ちょっとなってしまうような、そんなことがね、現実に起きてるっていうので
このリファートさんがちょっと攻撃されて亡くなったっていうのもね、本当そうだったと思いますし
いわゆるジャーナリスト、知識人か、この辺を狙うっていうのはなかなか、これもちょっとなんていうか、理解しがたい部分ではありますよね
で、このリファートさんなんですけれども、非常に本当に創作とか、あと特にこの解説の中でもあったんですけど、英語でこのガザヤ、パレシナの話を書く、物語を書くっていうことが重要なんだという話をすごいしていたようで、彼を慕ってる、いわゆるこの書き手たちが多いんですよね
それによってこの作品集が作られてはいるんですけれども、この本のすごくいいなって思うところは、かなりこの短編集の作家たち、書き手たちの紹介が厚いんですよね
で、この2013年当時のこと、プラス2024年か、にちょっと書き加えられているものもあって、リファートさんが死んだことによって自分は今どう感じているかみたいなことが綴られていることも多くて、これは本当になんていうか、このリファートさんっていう人が本当に慕われてたんだなっていうのもわかるし、この人がどんだけ重要な人物だったのかっていうのが、すごく伝わってくる一冊だなと思いましたね
そうですよね、この書き手の中には、当時学生の人も多くいらっしゃるんですけども、このガザーの大学にいて、その先どうするかっていうときにリファートさんから、例えばイギリスのケンブリッジ大学にそこで学んだらどうだっていうので、そこへの推薦書を書いてくれたりとかですね
大学で学ぶっていうことを続けたらどうだっていうので、すごいそれで背中を押されている方が何人もいらっしゃって、そのことによってその人のまた人生がね、もうガラッと変わった人もいると思いますし、そういう意味ではすごい影響を一人一人の人に与えていたんだなあって、この読むと思いましたし、この作者たちのところには
そうですよね、一方でこのパレスチナを出ることがいかに難しいのかっていうのもね、結構ここで痛感することではありますよね、だからその他の国の大学が許可というかですね、大学で学んでいいよと言ってくれても、それでパレスチナから出発しようとしてもその国境をですね、そのパレスチナの外になんかイスラエル側が出してくれないとかっていうので
そのまま外に行けなかったとかですね、そういったエピソードもね、ありましたし
そうですね、この作品なんですけれども、まあ今言った通りですね、ガザパレスチナにいる若い書き手たちによるアンソロジーになってるんですね、本当に短い作品もあるし、まあちょっと長めの作品もあるんですけど基本的な短編が揃っている形になってます
割と書き手は女性の方が多いのかな、多くて、創作を初めてやるっていう方もいらっしゃるっていうような作品種になってますね、個人的には割とこのあたりは本当に創作を始めたばっかりなんだなって感じるような作品もありましたし
いわゆる完成度とは違うところで書かなきゃみたいな、なんていうか意思をすごく感じる作品とかが多かったです、なのでその文章表現とかもしかしたらまだまだなところがもしかしたらあるのかもしれないんですけれども、やっぱりこれ藤井光さんってこのあたりの翻訳すごくうまいなって個人的にはすごく思っていて、たぶん本当に原文の感じをすごく伝えようとしてくれてるような気がするんですね
だから少しなんていうのかな、書き手の癖みたいのをなるべく日本語で表現しようとしている感じはあって、なんかそのあたりも感じる文章もいくつか私はありました、まあちょっと話が飛び飛びになっちゃいましたけれども、まだまだこの書き始めたばっかりの人たちが紡いでる本当に生々しいこのガザとかパレシナの思いっていうのが感じることができる小説だなとは思いましたね
うん、確かにそうですよね。なんかこの、じゃあそういう人たちが書いているのってどういう話かっていうところになってくるんですけども、結構ねその、なんか読んでいると、なんかこれってでも非現実的なんじゃないのと思うような出来事とかがたくさん出てくるんですけど、でもそれがやっぱり現実なのかなと思わされるような
なかなかそういう意味ではちょっと辛い話が多いのかなというですね。家族でイスラエルの兵に暴行されたりとか、家が爆破したりとか、そんなのもありますし、結構話に出てくるのは家族とか土地とかそういったところが多いんですけども、そこを奪われたり傷つけられたりするような話が多いのかなと
で、作品の中でそれでも生き残った人たちっていうのがいるんですけども、でも今までの生活にはもう戻ることはできないとかですね。そういうちょっと傷が残ったり喪失があったりとかですね。小説なんでもちろんフィクションが入っているんですけども、どこまでが作られた話か分からなくて
でも一部でもね、このフィクションの中に現実の部分があるのかって思うとなかなか苦しいものもあるっていうですね。そういったちょっと作品が多かったなという印象としてはありますね。
家族の悲劇
ちょっとこれからいくつかの作品を紹介していくとは思うんですけれども、そうですね、やっぱりピークで印象に残ってくるっていうのはちょっときついシーンが多かったりとかするので、そのあたりもね、ちょっと感じますよね。じゃあちょっと話の紹介の方に入っていきましょうか。
行きましょうか。 一応ちょっと時間の都合上一つずつぐらいにしていきたいなと思うので、じゃあちょっと私から行きましょうか。私はですね、ちょっと一番印象に残ったって言い方をするとあれなんですけれども、この作品をちょっとかなと思ったのは、撃つときはちゃんと殺してっていう作品ですね。
タイトルもかなり衝撃的なんですけれども、書き手はですね、ジーハン・アルファラスさんですね。これ端的に言うとですね、家族でいたところにある夜、イスラエルの軍がライフルを持って突入してきたんですね。
そもそもちょっとこのずっとですね、2週間ぐらいですね、夜になるともうヘリコプターが家の上とかを飛行していたりとかしていて、ちょっといつイスラエルが攻めてくるかというか攻撃始まるかみたいな状態の時にですね、家にイスラエルの軍がライフルを持って入ってくるんですね。
もちろん主人公ライラはあれかな、女性だったかな。このライラっていう女性が主人公なんですけども、その母親はもうびっくりしてしまって、隠れていた父親なんですけれども、怒りを抑えられなくてですね、にらみつけてしまったりとかして。
もう兵士たちは自由にですね、この家をボロボロにしていくんですよね。結局彼らは暴行は加えるんですけれども、父親を殴ったりとかするんですけれども、銃を向けられるんですけれども、結局撃たれはせずに。
自分は印象が残ったんですけど。その兵士は銃を父親に向け、頭の鈍い割のようなステラ笑いを浮かべた。そのまま銃を向けた数秒間は一家の歴史の中でも最も長く、拷問のような数秒間だった。兵士は父親を撃たなかった。その時はまだ。
っていうところがあって、その後結局撃つんですけどね。銃の後ろのとこ、銃の大尻か。ボコボコにした後に一発銃を撃ち込むと。そんなことがあって、その後3歳の弟かな、サルマっていうのがいるんですけど、被弾してしまったりとかして、家族はめちゃくちゃにされるって。
結果その後病院に行くんですね。救急車病院に行って行くんですけれども、父親はですね、その後もちろん回復はせずですね。結構状態としてはひどくなるんですね。
ライフルの銃弾が貫通した部分から、脂肪が血液に入ってしまって、それのせいで肺がやられちゃうんですよね。で、お父さんもそうなっちゃうんですけど、でも状態としてはもう病院にはどんどんどんどん人が来るので治療したら出されてしまうという状態になって。
なんだけど帰る家がもうないんですよねっていう状態になっていて、その後ですね、結局ライラーの父はですね、医者からですね、本当は治療を受けないともう死んでしまうっていうか死んじゃうんですけど、この時に状況的にカルテを書いてそれを送ると治療が受けられるんですけど、それがやっぱり限られてしまっているので、一人しか送れないってなっていて。
で、その時にこのライラーの父と、あと回復飲み込みがもっと高い死にそうな赤ん坊がいるんですよ。で、医者がどっちを送るかっていうことになった時に赤ん坊を選ぶんですね。で、もうこの状況的にもう仕方ないかなと思うんですけど、家族が受け入れられないわけで。
で、もう誰が生きて誰が死ぬのが決めるなんて何様なんですかみたいな話がなってくるんですけど、でももうこれはもう無理だっていうところで。で、結果この父はですね、3ヶ月後に亡くなりますと。で、本当になんていうんですかね、父親はまあ状況的にはもうどうしようもない状態で死んでいってしまったわけですけれども、
これが最後にね、こうライラーがね、次はちゃんと仕事をしなさいよ、爆撃するのなら最後まで爆撃して、銃を撃つのならちゃんと撃ち殺してっていうところで締めてるっていうので、この一連のこの攻撃の後のこの家族がダメになっていくっていうところっていうのがすごく胸にきてちょっと印象に残った作品ですね。
ちょっと重めのを選んでしまったかと思ったんですけども。
そうですね、いやーでもこの最後確かに印象的でしたね、このお父さんと赤ん坊どっちを選ぶのかっていうのでメッシュが赤ん坊を選んだっていうので、で、このライラーは赤ん坊を憎むことはしなかったと。
お医者さんがどっちかを選ぶしかない状況を作ったイスラエルだけを憎んでいたっていうふうに書いてるんですけども、いやーでもこれ結構お父さんが手術できるチャンスが、ガザーを出て手術できるチャンスがあるっていうのが、それが本当に夢のような知らせで、
ガザーが本当に環境も悪いですし、このままやると危ないっていう時に、それで5日間、それで5日後に出れるっていうので、その5日間はかなり幸せな状態が続いたんですけど、その後ちょっと落胆するっていうのが結果を待ってたんですけども、
でもそういう浮き沈みを作った、そもそものきっかけはやっぱりイスラエルの一方的な暴行というか、それでし。
そう、そこですよね。なかなかもう結構辛辣な。ちょっとね、こういうのがね、いくつかあるんですよね。
そうですね。
例えばちょっともう1本あと、ちょっと爆撃にあって、目の前でね、サッカーをしてた友達が亡くなっちゃったけど自分は助かったっていうところとかね、いろいろちょっとあるんですけど。
この助かってもそうですけど、やっぱりその生き延びた人ですね、さっきの話が、やっぱりもうその前の生活ではもう戻れなくなってしまってるっていうか、やっぱりね、人としてやっぱり失ったものというか、それがやっぱりあって、そこは結構ね、強烈に感じましたね。
うん、そうですよね。じゃあちょっとこんな感じで、みえさんの方に行っておきましょう。
愛と格差
僕はですね、このあっという間に失ってという、イルハム・ヒッリースさんの作品ですね。これはパルシェラ、この女性が男性と電話だけでやり取りをしていて、何か出会ったんですよね。
で、その女性は男性と電話をすることがすごい楽しみで、結構恋愛感情も相手に持っていて、まだ1回も直接会ったことはないんですけど、結構文学の話とかがあって、すごい趣味が合うし、すごい男性が知的というか、本当に魅力的な人で。
で、女性はすごい男性に憧れいなくし、結婚とかですね、そういったことも想像してしまうと。で、この女性もガザリ住んでいる人なんですけども、あるときですね、出かけてというときにタクシー使ったんですけども、
タクシーがですね、ちょっと変な生き方をして、そうしたら難民キャンプというのがあって、それはパルシェラ難民の人が生活しているキャンプですね。
で、ここで実は同じパルシェラといっても、その地区によって、まだ都市というか、まち、都市の地区もあれば、本当に難民キャンプというのがですね、すごい狭いところに本当にたくさんの人が集められて、すごい格差があるんですね、この都市部と難民キャンプというところで。
まあ、すごい生活環境も悪くてという。で、そんな、その女性は住んでいる家のすぐ近くなんですけども、初めてそのタクシーに乗ったことがきっかけで、たまたまその難民キャンプを目にすることになって、通るようになって。
そしたらですね、で、またその女性が好きな男性とそういう電話で話をしているときに、ちょっとしたその方言ですね、難民キャンプだよっていうですね、なんかその独特な言い方があって、なんか方言で。
で、それをですね、女性が言ったら、その男性が、あ、それ発音はこうだねって言って、それでですね、実はその男性が難民の人だっていうのを女性が気づくっていうですね。で、男性からすると、その相手の女性っていうのが、ガザコと呼んでるんですけども、ガザの都市部で生活している人では、本当格差があるっていうのがわかっていて。
で、なんで、実はお互い気持ちがあったんだろうなと思いつつ、その格差のせいでくっつくことができなかった、この2人というか。で、この女性もですね、やっぱりその両親とかに、将来難民の人と結婚するの、どう思うとかっていう話をしたらですね、いや、なんかそんなありえないこと言うんじゃないよっていうですね、なんかね、そんな反応でしたし。
そうです。っていうですね、なかなか、このガザの中にもそんな格差があったんだってですね、そう思わせるようなっていうのを知りましたし。で、さらにそのガザの中でも、きつい立場にある難民の人って、なかなかその将来を想像することも許されない状況なんだなという。
実はこれ、話にはちょっとした結末があって。女性はね、その男性とくっつくことはなかったんですけど、またね、ちょっと違った人生を歩んでるっていうね、そんな結末がね、ちょっと書かれてるんですけど。
分かりました。そこはちょっと濁していくわけで。
そうです。じゃあちょっとだけは濁そうかなと思います。
なるほど。じゃあそっか、じゃあこの辺りもどうしようかな。そうですね、でもラストの辺りはすごいちょっと、短い映画とかにしたらすごい胸に刺さりそうな映像がちょっと向いてるようなイメージはありましたね。
この女性視点と男性視点とで。でもね、この女性最初はね、その男性のことを難民と気づいて、こんなセリフがあるんですよ。あなたは難民なので、だから私には秘密にしていいだと。
そうで、その男性の人はどこ住んでるかは秘密にしてあったんですよね。その方言で女性気づくまで。で、そのホッサムっていう男性なんですけど、ホッサム難民だというのが恥ずかしいことだと私は思わない。話してどんな現実でも私は受け入れる準備ができているから。
っていうふうにあえて伝えるんですけども、でもこのホッサムという人がやっぱり距離を感じてというか、やっぱりこの女性とは自分とはすごい格差があるからっていうので引いてしまうんですよね。
うん、そうっすよね。ちょっと結末も含めると結構ね、ちょっと感慨深い作品ですよね。
これはただ読んでいてちょっと思ったのは、今の日本でもやっぱりですね、格差ってありまして、よく就職氷河期の人で正社員になれずとかですね。
なんかその非正規とかで働いていたりして、将来なかなか結婚までイメージができない人っていうのも割合いて、結構そういったところがパレスティアンの中のこの格差ってすごい大きな格差ですけど、
でもこの将来その好きな人がいても、相手とのちょっと立場、自分の今の立場を考えると結婚がなかなか想像しづらいとか、家庭を持つのがもう全くイメージできないみたいなところはですね、今の日本でもこういったことってあるだろうなという、この小説にそうですね、自分を重ねて読める人っていうのも結構いるんじゃないかなと思いましたね。
たしかにこの話は他の作品に比べて結構日本の方でも重ねやすい話ですよね。
そうですね、これは小説としては結構面白く読んでいけるんですけども、やっぱりこの格差っていうところが突然難民っていうのが出てくるんですけども、そこからなかなかやっぱりぐって引き込まれるものがありましたね。
現実の辛辣さ
そうですね、ちょっと軽く触れときたいなと思う作品がいくつかありまして、23あるんで全部は難しいんですけど、あれですね、ちょっと似ているような感じで言うと、僕は果たして出られるのかという作品と、つつみという作品があります。
この2つはですね、いわゆるガザーの労働というかね、どういう仕事をしているのかみたいなのがちょっと垣間見える作品で、僕は果たして出られるのかはタイトル通りから想像がしやすいんですけど、トンネルに閉じ込められてしまう、トンネル工事をしているときに閉じ込められてしまった男の子の話。
つつみというのは、あるつつみをですね、ある場所に届けに行くことでお金を、結構しかもまとまったお金を得ようとしたんですけど、それは危険な行為で、結果その男の子が捕まってしまって、捕まってしまった母親視点から彼が収容されている刑務所に面会に行く話なんですけども、ここもですね、このガザーにおけるなかなか辛辣な現実をちょっと突きつけてくる作品で、
読んでいて、うーってなるところも多いし、いやもうこんなことになってるのかってちょっと思うような作品でもありましたね。
だからどっちも、なかなかそんな仕事あり得ないだろうって思うような内容なんですよね。そのトンネルを掘る仕事にしても、そのつつみを運ぶっていう仕事にしても、どっちもね、結構儲かるし、なんかね、都合がいいよっていう誘いを受けて、まあ若い人がそれに手を出すんですけど。
うん、ね。まあでもね、仕方ないよね。なんか、どうぞどうぞ。 いやいや、もう僕はすごいこれは闇バイト感感じましたね。
ああ、そっか。確かに。あ、そうですね。闇バイトっすね。日本でも起きてますね。
そうですね、うん。いやでも本当にね、ちょっとそんだけなかなか仕事もないし、やっぱりね、なかなか厳しいんですよね、そのお金を稼いだりするっていうのも難しいのかなっていうのが。
ちょっと時間もあるので次行っちゃいますと、そうですね、ちょっと一点ちょっと触れたいのが、不眠症への願いっていう作品があって、これこの中でもいくつかあるかななんですけど、あれなんですよね、イスラエル側の人物を主人公にした作品で、
イスラエルの兵士としてガザに行った父がいて、その娘の視点の話なんですけど、父さんは不眠症で苦しんでいるっていう話で、その原因がね、自分が攻撃をしてしまった、人を殺してしまったということに関して精神を病んでしまっているっていう男性の話なんですけども、こういうのもね、イスラエル側を想像して描いてるっていうところで結構印象が残った作品なので、こういった視点の作品もあるよっていうのはちょっとお伝えしたいかなと思いました。
確かにそっち側の、イスラエル側の視点っていうのもね、なんかありましたよね。また別の作品ですけど、すごい美女がいて、その人は一体何だろうと思ってたらね、そのイスラエルの兵士だったっていうね、そんな話がありましたね。
あとちょっと少しだけあれなんですが、一番最初に収録されている作品のエルはライフのエルっていう作品ですね。これも結構好きな作品で、お父さんが息子に小さい時に作り話を語りかけるんですよね。
タエルの物語
その作り話に出てくる人物がタエルっていう人物、少年がいて、タエルっていう少年は一家全員亡くしたけど、人生に対する信頼を失うことはなかった。お前にもそれくらい強くなってほしいっていうのをお父さんが息子に語りかけるんですけど、そっから息子はですね、このタエルっていう登場人物のことがすごい気になって。
タエルは実在してる人だってね、ちょっと思い込んで。お父さんがちょっと途中で亡くなってしまうんですけども、おばあちゃんとかですね、いろんな人にこのタエルのことを知ってるとかですね、そうやって話を聞いていってね。息子がね、あるところにたどり着くっていうね、そんな話で。これは何というか、すごい何でしょうね、ちょっとでも力をもらうような作品でしたね。
そうですね。なんか最初に来てるのがこれが最初だからいいよね。
うん、すごい良かったですね。
で最後なんですけども、この作品集にはリフワとアルアライールさんが書いた作品も3つかな、納められていますね。で、そのうちの一つちょっと私が印象に残ったのは家という作品なんですけど、これは封鎖されてしまったガザなんですけども、もちろん封鎖されてしまって自分の家に戻れなくなってしまったっていう。
元々住んでたところに壁ができちゃったんで、戻れなくなってしまって、もうそこはイスラエルが管理っていうかいるので、パレシナ側からですね、行くにはなかなか危険が必要っていうところがあって、その家にどうしても行くって言い出した父とその息子、ついていくことになった息子の話なんですけど、
結構これも狭間の話っていうか、封鎖は続いているけれども、落ち着いた時に奪われてしまったものに対してどうしていくかみたいな、どう感情処理していくかみたいな話ですごく印象に残った作品ですね。
詳しくはちょっと長くなっちゃうからなんだけども、一旦家を見に行って何をするかっていうところ、その時に家の状態が彼らに与える感情っていうのがあって、お父さん最後何をするかっていう話なんですけども、結構これは印象に残る話でしたね。
これすごい良かったですね。 そうだよね、なんかね。 途中までお父さんが無茶苦茶な行動をしだして、息子はお父さんが狂ってしまったって思うんですよね。家を爆破しようとしたりとかですね。
で、呼んでいるとお父さんちょっとどうなったんだって思うんですけど、最後にお父さんがすごいちょっと心にぐさっとさせるようなことを息子に語りかけるっていう。 いい作品ですよね。
なんかこれはそうですよね。なんかすごいイスラエルのなんていうか暴力に対して、なんかすごくそのパレスティナの道徳であったり、人の心みたいなところで物事に向き合おうっていうですね。なんかそんなのすごく感じるような作品に感じましたね。
いやー本当に。 ちょっとしたユーモアもあって、すごい面白かったですね。 個人的には他にもなんだっけな、いくつかこういうなんだろう、狭まっていうか奪われてしまった後のと、そのこの感情を描いている作品、このね自分たちの土地が荒らされてしまったっていう感情を描いている作品が、そのあたりはねやっぱ印象に残るものも多かったなって思ってますね。
フィクションと現実の関係
あとですね、最後に少しだけですね、今回のこの収録は4月1日にしているんですけども、少し前でですね、3月28日にSFウェブメディアのバゴプラというですね、ところがオンラインイベント、パレスティナでのジェノサイドにフィクションはどう立ち向かうのかというのをですね、主催されていて。
ちょっと僕と大地さんそれをオンラインで視聴していたんですけども、あそこですごい印象的な話がいくつかあったんですが、その中でちょっと1点だけですね、僕は印象的だったなと思うのが、登壇していた作家の坂崎薫さんが、ジェノサイドと歴史的背景や国際情勢との切り分けが難しいというのが、SNSで声を上げにくいところかもしれないっていうですね。
そういったニュアンスの話をされていて、結構僕は確かにと思って、このパレスティナのこと、今回の小説を話すにあたって、でもこの小説ができた背景にはやっぱりパレスティナとイスラエルの歴史的背景もあるし、
あと、今現在はアメリカとかヨーロッパ含めて国際情勢のいろんな絡みもあるし、なかなか話をしづらいなと思うところはすごくあったんですけども、でもそこを切り分けて、今このパレスティナの中で起きていること。
この作品、今回の物語ることの反撃だったら、その本の中に書かれていることを、ちょっとそこにちゃんとフォーカスして、それでこの作品を自分なりに楽しめたり、この作品から思ったことをですね。
なんかその感想として、持てたらいいのかなというのはですね、結構思えてですね。やっぱこのオンラインイベント、もっと他にもすごい勉強になる話たくさんあったんですけども、ちょうど収録を控えている中で見たので、坂崎河吾さんの話は個人的にはですね、すごく背中を押してくれるような、この本を読んだりその感想を挙げたりする上では、なんかね、背中を押してくれるような話だったなと思いましたね。
そうですね。あと私は個人的には、坂崎さんの話でこのSNSのこともあったんですけど、例えばすごく一般論的にパレスチナの話に関わらずなんですけども、SNSで一貫性とか完璧性とかなんだろうな、そういうものが結構求められているので、
例えばパレスチナの問題を話しているのに、他のウクライナの問題についてはお前どう思うんだみたいな、そういう全部が全部に完璧に答えをする姿勢が求められすぎてしまっているみたいな話があって、それはそれですごく一般的な話として面白かったし、あと山本薫さんっていうアラブ文学の研究者の方が登壇されたんですね。
その人も言っていたのは、このパレスチナの問題って正直日本からどうアプローチしたらいいかわからないことが多いし、どうしたらいいですかね、我々っていうことを学生からよく聞くと。
自分たちの働いていたりとか、日々している問題に対して取り組むことが、なんだろう、世界を良くしていくことにつながるから、そういう視点を持って生活すればいいんじゃないかっていう話をしてますっていう、結構そのあたりも印象に残って。
割とパレスチナってやっぱり遠い問題だなって、やっぱりどうしても距離があるので、持ってしまうところがあると思うんですけども、それをどういうふうに自分側に引き寄せるかみたいな話とかも結構あったなと思っているので、すごく見て私も勉強になったなと思いました。
確かに。そうですよね。SNS以外でもこういったパレスチナに対しての支援というかですね、どういったことができるかというところで、佐藤マナさんも登壇されている中で、普段パレスチナの話とかをしないコミュニティでもそういう話をしてみたりして、そういう話ができる空気を作っていくことが大事だと言っているので、すごいそれも響きましたね。
そうですよね。佐藤マナさんもなんかいろいろなルーククスがあって、発信に対してどうしていいかみたいな話もすごいされていましたし、面白かったですよね。
あとはフィクションというところだと、やっぱり坂崎さんが作家で小説も書かれている方なので、フィクションを入れることでリアルなものがよりリアリティを増して読めるようになるっていうですね。それはフィクションの一般論としての話でそういったことも言われていて。
今回の物語ることの反撃も、もうまさにそういったのに通じるのかなと思いましたね。この作者たちの若い人たちが見てきたこととか、経験してきたこと、聞いてきたことが素材としてあると思うんですけど、そこにフィクションを加えることでよりそのリアリティが増した形で、僕らにそれが届けられているんだろうなと。
それによって僕らもそこで起きていることとかに強烈に感じたり、そこに住んでいる人たちが、イスラエルのジェノサイドがなかったらどういうふうな生活を本来はしてたんだろうっていうのがすごい想像をかけて受けられたりしたと思いますし。
じゃあちょっとそのとこにしておきましょうか。このバゴプラさんのオンラインイベント、パレスシナリオのジェノサイドにフィクションはどう立ち向かうのかは、まだフィーテックス上でオンライン視聴権を買えるので、アーカイブ配信が4月28日までありますので、もし興味を持った方は概要欄にリンクを貼っておきますので、ぜひ見ていただけたらなと思います。
じゃあ今回はこんな感じにしておきましょうか。結構長くなってしまったと思うので、エンディングでこの作品一周読んで、なんか小説を書きたくなった気持ちがあるんですけど、そのあたりのお話はまたどこかの機会にします。
確かにリハルト・アラーイルさんみたいな人が身近にいたら、確かにちょっと小説書きたくなるなっていうのは思いますね。
そうですよね。ちょっと一旦レターに書こうかな。この回のレターでちょっと気持ちをまとめてみたいと思います。じゃあそんな感じで次回もしていきたいと思います。
次回は番外編をお届けしたいと思っております。第11回日本翻訳大賞の最終候補が出ていまして、そのあたりについていつも我々がこのあたりの話をダラダラするので、その話を今回もお届けしたいなと思ってますので、ぜひお楽しみに。
番組の最後になりますが、メルマン会員募集しております。こちら無料版、有料版とございまして、無料版は海外文学ニュースというのを毎週お届けしております。
無料ですので、もし気になる方がいたらぜひご登録ください。有料版はサポーター特典という形になっております。ありがたいことに我々を応援したいという方々がいらっしゃいまして、月額500円から応援できますので、もしちょっと我々を支援したいという方がいたらぜひご登録ください。
番組概要欄に記載しておりますので、ぜひご確認ください。
番組の活用やリクエスト、またこの番組を聞いて紹介された本を読みました、読み返しましたとございましたら、ハッシュタグそろとびにこたちをつけて教えていただけると大変嬉しいです。
Xやインスタでお待ちしております。お便りフォームも番組情報欄に載せておりますので、何かあればいただけると定期的にやっているお便り紹介会でお話しさせていただきます。
この番組気に入っていただけましたら積極的に拡散共有していただけると助かります。ではまた来週。ありがとうございました。
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