この2人が主人公との会話もたくさんして派手に振る舞ってでもこの2人が作中では1回しか出てこなくて、その後はちょっと下巻の最後にどうなったって話はちょっとだけ出てくるんですけど、
実際登場したのはその上巻の一度きりで、こういう使い方ってすごい面白いなと思いましたし、図書館のリファレンス係の女の子。
まともと結婚してたんですけど、その旦那さんがバスの中で高校生に唐突につかびんで殴られて死んだと。
こういうのも普通はなかなかない話なんですけど、でもそれを入れてくるとかですね。
もう本当に現実のことを考えるとなかなかできないなと思うようなことを、こんなのでも世の中でありなのかなと思うようなことを所々放り込んできてるんですけど、
それ結構良くてですね、やっぱりそこに何か惹かれるものがあるっていうか、それが予定調和じゃないなって思いながら読んでたんですけど、良かったですね。
予定調和では全くないですよね。
ブラカメハラキフォードの作品結構多いんですけど、確かに男のコンビが1回しか出てこないっていうのはちょっと意外でしたね。
なんか読んでた絵、自分もう1回出てくるだろうなと思ってて、内容忘れてるから。
私結構さっきも話しちゃったんですけど、心っていう部分がすごく気になって、結局この2人の主人公の決断っていうのは、
なんか責任っていうところが結構大きな要素になってて、最終的な決断を下してたなと思うんですけど、
この心って結構考えさせられたなと思って、特に世界の終わりの方なんですけど、周りが結構なんていうか、完全な世界。
心がないから穏やかに生きている。結構自分の中では終わっていく世界だなと思ってて、
それってやっぱり自分は結構怖い世界だなと思うんですよ。そこに自分は留まるっていう決断ができないなって僕の立場になった時に責任があろうと思う。
でもこれって現代の社会にもすごく通じてるなと思っていて、居心地が良かったり、慣れしんだ場所って言ったり、
とりあえず安心はできる場所っていうのは多分誰しもあると思うんですけど、
でも時折そこから出てかなきゃいけなかったりとか、出てくる決断をしなきゃいけないことがあったりとかすると思ってて、
転職とかそう思うんですけど、その時にやっぱ責任とか色々考えたりとかするし、スケールが全然違うんですけど、
仕事に置き換えちゃうと。そういうことを色々考えたりするので、
これ85年に書かれた作品だけど、全然現代にも私たちにも色んなことを投げかけていく作品だなとちょっと思ってますね。
日本において結構転職みたいなのって結構一般的になったので、結構最近で全然話変わるんですけど、
古典ラジオやってる深井さんが今やってる超相対性理論っていうラジオ番組があるんですけど、
その中で深井さんが言ってたのが、現代の人、現状維持だったっけな。
要は動かないことに関して危機感を持つのは、疑問とか不安とか不満とかを持つのは、現代人ならではだって言ってて、
昔の人たちはそういうことに、現状のままでいることに対してそういう不安とか全くあまり持たなかったよねみたいな話をしてて、
その感覚って多分85年の時代って多く示せたんじゃないかなと思うんですよ。
その時にやっぱりこの話ってその時の人々にどう響いたんだろうなとかちょっと思ったりもしたり、
今の響き方とは絶対違うし、学生時代読んだ時の自分も全然多分響きは違かったと思うんですよ。
いろんなこと印象に残ってるんですけど、何がいけたらいいか心のことについていろいろ考えることができるし、
それによって多分読んだ時の環境とか年代とか状況とかで結構感じることが左右される本だなと思うので、
多分また10年後を読み返したらまた違うんだろうなとちょっと思ってます。
確かにこの主人公が決断するところって、でもそれまでに生きていた人生を結構これ最後の方に書かれてるんですけども、
私は確かにある時点から私自身の人生や生き方をねじ曲げるようにして生きてきたと、
そうするにはそうするなりの理由があったのだと。
でもそういう自分の人生だけどねじ曲げるようにして生きてきてしまったというのって、
これは昔も今もそう思いながらそういう葛藤とかってすごくありながら人って生きてきてるのかなってね。
多分それってもうここ何十年とかじゃなくてずっとそうなのかなって。
そうですよね。不変的なものを描いてるでしょうねきっとこれは。だから響くんでしょうね。
ちょっとこんな感じにしておきましょうか。
じゃあ最後いつも通り感想とどんな人に読んでもらいたいか話してちょっと終わりにしたいと思います。
まず今回読み返してみて思ったのはこんな良い小説だったのかということが本当にちょっとびっくりしましたね。
なんか一回読んだからちょっと舐めてたけどめちゃめちゃ良い小説だったなと思って。
私みたいにやっぱり読んだのに全く内容覚えてないって人も結構多いんじゃないかなと思うので、
ぜひ読み返してもらいたいなと思います。
経験値変わった状態で読むと結構響くものが変わってきてたなと思うので、
例えばすごい若い時、村上春樹って最初入り読書としては結構最初の方に手を取ると思うので、
もしかしたら中学生、高校生ぐらいで読んでらっしゃる方多いんじゃないかなと思うので、
そういう時からですね、社会経験積んで読んでみると全く違うと思うので、
ぜひ読んだ人も読み返してもらいたいし、これから読む人もぜひ読んでもらいたいなと思ってます。
村上春樹アラブランなんですけど、ストーリーの展開はですね、
だいたい冷静になるとついていけないです。だから無視して。
実際に読んでると、なんかあんまり気にならなくなってくるのが村上春樹のすごさだなと思っているので、
それはもう、なんていうか、この本に身を任せて読み進めちゃっていいんじゃないかなと思ってます。
前半でも話したかもしれないですけど、村上春樹の入り口の作品ではないかなと思うんですけれども、
この村上春樹らしさっていうのはすごく出てるし、
別に村上春樹ということを置いといたとしても、この上下感はですね、かなりいいと思います。
なので、ちょっと昔の本だけど、今回取り上げて本当に良かったなと思っているので、
ぜひお勧めなので、別に今すぐではなくていいので、いつか読んでもらえたらなと思っております。
以上です。
そうですね。僕も読み返してみて、やっぱり読んだ後、これがどういう話だったかって思い出そうとすると、
なんかすぐ忘れてしまっていて、結構村上春樹さんの小説ってそういうの多いなって思うんですね。
すごく面白かったし、なんか残ってる部分はあるんですけど、
具体的にどんな話だったっていうのが、なかなか忘れてしまうと。
そういったところではこの小説って、こういう誰かと喋ったりっていうのはすごくできるといいなって思ったりしました。
やっぱり上巻の回でも話したんですけど、主人公が同い年というのもあって、すごく感情移入しながら読めましたし、
ハードボイルドワンダーランドと世界の終わりと、それぞれ違った雰囲気なんですけども、それぞれの良さがあって、
それが読んでいる間、結構勇気をもらいながら読めて、この本当の2つの世界がどっちも自分にとって良かったなと思って。
そういったところでは、すごく小説の世界に現実逃避できたような感覚というのがありました。
やっぱり思ったのは、村上春樹さんの作品を読んでいると、まず1つが古びていないというのがそうですし、
あと海外文学を読んでいるような感覚というのがすごく強くありました。
日本と海外とかあんまりそういうの言ってもしょうがないのかもしれないんですけども、
普段海外文学が好きで読んでいると、そことすごく通じるところがやっぱりたくさんあるなと感じましたね。
今回の作品ってエンタメ性もすごくあるんですけど、人生観に潜るような深みというのも特に下巻になってくるとありますので、
どちらも備えているという点では広くお勧めかなと思っています。
あとタイトルからして面白そうなタイトルなので、さすが村上春樹さんでしっかりその期待に応えてくれているなという、やっぱりすごい人だなと思いましたね。
じゃあこれで終わりにしましょうか。今回読み返せて本当に良かったですね。本当に面白かった。
そうですね。
ラジオやるってなかったら読み返せなかったかもしれなかったから、いい機会でした。
やっぱり一回読んだだけじゃ気づけなかったことって、ラジオのためにちょっと振り返ったり話し合ったりして、
本当に心の部分とかそうかなと思うんですけども、気づけたところがいろいろあったので、それも良かったですね。
良かったですね。色々整理できた。
じゃあ次回予告して終わります。次回は番外編をお届けしたいと思っておりまして、今回ラジオ初めてのゲストをお呼びしてお届けする予定でございます。
お楽しみにしていただけたらと思います。
番組の感想やリクエスト、またこのラジオを聞いて紹介された本を読みました。読み返しましたのでございましたら、
ハッシュタグそのとみねこたちをつけて教えていただけると大変嬉しいです。