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2021-07-12 33:18

第47回 今でも新鮮に読める村上春樹初期長編「世界の終わりとハードボイルド・ワンダーランド 上巻」村上春樹著

spotify

※番組内で「頭骨」のことを「ずこつ」と呼んでいますが「とうこつ」と呼ぶのが正しいです。訂正致します。

 申し訳ございません。

【今回の紹介本】

■『世界の終わりとハードボイルド・ワンダーランド 上巻』村上春樹著 新潮文庫 

再び登場の村上春樹!

今回は長編「世界の終わりとハードボイルド・ワンダーランド」をご紹介します。 

1985年発売の長編ですが、全く古びていません。 

是非お聴きください! 

【番組内で紹介したトピック】 

■ 『世界の終わりとハードボイルド・ワンダーランド 上巻』村上春樹著 新潮文庫 

https://www.shinchosha.co.jp/book/100157/ 

【番組へのリクエストや感想はこちらから!】

https://forms.gle/a569tyUhMDDaCXGF8 

【文学ラジオ空飛び猫たちとは】

硬派な文学作品を楽もう!をコンセプトに文学好きの二人がゆる~く文学作品を紹介するラジオ番組です。

案内役の二人は、 東京都内で読書会を主催する「小説が好き!の会」のダイチ

京都の祇園で本の話ができるカフェを運営する「羊をめぐるカフェ」のミエ

文学のプロではない二人ですが、 お互いに好きな作品を東京と京都を繋ぎ、

読書会のようなテイストで、それぞれの視点で紹介していきます!

毎週月曜日朝7時に配信しています。

【SNSでご投稿ください】

番組の感想・リクエスト・本を読むきっかけになったなど、 #空飛び猫たち をつけて、ぜひSNSに投稿してください!

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#本 #小説 #読書 #読書会 #文学 #海外文学 #ブック

00:03
どうも皆さんこんにちは、文学ラジオ空飛び猫たちです。
この番組は、いろんな人に読んでもらいたい、いろんな人と語りたい文学作品を紹介しようコンセプトに、文学と猫が好きな二人が緩くトークするラジオ番組です。
お相手は、私小説が好きの貝野大地と羊を巡るカフェのミエの二人でお送りします。
文学のプロではない二人ですが、東京と京都をつないでお互いに好きな作品をそれぞれの視点で紹介していく番組です。
お互いの紹介に関しては、2011年、最初の回で話しているので、そちらをお聞きください。
また、このラジオへのご質問やリクエスト、メッセージを随時受付しています。
番組概要欄にフォームのリンクを貼っていますので、そちらからお寄せください。
ある程度ご質問をいただけましたら、お返事をする会をしますので、気軽にお寄せいただけると嬉しいです。
本編入る前に、告知を一つさせてください。
8月から9月に、ジョン・ウィリアムズのストナーという小説を課題本にした特著会を開催予定です。
今のところ、お盆以降予定しておりますので、詳細決まり次第、告知していきますので、ぜひよろしくお願いいたします。
では、本編行きますか。
今回はですね、村上春樹の世界の終わりとハードボールドワンダーランドをご紹介したいと思っています。
今回ですね、村上春樹、このラジオでは2回目の登場となります。
なぜ、数ある村上作品の中から世界の終わりとハードボールドワンダーランドなのかという、
私とおみえさん、結構村上春樹好きなんですけど、
これ、学生の時にお互い読んだっきり、採読しないっていうのをちょっと話が出て。
どういう話だったかっていうのを全く思い出せなかったんですよね。
そうですよね。すげえいい話だったっていう印象はあるんですけど。
そう、すごい面白かったっていう記憶はあるんですけど。
なんか村上春樹もう一回やりたいよね、となった時に。
そうですね。
割とすぐ出てきましたね、今後の署名がね。
そうですね。長編読むなら世界の終わりとハードボールドワンダーランドかなっていう話になりましたので。
完全にちょっと固執号なんですけど、改めて読むとめちゃめちゃ面白かったので、
ぜひ皆さんにちょっとご紹介したいなと思っておりますので、ちょっと今日話させていただきます。
じゃあ、みなさん署名お願いします。
今回紹介するのは村上春樹さんの世界の終わりとハードボールドワンダーランド、
上巻になります。
で、新潮文庫から出てみます。
じゃあ私の方からあらすじを。
高い壁に囲まれ、外界との接触がまるでない街で、
そこに住む一角獣たちの図骨から夢を読んで暮らす僕の物語。
世界の終わり。
老化学者により意識の核にある思考回路を組み込まれた私が、
その回路に隠された秘密をめぐって活躍するハードボールドワンダーランド。
静粛な幻想世界と波乱万丈の冒険滑撃の二つの物語が同時進行して織りなす。
村上春樹の不思議の国というあらすじになっております。
二つ話が同時進行するよという、たまにあるタイプの書だと思うんですけど。
結構村上春樹さんの作品では多いですよね。
この二つの話が交互に進行していくというパターン。
03:00
1984とか。
何かしら必ず同時進行とか、なんか世界が並行しますよね、長編だと。
その中でも世界間の違うものが二つっていうのはすごい特徴的だなっていうのが今回の作品ですけども。
この世界と割れたハードボールドワンダーランドは1985年に単行本が出ていて、
長編作品として4作目になりますね。
執事を巡る冒険の後で、ノルウェーの森の前に出た作品。
比較的村上春樹さんの初期の作品になっております。
今振り返ると初期だって思うんですけど、私読んでる当時は初期って印象なかったなと。
なんか割と、でもその時年代気にしなかったのかな。
発行順とか全然気にせず読んでたからあるかもしれないですけど。
最初読んだ時は初期の作品ってイメージなく。
でも、今村上春樹さんの著作リストを見ると初期だなって思うんですけど。
ああ、そうなんですね。
大学生の時に読んだ時は。
あんまりでも村上春樹さんの初期とかその後のとかっていうのが、
確かに読んでてそんなに違いがあるとは思うんですけど、
今日も気になったりしないですよね。
執事を巡る冒険とか全然、2,3年ぐらい前に読み返したんですけど、
なんか全然普通に古びてないなって思ったし。
まあ今回もそうなんですけど。
そうですね。
私たち2人はですね、村上春樹結構好きで、
私もみなさんも全部長編は読んでますよね。
読んでる?
うん、そうですね。
あ、そんな感じなんですけど、
なんかいわゆる春樹ストでは私じゃないので、
なんかこう、そっちに傾倒した話とかちょっとできないかなとは思ってます。
はい、そうですね。
なんで結構いつものスタンスっていうか、
まあ読んでみてどこが面白かったなとか、
そういう話が中心にはなってきますよね。
なんかこう書評的な話とかできないし、
なんかこう春樹ストだからこう読むみたいな。
結構あの、あんまり会ったことないんですけど、
おそらくこの人春樹ストだろうなみたいな人と話したことがあって、
その人は結構すごい細かく、
これは村上春樹のこういうことを示してるんじゃない。
そんなとこまで読み取るみたいな。
なんかすごかった。
あの本当にびっくりするぐらい読み方が深くて、
そういうことはちょっとできないなと思ってます。
まあでも結構村上春樹さんの作品は、
そういう書評的な話とかって、
いろんなところでされてると思うんで、
このラジオではでもちょっと難しいかなと。
そうですね、我々にもですね。
まあなんで今回ちょっとせっかく聞いていただけるという方には、
かつて作品を読んだことあるけど、
内容ちょっとねいまいち覚えてないなとかですね、
まだこの作品読んだことないけど、
とか村上春樹さん読んだことないけど、
でも気にはなるなという方に興味を持ってもらえたらなというので、
話していけたらなと思っています。
今回多少のネタバレをありで話していきます。
まあただ村上春樹さんの作品ちょっとネタバレ知ってるから、
それで面白みが欠けてしまうとかっていうのはないと思うので、
気にせずに聞いてもらえたらなとは思っています。
06:00
いつもの私との読書会を楽しんでもらえるような感じで、
聞いてもらえたらありがたいです。
さっきも話しましたけど、私たち2人やっぱり内容をほぼ覚えてなかったんで、
1回読んだはずなのに。
私はやっぱり読んでるとここはすごい覚えてるみたいなのが出てきて、
なんか変に懐かしくなったりしたんで、
多分この世界の割とハードボールドワンダーランド読んだ人、
そういう人多いんじゃないかなと。
内容細かいところまで全然覚えてないけど、
ちょっと印象に残るようなところがいくつかあるんじゃないかなと思うので、
まあそういう人たちがちょっと思い出してもらえたらいいなと思ってます。
これですね、やっぱり読み返してみてめちゃめちゃ面白かったんですよね。
こんな面白かったっけって思って。
去年ですね、私実は読書会があったんで、
ウビメノカフカを読み返したんですよ。
ウビメノカフカの読書会ちょっと参加したくて、
それで読み返した時にすごい思ったんですけど、
ウビメノカフカも多分学生、高校生?高校生の時読んだきりで、
改めて読んでみると全然感じること違くて、すごい面白かった。
で、今回もですね、やっぱり感じることまた変わってきてて、
多分すごい良かったなと思うので、
まあその辺の話もしたいなと思います。
うん、そうです。
ちなみに僕も去年スプートニクの恋人読み返したら、
もう本当めちゃくちゃ良かったんですね。
なんかあの、中編なんですけども、
なんか本当長編読んでるかのような、すごいなんか読み応えがあって、
いやこんなに良い作品だったんだって、なんか改めて気づきましたね。
なんか、村上春樹初めて読むには結構お勧めの一冊だけは個人的にしますけど、
そうですね。
スプートニクの恋人は。
逆に世界の割とハードボールワンダーランドって、
一番最初に読むと結構ちょっと大変かなとは。
あー、それはちょっと思いますね。
思うけど。
まあでもね、この世界と割とハードボールワンダーランド、
本当さっきも話ありましたけど、
なんか古臭くないっていうのが本当にそうで、
なんか時代を感じさせないですよね。
なんか中に出てくるね、固有名詞とかは1980年代のものとかあると思うんですけど、
でも今の時代に置き換えても、なんかそのまんま通用するというか、
ちょっと中の単語を入れ替えれば、
もう十分この令和の時代でも出せる本だなと思っていて、
この辺やっぱ書くのが本当すごいなって思いながら読んでましたね。
それは私も思いました。全然古びてないですね。
もうスマートフォンが出てこないぐらいですね。
あ、そうそうそうそう。
電話を、電話ボックスからつけてるぐらいで。
あと今回も僕とだいちさんはほぼ同世代なんですけども、
学生時代以来にちょっと読み直してみて、
今回の主人公が35歳という年齢で、
ちょうど同い年っていうのがあって、
個人的には自分たちと同じ年齢なので、
すごい感情移入して読めましたね。
村上春樹さんの作品でこんなに主人公に感情移入できたのって、
多分初めてだなと思って読んでました。
分かります。
明らかにその学生時代読んだ時よりも、
入ってくるものが全然違ったんで、
年齢って結構重要なんだなってちょっと思ったりしましたね。
それ感じましたね。
そんな感じでちょっと今日紹介していきます。
09:01
今回なんですけど、
2週にわたって上巻と下巻、
それぞれ紹介していきたいと思います。
今週の前編の方はですね、
上巻のストーリーやあらすじをメインに話して、
それとともにちょっと魅力について話していきたいと思います。
来週配信の後半は下巻のストーリーやあらすじをメインについて話しつつ、
最後まで話してしまおうと思ってます。
先ほど三枝さんも言ったんですけど、
ネタバレしても結構楽しめる作品なので、
最後までちょっとどういう結末待ってるってところまで話したいと思います。
その結末まで話した上でいろんな解釈ができたりとか、
気になるポイントあるので、
その辺りについて触れつつ、
あと私たちがどういうふうに時間が経って読んでみて、
どう思ったかみたいなところもちょっと触れつつ、
お話ししたいと思っているので、
こちらは来週お楽しみにしていただければなと。
行きましょうか、本編。
ストーリーラインをちょっと話しながら。
はい、いきたいと思います。
じゃあまず私の方からハードボイルドワンダーランドの
章のストーリーラインの話をしていこうと思います。
実際小説ではハードボイルドワンダーランド、世界の終わりと、
この2つの章が交互に進んでいくんですけども、
ちょっと今回は先にハードボイルドワンダーランド、
その次に世界の終わりという話をしていけたらなと思っています。
ハードボイルドワンダーランドの章は、
主人公である私というのが、
暗号を取り扱う計算師として活躍している35歳の人物になります。
ある日、依頼を受けて計算師として作業を行うんですけども、
そこで自らに仕掛けられた装置というのがあって、
その装置の謎を探し求めるという物語になっています。
ハードボイルドワンダーランドも世界の終わりも、
ちょっと登場人物に名前はなくて、
主人公のことを私と呼んでいきたいと思います。
ストーリーとしては、エレベーターに乗って地下に降りていくシーンから始まっていくんですけども、
それが前触れなく始まって、
説明があまりないまま、ストーリーというのは進行していくんですけども、
ロー博士の秘密の研究所に呼び出されます。
その博士の孫娘にあたる太った娘というのがいまして、
この先は娘という言い方で呼んでいこうと思うんですけども、
その娘の案内で、闇黒のいる地下を抜けて博士のいる研究所に着いて、
博士からシャッフリングシステムを用いた仕事の依頼を受けるという話になるんですけども、
まずここで唐突に博士の研究所とか、闇黒とかシャッフリングシステムとか、
これは何だという用語が出てくるんで、
話としては本当にシンプルで、博士に呼ばれて計算しながら自分が作業をしていて、
ちょっと謎ができて解き明かしていくというものなんですけども、
12:02
なかなか聞き慣れない用語とかもいっぱい出てくるんで、
ちょっとその説明をしつつ、ストーリーの話をしていこうと思うんですけども、
まず、計算師である私は暗号処理、今までいうとあれですかね、
コンピューターの何かシステムの分析とかですね、
なんかそういうのに近いかなと思うんですけども、
暗号処理の中でも最高度のシャッフリングという作業を使いこなせる存在であって、
このシャッフリングというのが、人間の潜在意識を利用した数値変換術という、
これがなかなかどういうものかって説明しづらいところはあるんですけども、
完璧にコンピューターシステムというわけではなくて、
結構その人間の脳を使った潜在意識を利用して暗号処理をするという、
そういう作業を行うというのがちょっと特徴で、
単純なプログラマーではなくてですね、
すごい最高難易度の作業がシャッフリングというのがあるんですけども、
それができるのが私であると。
今日は暗号化して他のものからデータが読み取れないようにする技術を、
計算師っていうのが日々組織から命じられてやってるんですけど、
それを狙ってるファクトリーの記号士、これもうちょっとファンタジーっぽいんですけど、
でもファクトリーってそこに所属する人間が記号士って言われてて、
計算師と記号士が戦ってるみたいな感じなんですけど、
要は計算師としてはもうデータを盗まれないように、
どこまで暗号化できるかっていうのが勝負の肝で、
コンピューターとかを使ってるのはもう板地ごっこですぐ見破られちゃうので、
人間の潜在意識を使おうみたいな感じになって、
シャッフリングという技術が生み出されたみたいな感じですね。
そうですね、結構構図は分かりやすくて、
システムとファクトリーという組織と工場という表記なんですけど、
この2つがもうそれぞれあって巨大な組織として、
そこがやり合っていると。
その中で私は計算師というシステム側の人間であると。
今回博士からそもそも呼ばれて依頼を受けるわけですけども、
その博士が独自に研究をしていて、
その研究というのが骨から、動物の骨とかから音を出したり抜いたりするという実験をしていて、
その実験データを記号士に盗まれないために、
私にシャッフリングをしてほしいという、そういう依頼になります。
本来シャッフリングというのは使ってはいけないということになっていて、
小説の中でもなぜ使ってはいけないのかという明確な理由は述べられてないんですけど、
ただその組織として禁止扱いにはなっているんですけど、
ただ博士が組織から既に使用許可をもらっていて、
今回は特別に使っていいよということで、
私がシャッフリングをすることになったと。
この博士の依頼を受けて、計算師の私がシャッフリングを行うというのが一つ話としてあります。
もう一つがですね、さっき大地さんの話で、計算師と記号士がそれぞれ技術争いをしているという中で、
15:01
そことはもうまた別でもう一つの勢力と、勢力というとあれなんですけど、
闇黒という存在がこの小説には出てきて、
この闇黒というのは地下に潜んでいる邪悪な存在というか、
姿形とかは見たことがないんですけども、
ただ地下で本当に腐ったものを好んで食べたりして、
地下に降りてきた人間を襲ったりしているという非常に怖い存在として書かれている。
それが東京の地下に。
その博士の研究所というのが実はあえて闇黒のいる地下に作られていて、
それが実は記号士からデータを守るために、
闇黒がいると人間は近寄れないんですけど、
博士はその闇黒を回避する術を持っていて、
あえて闇黒のいるところに研究所を持つことで、
他の記号士とかからデータを守ったりできると。
そういうので、実はこの闇黒というのもこの小説の中で重要な位置づけの存在として書かれています。
博士の研究所から戻ってきて、
私が自分の家に戻るんですけども、
そこで博士から帰り際に贈り物をもらっていて、
それを家の中に入れると、そこに一角獣の図骨が。
この一角獣の図骨というのがまた後々ですごく重要なアイテムになってくるんですけども、
この図骨のことを調べるために図書館に行って、
そこでリファレンスばかりの女の子と出会って、
その図書館の彼女と一角獣の図骨とは、一角獣とは何なのかというのを調べていくと。
ただ、翌朝、私が博士から依頼を受けた作業をしたり、
その一角獣とは何かというのを調べたりしていると、
博士の孫娘から電話がかかってきて、
博士が闇黒に襲われたと言われて、
そしたら次には自分の部屋に大男と小人の二人組、謎の二人組が現れて、
部屋をめちゃくちゃに荒らされて、お腹にナイフで傷をつけられて、
ちょっと急に非常事態になって。
ここヤバいよね。
そう。ここからどんどん話が急転していくんですけど、
だんだん状況が悪くなっていって、そしたら博士の孫娘が、
今度は電話じゃなくて部屋に現れて、
私に36時間後に世界が終わると告げて、
私も世界が終わっていてどういうことなんだってなるんですけども、
ちょっと事情を知る博士に会いに、私と孫娘が闇黒に襲われたと博士に言われているんですけど、
ちょっと地下にいるらしいというので、闇黒のいる地下に行くと。
上巻はちょっとそんな話になります。
そうですね。結構ガッと今皆さん話してもらったんで、
まあだいぶ大枠の話ではあるんですけど、
ハードボールドワンダーランドの上巻結構展開が早いというか、
読んでて上巻でここまで行くんだみたいななんかちょっと印象もあるんですけど、
特に結構私好きだったというか、
18:01
この図書館で一角獣の図骨を調べてくれた女の子が、
図書館から本を主人公私の家に届けに来てくれるんですよ。
で、そこで一緒にご飯を食べることになるんですけど、
この子がめちゃくちゃ、すごい綺麗な子らしくて細い子らしいんだけど、
めちゃくちゃ食べるんですよね。
私が結構料理上手で、2,3日分の料理をとりあえず作っちゃって保存しとこうみたいな感じで作ったのを、
ペロリと全部食べあげる。食欲のある女の子で。
なんかそこ読んでるとめちゃくちゃお腹減りました。
あーすごいわかる。
ここなんかその場面でホワイトアスパラガスを食べる。
あーあったあった。
のがあったんですよ。
これね、その次の日にスーパーで買いましたね。
ホワイトアスパラ買ったんだ。
ホワイトアスパラ創設の影響を受けちゃいましたね。
もうなんかすげー腹減って、これなんか真夜中深夜読んでたんですよ、このシーン。
で、もうなんかお腹空いたからなんか食べようかなと思ったけど、さすがにちょっと我慢しましたね。
あとお酒も飲みたくなっちゃって、ちょっと。
あー図書館の女の子もそうだし、
その前は博士の研究所であのサンドウィッチを食べるシーンとか、
なんかそこのサンドウィッチの描き方がすごいなんかね、めっちゃ美味しく描かれていて。
あそこもお腹減ったなー。
なんかサンドウィッチ食べたくなりましたよね。
なんか最高のサンドウィッチだったみたいな感じでしたよね。
そうそうそう。
なんか主人公がサンドウィッチにめっちゃこだわり持ってて、
でそのこだわりのほんの期待にめっちゃ応えてくれて、最高のサンドウィッチが出てきたっていう。
その後なんかどっかでパサパサのサンドウィッチ食べる時の描写もひどかったっすもんね。
あとあの結構やっぱり大男とチビの二人組が部屋にやってきて、
もう待ちたく間に私の部屋をぶっ壊してくるんすけど、
で最後腹を、お腹に傷をナイフでバッて切って、
この辺りの展開も、もうただ受け入れるだけの私っていう、
ちょっとあれもなんか非常にハードウェルドで。
ハードウェルドしてますよね。
うん、すごい。
ほんと、これちょっと後で話すと思うんだけど、チャンドラっぽいっすよね、この辺ね。
あのレイモンド・チャンドラのフィリップ・マーロンみたいな立ち振る舞いをするなと思って。
特にそれを感じたのが、博士の研究所に出てきて、
一回家に戻るんですけども、
それでタクシーに乗って自分の家のあるアパートに戻っていく、
一連の描写があるんですけども、
この中ですごい私の心の声とかも出していて、
なんかそれすごいチャンドラの描く、なんかマーロンっぽいような。
この小説ですごい特徴的なのが、博士の孫娘なんですけども、
この孫娘がすごい個性がめっちゃあるキャラクターで、
全身ピンクのファッションで、
しかもすごい優能、万能というか、
何でもできてしまうという、まだ17歳なんですけど、
とても17歳には思えないような、
すごいしっかりしていて、優能な人間で、
なおかつ太っているという、すごい個性的な人なんですけども、
ちょっとこの上巻の最後の方に、
娘が自分のちょっと過去の話をすることがあって、
小さい頃、幼少の頃に入院、
心臓に問題があって、この孫娘が入院していたんですけども、
21:00
その時、世界ってなんて不思議なものだろうというのを考えるんです。
結構ここのところが不思議と共感できたなというところがあって、
すごい小説の中では、何でもできてしまう人間として書かれているんですけど、
ちょっと幼少の頃の思い出で、
なんかちょっと孤独と切なさというのを、
すごい入院中に感じてしまったというところを述べているところなんかが、
それは自分ももしかしたら、
そういうのを思ったことがあったなって思ったりして、
ちょっとした描写かもしれないんですけども、
ちょっと心が残るようなところがあって、
そういうのが良かったですね。
鳥居の話とかのところよね。
うん、そうですね。
結構鳥居がモチーフでいろいろなったりしては、
モチーフというか、この小説の中で鳥居が結構重要なキーとして描かれているけど、
ここも確かに鳥居が出てきて、
ちょっとなるほどなと思ったところがありますね。
これ太った娘って、
まあ小説の中では言われていて、
なんか特にハードウォールドワンダーランドなんですけど、
結構養子に対する表現ってすごく多くて、
太った娘、一番最初にもうほんと、
すぐこの女の子が出た時に、
この太り方について結構細かく描写してるんですよ。
あるんで、なんていうか、結構面食らうかもしれないですけど、
村上春樹、読み慣れない人からすると。
でも、あんま気にせず読んでもらって大丈夫かなと思います。
じゃあ、そんな感じで世界の終わりの方の話をしたいと思います。
世界の終わりはですね、
主人公は僕という一人称で語られます。
僕はですね、記憶がない状況で、
この世界の終わりという名の町に来ます。
この町は壁に囲まれていて、
そこで僕はですね、古い夢を読むために、
夢読みという仕事をして生活をしていくことになります。
記憶がないので、どうしてこの町に来たのかとか、
もしくは連れてこられたのかというのはよくわからない。
この町の中ではですね、影と共にいることができないので、
人々はもう影を失った状態で暮らしています。
僕もこの町に入る時、門番に影を引き剥がされてしまい、
僕のそれまでの記憶は影が持っていってしまうので、
記憶がないという状況になっています。
この町にですね、一角獣がいます。
この物語自体はですね、
この一角獣の中、すごく綺麗な描写から書き出しが始まっていますね。
町の住人たちなんですけれど、
なんというか、心を持たない人たちです。
心というものを持っていない。
それは実は、影がないと人は心を持てないということが、
ちょっといろんな流れの中で語られていくんですけど、
影がないので人々は心というものを持っていない。
それが故に、この町で安らかな日々を送っているという状況ですね。
憎しみとか、絶望とか、そういうものも抱かない。
けれども、代わりに喜びとかも感じないけれども、
安らかに生きていくことができる。
そういう町です。
影を引き剥がされたばかりの僕は、
まだ影が死んでいないので、心は失っていない。
でも、その影が死ぬときに、心も失ってしまうということになっています。
影はですね、引き剥がされた影は、
門番のところで働いていて、会話ができるんですね。
24:01
でも、まだ引き剥がしたばかりの僕と影は、
繋がりが強いので、なかなか門番から会わせてもらえません。
本当はたくさん話したいけど、自分の影と話したいけど、
僕はなかなか話すことができない。
仕事として夢読みという仕事をさせられているという状況ですね。
この夢読みという仕事なんですけど、
図書館に古い一角獣の図骨がたくさん並んでいて、
その図骨から古い夢を読み解いていくということをさせられます。
夢読みとしての僕が、図骨を触っていくと、
なんていうか吸い出せるような、そんな感じの能力を与えられていて、
その仕事をしていくと。
その図書館には番をしている女の子がいて、
その子に僕は惹かれていく。
この物語は季節は秋から始まり、冬に向かってきます。
冬になっていくと、この寒さで影は急速に弱まっていき、
死んでしまうんじゃないかと言われています。
そんなのが世界の終わりの話ですね。
なんか世界の終わりは本当ちょっとファンタジー要素があって、
これはこれで、すごい魅力的な設定というか世界観ですよね。
そうですよね。
ハードボールドワンダーランドが結構、
なんか冒険活劇っぽく、本当に上巻は描かれていて、
あの展開がスリリングで早いんですけど、
交互にこれ、ハードボールドワンダーランドの世界の終わりが描かれていくんですけど、
一方で結構展開の早い活劇が描かれていて、
こっちは割と静かな世界が、終わりに向かっていくような世界がちょっと描かれていて、
ちょっとその大品も読んでいると結構いいですよね。
ハードボールドワンダーランド、本当なんかスルスル読んでいけるんですけど、
世界の終わりはなんかじっくり読まないと入ってこないというのがあって、
これがすごいいいんですけども、
やっぱりちょっと世界の終わりは現実世界とは違うところがいろいろあって、
逆にそれがいいかなって思えるんですけども、
例えば主人公の僕が夢読みの資格というのを得るために儀式みたいなことをするんですけども、
それが町にいる門番という人がいて、
その門番が僕の眼球ですね、目にナイフを刺して傷をつけると。
それは実際は痛くはないんですけども、
そうやって目に傷をつけることで日光を見ることができなくはなるんですけども、
その代わり夢読みの資格を得て作業ができるようになるとかですね。
この辺の設定とかもすごくちょっと不思議ではあるんですけど、
より世界観を出していていいなあって思えたりしますね。
昼歩けないからサングラスかけて移動したりはできるけど、
日の光を見るともうダメージを受けるような目になっているっていう。
個人的に好きなのはこの登場人物で大佐という老人が出てくるんですけど、
結構この人好きになって、
最初出てきた時、僕とチェスをしながら会話をしているっていうシーンがあるんですけども、
大佐の言葉の一つ一つにすごい願蓄があって、
僕はまだこの世界ってどういうものなのかっていうのを完全には分かっていないので、
大佐にいろいろ聞いたりするんですけど、
27:00
そこに対してすごい答えがいいんですよね。
なんか大佐がチェスやってて、
で、まだチェスやりに行われていない僕が負けそうになるじゃないですか。
でもこうすればあと5手は稼げるぞみたいなとか、
最後まで諦めなければ状況が変わるかもしれないみたいなことを大佐が言い出して、
それで僕がそうやって時間を稼いだりとかするじゃないですか。
そことかちょっと結構面白くて好きで。
なんかそれがどこだっけな、忘れちゃったけど、
ハードボルトワンダーランドにも同じようなセリフ出てきて、
最後まで諦めなければチャンスが巡ってくるかもしれないみたいな。
あー、ありますね。
同じような話がちょっと出たりとかして、
リンクしてるなーとか思ったりして、
そのあたりちょっと面白かったね、大佐の言葉。
だから大佐はすごい直接的に物を言ってくれる人で、
結構好きな言葉が、僕が鍵を捨てたことに後悔はありませんかと大佐に質問して、
そしたら大佐が後悔はしない、後悔したことは一度もないよと、
なぜなら後悔するべきことがないからだと、
理由に確かになっていると思うんですけども、
こういう言い回しってすごい結構直接的な言い回しをしてくれるんで、
大佐のセリフのところとか読んでて楽しかったですね。
この関係結構いいですよね、大佐と。
毎朝食事をしたりとか、チェスしながらいろんな話をするんで、
なんかこういうのが村上春樹の作品ではいいなって思って、
こういうちょっと名誉の立場の人と主人公が話して、
そこの会話が結構いいみたいな、他の作品にもあることなんで。
結構世界の割は平和な世界として描かれていて、
周りもいい人たちいますし、
ただ僕がなんでこの世界に来たのかっていう、
そこの記憶がなくてですね、
その来た意味を考えたりするんですよね、だんだんと。
で、だんだんこの世界の終わりという、
この街は何なのかと考えていくにつれて、
なんかすごい最初は穏やかな静かな世界で描かれているんですけど、
それがだんだんちょっと危機的な状況に感じるようになってきて、
結構この辺の悲壮感というか、
そこが結構読んでて、
だんだん世界の終わりも話が動いていく感覚ですね。
ハードボイルドみたいにちょっと雲行きが怪しくなっていくというか。
そう、なんかすごい静かな世界なんだけど、
妙な不気味さをずっと抱えているみたいな。
壁に囲まれてるから、すごいそれもあるんだろうけど。
なんとなくなんですけど、今回読んでみて思ったのは、
ハードボイルドワンダーランドは、
さっきも話したレイモード・チャンドラ、フィリップ・マー・ローが主人公みたいな感じの小説で、
すごい描写もですね、そういうのが多くて、
なんか妙にタフだったり、
私の考え方も結構フィリップ・マー・ローっぽくて、
チャンドラ作品読んでるのかな、みたいな気持ちにさせてくれて、
で、一方で世界の終わりはものすごく淡々としてて、
その中で自分が何かを探そうとしているような、
まぁちょっと近いかな、
その完全に一致するわけではないんですけど、
前このラジオでも紹介したことある作品なんですけど、
リチャード・ブロディガンのスイカ堂の日々になんとなく似てるかな。
終わってしまった世界とか、
あとちょっと無欲な感じの人々がその街に住んでるんで、
30:03
その辺りはかなり似てるかなと思いましたね。
そうですね、このそれぞれ、
なんかハードボイルドはタフな世界観で、
世界の終わりは抽象的なところはあるんですけど、
繊細な世界観であって、
なんかどちらも、なんか読んでる時の状況によっては、
意外と心の支えになってくれるなって思ったりしましたね。
結構、ハードボイルド・ワンダーランドは、
なんか読んでて、ちょっと勇気もらえたりしましたね。
確かに、強いっすもんね、私がね結構ね。
そうそう、私が。
私はどっちも好きですけど、
でも世界の終わりだと、
結構この穏やかな時間が結構読んでると、
確か安らいだりもするんで、いいなと思いますね。
図書館で女の子と夢を読んでるシーンとか、
結構いいっすよね。
いいですね。
で、ちょっとこの2つの世界の関係を、
今回前半ではちょっとお伝えして、
終わりにしたいと思ってるんですけど、
もちろんですね、これは別々に進行してる話だけど、
リンクしてる話で、
こっちも一角獣の図骨が出てきます。
で、これは明らかに世界の終わりの一角獣の図骨なんだろうなとか、
ハードボイルド・ワンダーランドって出てきた時に思ったし、
明らかに繋がってるんだろうなと。
で、後々ちょっと下巻にもなってくるんですけど、
まあ構造としてはですね、
この世界の終わりのという世界は、
このハードボイルド・ワンダーランドの、
私の精神世界、心の中の世界になってますね。
さっきハードボイルド・ワンダーランドのところで、
シャッフリングっていう技術、手法が出てきたと思うんですけど、
これにはパスワードが必要で、
パスワードの名前が、これ一人一人に与えられてるらしいんですけど、
私のパスワードの名前は世界の終わりというパスワードでした。
そのパスワード、世界の終わりというのは全く何のことか分からないけれども、
これは勝手に組織がつけた名前なんですけど、
彼の中に世界の終わりというドラマがあるらしく、
それにおいてシャッフリングが実行されるということがあるので、
この世界の終わりというのは、
このハードボイルド・ワンダーランドの私が持っている世界であるということは間違いないという。
だから一応響き合っているというか、
展開によっては明確にリンクするところもあるんですけど、
響き合っている関係になります。
この辺りももうちょっと後半では、
来週ちょっとお話ししていきたいなと思っております。
じゃあ前半、今週はこんなところで終わりにして、
また来週ですね、世界の終わりとハードボイルド・ワンダーランドをお届けしたいと思っております。
みえさん放送変わります?
下巻は下巻で、また上巻とは全然違った良さがあるんで、
それを来週は話したいですね。
そうですね、ちょっと私がこれを読んでどう感じたかみたいなところも、
きっと話していきたいなと思っていますので、
ぜひお楽しみにしていただければなと思います。
じゃあ来週は村上春樹の世界の終わりとハードボイルド・ワンダーランド、下巻後編をお届けいたします。
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ではまた来週。
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33:18

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