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2023-11-13 1:00:25

第135回 理解したい、歩み寄りたい 「この世界からは出ていくけれど」キム・チョヨプ 著

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【今回の紹介本】
『この世界からは出ていくけれど』キム・チョヨプ 著 カン・バンファ、ユン・ジュン訳 早川書房
https://www.hayakawa-online.co.jp/shopdetail/000000015568/

パーソナリティ二人で作品の魅力やストーリーの紹介、読後の感想など話し合っています。ぜひお聴きください!

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版元サイトより
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人より何十倍も遅い時間の中で生きる姉への苛立ちを抑えられない妹の葛藤を描く「キャビン方程式」、幻肢に悩まされ三本目の腕の移植を望む恋人を理解したい男の旅路を追う「ローラ」――社会の多数派とそうなれない者とが、理解と共存を試みる人生の選択7篇




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#本 #小説 #読書 #読書会 #文学 #海外文学 #ブック




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理解したくても理解できない、共存したくても共存できない、それでも相手に歩み寄る人たちを描いた、韓国のSF作家、キム・チョヨプの最新短編集
「この世界からは出ていくけれど」を紹介します。 どうも皆さんこんにちは、文学ラジオ空飛び猫たちです。
この番組は、いろんな人に読んでもらいたい、いろんな人と語りたい文学作品を紹介しようコンセプトに、文学と猫が好きな2人がゆるーくトークするポッドキャストです。
パーソナリティは私、ダイチとミエの2人でお送りします。 文学のプロではない2人ですが、お互いに好きな作品を時には熱く、時には愉快にそれぞれの視点で紹介していく番組です。
今回紹介するのは、キム・チョヨプの「この世界からは出ていくけれど」です。 韓万華さん、ユンジオンさん役で、早川書房から2023年に出版された本になります。
キム・チョヨプの最新短編集、来ましたね。 いやもう、ちょっと待ちわびていた本が、ついに出版されましたね。
そうですね、キム・チョヨプさんは多分、多分というかもう翻訳されているものは全て紹介していまして、このラジオで。
一応そうですね、はいはい。
もうこのラジオをよく聞いてくれている方ならお馴染みになってきていると思うんですけれども、
そんなリスナーの方々、もしかしたらもうご存知かもしれませんが、いいお知らせがございます。
11月26日、K-BOOKフェスティバルにてキム・チョヨプさんがですね、来日されます。
しかもこの日イベントで対談をするんですけれども、対談相手はですね、小川さとしさんです。
今年1月に知事と交付して、ナオク賞を受賞された小川さとしさんと対談されます。
これはあれですね、日刊SF作家対談みたいな形でやられるみたいですね。
会場の方は神保町の出版クラブビルで、当日YouTubeでのライブ中継もあるそうなので、
遠方の方もぜひYouTubeで見ることができます。
時間は3時半からみたいですね、午後の。
いやこれはちょっと熱いイベントですね。
キム・チョヨプさんと小川さとしさんの対談とか、しかもこれ無料ですしね。
無料なんだよね。
どんだけ気前がいいんだっていう。
会場もそうですね、無料で。
入場無料、YouTubeもアクセスすれば見れるっていう、非常に太っ腹なイベントですね。
いやそうですよね。
めっちゃ面白そう。
K-BOOKフェスティバルは25日、26日と連続して同じ会場でやられてるんですが、結構いろんなイベントが目白押しですね。
うん、そうですよね。25日だとラジオでも以前に紹介したことがある、キム・ソヨンさんという人とオウンさんという韓国の詩人ですね、お二方の対談があったりとかですね。
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あとこれはあれですね、日刊の本屋さんの未来を語るっていうのは、これは26日の、それと午前11時からのプログラムです。
イーテゴンさんという方と内沼慎太郎さんの対談とか、これもすごい面白そうな。
これはね、内沼さんはもう今バリューブックスとかね、本屋B&Bとかでかなり日本の本屋事情を変えようとしていってる方だから、なかなか面白い話になるんじゃないかなっていうのはあるんですけどね。
この、ちょっと雑談になっちゃうけど、この11月25、26、この配信日から見るともうすぐだと思うんですけど、結構いろんなイベントがありまして、かぶってるんですよね。
そうなんですよね。このね、K-Bookフェスティバルの裏では、一つがヨーロッパ文芸フェスティバルですね。
フェスが2つあるんですよね。K-Bookだけじゃなくてヨーロッパ文芸フェスティバル。
毎年結構熱いフェスだから、ちょっとまだ内容チェックしませんが、悔しいですね。
ただヨーロッパ文芸フェスは、21日から26日の5日間なので、お目当てのものがかぶってなければ結構いろいろ見れるかもしれないですね。
ちょっとね、そのあたりもチェックしつつですね。
そうです。あとは日本翻訳大賞のイベントもあるんですよね。
それが25日でした。
25日か。
いやー、それもだいぶ気になるイベントですね。
で、ちょっと私ですね、この25、26と予定が入ってました。
25はもう確実にちょっと1日の予定が入ってるんで、どうやっても動かせないので、K-Bookフェスティバルも日本翻訳大賞のイベントも、ヨーロッパ文芸フェスティバルも諦めざるを得ないんですけれども。
26日もちょっと時間によっては、ちょっとどっか行けるかなと思ってはいるって感じなんですけど、三枝さんは行かれるんですよね。
僕はそうですね、基本的にK-Bookフェスはもう25、26、2日間とも参加しますし、あと日本翻訳大賞のイベントが本と翻訳の文化祭っていうのが25日の2時から5時なんですけども。
ちょっとその一部の時間帯だけ、一部の時間というかですね、そこにもちょっと結構会場が近いんで、K-Bookフェスティバルクラブを参加しようと思ってますね。
というとこなんで、リスナーの皆さんもですね、多分もうアンテナ高く張ってらっしゃる方はご存知だったかもしれないんですけど、結構この2日間はですね、いろいろあるのでチェックしてみるといいんじゃないかなと思います。
物によってはね、本当オンラインあるからね、ぜひオンラインとかでも参加してもらって、ちょっと読書の秋にふさわしいイベントだと思うので、いろいろ鍛っていただければなと思います。
今のところどれも参加できない俺は悔しくて仕方ないけど。
いやなんでゆるいにやって。もう仕方ない、もう仕方ない。
ちょっと長くなっちゃったけれども、キムチオヨプさんの話いきましょうか。
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今回キムチオヨプさん、最新短編集となりますね。もう一読して前回の作品と同様ですね、優しさの塊のような作品ばかりで、そしてSFの設定を使いながら感情というのを描いているところでは、これまでの作風共通しているかなと思います。
ただ今回ですね、この世界から出ていくけれどというタイトルが与えられていて、このタイトルの小説はないんですね。
これがこの小説を通廷しているテーマと言ってもいいかなという感じになってます。
ある人から離れなくてはならない、もしくはもう同じ世界では生きてはいけないという状況が描かれている作品ばかりで、その時に巻き起こる切なくてやりきれない感情とか、そして自分の中で前向きになるような瞬間みたいのが描かれていて、自分はかなり共感してこの本を読み終えました。
もう本当キムチオヨプさんらしい作品集が出てきたなと思ってまして、今日これを話せるのをすごい楽しみにしてます。
いや、やっぱり今回も良かったですよね。最初の短編集の時も思ったんですけども、今回の作品もそうなんですけども、短編集のその舞台というんですかね、それが現代社会でちょっと身近なところから本当に遥か遠くの宇宙のどこかの惑星まですごい様々なスケールでの物語があったので、その辺りが個人的にはすごい楽しめたところでしたし、
あと今年読んだ長編、地球の果ての音質でという作品だと、やはり短編に比べると重厚感とか世界の果てしなさみたいなもの、その世界観の濃さというか、その辺りが感じたんですけども、一方でこの短編集はキムチオヨプさんがやっぱりすごいアイデアマンだと思ってまして、アイデアの豊富さであったり、
世界観でもいろいろなその世界観をそれぞれの短編の中で作り上げられていたりで、また長編とは違う魅力が短編集にあるなと思って読んでみました。
やはりですけども、この長編も短編も共通して作品読むと、本当に心が温まることがやはりあったので、さっき大地さんも共感するって言ってましたけど、本当にその通りだなっていうのは、やっぱり読んで僕もすごい共感しましたね。
またすごくいい短編集なんで、ぜひこのエピソード最後まで聞いて、あんまネタバレしないと思うんで、ぜひ聞いて一人でも多くの人にこの本を読んでもらいたいなと思います。
ではここでキムチオヨプさんの著者紹介いきたいと思うんですけれども、もう何度もこのラジオで紹介しているのでご存知の方も多いと思うんですが、おさらいまでにお話ししたいと思います。
キムチオヨプさんは1993年生まれ、オファン工科大学科学科を卒業し、同大学大学院で生化学修士号を取得。理系の人ですね。
在学中2017年に管内紛失という小説で韓国科学文学賞中短編部門にて大賞を受賞、そして私たちが光の速さで進めないならで佳作を受賞し、作家としての活動をスタートさせました。
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短編集、私たちが光の速さで進めないならは韓国内でベストセラー。これも日本でもだいぶ売れた小説です。
今もう韓国のですね新世代SFCを牽引する作家となっていますね。長編地球の果ての音質でがまあ同じく早川さんから出ていまして、でこれ今回のこの世界から出ていくけれどは3冊目の作品となりますね。
小説ではないところではサイボーグになるというキム・ウォニョンさんとの協調がですね出版されたりもしていますというところですかね。
そんなキム・チョヤプさんですが作詞紹介入っていきたいとおもいます。ではホームページのあらすじを引用させていただきます。
人より何十倍も遅い時間の中で生きる姉への苛立ちを抑えられない妹の葛藤を描くキャビン法定式。
原詩に、これ幻の足というか、足とか腕とかっていう意味の、月辺に支えるで死と読む漢字ですね。
原詩に悩まされ三本目の腕の輸食を望む恋人を理解したい男の旅路を追うローラ。
社会の多数派とそうなれない者とが理解と共存をここに見る人生の選択の七辺となっています。
私たちが光の速さで進めないならに続く第二の短編集ですね。というのがホームページからの引用でございますが、
そうですねこれちょっとまた後で話そうかなと思ったんですけど、結構あのいろんな立場の人に対して思いを馳せるような小説が多いかなと思います。
そうですねちょっと今の引用のところにもあったんですけど、社会の多数派とそうなれない者のとがっていうところで、
少数派の人たちのこととかを結構描いている作品が基本的には多いかなっていうところですよね。
そうですね。ちょっとここで話し合うと長くなっちゃうからあれだけど、
キムチヨプさん自体聴覚に障害がある方なので、そのあたりの多分感覚っていうのが非常にこの小説の中でも生きてきているんだろうなと思います。
ちょっとこの程度にして本書の魅力いきましょうか。
ここからですねちょっと魅力の話に移っていきたいと思うんですけども、
まず一つ目がですね、理解や共存が難しい人と人がそれを実現しようとする過程が描かれているんですけど、それがすごくいいというところですね。
これも先ほど、社会の多数派とそうなれないものとか、理解と共存を試みる人生の選択と説明されていたんですけども、
結構ですねこの作品の中で人と人との間に境界線があったりします。
それは様々ですね、例えばちょっと壮大な話だと地球人と異星人との間の境界線であったり、
例えばその環境に適した体を持っている人とその環境に適していない体を持っている人、
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あるいはそのハンディキャップの話でハンディキャップのある人とない人とかですね。
その結構、境界線があることで相手のことが理解できなかったり、一緒に共存することが難しかったりというようなシチュエーションに陥ってしまうんですけども、
ただそこで諦めずにやはり人と人がそれをちょっと乗り越えようとしようとする、その困難に立ち向かおうとするようなですね、
そういった話が基本的には多くてですね、そこの過程ですね、そこにはやはり相手に対しての友情とか愛情とか、
そういった行為のようなものが根底にはあると思うんですけども、そこまでしても困難に壁を乗り、境界線を取っ払って相手を理解しようであったり、相手と共存しようというですね、
そういった作品があるっていうので、この過程のところがすごく読んでいて、心が動かされるところで魅力だなと思っていますね。
結構大きい共通点だなと思っているのが、どの作品も歩み寄る瞬間みたいのが描かれていて、この人とも違ってしまったというか、
もともと同じような状況にいて、行為を寄せ合っていたけれども離れてしまったとか、でも離れてしまうような時に歩み寄ろうとする時もあれば、
ちょっと離れた後にまた歩み寄ろうみたいな部分みたいなのが結構描かれていて、その根底に完璧に分かり合えないかもしれないけれども、でも理解することは諦めたくないみたいな、
そんな揺れ動く感情みたいなのが描かれている気がしていて、ここはちょっと今三枝さんいろいろな立場の人、ハンディキャップのこともそうですし、
世界が違いすぎる人との理解することができなさみたいなのも描かれるんですけれども、でもそのどんな場面においても主人公だったり相手だったりが歩み寄ろうみたいな瞬間がある気がしていて、
そこにだいぶ今回は共感と感動がありましたね。
またこれ面白いのが、相手の人の、やはり小説を面白くするためだというところで、結構本当に例えば人類の存続を背負っているとかですね、結構重大事が背景にあったりして、
そういう重大事があるキーパーソン的な立場にいる人が実は少数派でなかなか理解してもらえない人とかですね、この辺りすごい上手くそういう設定をされていて、
面白さとあと単純な話ではないなと思っていて、結構その複雑ないろんなものが絡み合う、
なんかその対個人と個人だけじゃなくて、その背景にはもうちょっともっと大きな社会とか人類とかそういうのも絡むような、そんなちょっと相談したみたいなものもあって、
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その中ででもどうするかっていう、歩み寄ろうっていうね、そんなのがすごくいいところだなって思っていて、ちょっとその魅力の2つ目なんですけども、
これも今までの話に通じるんですけども、一貫して優しさがあるという点かなと思っています。この優しさっていうのは登場人物もそうだし、この著者のキム・チョープさんもそうだと思うんですけども、
キム・チョープさんの作品の結構大きな共通点かなと思っていまして、例えばその人と人との間に境界線があったとして、そういう人たちがやはりそのなんていうのかな、
なんかその通じ合う瞬間があって、歩み寄ろうというそんな瞬間があるんですけども、なんかそこに結構ですね、その自己犠牲の精神というか、
だから自分よりもその他者のことを思いやるっていうようなですね、結構そのような人が出てくるなと、もちろんそれだけやっぱり設定がちょっとSA風なところがあるので、
かなりその世界も厳しい世界であったりとかですね、いろんな条件下の中でなんですけども、自分よりもちょっと相手を優先してというような、そのような結構スタンスの人物が多いっていうのが特徴としてあるなと思っていて、
そういった点でも登場人物に感情を引入しやすいところがあるんじゃないかなと思ってますし、その優しさの部分ですね、というのが思いますね。
そうですね、主人公の自己犠牲のところも確かに優しさみたいな部分に繋がるところではあると思うんですけれども、
あと私がこの作品を通して感じたのは、結構最初の方にも言っちゃいましたけど、いろんな立場の人の考え方とかスタンスを大切にしたいっていう、まなざしのようなものがある気がしていて、
これはもう、やっぱりこういう時だと、マイノリティの意見みたいなのを救い上げようみたいな、そういう文脈も強いのかなって聞かれている方は思うかもしれないんですけど、
でもそれだけじゃなくて、どうしてもですね、こういう状況で大多数としてはこうしなくてはならないみたいな部分、そういうのにもちゃんと目が向けられている気がしていて、
だからすごく受け入れることができるというか、受け入れるじゃないか、そこにキムチオヨプさん固有の何か優しさと言ってしまったらそれまでなんですけど、
描きたいことみたいなのがある気がしていて、ここは読んでいるとやっぱりいろいろ感じる部分が絶対あるところだなと思いますね。
そうですね。
人って理解してほしいんだ、自分のことを見てほしいんだみたいな感じを抱くことあると思うんですけれども、
でもそれと同時になんだろう、自分はある時には多数派って言っていいのかな、いつなんて言うのかな、
メインの流れの方に思想的に寄っちゃっている時もあるかなって思う瞬間、誰にしもあると思っていて、
いろんな考え方が自分の中であると思うんですけれども、いろんな立場が自分の中にあるからこそ、この時はこういう立場だしとか、いろいろあると思うんですよ。
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そういうのに広くリンクしてくる感じはあるんですよね、キム・チョープさんの作品って。
だからそこはすごく上手いという言い方しちゃうとあれなんだけど、巧みだなって思いますね。バランスがいいと言っていいのか。
今回、短編集の冒頭に日本語版への序文というのがありまして、この中でちょっと印象的だったのは人間の感覚について、今回考えていて、
キム・チョープさんが言うには感覚バブルというのに閉じ込められて、自分たちっていうのは生きていると。
それは自分たちが見ていたり聞いたり触ることができる世界っていうのが、それこそ現実だと思っているけれども、
でもその自分が思っている現実というのは、結構その感覚は人によって様々で、世の中にたくさん人がいるから、もしかするとそういう本当に感知できるのは、
数万通りのうちの現実が本当はあるけども、そのうちのたった一つかもしれないと自分が感じできるのは、そういうお互い別々の感覚バブルに包まれていることでしょうというふうに述べられていて、
ただふとした瞬間にそういうバブルが弾けたりとか、通りすがりの人のバブルと触れ合うこともあると。
なんともそういう不思議な説明しがたい瞬間というのをちょっと描いてみようというですね。
これはすごくなんかちょっと最初の時、さすが理系の人の説明だって思ったんですけども、ちょっとふと改めて読むと、結構やっぱり思いやりに溢れているんじゃないかなと。
そういう人によって抱く現実っていうのは実は異なっていて、ただそれがリンクするその瞬間にちょっと思いを馳せるみたいなんですね。
めっちゃわかる。
そうですね。そこに思い馳せるっていうのはね、本当にキムチオフさんのすごく持っているその意思というかですね、本当に思考というか、だからそういうのがすごく現れているんじゃないかなと思いますんで。
ですね。なんかコミュニケーションって自分としてはそうあるべきだなってちょっと思うんで、やっぱり違いを認めた上で重ねていくものがコミュニケーションだなと思ってるんで、
その辺でも自分はキムチオフさんめっちゃ共感してるんだろうなと思いますね。
短編集の方に話を戻すと、その短編集の魅力で、これちょっと最後の話になるんですけども、これはって思うところはやはりアイディアの豊富さというところがあると思ってまして、
これがデビュー作の私たちが光の速さで進めないならの短編集でもそうだったんですけども、今回はですね、どの短編もまずそのアイディアですね、短編の中に出てくる。
それがすごく面白いっていうのがありまして、単語で言うとポケット宇宙とかですね、ポケット宇宙っていうのは、宇宙の中でポケットのようにちょこんとだけ存在するまた宇宙空間があるっていうようなですね、そのような発想とかですね、間違った地図とかですね、これも間違った地図っていうのも人の人間のその身体ですね、身体の設計図を、もし地図のように描いたとしたら、
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間違った位置に腕があるという、その間違った地図をちょっと認識してしまうというようなですね、なんか初めて聞くようなワードがちょくちょく出てくることが多くてですね、本当にこれ以外にもたくさんのいろんなアイディアが溢れてるんですけども、さすがにもうすごいSF作家さんということで、どれも本当に創造性があって、それが物語と結びついているというので、
今まで話してきたこともすごく共感できるというところの良さもあるんですけども、一方でこの作品の面白さというか新鮮さみたいなところでもすごく感じれるので、このアイディアというところ非常に魅力的だと思っています。
特に今回の短編集で特徴的だったのは、ハンディキャップのところかなと思っていますね。
これもちょっとアイディアというところと結びついていると思うんですけども、例えば視覚の障害であったり腕の障害であったり脳の障害であったりという、そういったさまざまなハンディキャップを持っているが故に起きる現象とかですね、できることとかですね、そういった話があって、そのあたりもすごい面白いところでしたね。
ハンディキャップとかアイディアの豊富さのところで言うと、こう言ってはなんですけど、小難しくはないんですよね。
そうですね。読んでいきますもんね。そこまでつまずかず。
セフって設定理解するのに時間かかっちゃったりとか、読み込むのに時間かかっちゃったりして、なんで時間かかるかって言うと、やっぱりこれってどういうことなんだろうって頭でグルッと考えないとわからないまま読み進めてしまうことになるので、
結構そこは、SFそれがあるから楽しいってとこもあるんですけど、もちろん。だけどやっぱりどうしてもSFって聞くとそういう難しさがちょっとつきまとう部分あるんですけど、
キムチョープさんのはアイディア自体すごくSFなんですけど、なんだろうな、なんかさらっと書かれてるっていうか、あんまり難しく感じないんですよね。
この辺はめちゃくちゃもしかしたら配慮して書いてるのかもしれないんですけど、非常に読みやすい、理解しやすい、頭に入ってきやすい書き方をしてます。
今言ったいろんなSFのアイディアすごいんですけど、あんまり苦労せずに読み込むことができるかなと思います。
あとハンディキャップのところでは、キムチョープさん自体が聴覚に障害がある方なんですけれども、
岩波書店から出てる、サイボーグになるっていう翻訳があるんですけど、それで車椅子のパフォーマーのキムオニオンさんと対談してるんで、そのあたりの影響も結構あるんですかね。
どうですかね。でもそういう影響とかあるのかもしれないですもんね。
24:01
今回の短編集だと、マリーのダンスという作品があって、そのマリーという女の子はちょっと障害を持っていて、芸術を見たり楽しんだり、見て楽しめるっていうのはできないと。
ダンスも楽しめないはずだけど、でもダンスを習いに来るというですね、そんな女の子の話で。
なんとなく着想がこのキムオニオンさんと対談して、ちょっとどのタイミングで書いてるかわからないんですけれども。
そうですね。そこと関係あるのかどうかって全然わかんないところですけど、でもサイボーグになるを読むと、
もしかすると、マリーのダンスだったらキムオニオンさんと対談したからっていうその影響もあったりするのかもしれないとかですね。
そんなちょっとことを勝手に考えたりっていうのになるかもしれないですよね。
みえさんは読んでるんですよね。私は積んでますけど、サイボーグになる。
そうですね。すごい面白いですね。でもキムオニオンさんとキムチョープさんがちょっとお二人とも障害を抱えているっていうので、
その視点で現代社会でどう生きていくかとか、未来の話かな。テクノロジーが発達していったらどうなっていくかとかすごく語っているんですけども、
結構ちょっと印象的だったのは、例えば障害を持っている人で、障害をなくすことがその人にとって課題解決になるかというと必ずしもそうはならないケースがあって、
その抱えているものをなくすと、結構それがその人にとってはかなり損なってしまうというような、
ちょっと自分が自分ではなくなるような、そのようなことも起こり得ると。
で、そうやって抱えているものと共存するっていうのってどういうことなんだろうというのが問われていたりして、
そういうのは今回の短編集、ローラという作品で第3の腕と共存していく女性の話とかあったりしたんですけども、
そこともね、ちょっと当てはまるなって思ったりもしてですね、このキムチヨプさんの小説、興味ある方とか好きな方、
このサイボーグになるものを読むとすごいハマるんじゃないかなと思いますね。結構作品とリンクしているところはあると感じますね。
長いこと積んでるんで私も、そろそろ読みたいですね。
で、ちょっとあのアイディアの部分ちょっと話戻していくと、今回7本短編入ってるんですけど、
中にですね、ブレスシャドウっていう短編があるんですけど、これですね、ちょっと読んだときに結構重厚さにびっくりしまして、
短編に収めておくのがもったいないぐらいですね、アイディアも面白いし、あとストーリー展開もですね、
これ長編でいけるんじゃね?ってくらい内容が多くて、
これをこの短さにキュッと収めていく、なんかこう描こうとすれば描ける部分結構あったはずなのに、
27:04
あんまり描かないで、この切れ味の良さというか、この短編としての完成度を上げていっている感じとかはすごく面白かったし、
こういうのってあれなんだよね、企画にならないかもしれないけど、テッドチャンさんとかもめっちゃ上手いなと思ってて、
こういう長編できそうなぐらいのアイディアを短編に詰め込んでくるっていうのは、
SF作家さんもしかしたら多いのかもしれないんですけど、あと認知空間っていう作品があって、
私これかなり好きなんですけど、これはあれだなと思いました。結構ディストピア小説っぽいんですよ、内容が。
私はディストピア小説だなって最初思いました。
で、それに対するカウンターだなと思って、最後の展開が。
そこはすごく、キムチョアオプサン版ディストピア小説を読ませてもらったような感じがあって、
あんまりディストピアっぽい展開をする話も今まであったんですけど、
結構これは割と自分の中である、なんていうのかな、監視社会とかじゃないけど、
統一化していく世界っていうか。
なんかちょっとハーモニーみたいな。
そうだね、ハーモニーとかね。
幼年期の。
そっち系の感じで、結構このディストピアって結構私ゾワッとするタイプなんで、
だけど最後ね、ちゃんとカウンターを用意してくれてるっていう感じもあって、
この7本、アイディアという意味でもすごく幅のある作品が集まってるなと思ってますね。
そうですね、結構ね、プレスシャドウとか認知空間とか、
壮大な話で長編でもいける、なんか読みたくなるようなね、本当設定ですけど、
じゃあここからちょっとストーリーの紹介をしていきましょうか。
7本の収録作あるんですけども、その中からローラとキャビン法廷式の2つを、
今回ちょっと取り上げたいなと思っています。
ではまずローラという作品から紹介したいと思います。
この作品は、舞台は現代の韓国になるのかな、現代というかちょっと未来になると思うんですけども、
主人公の男性、ジンという人はジャーナリストで、人の原始体験を題材にしたノンフィクションを書きます。
その原始体験というのが幻の足とか手とかというものになるんですけども、
例えば今回書いたのは、人は本来腕2本しかないんですけども、
自分には腕が3本あるという、3本目の腕があるという、そのような感覚に陥る人を題材としていて、
世界中をジンがこの旅して、そういう同じような章例というのはないんだろうかと、
そのあたりをちょっと取材してまわったという、そのノンフィクションの作品は「間違った地図」という名前なんですけども、
それを書いて、それが原作となって、それが映画化されます。ドキュメンタリー映画として上映されて、
30:02
さまざまな賞を取って、一躍原作者として脚光を浴びるようになるんですけども、
ジンのその作品ですね、「間違った地図」にはモデルがいて、それは元恋人でした。
彼女は11歳の時に交通事故にあって以来、現実には存在しない3本目の腕に激しい痛みを感じるようになります。
それはどんなリハビリ治療をしても効果がなくて、ただVRシミュレーションの療法というのがあって、
そのVRを使った治療だけは効果がありました。
しかし痛みが和らいだ代わりに、今度は3本目の腕があるという感覚が、より鮮明に感じられるようになってしまうという。
そんな彼女とジンが付き合って10年ぐらいしてですかね、彼女がやはり自分にはもう3本目の腕があるという感覚がすごい強くあるので、
実際に手術をして自分に3本目の腕をつけたいというようになります。
ジンはそれには反対するんですけども、彼女が自分の気持ちにはちょっと嘘はつけないというので、機械の腕をつけるという決断をします。
それで手術をするんですけども、ただ機械の腕をつけることで、
ちょっと彼女が体に傷がついて、やはり技術が完璧ではないので、
手術をしたものの、それがどっちかというと成功というより失敗と捉えられるもので、ちょっと欠陥となってしまったと。
でもなぜ自ら欠陥を、腕ですね、第三の、そういうちょっと欠陥をつける決断をしたのか。
で、彼女はやっぱりそれを取ろうとはしなくて、ちょっと不器用というか、そんな第三の腕を持ったまま生きようとするんですけど、
で、ジンはそんな彼女を理解しようと思って、どうしてもちょっとなんで彼女がそんな生き方をするのかちょっと理解できないままいたので、
理解しようとして、同じような奨励を求めて旅をしていったと。
それがちょっと話、最初に戻るんですけど、ノンフィクションの間違った地図という作品への感性につながっていくんですけども、
そんなジンの間違った地図を描くに至った体験というのが、この小説の中で描かれていると。
で、ちょっと今回話ここまでにしようと思うんですけども、小説の続きですね、この後、このジンとか元恋人の彼女というのはどうなっていくのかというのはですね、
ちょっと読んでお楽しみにしていただけたらなと思いますね。
これもなかなかなんていうか、ちょっとね、もう結構個性の強い作品だなとは思いますね。
これもなんか本当に、あの理解できない部分から始まって、なんとか理解しようとして、このジンが動いていくっていう話で、あの三枝さんが語ったところではない部分です。
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もう一人Hっていう登場人物というか、あの手紙、メールか、メールをくれる人がいて、
この人がおそらくジンと同じような立場にあって、自分も理解できないけども理解したい相手がいるっていうところ。
そこのプロセス、ジンが歩いたプロセスっていうのに多分惹かれてはいてっていうところで、この辺りの広報する感じとか、すごく自分は読んでて面白かったですね。
まあどちらもローラなんですけど、言っていいのかわかんないけど、ちょっとカットするかも、あれか。
で、個人的にはこのローラ、やっぱりラストの方ですね、ジンが書くメールがめっちゃ私は好きで、ちょっとここ内容言うとあれかもしれないですけど、
感動したのが愛していても、ついに理解できないものが、きっとあなたにもあるのではないでしょうかっていう文章があるんですけど、
ここにやっぱりこう、距離を詰めたいけれども、詰めることができなかったりするときなんでしょうね。あの壁もあるよなっていうところ。
作品の中でジンの葛藤が描かれていて、やっぱり元恋人のことをすごい愛しているんですけど、
ただその元恋人がどうしても自分が理解できない決断をやっぱりしていくんで、そこのどうしてもそれが
なんでなのかっていう、もうモヤモヤしたところとか。でも最後のね、岩谷さん言われてたメールのところとかはね、
なんかその葛藤について葛藤していたけど、なんかジンなりにたどり着いた、もう答えがそうだったのかなっていうところでね、やっぱすごい読んでると感動したところですね。
あとこの作品読んでちょっと思ったのは、これも以前ラジオで紹介したことあるんですけど、サラピンスカーというNSF作家の
いずれすべては海の中にという短編集の中に入っている一筋に伸びる二車線のハイウェイという作品ですね。
なんか結構これと何か近いところがあるかもというか、ちょっとそれを思い出しましたね。
なんかその作品は自分の腕がアメリカのどこかの州の道路と同化しているというか、
なんか一体化しているというか、そんな幻想というか、そんな感覚に陥る男性の話なんですけども、
なんかね、そんなあり得ないって思いつつ、なんかね、その自分の腕が道路と一緒になるとか、自分にない腕がなんかあるかのように思ってしまうとか、そんなあり得なさ。
だけどでもそれが、その人だってはもうどうしても他人から何と言われても、でもそれはあるもんだってなってしまうっていう、
なんかすごいちょっと変わった作品だと思うんですけど、でもこんな作品もあるのかと思うような、結構なんかね、やっぱりもう独特な作品で、
それがちょっとサルペインスカーの作品、すごい当時独特だ、いやこれはすごい変な小説だなと思ったんですけど、
36:06
そう、なんかね、そこと結構近いものを感じましたね。
あれだもんね、あると思っているのにないっていう感覚が強すぎるわけだもんね。
だから、どうしてもね、それを手に入れてしまいたいというか、実現させてしまいたいっていう感じだもんね。
そうですもんね、なんかその人にとってはなんかね、なんかそれをもう、それと一緒に生きていくっていう、自分の生き方というか、
になってしまうっていうことなんで、これもなんかね、ちょっと読んだらいろいろと考えてしまう、本当作品だなと思いますね。
じゃあちょっと次はですね、私が選んだ作品いきたいと思います。
今回ですね、7本あったので、どれにしようかなっていうのは非常に悩んだんですけれども、
これが一番好きだっていうかどうかっていうのよりも、もうちょっとこれは話したいなって思ったので、ちょっとこれにしました。
一番最後に収録されているですね、キャビン法定式という短編ですね、こちらちょっと今日は紹介したいと思います。
この話はですね、時代的には現代なのかなっていう感じですかね。
そうですよね、たぶん。
未来とかの話ではないんですけれども、現代の韓国かな、だと思いますね、舞台は。
優秀な理論物理学者であった姉がいる主人公なんですけれども、妹の主人公なんですけれども、
その姉がですね、ある日交通事故にあってしまい、脳の認知機能に障害が残ってしまって、他人よりも時間を認知するのが遅くなってしまうという状態に追い込まれます。
どういうことかっていうと、情報の伝達にめちゃめちゃ時間がかかるんですね。
自分から発信するのもめちゃくちゃ時間がかかるという状況です。
これ普通の人と同じ時間軸ではコミュニケーションが取れなくなってしまっていて、かなりのタイムラグが発生するような状況になります。
だからメールとかだと結構うまくいくんですよね。
だいぶ、いわゆる即レスみたいなのが返ってこないんですけど、時間がかかるけれども、
普通の人から見たら読むのにかなり時間がかかるんですけど、そして返信するのもめちゃめちゃ時間がかかるんだけれども、
メールだとそれなりにちゃんとコミュニケーションが取れるんですが、お対面でとか電話でとかではですね、全然もう話にならないくらい時間が違ってしまうので、コミュニケーションが取れない状況でした。
そんな状況なので家族はですね、この姉を、姉はちょっとアメリカかな、でちょっともう理論物理学を研究してたんですけれども、
一回韓国に連れ戻してきて施設に入れていたんですが、ある日逃げ出します。
姉はですね、昔からしていた時間バブルの研究をですね、再開していました。
もう研究所でできる範囲でいろんな仕事を手伝いながらやるという形ですね。
被験者というかその認知が遅れていることに対することの実験としてもちょっと自分のことを提供しながら、
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傍らでいろんなことを手伝ったり、また自分の研究を進めたりしていました。そんな姉からですね、3年ぶりに手紙がきます。
その中にはですね、ある観覧車の階段を調べてほしいという内容でした。結構急に階段が出てくるんですけど、その観覧車はですね、一番頂点に達するといろんな怪現象が起きると噂されている観覧車ですね。
姉はですね、昔からそういう階段のような非現実的な話は絶対信じない派だったんですけれども、
なぜかその観覧車を調べてくれと手紙があります。妹の私はですね、不審に思いながらその観覧車に乗ってみて、何とか乗ってみて調べていくと、
というような話なんですけれども、この後もちろん2点3点して結末を迎えるわけですが、ちょっとそれはさっきのおみえさんの
ローラーと同じようにちょっと読んでからのお楽しみかなというところで止めておきたいと思います。
面白い話ですよね。これは面白かったですね。
なんかお姉さんのことを思うと、かなりなんていうか切ない気持ちになる小説ではあるんですね。やっぱりすごい優秀な学者であって、
すごい本当にもう国を代表するような人でもバリバリ活躍してはったんですけど、ちょっと事故にあってしまって、
施設に入らざるを得なくなったっていう、っていう話がやっぱりちょっと最初の書かれていて、それと同時にこの観覧車の回帰現象ですね。
あの心霊スポットみたいになっていて、すごい人気なんですよね。若者たちが観覧車に乗るためにね、結構行列を作ったりして、
っていう、なんかこの2つの話がなんかちょっと同時進行で語られていくんですけど、結構面白かったですね。
この2つの話がどうやってリンクに進化していくんだろうって、全然違いすぎるんだよ話が。
短編集でこんな遠いところの2つの話が同時に語られていくのって、これはどうなるんだろうって、すごいなんかね、ワクワクしながら読んでましたね。
確かに階段の方から始まるから、ちょっとよくわからなさが最初漂うよね。
そうなんですよ。階段と、ね、あとお姉さんのその手紙か。
まあそうですね、お姉さんの手紙というか、人生の話というか、思いきや時間バブルですね。
っていう、そんなちょっとワードが出てきて、なんかこの設定もすごい面白いですし。
個人的にはこの小説でめちゃめちゃ、ストーリーもめっちゃ面白いし、展開も面白くて、ラストもすごい良かったんですけど、結構気になっちゃったのは時間の捉え方ってですね、
結構人それぞれだし、なんか同じことでも、同じ空間にいても、その時流れている時間が長く感じる人もいれば短く感じる人もいたりするじゃないですか。
で、この小説の中で、時間のその流れの捉え方ってのは脳の認知によるっていう話が出てきていて、
これめちゃめちゃ面白いなと思って、確かに自分がどう認知してるか、で、時間の流れって本当変わるなっていうところはあるかなと思っていて、
当たり前のように、みんな同じ時間を過ごしてるっていう前提としている世界が今あると思うんですけど、
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さっきのちょっとその同じ時間を長く感じる短く感じるっていうのは、ちょっとそれとはずれるんですけど、
例えば誰かに触れた瞬間に触れられたことが分かる、あっちに分かるっていうのは、その時間の間隔っていうのは、
ほぼいわゆるタイムラグゼロで行くっていう覚悟っていうのはみんな多分共通してると思うんですけど、
それが遅れるんだっていう感じがすごく面白かったですね。
ある物事を理解しようとした時にタイムラグとか出るじゃないですか、認知。それぞれで。
学校の授業とかで同じように教えてもらっていても、隣の人と自分とでは理解度が違ったりするってことは、
もう当たり前のように発生すると思うんですけど、そういうことでもあるよなと思ったりして、
やっぱりこの認知のズレっていうのはめちゃめちゃ面白いテーマだなって、この小説を読んで思いました。
というところで、ちょっとこの話はキャビン法定式は紹介ここまでにしようかなと思いますが、
ちょっと他の作品も行きましょうか。
そうですね、ちょっとローラとキャビン法定式以外の他5つの作品ですね。
その中でちょっと印象に残っているところ、お互いに挙げていけたらと思うんですけど、僕はまず最後のライゴニーですね。
これはラジオでも以前にこの作品を紹介していて、最後のライオニー、韓国パンデミックSF小説集というのが、
2022年かな、もう年明け早々に出て、これをラジオでも取り上げたことがあって、ということでパンデミックが一つのテーマの作品なんですけども、
やっぱり今回読んだ中でも、やっぱりこの短編集なんですけども、この世界観の広がりというかですね、
あとはこの話の展開の2点、3点する模様であったりとかっていう点では、すごい面白い作品だなと。
これ一番最初に収録されていて、まだ読んでいない方だったら、この最後のライオニーがまずすごい、
まずはやっぱり一番のオススメかなとは個人的には思っていて、これも本当にすごいロマンチックですし、
やっぱりそのパンデミックがテーマということでとかですね、あとクローンとかですね、なんかそんなすごい死なない体とかですね、
なんかいろんな設定が出てきて、そんな絡み合ってというので面白い作品なので、ちょっと読み返したんですけど、やっぱ面白かったですね。
俺も読み返して、やっぱめっちゃ面白いって。いいよね。
最後のライオニーは我々のエピソードでも語ってますので、ぜひどちらも合わせてお聞きいただけるというところですね。
そうですね。で、次がマリーのダンスですね。これもすごい変わった作品だなって思いまして、
これもですね、このマリーという人がちょっと目に障害を持っている人で、ちょっと芸術を見たりして楽しむというのができないと言われていたんですけど、
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ただダンスも踊ったり、それを楽しむとかっていうのはできないと思われていたんですけど、
ただそれを習いに来るというですね、そのようなところから始まる小説なんですけども、ただこのマリーにはすごい思惑があって、
で、これが最初に言われているんですよ。このマリーがすごい社会にインパクトを与える大事件を起こすという、
このダンスを習うとこの大事件を起こすというのが最初に語られるんですけど、それがどう結びつくのかっていうのはですね、
もう全然想像もつかないんですけども、これもすごい面白い話で、このマリーがどんな思惑があって、最後どんなことを押し出かすのかっていうですね。
で、その裏にはどういうことが、どんな思いがあるのかとかですね。なんかすごいこれも単純な面白さもありますし、すごく考えさせられるところもありますしで、
なんかすごいちょっと印象に残った作品でしたね。面白かったですよね。
じゃあちょっと次の作品ちょっと軽く触れたいんですけど、ブレスシャドウですね。結構私ブレスシャドウを紹介したいなと思ったんですけど、とはいえちょっと時間もあるなんで簡単に言うとですね、
これもうだいぶ未来の世界の話で、もう地球からですね、移民というか地球を脱出した人類が新しい惑星にたどり着き、
そしてまた進化していって、今の地球の感じからすると全く違うコミュニケーションスタイルを開発しているところに、冷凍冬眠かな?
コールドスリープからですね、ちょっとあるその地球から、かつて地球からも脱出した世代の人が甦ってしまうというか、目を覚まさせてしまうような状況で。
ブレスシャドウってこの惑星というか集落、新しい世代の人が住んでいる場所の名前なんですけど、ブレスシャドウの人たちは音声言語で話しないんですよね。
粒子というものを使って話しているので、またその辺のディスコミュニケーションが起きるんですけど、そのあたりが結構ありながら、主人公の女の子と目覚めた女の子、ほぼ同い年っぽい設定なんですけども、
その二人が歩み寄っていくっていう話で、冒頭でも言ったんですけど、アイディア、ストーリー展開含めてですね、めちゃめちゃ濃厚で、これは読み終えた時に結構感動するディスコミュニケーションの一本でしたね。
これもすごい読みごたえありましたね。
これはすごかったですよね。
あとちょっと2本紹介したいんですけど、イニシエの脅迫っていう作品も、これも遥か未来の話で、
ある惑星にたどり着いた人類たちが、その惑星の環境に慣れた結果、慣れようとしていった結果、もしかしたら地球人の時よりも生きにくくなってるんじゃないかみたいな話が、探査してきた側から話が出てくるというところで、
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そこでいろんな隠された事実というのがあって、それが反面していくっていう話なんですけども、
普通のSFとは違う優しさに満ちた作品で、かなりグッときましたね。
確かに。これすごい面白くて今回紹介しようか迷った作品だったんですけども、
その惑星に着いた地球人サイドの人から見ると、その惑星で神様への信仰があって、
とはいえですね、ちょっとそれはもう、言い方が悪いんですが、古臭い信仰ではないかと。
その宗教のせいで科学をないがしろにしていて、そのせいでその惑星で暮らしている人たちは、病気みたいなものになって早死に死んでしまうと。
それよりかはもっと科学を受け入れて寿命を延ばす手段をなんで取らないのかっていう。
で、その主人公の地球人の話し相手というか、友人関係のある人が、
そこでは司祭ですね、その宗教を信仰する、その宗教を信仰していく立場の人なんですけども、
その人がその惑星の真実を後に教えるんですけども、
だからね、そこがもう、その真実っていうのがちょっと面白すぎて、これはネタバレはちょっとね、もうちょっと言うとまずい作品なんですけども、
これ以上はちょっと言えないですけど。 そうですね、やめときましょう。
いやいやでも本当に、やっぱり思っていたのとはまた全然違う結末というか、なんてか真実が持っていたっていうところでね、やっぱめちゃめちゃ面白かったですね。
ある意味、キムチュアプさんらしいひねり方をしている作品だよね、これはね。
やっぱり歩み寄りというか、気持ちの部分というかですね。
いやいやでも、すごいな、ちょっと。
他のなんか最後の雷撃とこの古の教約、この面白さ的にはこの2つかもとか、ちょっと思ったりしてますね。
最後ちょっとご紹介するのは認知空間ですね。
これも簡単に話しますけど、認知空間と呼ばれるですね、場所に行くと全ての知識が流れ込んでくる。
そして自分たちの記録が全部残っていく。永久に保存されるというですね、場所があって、これはですね、ある一定の年齢、ある一定の基準に成長しないと入れないんですね。
子供たちは基本入れないんですよ。大人たちはもうここに入っているので、みんな同じなんですね。
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みんな共有してるから、その中でこの分野で頑張りたいとか、もちろんあるっぽいんですけど、基本的にはすごくみんな同じなので争いが起きない。
いさかいが起きないという世界の話ですね。でも子供たちはまだ入れてないので、いろいろいさかいとかいじめみたいなのもあったんですけど、とか発生します。
主人公の友達にイヴという女の子がいるんですけど、この子が生まれつき体がうまく成長しない子で、どうしてもですね、この認知空間に入ることができないと。
この世界は全て認知空間を使うことで回るというのは大前提になっているので、このイヴはですね、成長してもですね、仕事ができないとか、そういう状況にあります。
で、このイヴと交流する主人公の女性、ジェナっていう女の子なんですけども、このジェナはですね、一人称私で語られるんですけども、いろんなことを考えて、もちろんこのイヴに歩み寄っていくというところですね。
歩み寄ったり、歩み寄らなかったりかな、これは。でも個人的には、さっき言ったけど、ちょっとディストピアっぽい空気、自分は感じた作品なので、
個人的にはいろんなことを考えてしまう作品だったんで、すごい迷いました。認知空間にするかキャビン方程式を紹介するか、どっちもちょっといろいろ考えてしまうところが多い作品でしたね。
この認知空間でも、このイヴという少女がセリフで結構印象的だったのが、共同体の記憶ですね。
共同体、みんなの持っている記憶が変化していっていて、月が3つあるんですけど、3つ目が消えていて、夜空には2つしか月がないことになっていると。
それを言われて、主人公が張って、それを思い出すところとかですね。その後ですね、イヴが言っているのが、本来の物語まで消えつつあるというので、
結構印象的でしたね。その記憶というのは、ただの記憶じゃなくて、物語ですよね。人類が持っている物語、個人が持っている物語、それらがあると思うんですけど、
そういったのが消えつつあって、ちょっとその集団にとっての都合の良い物語に置き換えられようとしているっていう、確かにそのあたりの怖さを感じましたし、
あとはこのちょっと面白いと思ったのは、宇宙を理解しようとした時に、一つのパッケージではもう無理じゃないかと。
それはもう、みんなで分担して、一人一人の中に一つ一つの星というか、そういったのを記憶していくことで、宇宙っていうのは理解していけるんじゃないかとかですね。
そんな話があって、そのあたりを読んでて、すごい良いなって思ったところでしたね。
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すごい良いことがね、ちょっと書かれてるなって思いましたね。
そうなんだよな。認知空間めっちゃ良い作品だと思ったんだよな。
そういうところで、7本全部良かったっていう。
そうです。7本本当に全部良いですよね、これは。
多分ね、本当に人によって絶対、この作品が良いっていうのはもう異なってくると思いますね。
では、いつも通り最後に感想とどんな人に読んでもらいたいか、お話ししていきたいと思います。
じゃあ私の方からですが、まあもう冒頭で話したまんまなんですけど、やっぱりこれはですね、優しい世界観が描かれているので、
そのあたりのエモさと優しさが好きな人にはおすすめの一作。
で、SF好きもですね、すごく読みやすいんですけれども、やっぱりアイディアとしてはすごく面白いものが多いと思うので、
SF好きにもハマるんじゃないかなと思います。
そして読みやすいので、SF苦手な人でもおすすめですっていう、
このオーラウンダーな、やっぱりキムチヨプさんのキャンペーン集だったなと思います。
この7本はですね、本当に面白かったので、多くの人に読んでもらいたいなと思うので、
ぜひ気になった方はですね、本屋で手に取っていただければなと思います。
前作の、私たちが光の速さで進めないなら、もちろんよかったので、
そちらから読みたいって人もいるかもしれないんですけれども、
この作品から入ってもですね、もちろん短編集なので、全然問題はないので、ぜひ。
で、短い作品なので、なんとなくですけど、電車通勤、20分30分するときにでもですね、
もしかしたら頑張れば読み終えちゃうかもしれないので、
時間がないけど、割と充実した読書したいなって人には、結構おすすめの一冊じゃないかなと思います。
そんな感じですかね。
僕もそのSF小説、そんなに読んでいるわけではなくて、いやむしろほんと少ないぐらいなんですけども、
キムチヨプさんの作品はやっぱり、SFだけではなくて、いろんな要素が含まれていると思っていて、
今回の短編集は、その中でも結構ハンディキャップの問題をテーマにしている作品がいくつかあって、
なかなかそういう作品を読む機会っていうのがこれまでなかったので、すごい新鮮に読めました。
もちろんSF小説としてすごく面白くて、それはもうデビュー作もそうだし、長編小説もそうでしたし、
でもそれだけではないっていうところをすごく感じました。
もちろんキムチヨプさんをまだ読んだことがないという方でも絶対楽しめると思いますし、
これでもしキムチヨプさんが面白いってなったらですね、やっぱりサイボーグになるとか、
またデビュー作ですね、私たちが光の速さで進めないならとか、
さらに発声してキムチヨプさんの作品を読んでいくと、どんどんハマっていけるんじゃないかなと思います。
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個人的には一つですね、私たちが光の速さで進めないならの後書きで、それぞれの作品の元ネタをキムチヨプさんが述べていてですね、
例えばこの作品は新聞記事のこんなニュース、内容の記事を見たときにちょっとそれでひらめいたっていうようなんですね。
そんな参考情報があって、そのニュースがこんな面白い設定の小説になるんだっていうですね、
後書きを読んで、なるほどってすごいなと思ったので、
今回の短編集もですね、個人的にはそれぞれの小説のアイディアの元ネタとかですね、
そういうのがまたあったらですね、多分それがこれに繋がるんだっていうですね、ちょっと驚きが絶対あったと思うので、
それがあってほしかったなという結構願望ですけども、それはちょっと思いましたね。
それぐらいすごい、今回の短編集も楽しめたので、SF小説をあんまり読んでない方とかでもですね、
本当に読んでいけるんじゃないかなと思うので、本当に広くお勧めかなと思っています。
次回予告になります。次回はですね、キムソヨンさんの数学者の朝をご紹介します。
ちょっとK-Bookフェスに向けてですね、韓国連続に行きますが、
そうですね。
韓国文学連続に行きますが、ぜひちょっと、キムソヨンさんは一文字の時点で日本翻訳大賞を受賞された、
キムソヨンさんが受賞したわけじゃないんですけれど、翻訳された方から受賞されてるんですけども、
作品になりますので、この数学者の朝というのもですね、ちょっともうすでにパラパラ見てるんですけど、
めちゃめちゃいい作品なので、楽しみにしていただければなと思います。
番組の最後になりますが、メルマガ会員募集しております。
こちらですね、無料版、有料版とございまして、無料版では毎回の微走で長過ぎた部分をカットして音源化して配布しております。
こちらは我々のエピソード、もっと聞きたい人のためになっています。
有料版はですね、我々の活動、このラジオを応援したいという方がいらっしゃいましたら、
サポーターという形で応援していただけないかなと思っておりまして、
月額500円で参加できるようなものになっております。
得点というわけではないんですけれども、我々のですね、
多分のような日記をですね、毎週配布しておりますので、
こちら一部お楽しみいただけている方がいらっしゃるようなので、気になったら入ってみてください。
詳しいことは番組概要欄に書いてありますので、ぜひ。
そしてこの番組の関数やリクエスト、またこのラジオを聞いて紹介された本を読みました、
読み返しましたなどございましたら、ハッシュタグそろとび猫たちをつけて教えていただけると大変嬉しいです。
ツイッターやインスタのDM投稿などでお待ちしております。
1:00:03
あとですね、お便り本もですね、番組情報欄に載せておりますので、
ぜひ何かあればいただければと思います。
こちら2ヶ月に1回お便り紹介会をやっているので、その時にご紹介させていただきます。
そしてこの番組、積極的に拡散共有していただけると助かります。
ではまた来週。
ありがとうございました。
01:00:25

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