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おはようございます、鶴岡慶子です。この配信では、花火や天気、言葉に関することなどをお話ししています。
司会やナレーションを通じて、日々感じたこと、学んだこと、それからちょっと嫌だなと思ったことも、視点を変えて前向きに物事を捉えたり、
最終的に良かったねと思えるように、考え方のコツなどをシェアしています。日本の秋田県から毎朝更新しています。
このところ、秋田は良いニュースがありませんで、例えば、7月に遡りますと記録的な大雨があり、
北日本にも関わらず、相当な酷暑に悩まされ、さらにこの酷暑によって農作物がなかなか育たない。
それは里だけではなくて、山の方もそうですから、何しろクマが里に降りてきて大変なことになっています。
昨日も列車とクマが衝突して、一時ダイヤが乱れました。
さらに一昨日から昨日にかけて、秋田市の大規模な浄水場がポンプが故障した影響で、秋田市が一時断水となりました。
当初は2万個余りに影響があるだろうって言ってたんですけれども、大規模な断水は回避されたようでした。
少し前に配信した地域の希望指数というような配信をしたんですけれども、それが全国最下位だった秋田において、
こんなにも良くないニュースが続きますと、それこそ希望を持つのは難しくなってきますので、
一つ一つの事象は大変なことなんですけれど、それを乗り越えた先に何かあるんだろうかって思いながら、
もう今は薬落としをしてるんだっていうふうに思いながら、私自身は希望を持とうというふうに思っています。
秋田県野生長寿管理共生ビジョン
さて、この熊野ことなんですけれど、秋田県としては秋田県野生長寿管理共生ビジョンというものを2020年3月30日付けで公表しています。
まずはこの秋田県野生長寿管理共生ビジョンというのはどういうものかって言いますと、
まずは行政の立場としては、私たちの命と財産を守るということが使命として、基本的な使命としてあるわけなんですが、
その上で月のワグマを取り上げてみると、月のワグマって保護獣なんですよね。
ですから安定的に存続できる個体数というのも維持していかなければならないと。
この両方の天秤にかけるっていう難しい立場があるわけなんですよね。
じゃあ秋田県としてどう向き合っていくのか、そしてどう取り組んでいくのかっていうことがこの中に書かれているんです。
秋田が共生を目指す上での基本理念と基本方針というのがまず第一に書かれているんですが、
これとっても大事なことだなと私は感じるんですが、
里では里の山では山のルールがある、だから人と熊が住み分けをしながら共に歩む、共に生きていく、そんな秋田を目指すんだって言ってるんですね。
具体的に言いますと、人間の生活圏に熊を近づけないっていうことが大事なんですよね。
そして人間の生活圏で危害を及ぼす熊、これは管理する必要があるだろうということなんですよね。
管理の目的ってどういうところにあるかっていうと、私たち人間の生活圏に踏み込んだ場合に、そういうことはダメなんだよって教育をしなくちゃいけないんですよ、熊に対して。
人間の生活圏に来るのは危険なことなんだよ、リスクがあることなんだよって、熊がちゃんと学習すればこちら側に里の方に降りてくることはないと。
共に生きるための取り組み
そしてその結果として、熊を捕獲するとか駆除するっていう、いたずらに命を落とすっていうことがなくなるんですよね。
少し前、秋田の三里町という角の建てのちょっと南にある町なんですけれど、そこの畳屋さんの小屋に3頭が居ついてしまって、一晩中対応に追われ、結果的に3頭を駆除するということになりました。
他の地域でも今年はたくさんの熊が出ているんですけれども、このニュースが大きく取り上げられましたので、この三里町の町役場にどうして駆除するんだと、山に返してあげればいいじゃないかというようなクレームの電話やメールが何千件と入ったそうです。
それによって通常の業務が滞りましたので、町役場としても大変な思いをなさったと聞いています。
このことに関しても、2020年3月30日に公表した秋田県野生長寿管理強制ビジョン、これに照らしてみますと、残念ながら熊の方が里のルールを守っていないということになります。
さらに昔は、熊除けの鈴なんて言ったことありますけれど、最近の熊は人間のことが怖くないんでしょうね。
人間が集団にいるところにやってきて襲っているっていうことが起こっていますから、これ秋田の話じゃないですよ。
全国的に年間数百頭の熊が害獣として駆除されているんですけれど、それはこういうことが起こっているからでもあります。
熊が里のルールをもう守れなくなってきているっていうことなんですよね。
このビジョンの中に野生長寿の生息域では、やはり彼らを尊重するっていうことが歌われています。
そして、人の生活圏では野生長寿の進出を許さないという、そういうルールもまた合わせて歌っているんですね。
野生長寿管理共生ビジョンですが、長い時間をかけてまとめられたもので40ページあります。
最後、まとめの部分を少しご紹介しましょう。
森に襲わり、森に生きる。秋田又木の言葉に、山のことは山に襲わり、獣のことは獣に襲われ、というものがあります。
自然のことは自然が先生です。 熊のことは熊を観察することで、熊自身から教えてもらいなさい。
森のことは森自身から教わりなさい、という教えです。
そこには人間の傲慢さや、自然を単なる資源や道具とも見ていない、極めて異形の念を持って尊崇する姿勢があります。
山に生かされ、熊に生かされてきた自覚ある人々だから、このような伝承も絶えることなく今日まで伝えられてきました。
兄綿木は、熊さかれ、人さかれ、山のかびば、よろこばへで、森ばさからすのしゃ、という言葉を残しています。
秋田は森の象徴として熊を讃えてきました。 現代社会がその熊と共に歩むことの難しさ、でもその難しさ、伝統と先端文明の共存という問題の中に、
秋田に生きてきた人々の、歴史的に醸成されてきた独特な自然に対する思考、そして英知と真理が際立っているとも言えます。
と結ばれています。 これは秋田県の公式サイトで公表しているものなので、どなたでも見ることができます。
ぜひ検索してじっくりと読んでみてください。 この配信はアップルポッドキャスト他各種プラットフォームでお届けしています。
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鶴岡慶子でした。