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おはようございます。花火鑑賞士、気象予報士の鶴岡慶子です。
この配信では、花火や天気、言葉に関することなどをお話ししています。
毎朝更新している、恋の日記です。今日も最後までお付き合いください。
言葉の変化
全然大丈夫、全然いいよ、全然OK。
こういう言葉、皆さんは使いますか?
これが、やっぱり聞こえてくるたびに、私はちょっとだけ違和感があって、
それ間違ってるよって、ずっと思っています。
ただ、今は一般的になっていますよね。
この全然大丈夫、全然いいよ、全然OKというような言葉、
おそらく20年ぐらい前から使われていたと思います。
もともとはどうだったかというと、
全然という言葉は、必ず否定と一緒に使われる副詞でした。
例えば、全然知らない、全然できない、全然いかないというように、
何々ないというような言葉とセットで使うのが正しいとされてきたんです。
でも今はどうかというと、OKなんですね。
では、ポジティブな意味と一緒に使われることもすっかり一般的になりました。
これ最初はやっぱり、よう間違ってるよって言われていたんですけれども、
今はもう辞書も肯定にも使われるようになっていると書いています。
言葉って、使われ方によってその正しさって変わっていくんですね。
でも、私なんかよりも多分上の世代なんかは、やっぱりそれ間違ってるんじゃないのとか、
違和感を感じたりするんだと思うんです。
その世代的に、そういう違和感を感じる人たちがすっかりいなくなった時に、
初めて放送に携わる人だったり、文章を書く人だったりとか、
そこに携わる人たちは、最後に変化していくということになると思います。
さっき、使われ方によって正しさが変わっていくというようなお話をしたんですが、
どうやって変わってきたのかというと、
全然大丈夫っていうのは、もともと全然問題ないから大丈夫。
この問題ないからという部分が、すっかり省略された形なんです。
つまり、否定表現の部分だけが、ごっそりと抜けてしまったということで、
全然大丈夫は、ポジティブな表現なんじゃなくて、否定部分が抜かれただけなんです。
つまり、頭の中ではちゃんと否定しているんですけれども、
ということは、全然に対して何々ないっていうのは、ちゃんと使われているってことですね。
ちゃんと頭の中では否定しているんだけど、口に出す時は言わなくても通じてしまう。
結果、全然に対してポジティブな意味と一緒に使われることも許容されるようになったということなんです。
変化って自然なことなんだろうなって思います。
省略されることで、語感の軽さだったり、スピード感を生むような気もします。
こうやって省略されて、ちょっと面白い言葉になっていたりとか、意味が拡張されるような感じになっていたりとか、
こういう言葉って他にもあるような気がするので、また探してお話をしたいと思います。
最初は変と言われた新しい表現が、だんだんと普通になっていく。
これが日本語の面白いところだなって思います。
言葉は確かに生きているし、時代とともに文法も、それから正解も、少しずつ変わっていくんだなって感じます。
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それではまた明日。