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2025-11-08 04:33

【1254】2025/11/08 標語が時代に取り残されていく

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2025/11/08

サマリー

標語「マッチ一本火事のもと」が時代遅れになり、子どもたちがその意味を理解していない現状について考察しています。現代では火の危険性が見えにくくなり、真の火災予防の重要性が問われています。

標語の意義と子どもたち
おはようございます。花火鑑賞士、気象予報士の鶴岡慶子です。
この配信では、花火や天気、言葉に関することなどをお話ししています。
明日11月9日からは、秋の火災予防週間です。
暖房器具の使用が始まる時期で、119番の日の11月9日からの1週間がそれにあたります。
街のあちこちに貼られている防火ポスターというものがあるんですが、そこに載っている標語があります。
これは消防庁が毎年一般公募で決めているもので、全国統一防火標語というものです。
今年度、2025年度、令和7年度は、
急ぐ日も、足止め、火を止め、準備をし。
この秋の火災予防週間を前に、宮城県柴田町で子どもたちが火の用心を呼びかけながら町を練り歩く様子がテレビのニュースで映っていました。
その声がとっても元気で、マッチ1本火事の元、カンカンって拍子木を叩いて歩いていました。
修学前の子どもたちで、おそらく幼稚園とか保育園の子どもたちだったんですけど、この子たちってマッチ見たことあるんですかね。
きっとその子たちの親も日常でマッチは使わないんじゃないかなと思います。
本当、マッチを日常で使うことはほとんどなくなりましたよね。
ガスコンロは自動点火でもマッチは使いませんし、ストーブもボタン一つですし、お風呂とかキッチンも火を見ない暮らしが多くなっていると思います。
キャンプとかアリカの実験で初めて炎そのものを見たりとか、マッチをその時に知るっていう人もいるんじゃないかなと思います。
それなのに標語ってこのまま使われているんですね。
マッチ一本火事のもと。
もしかしたらマッチを知らないことを大人が知らない。
そしてこの標語が使われ続けているのかなっていうふうにも思いました。
何を言ってるかというと、子どもたちはマッチ一本火事のもとって言えって言われて言ってる。
だけどマッチって何のことがわからない。
何のことかわからないっていう状態になっていることを周りの大人が気づいてないっていう。
そういうことかもしれないですね。
マッチ一本火事のもと。
火災予防の重要性
この言葉が生まれた頃、火は生活のすぐそばにあったわけですね。
炭火とかかまどとかタバコ、ろうそく。
油断すれば家が燃えてしまうという危機感が確かにありました。
だけど今の火のもとっていうのはスマホの充電器だったりコンセントだったり電気ストーブもあるでしょうし、
あとは電子レンジとかそういった炎として目に見えない電気の火なんですね。
少なくともマッチじゃないと思います。
便利になった私たちの暮らしって、
どこに危険があるのか子供にとっては見えなくなってしまっているという、そんな状況があると思います。
言葉って時代を映す鏡でもありますが、時代が変わってもこうやって言葉が変わらないということは、
危険自体を考えなくなったという、そういう危うさを潜んでいるようにも思いました。
マッチ一本火事のもと。
マッチってゴロもいいし、練り歩く子供たちが言っているのはとっても可愛らしく映りました。
でも本当の危険を伝える形ではこれ行われていないんですよね。
深読みしてちょっとケチをつけるなら、マッチ使ってないからじゃあ自分たちは安全っていうことじゃないじゃないですか。
日常で炎と向き合わない生活をしている、そういう時代の子供たちにどうやって火の怖さを伝えていくのかっていう、
それを考えることが本当の火災予防なのかもしれないです。
この配信はアップルポッドキャスト他各種プラットフォームでお届けしています。
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併せてご覧ください。
それではまた明日。
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