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おはようございます。 花火鑑賞士、気象予報士の鶴岡慶子です。
この配信では、花火や天気、言葉に関することなどをお話ししています。 毎朝更新している声の日記です。今日も最後までお付き合いください。
今日は、「お忙しい中」という言葉と、「ご多用中にもかかわらず」という言葉についてお話をします。
婚礼であれば、両家代表者時、葬儀であれば、申し挨拶の中で使う言葉です。 本日は、「お忙しい中お越しいただき」とか
「ご多用中にもかかわらずお越しいただき」と表現することがあると思います。 結論から言いますと、「お忙しい中」というよりも、「ご多用中にもかかわらず」の方が、より礼儀正しく、
相手に対する敬意を表する言葉として適しています。 「忙しい中」という表現は、相手が何かを犠牲にして時間を作ってくれたというニュアンスを含みます。
場合によっては、相手に負担をかけたという印象が強くなります。 結婚式の列席者、葬儀の参列者が無理をして時間を抑えたようなニュアンスが強くなってしまうということですね。
さらには、「忙しい」というのは、日常会話で使われる口語的な表現でもありますので、格式ばった場では適切ではないとされています。
さらに言うならば、「忙しい」という漢字は、心をなくすと書きます。 なので、めでたい席、婚礼などの席では、
近くということではないのですが、できれば避けたほうがいいです。 そして、めでたい席ではないのですが、葬儀の場でも意味言葉を避ける傾向があります。
例えば、「次に」とか、「続いて」という言葉は意味言葉です。 忙しいという言葉が直接意味言葉に分類されるわけではありませんが、
言葉の持つイメージとして、心をなくすイコール、心を失うという解釈ができてしまって、それは悲しい場面、葬儀の場面であっても好ましくないということで、やはり使わないほうが無難です。
では、「ご多用中にもかかわらずはどうか」ということは、ご対応という言葉自体が かしこまった表現です。
さらに、相手に対する敬意が込められている言葉です。 いろいろなスケジュールがある中で、時間を念出して ここに駆けつけてくれたという、
そういう感謝の気持ちが、もうすでにご多用中にもかかわらずの中に 込められているのです。
多用、多い用と書きますが、この表現はビジネスの場面でも、公の場面でも使われることが非常に多くて、より格式を感じさせる表現です。
ちょっと考えてみるとわかるんですけれど、友達と忙しい中ごめんねということは言いますが、対応中なのにごめんねとはあまり言いません。
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そう考えてみても、忙しいという言葉は、個人のスケジュールだったり、事情を直接指す表現になって、ややカジュアルな印象を与えるということになります。
こうやって言葉を一つ取ってみても、相手への敬意の表し方が変わるということが、やっぱりあるんですよね。
格式を重んじた表現を使うことで、劣跡者・三劣者への感謝の気持ちが、より丁寧に伝わるというのは、ご多用中にもかかわらずです。
ちなみに ご対用中にもかかわらずの かかわらずは、文字に表す時には ひらがなで書きます。
関係の関というので かかわらずと書いてしまう人もいるのですが、それはあやまりです。
もし漢字で書こうとするならば、手辺に俳句の句という、あの文字の「拘らず」を使います。
関係の関ではありません。ただ、常用漢字表からは省かれていますので、ひらがな表記するのが適切です。
というわけで、公の場では、お忙しい中ではなく、ご多用中にもかかわらずという言葉を使いましょう。
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それでは、また明日。