1. 鶴岡慶子/花火・天気・ことば
  2. 【0230】有難うと御芽出度う

2023/01/19

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おはようございます。鶴岡慶子です。この配信では、司会者として、花火鑑賞師として、そして気象予報士として、日々感じたことなどを、日本の秋田県から発信しています。
地方局ではありますけれども、昨日の夕方のニュースで、とっても素敵な投稿があったんです。どんな投稿だったかっていうと、朝のおはようという挨拶をやめました、という投稿だったんです。
挨拶をやめたんだったら、素敵な投稿じゃないんじゃないか。そんなふうに思われるかもしれないんですが、おはようじゃなくて、おめでとうというご挨拶に変えたんだそうです。
今日も朝、ちゃんと起きて、ご挨拶ができる。これはめでたいことだ、ということで、おめでとうというご挨拶に変えた。
当たり前のことじゃないんだ、ということで、それをかみしめる意味でも、このご挨拶にしました、という、そんな素敵な投稿だったんです。
今朝も、ちゃんと目覚めさせてもらってありがとう、そんなふうには日々思うんですが、おめでとうというご挨拶をすること、それは考えたことなかったので、なるほどと思いました。
ありがとうについては、漢字でどう書くかっていうのは、ご存知の方も多いですよね。
あることがかたい、難しいと書きます。あることが難しいものが、そこに存在するとか、めったに起こらないような嬉しいことがあるので、それは、ああ、ありがたい、ありがとうということになるんですね。
この配信の中でも、ありがたいの反対は当たり前だ、というお話もしたことがあります。
やっぱり当たり前に感じられる健康で生きていることであるとか、食べ物があること、実はあることがかたい、ありがたいことだったんですよね。
では、おめでとうは、漢字で書くとどうなんだろう、と思いました。
これ調べてみると、おめでとうという言葉は、大和言葉なので、ひらがなで書くのが基本だそうです。
ただ、当て字で書く場合もあります。
その場合は、目が出ると書きます。
この目は、お顔についている目の場合もあるし、草木の目の場合もあります。
そして、おめでとうのとうについては、一度、二度のと、旅と書きます。
おめでとうの最後のうだけがひらがなで、あとは全部、当て字になるんですね。
おめでとうのお、一番最初は、ていねい語のおなので、音中のおです。
そして、目が出る一度、二度のど、と書きます。
草木の目が出る状態をあらわすという説が濃厚でして、目が出るっていうことは、それだけ成長したということをあらわすですね。
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例えば、人生のステップを一つ登ったであるとか、新年を迎えて一つ年を重ねたとか、これが転じてお祝いの言葉になったと考えられています。
例えば、就職とか結婚とか、人生の一つの節目になりますけれども、そこで送られるおめでとうという言葉は、
例えば、新しい家族であるとか、仕事の面で目が出たねっていう、そういうお祝いの意味もあります。
さらには、出た目をしっかり育ててほしいという願いも込めた励ましの言葉でもあるということなんですね。
私たちが日々、おめでとうとかありがとうって、その言葉の成り立ちとか深い意味を知らずに私たちは使っているような気がします。
でも、ひとたびその意味を知ったり、成り立ちを知ったりしながら声に出して言ってみると、なんか背筋が伸びるような、自分の中心の何か軸がキュッと力が入るような、そんな気持ちになります。
ありがとうとお礼を言うときも、これは当たり前のことじゃないんだと思うと、いつもよりも気持ちが込められるような気がします。
そしておめでとうという言葉についても、人生のステップを一つ上った、頑張ったねという思いとか、これからその出た目をしっかり育ててねっていう願いも込めたりしたら、このおめでとうっていう言葉にも本当に力が入るなって思いました。
昨日夕方に聞いた朝のご挨拶を、おはようからおめでとうに変えましたという投稿でしたけれど、毎日毎日一つずつ何か、スモールステップでも一つ上ったよっていう、何かそういう挨拶にも思えて素敵だなと思いました。
最初はもしかしたら恥ずかしいので、自分だけでおめでとうって朝起きたときに自分に対して言うのもいいかもしれません。そこから始めてみるのもいいかもしれません。そのおめでとうと声に出したときに、自分の体がどんなふうに反応するのか試してみようかなと思います。
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