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2025-11-25 04:48

【1271】2025/11/25 大人の沈黙

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2025/11/25

サマリー

大人の沈黙は、言うべきことを伝えながら、必要な時に黙る重要性について考察しています。このエピソードでは、感情の扱い方や沈黙の美しさ、そしてその選択が相手を尊重することになることが語られています。

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おはようございます。花火鑑賞士、気象予報士の鶴岡慶子です。
この配信では、花火や天気、言葉に関することなどをお話ししています。
大人の沈黙の意義
本物の大人は、言わないと物事が進まないことを言えて、言わないと気が済まないことを黙っていられる人。
読んでいた本の中で見つけた言葉ですが、本当にその通りだなぁと思います。
言わないと物事が進まないことを言えて、言わないと気が済まないことを黙っていられる人です。
例えば予定を調整しようとした時に、みんなどっちでもいいよとか、みんなに合わせるよと言っていると、何にも決まらないんですよね。
本当にどこでもいい、いつでもいいっていうこともあるんですが、その日が一番いいよって声を上げたりとか、
こういう日程なら嬉しいというような一言で、流れがすっと決まっていくことがあります。
大人になると、波風を立てたくないという気持ちが強くなるんですが、言うべきことを伝えるのは、相手を尊重している証拠でもあります。
一方で、言わないと気が済まないことをどう扱うかってことですね。これは本当に自分の気持ちと戦う日々です。
言わなくても気が済むようになるためには、自分の感情をどう扱うかという力が必要だと思います。
感情は感情として湧き上がってくるものなのでも、それはしょうがないんですけど、それをどう扱うかっていうことですね。
列に割り込まれた時も、「はぁ?」って思いますし、SNSの事実と違う発言を見た時も、「はぁ?」って思います。
いや、それ違うからと突っ込みたくもなります。そしてもう一つ、「いや、それ俺の方が詳しいよ。」とか、「いやいや、俺の時代はもっと大変でさ。」とか、
いや、そのやり方じゃなくて正しいのはこうなんだよというような、いやいや選手権みたいな会話ありますよね。
そうやってマウントを取りたがる人にも、もやっとすることもあります。
あと、意味がわからないことを言われた時もそうですね。
突然意味がわからないことを目の前でわーっと言われて、一瞬、「ん?それどういう意味だろう?」って考えます。
賢い人ほど相手の真意を自分の中に落とし込もうとしますので、考える時間が必要です。
その考える時間、いわゆる間ですけれども、意味不明族は意味不明なまま、理路整然としているわけでもなく、内容も矛盾していたり飛躍していたりするんですけれども、勢いだけでわーっと言っちゃうんですね。
間を埋められるように言われちゃったりします。その勢いがあるので、その場ではなんだかその意味不明族の方が勝ったように見えるんですね。
賢い側が 負けたような感じがする。言いまかされた感じになる ということがあります。
でも、あれは考えるから間が生まれただけなので、勢いで幕を立てる人よりも、一瞬止まって考えている方が 実はずっと冷静で成熟しています。
言い返さなかったことを 負けたと思う必要はなくて、言葉にしなかったその静けさ、間こそが大人の証と言えるものです。
それを同じようなテンションで、その意味不明族のステージまで降りてって話していってギャンギャンやっちゃうと、自分の感情を扱えないという状態に陥ってしまいます。
私たち人はみんな自分を守りたいとか、自分を認めてほしいという本能を持っています。
なので、自分の方が上だよとか、あなたより知っているよって言いたくなる瞬間って誰にでもあるものです。
違うのは、それをそのまま口に出すか出さないかなんです。
沈黙は決して負けではなくて、沈黙って未来の空気を守るための積極的な選択でもあると思うんですね。
相手の気持ちも守る、美しい選択だと思います。
生前、私の父は負けて勝つということをよく言っていました。まさにこのことかなって思ったりします。
沈黙を選んだ日に、今日もまた言えなかったな、言えない自分弱いのかな、と自分を責めなくてもいいし、言わなかったことは心のスペースを守ったことだと思います。
負けて勝つ、言わなかった自分、大人の沈黙に大きな丸をつけていいと思います。
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それではまた明日。
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