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2025-08-27 05:13

【1181】2025/08/27 コの魔力 #ことば

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2025/08/27

サマリー

今回のエピソードでは、言葉の中にある「子」の魔力について議論されており、評価を和らげたりスケールを変える効果が紹介されています。また、「こぎれい」と「こきたない」の例を通じて、そのニュアンスの違いを理解することができます。

「子」の評価を和らげる魔力
おはようございます。花火鑑賞士、気象予報士の鶴岡慶子です。
この配信では、花火や天気、言葉に関することなどをお話ししています。
今日は水曜日ですよね。週末には大曲りの花火が行われるということで、いよいよ近づいてきました。
今年も去年と同じように、大学時代の友達が関東からやってくるんですけど、今年も同じメンバーなんです。
去年は割と前の方の席で、椅子席だったんですけど、今回はちょっとクロート席を取りました。
クロート席っていうのは審査員の皆さんと同じような場所です。そこのすぐ近くで見ることになります。
一昨年この席で初めて見たんですけど、なるほど非常にいい席だと。この辺で審査が行われるっていうのはわかるなって思ったんです。
ただ去年は初めての人が見ますし、遠くから来るっていうこともあるので、前の席の方がいいだろうと思って、そういう席だったんですね。
ただ同じメンバーなので、今度は別の体験をしてもらおうと思って、今回はクロート席を取りました。
その席の周りには、もともとの私の花火鑑賞仲間がたくさんいて、その人たちも花火の一つ一つについて、今はどうだったかというような評価をしながら見る人たちなんですね。
そういう声が周りからいっぱい聞こえる中で鑑賞できると思うので、今回も大学時代のサッカー部の仲間ですけれども、その人たちがもっともっと花火の造形が深まるんじゃないかなと思って、
いい時間を共に過ごせたらいいなって思っています。
週刊天気予報を見ますと、雨マークがついてるんですね。で、雨マークがついてますよねということを花火仲間にしゃべりましたら、
まあどんな天気になろうと、我々がすることは同じなので、と言ってました。
なるほど、それもそうだなと思って、あんまり天気が気にならなくなりました。
さて前段が長くなりましたが、今日は子の魔力についてお話しします。
どういうお話かっていうと、例えばきれいという言葉があります。
これに子をつけると、こぎれいになります。
きれいというのは文句なしに美しい、清潔感があるというそういう言葉ですが、
一方でこぎれいは、完全に美しいわけではないけれども、そこそこ整っている、
どこか控えめで取り繕ったニュアンスも感じられます。
同じように、汚いに子をつけて、こきたないとすると、
汚いという言葉が乱雑で不潔であるのに対して、
こきたないはどうかというと、生活感があるとか、ちょっと雑然としているという程度なんですね。
悪い意味が少し和らぎます。
ということを考えると、この子という言葉、どうやら程度を弱める働きがあるということになりそうです。
強い評価を中和して、まあまあだったり、そこそこといった、そういうニュアンスを与える言葉ということなんでしょうね。
これが一つ目の子の魔力です。
もう一つ、こざかしいという言葉を思い出してみると、
こぎれいとか、こきたないというのとはちょっと違うような気がします。
ざかしいというのは、利口相という感じですけれども、これに子がつきますと、
小さな知恵を働かせることになりますので、
そこからずる賢いとか、利口ぶっていて、鼻につくという意味に変化した、そんな言葉なんですね。
ということは、この場合の子は、小さいというスケール感を示しているんです。
こまごまとか、こじんまりといったような言葉と同じ仲間です。
つまりまとめますと、子には大きく二つの働きがあって、一つが程度を弱めるということです。
こぎれいときれいだったら、きれいのほうがきれいです。
きたないとこきたないだったら、きたないほうがよりきたないです。
こんなふうに、程度を弱めるという働きが一つ。
そしてもう一つは、スケールを小さくするということです。
これ、こざかしいとかというのがそうですね。
共通して言えるのは、子がつくことで、言葉が絶対的ではなくなって、
どこか幅のあるニュアンスを持つようになるということでしょうか。
言葉のちょっとした音が評価を強めたり弱めたり、
時には印象をがらりと変えてしまう。
子にはそんな魔力があるなって思いました。
スケールの変化
この配信はアップルポッドキャスト他各種プラットフォームでお届けしています。
それではまた明日。
05:13

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