サマリー
日本語の畳語について、意味を微調整する表現がどのように使われるかを探っています。特に、ビジネスシーンで使用される際の独特なニュアンスが強調されています。
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おはようございます。花火鑑賞士、気象予報士の鶴岡慶子です。
この配信では、花火や天気、言葉に関することなどをお話ししています。
畳語の役割と使用
日本語には、同じ言葉や音を繰り返す表現があります。
オノマトペのキラキラとかサラサラというのもありますが、
いろいろだったり、人々、これは名詞ですね。
こもごももそうですよね。ひきこもごものこもごもです。
こういう言葉たち、まとめて、畳語と呼ばれています。
畳に言語の語で、畳語です。
畳語っていうのは、語と語の一部を繰り返すことで意味を作る言葉のことです。
畳語には、だいたい3つの役割があるとされていて、
1つ目は、複数を表すもの、例えば人々だったり、国々、日々、なんかがそうです。
2つ目は、動作とか状態の継続、反復を表すものです。
たびたびとか、かえすがえす、てんてん、なんかはこれです。
そして3つ目が、ますますとか、さむさむ、といったような意味の強調です。
と、ここまでは学校でなる王道の説明と言えるんですが、
ビジネスの場面では、ちょっと不思議な畳語が使われています。
いまいまお時間よろしいでしょうか、だったりとか、
すぐすぐにご検討をお願いしたくて、というような、
いやー、これ最初に聞いた時に、どこか引っかかるなって思ったんですけど、
でも、いまとかすぐっていうのを繰り返すのは、これ強調しているのかって言うと、そうではないです。
いまいい?とか、すぐにお願い!という内容なんですけど、
これ、いまいま?とかすぐすぐ?と言うと、相手を急かしているようには聞こえません。
むしろ、ちょっとだけ?とか、差し支えなければ?というような、
ちょっと遠慮がちな、そんな空気をまとっています。
ということは、さっきの畳語の3つの視点には、当てはまらないと。
ここで出てくるのが、4つ目の視点です。
この、いまいま?とかすぐすぐ?っていうのは、強調ではなくて、
逆に弱めている、という考え方です。
つまり、いまの中のほんの一部だけ、これが、いまいま?なんです。
すぐに決めてください!ではなくて、
すぐ!という時間帯のこの枠の中の、無理のない範囲でね!っていうすぐなんです。
ということで、量とか時間を小さく見せるための畳語なんじゃないか?っていう、
これが4つ目の視点というわけですね。
おもしろいのは、この手の畳語が、営業とか交渉の場面で多く使われているっていうことです。
相手はお客様なので、失礼がないように。
言葉の端々に、急がせるつもりはいませんからね!とか、
配慮してるんですよ!というような、そういう行間を読んでね!みたいなサインを忍ばせる技として、
いまいま?とかすぐすぐ?が使われるようになってきたのかな?っていう感じです。
縮小表現の分析
他に、日本語の中に縮小の表現、以前取り上げました。
1181回、2025年の8月27日の配信、「子の魔力」でも取り上げました。
窃盗語の「子」です。
例えば、「さかしい」と「こざかしい」。
「さかしい」っていうのは、賢くって、起点が効いて、どちらかというと褒め言葉なんですけど、
「こざかしい」となりますと意味が変わります。
賢いんだけど、どこか器が小さい感じがする。
能力そのものを否定しているわけじゃないんだけど、スケールを一段下げています。
キレイとコギレイについても、その時も取り上げたんですが、
キレイっていうのは文句のつけようがない清潔さとか美しさを表します。
でも一方でコギレイは、ちゃんとしてはいるんだけど完璧ではない。
どこか控えめな評価ですね。
これもまた価値をゼロにするんじゃなくて、小さく、少しだけ小さくする言い方です。
ここまで来ますと、さっきのイマイマとかスグスグが、だんだん窃盗語のコの仲間にも見えてきます。
イマよりもイマイマ、スグよりもスグスグ。
断定とか圧を弱めて、その中の一部だけを差し出す感じです。
いや、日本語って強く言い切る言語じゃなくて、やっぱり意味を微調整しながら、
大きくしすぎないとか、もらないとか、言い切らないというような、相手との関係を壊さないような丸くする表現があるんですね。
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それではまた明日。
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