日本語の助詞の解説
おはようございます。花火鑑賞士、気象予報士の鶴岡慶子です。 この配信では、花火や天気、言葉に関することなどをお話ししています。
毎朝更新している声の日記です。今日も最後までお付き合いください。 今日は、ちょっとした日本語の謎です。
〇〇は、〇〇を、〇〇え、という助詞の「は、を、へ」
どうして書き方と読み方が違うんだろうかというお話です。 まず、「は」を「わ」って読むのって不思議じゃないですか?
もう慣れちゃってるので、当たり前のように使っていますけれども、 これを日本語を学ぶ外国人、ほんと大変なことだろうなと思います。
どうしてこうなっているかというと、もともとは〇〇はの「は」は、今と少し違う発音をしていたようです。
実は、昔の〇〇はの「は」は、FA、FAに近い音だったとされていて、 それが時代とともに、WA、WAに近い音に変化していきました。
つまり、発音はWAになったけれど、書き方はそのままHAのまま残った。
音の変化、音韻変化と言うんですが、それを書き言葉の伝統が交わったということなんです。
でも、もともと〇〇はの「は」は、FAに近い音だったということであると、 私FAみたいになってたってことですよね。
それをそれとちょっと面白い話だなって思います。 じゃあ〇〇Oとか〇〇Aも同じなのかということで言うと、
〇〇Oの「お」とか〇〇Aの「へ」も、 似たような理由で読み方が変わってきました。
〇〇Oの方は、WOと発音されていて、「お」とは違う音だったんです。
でも今は、「お」と同じ発音になっています。 発音の差がなくなったんですが、
助詞の時だけ、〇〇Oの時だけは、今でも同じ、〇〇Oの「お」と区別して書きます。
鍵のOなんて言ったりしますよね。 〇〇Aの「へ」は、昔から〇〇OのAに近い発音をしていました。
近いということは、やっぱり違っていたということなんですね。
〇〇Aの「は」も、鍵のOも、それから〇〇Aの「へ」も、 昔はちょっと発音が違っていたので、書き方も違っていた。
現在は、書き方だけが残ったということです。
現在の金づかいでは、音に合わせて表記するというのが 原則になっています。
でも、「は」と「お」と「へ」だけは例外として、 歴史的な表記がそのまま残っているというわけです。
昔の日本語の発音の変化と、 それから、それを大事にしよう、残そうとした書き言葉の歴史が重なっていることで、
「は」とか、鍵のO、そして〇〇Aが、 読みと書きで違うということが起こってきています。
言葉は生き物のように変化しつつも、 どこかにルーツを残しているっていうのが面白いですよね。
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それではまた明日。