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2025-05-19 04:25

【1081】 2025/05/19 一二三は大繁盛 #ことば

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2025/05/19

サマリー

数字の文化的な意味について、特に漢数字や江戸時代の数字の読み方から、昔の人々の知恵やユーモアを探求しています。

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おはようございます。花火鑑賞士、気象予報士の鶴岡慶子です。
この配信では、花火や天気、言葉に関することなどをお話ししています。毎朝更新している恋の日記です。
数字の文化的意義
今日も最後までお付き合いください。今日は、数字が持つ文化的な意味について、ちょっと面白いお話をしたいと思います。
普段何気なく目にする数字ですが、実はその並びとか欠けている数字に、昔の人たちは深い意味とかユーモアを込めてきたんです。
まずは、これどう読むでしょうか。 漢数字の1から7まで並んでいます。
答えは、はじしらずと読むんです。 そのまま読みますと、1、2、3、4、5、6、7ですね。
あるいは、和語の古い数え方で読むと、「ひふみよいむな」という風に読むかもしれません。
なぜ、はじしらずと読むのか。 これは、儒教の考え方に由来しているそうです。
儒教には、四八徳というとっても大切な教えがあって、その八つというのは何かというと、
親孝行、兄弟の仲、真心、信頼、礼儀、正義、清廉さ、恥じる心。
この八つの徳を大事にしましょうという教えなんです。
ところが、1から7までの漢数字が並んでいるこの言葉は、7で終わっているわけです。
8番目のはじが抜けている。
そこからはじがない、はじしらずと読むという、いましめが込められているそうです。
こんな裏メニューみたいなことがあるとは、びっくりします。
ここまでのお話は、8がないというお話ですが、
日本語の8の使い方については、過去回、2024年の9月17日に、
日本語の8の使い方、ハッシュタグ言葉の中でお話をしています。
ぜひそちらも、あわせておきください。
江戸時代の読み方
もう一つ面白いのが、江戸時代、1・2・3・八という、ちょっと変わった八語がありました。
八というのは、八語の八です。
地域やお店によっては、ひふみやと読まれることもあったそうです。
江戸時代の数字の読み方は、1・2・3・4・5・6・7が一般的だったので、
1・2・3・八と読まれていただろうとされています。
今度は、4が抜けています。
ということは、これをどう読むかというと、
4がない、仕事がないと読むということで、
イコール暇だってことなんですね。
看板を1・2・3・八と掲げていますと、
通りすがりの人とか常連さんから、
おや、4がないねと声をかけられる。
そしてそれに対してお店は、
えー、仕事がないもんで、とか、
えー、4がないもんで、と返すのが江戸っ子の粋なやりとりだったそうなんです。
実際には仕事がなく暇、その暇がないということですから、
逆説的に仕事がありすぎて暇がない。
暇がないのは仕事がありすぎるからだ。
つまり、大繁盛しているということを表現しています。
江戸っ子の町民文化っていうのは、直接的な表現よりも、
こんなふうに数字とか言葉遊びで、
本音とか願いを表現するのが意気とされていたんですね。
数字の深い意味
数字っていうのは、ただの記号ではなくて、
日々の暮らしとか願い、ユーモアとか、
忌ましめを表す大事な道具だったっていうことなんでしょうね。
身の回りの数字の並びとか、
ちょっとした言葉遊びにも注目してみると、
もしかしたら昔の人の知恵だったりとか、
心意気が見えてくるかもしれませんね。
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合わせてご利用ください。
それではまた明日。
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