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おはようございます。鶴岡慶子です。 この配信では、花火や天気、言葉に関することなどをお話ししています。
司会やナレーションを通じて、日々感じたことなどを語る声の日記です。 日本の秋田県から毎朝更新しています。
今日は、言葉のお話です。 昨日は、あちこち運転して、出かける前にメーターをリセットしましたので、わかりやすかったんですが、
昨日1日で200キロ走ってました。 かなり長距離ドライブをしたなって思います。
こういう日は決まって、録りためたラジオやポッドキャストを聞くんですけれど、 あるパーソナリティが、
それはもう、言わんや〜をやですよね、と言っていました。 言うまでもなく、とか、ましてや、なおさら、みたいな意味で使っていました。
この言わんや〜をやってあれだわ、と。 「言わんや悪人をや」だわ、って思ったんです。思い出したんですね。
その前後ってどういう文章だっけと思って、気になったので整理してみました。 善人なおもって往生をとぐ、言わんや悪人をや。
これでした。 これを言ったのは、親鸞です。
日本史や倫理の教科書で習ったでしょうか。 言わんや〜をやというのは、これが成立するならば、これならなおさら成立するよ、
っていうことを言いたい時に、それを強調したい時に使う言葉です。 Aが成立するならば、なおさらBも成立するよね、っていうことですね。
『歎異抄』の中の親鸞の言葉。 良い人は往生をする、良い人は救われるっていうことですね。
まして悪人ならなおさら救われるよね、っていうことになります。 一回聞いただけだと、あれ、善人よりも悪人が救われるっていうことなの?
あれ逆じゃないの?ってなったりします。 善人なおもて往生をとぐ、言わんや悪人をや。
すっかり忘れていたので、そう思っちゃったんですけれども、 この善人、悪人という定義に注目しますと、解釈が変わってきます。
悪人は悪いことをしている人、した人のことじゃないんですね。 今、悪い結果を受けて苦しんでいる人のことなんです。
ということで、善人はその逆なんですね。あまり今は苦しんでいない人。 ですから、この善人なおもて往生をとぐ、言わんや悪人をやは、
あまり苦しんでいない人でも救われるんだから、 今本当に苦しんでいる人はなおさら救われるよね、という、そんな意味になります。
ああ、そういえば、そう言ってたなと、そう習ったな、ということを思い出しました。 例えば、小学生でも理解できる問題だ、言わんや大学生をや、
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っていう、そんな会話ができたらかっこいいなって思います。 ぐっと頭が良さそうに聞こえます。
小学生でも理解できる問題なんだから、まして大学生ならなおさらだよね、っていうことなんですけれども、後から出てくる大学生がぐっと強調される感じがあります。
同じような言い方としては、言わずもがな、という言葉がありますけれども、 これは私もよく使うんです。
ですけれど、この言わんや〜をやって、本当に味わい深い言葉だなと思って、 表現のバリエーションとして、そして強調できる言葉として使いたいなって思いました。
ラジオやポッドキャストって、いろんな言葉にもこうやって出会えるんですよね。
「耳学」という言葉がありますけれども、耳から聞こえて学ぶっていうことなんですけどね、 その時間これからも大切にしたいと思いますし、そうやって出会った表現をまたここでもシェアしたいなと思います。
この配信はアップルポッドキャスト他各種プラットフォームでお届けしています。 ではまた明日もお会いしましょう。
鶴岡慶子でした。