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2026-02-11 21:17

#94 ゴッホの思想に迫る言葉、ゴッホの自然観 / 小林秀雄『ゴッホの手紙』朗読解説その2

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今回は、小林秀雄さんの『ゴッホの手紙』。

小林秀雄さんはゴッホの「烏のいる麦畑」という絵に感動しました。
彼はゴッホの絵から何を感じたのか。この本から感動が伝わってきます。
ゴッホの関連の本を何冊も読んできましたが、この本が最も良い本かもしれません。
いや、ゴッホだけに限らず、芸術批評においても、この本を外すことはできないほど、芸術批評の魅力が詰まった本だと感じています。

サマリー

このエピソードでは、小林秀雄の『ゴッホの手紙』を朗読・解説し、ゴッホの思想と自然観に迫ります。特に、ゴッホが弟に宛てた「都会人になってはならぬ、田舎者でなければならぬ」という言葉は、口先だけでなく、行動を通じて内なる沈黙から生まれる真の働きを説いています。また、ゴッホの自然観は、裕福な人々が季節の移り変わりとして眺めるものではなく、貧しい者にとって生活を脅かす冬の厳しさそのものであると捉えられています。これは、困難な手仕事を通じて揺るぎない自己を形成していくことの重要性を示唆しており、現代社会における仕事の意味を問い直す内容となっています。

ゴッホの手紙に見る「内的沈黙」の重要性
それでね、ちょっと、ゴッホの手紙の文章を読んでみたいんですけどね。
近藤寺の手紙の文章。
もうごめん、もうごめん。この文章がね、ゴッホの手紙の中で一番好きな言葉なんですけどね。
ちょっと読んでみますよ。
弟に当てた文章ですね。
どんなに文明人になってもいいが、都会人になってはならぬ。
田舎者でなければならぬ。
どうも正確な表現ができないが、
口を開かずに働かせる何かしらが、人間のうちになければならない。
喋っている時でさえ、喋っていることを超えたあるものを、
繰り返して言うが、行為に導く内的沈黙というものがなければならぬ。
立派なことを仕遂げるには、そういう道しかない。
なぜか。何が起ころうと驚かぬ、ある感情を人間は持つからだ。
働く。
次は、僕は知らない。
手文章なんですよ。
ちょっともう一回読みますね。
どんなに文明人になっていいが、都会人になってはならぬ。
田舎者でなければならぬ。
どうも正確な表現ができないが、
口を開かずに働かせる何かしらが、人間のうちになければならない。
喋っている時でさえ、喋っていることを超えたあるものを、
繰り返して言うが、行為に導く内的沈黙というものがなければならぬ。
立派なことを仕遂げるには、そういう道しかない。
言うんです。
いやー、いい言葉ですね。
ここで言ってる、都会人って、文明人になってもいいがって、
誰もが文明の利器に、農家に預かっていいと思うんですよ。
今だって別に、スマホを持つのダメだって、そうならないでしょ。
だから文明人になってもいいんだが、都会人になってはならぬと。
田舎者でなければならぬと。
ここで言ってる都会っていうのは、都会に住んではいけないってそういうことじゃないんですよね。
田舎に住まないといけないってそういうわけでもない。
何も農業をやらないといけないってそういうことじゃないんだと思うんですよ。
そういうよりかは、ここで言ってる都会人って言ってるのは、
口先だけで生きてる人のことを言ってるんですよ。
理屈が先行しちゃって、あとはばっかりで物事を考えちゃってっていう。
そういうことの人を言ってるんですよね。
そうじゃなくて、行動による、生きてみて、体現して、初めて語る沈黙の言葉があるだろうって。
立派なことをしとげるにはそういうことしかない。そういう道しかないんだって。
だからね、ごっこの絵にもね、ないしはごっこの手紙にもね、
そういう絵や手紙を通じて、彼が行動に導く内的沈黙っていう、
こういうものを感じないといけないんですよね、我々もね。
働く。次は僕は知らない。
そう言い切れるぐらい、働く次のことなんてもうないんだ。そんなこと考えなくていいんだって。
そう言い切れるぐらい、黙って働くってことが大事なんだっていう確信があるんですね。
だからね、ごっこのね、農夫は農夫でなければならぬって言うんですよ。ひたすら。
これはそういう意味なんです。
普言実行して語られるものがある。立派な仕事をするにはそうなければならぬって言葉が、農夫は農夫でなければならぬって言葉に込められてるんですね。
いい言葉ですね。
現代社会における「ブルシットジョブ」と手仕事の価値
こういう思いがあって、さっきの未礼の絵を感じてたし、
ごっほがひたすら、この初期の頃、この農夫の絵を描きまくっていたのも、こういう思いを込めて描き描いていたっていう。
なんかね、今日読まないんですけどね。読むんだったかな。どうだったかな。確か読まないんですけどね。
彼はね、手仕事ってことをとっても大事にしてたんですよ。仕事なんだって、やっぱり。
なんかそれを思い出さないといけないなーって本当に感じました。
2020年にブルシットジョブって本が翻訳されてね、そこに書かれてたのは、現代の4割の人が、実は無駄な仕事だってわかっていながらやっちゃってるんだって。
生活するために、お金のために。
本当にこのことと同じ言葉だと思ってるんですけど、そうじゃなくて、やっぱり仕事に戻らないといけない。
AIとか、そういうのが発達すればするほど、気にしみますね、その人の手をかけて、
生み出したりとか、仕事をするってことの価値とか意味とか、響きますね。
ちょっとね、この農夫は農夫でなければならぬってこれね、まだまだリフレインのように聞いてくるんで、
それで次読んでいきますね。
ゴッホの自然観:貧しい者にとっての冬
これも同じ時代のときに書かれてた手紙なんですけどね、ここからちょっといい話に入ってくるんですよ。
ちょっと読んでいきますね、まずはね。
小読みでは今日から春だという日 別にこれというようもないのだが
ただ春はもうそこまで来ていると 自分たちに言い聞かせたいのだ
と言った風な様子で 青白い
しなびた顔が いくつもいくつも
戸口から出てくる 眺めていると
いかにも痛ましい こういう天気や季節の移り変わりについての感情では
貧しい人と画家とは共通したものを持っていると思う もちろん誰にだってある感情ではあるが
楽な暮らしをしている中流階級にはさして重要なことではないし 心の枠まで変えてしまうといった影響力はない
寒さが冬の麦に応えるくらいには 僕には冬は応えるよ
とある甲府が言っていたが特徴のある言い方だ っていう
言葉なんですよ これどうしようかなちょっと続いて読んじゃおうかな
これに対して続いて小林秀夫さんの言葉が続くんですよね ちょっと読んでみましょうかね
これが後方の自然というものに関する考え方なのである 特徴ある考え方だ
研究所に通う 画学生には夢にも考えつかぬ自然感である
後方にはモデルを雇う金さえなかった そんな男は専門画家とは言えない
専門画家ってまあ絵を何枚にする人のことですね そんな男は専門画家とは言えない確かに後方は専門画家ではなかった
何の因縁か絵筆を握らされた貧乏人にすぎなかった 特徴はそこにある
モデル女を描きすぎた画家は自然もモデル女のように見るようになるだろう そういう専門画家の陥る罠を後方はまるで知らなかった
自然は美や真理を提供してくれるモデルではない 自然とは貧乏人に応える冬のことだ
答えない人はおそらく人間の一部を廃用したのだろう これは後方の思いついた逆説ではない彼が偲んだ生活そのものである
って言うんですよ ちょっとなんとなく伝わってきました
一回読むだけじゃちょっとつかみにくいかもしれないんですけど 朗読だけだと
もう一回 聞くともっと解像度が上がるかもしれないなと思っています
そうですよね もう一回読みます?
いいですか? もう一回5本の手紙から小林寺さんの文章まで読んでみていいですか?
1ページ分なんですけど
小読みでは今日から春だという日 別にこれという用もないのだが
ただ春はもうそこまで来ていると自分たちに言い聞かせたいのだと言った風な様子で 青白いしなびた顔がいくつもいくつもと口から出てくる
眺めているといかにも痛ましい こういう天気や季節の移りについての感情では
貧しい人と画家とは共通したものを持っていると思う もちろん誰にだってある感情ではあるが
楽な暮らしをしている中流階級にはさして重要なことではないし 心の枠まで変えてしまうといった影響力はない
寒さが冬の麦に応えるくらいには 俺には冬は応えるよ
とある交付が言っていたが特徴のある言い方だ これが後方の自然というものに関する考え方なのである
特徴ある考え方だ 研究所に通う初学生には夢にも考えつかぬ自然感である
後方にはモデルを雇う金さえなかった そんな男は専門画家とは言えない
確かに後方は専門画家ではなかった 何の因縁か絵筆を握らされた貧乏人にすぎなかった
特徴はそこにある モデル女を描きすぎた画家は自然もモデル女のように見るようになるだろう
そういう専門画家のうちいる罠を後方はまるで知らなかった 自然は美や心理を提供してくれるモデルではない
自然とは貧乏人に応える冬のことだ 応えない人はおそらく人間の一部を廃業したのだろう
これは後方の思いついた逆説ではない 彼が偲んだ生活そのものである
自然は美や心理を提供してくれるモデルではない 自然とは
貧乏人に応える冬のことだ
これすごい一節ですね そこから最後にかけて
豊かな暮らしをしている中流階級都会人にとっては 冬っていうのは単なる季節の移り変わりにすぎないんですよ
窓の外から眺める情緒的な風景にすぎないわけですよ でも貧しい者にとって
農業を営む人にとって 冬の寒さっていうのは直接生活を脅かす
骨火に応えるような過酷な逆境なんですよ だから自然とは
貧乏人に応える冬のことだって
冬っていうのはそういうこと 自然ってそういうもんなんですよ
彼が偲んだ生活そのものである 彼が偲んだ生活によって感じ得た自然感なんです
これがね
これが一番好きな
秘訣ということで
選んだ理由みたいなっていうか そうですよね
「キャベツのようなカッコたる性格」を得るための手仕事
聞いてみたいなと そうですよね
ちょっと 次の文章もちょっとこれ
ちょっと同じ文章なんで ちょっとそこ読んでみてから
何か言葉にしてみますね
ここ橋手夫さんの文章なんですけどね
ごっほが人間の性格について 農夫は農夫でなければならぬという奇妙な定義を持ち出した真偽もおそらくそこにある
自然とは人体に応える冬のことだ だから働かねばならぬ働いて金の代わりにキャベツのようなカッコたる性格を得る
痛ましいことだ
ごっほは農夫は農夫でなければならぬという全く同じ意味で 画家は画家でなければならぬと言えた
軽有な画家であった ってここ橋手夫さん言うんですね
自然とは人体に応える冬のことだ だから働かねばならぬ
働いて金の代わりにキャベツのようなカッコたる性格を得る 痛ましいことだ
カッコたる性格を得る
どういう感じですか?
これはカッコたる自分になるってことだと思います
キャベツのようなカッコたる性格を得る
なんかねー キャベツって
自然の冬の自然の厳しさに耐えながら 時間をかけてその形をなしていくわけじゃないですか
だから人間も同じように 困難な仕事
手仕事を通じて 自分という形を形成していくんだって
こういう人たちはお金を直接得るというよりかは 本当にキャベツを得ているんですよ
だからお金を直接得れなくても自分が何者であるかって そういうことを掴んで
揺るぎない形が形成されていくっていう
それが農夫なんだって
うーん
なんか本当そうだなって思って 本当にそういきたいなって思って
思ってるから好きなんですね 僕がねここね
なんかよく本当にわかるなぁ
なんかこれ本当に多くのビジネスパーさんが 感じていることだと思うけれども
これ何の仕事なんだろうって やっぱ思う経験してきてると思う
なんかBtoBのビジネスとかだと 特にそう感じちゃうこととか多かったりするし
BtoBもとても大事な仕事をしてる BtoBの中にも手仕事あるんですけどね
なんかでもやっぱり これ何のための仕事なんだろうって
なんか僕もやっぱそう思って ちょっと働いてたところがあったから
うーん
なんかこういう手仕事をしたいなぁって
それがお金になるかならないか そんなことさえも横において
こんなんの仕事をしたいなって
なんか思ってるんですよね それを求めてる自分も
うーん
だから農夫は農夫でなければならぬって 本当に思ってるんですよ
農夫じゃない仕事やっちゃダメだもんって 思ってるんですよ
キャベツはあれですよね
自分 売れるキャベツは キャベツ自身は売れるために
たまにこうなんていうの 作ってないですもんね
何のためにって?
え、なんていうの 売れるために
売れるためにね
葉を増やして
はいはい 確かに確かに
そうですね それもなんかこう
今日一番最初に読んだところに なんかこう繋がってきますよね
未礼の話のところに
彼らは10人の子供の父親となり 彼らのために成し抜きをつなぎ
彼らのために自分の身を使い果たす
だから 食べてもらうために
人間だけじゃなくてもいい 虫でも含めて
自分の身を使い果たしてるっていうのでもある キャベツは
ですね
都会人とも繋がりますよね
ですね
次行きますか
21:17

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