1. 詩人の図書館 / 文学ラジオ
  2. #95 ゴッホにとってのキリスト..
2026-02-21 16:50

#95 ゴッホにとってのキリスト、芸術以上の高み / 小林秀雄『ゴッホの手紙』朗読解説その3

spotify apple_podcasts

"今回は、小林秀雄さんの『ゴッホの手紙』。

小林秀雄さんはゴッホの「烏のいる麦畑」という絵に感動しました。
彼はゴッホの絵から何を感じたのか。この本から感動が伝わってきます。
ゴッホの関連の本を何冊も読んできましたが、この本が最も良い本かもしれません。
いや、ゴッホだけに限らず、芸術批評においても、この本を外すことはできないほど、芸術批評の魅力が詰まった本だと感じています。

サマリー

本エピソードでは、小林秀雄の『ゴッホの手紙』を朗読・解説する。ゴッホはキリストを「芸術家中の最大の芸術家」と捉え、人々を「不死の人間」として創造したと解釈する。これは単なる芸術を超えた境地であり、生きる芸術、不死の芸術を示唆している。しかし、ゴッホ自身は画家としての生活の厳しさや報われなさに苦悩し、芸術への愛が真実の愛を失わせるという詩人の言葉を引用する。この苦悩と葛藤を通して、ゴッホの芸術観と人間性が深く掘り下げられる。

ゴッホのアルル時代とキリスト観
次はね、ゴッホがですね、アルルっていうところに移ってからの話なんですよ。
ゴッホって、オランダにいて、パリで弟と一緒に住んだんだけども、
ちょっと2年ぐらいが限界で、出て行って、アルルっていうところに住むんですけれども、
ここで結構、ゴッホが開花していくという時なんですけども、画家としてね。
この時に書かれていた手紙で、キリストに関することですね。
ゴッホって、父さん、両親からも見放されちゃって、
だから、プロテスタントになろうとしたけれども、
当時の教会の人たちに否定されちゃったから、
父さんとか、伝統的なキリスト教会っていうことを、いいに嫌ってたんですよね。
なんだけども、キリストは愛してるんですよね。
ゴッホはね。
キリストとキリスト教会、キリストとキリスト教はまた別ですからね。
キリストは、別に宗教を作ろうと思ってた人じゃなくて、宗教っていうのは亡くなった使徒たちが作ったもので、
イエス自身は一人の人間として生きた人だから。
ちょっと読んでみますね。
キリスト一人だ。あらゆる哲学者、魔術師たち、その他の中でキリスト一人だ。
永遠の生と無限の時と不死こそ確実であると断言し、
平安と献身との必要、その存在理由を確現したのは、
彼は清らかな、生きた、芸術家中の最大の芸術家として、
大理石も粘土も石けさえも軽蔑して生きた体で働いた。
つまりこの未聞のほとんど考えがたい芸術家は、
馬鹿げた神経的な、僕ら現代人の頭脳の
とんまな手段を用いて絵も描かなかった。
彫像も作らなかった。本も書かなかった。
彼は堂々と断言した。
彼は生きた人間たちを作った。不死の人間たちを作った。
こういう考えは、ベルナール君、僕たちを遠い、実に遠いところまで導いていく。
芸術家以上の高みにまで連れて行く。
生きる芸術というものと、生きながら不死である芸術を垣間見せてくれる。
そう捉えてたんですね。
語法は、キリスト、芸術家中の最大の芸術家だって言ってるんですね。
だから教えを聞いて、キリストについてきた、従った人たち。
そろそろと多くの人たちが従って、
聖書の中には、民が書かれてるけれども、
その人たちをキリストの芸術作品と見た。
それに自分も含まれるわけですよね。
うん、うん、そうなんですよ。
キリストが死してなお、
死を超えてなお、自分という芸術作品に繋がっているわけですもんね。
うん、うん、そうです。
彼は生きた人間たちを作った。
不死の人間たちを作った。
こういう考えは、僕たちを遠い、実に遠いところまで導いていく。
芸術以上の高みにまで連れていく。
生きる芸術というものと、生きながら不死である芸術を垣間見せてくれる。
うん、生きた人間たちを作ったってね。
うん、なんですよね。
生きてるんですけどね、私たちはね。
これちょっといろんな捉え方があってよくて。
うん。
うん。
まあでも、死んだように生きている人間が、
イエスに触れると、自分として生き始めるっていう。
うん。
キリストの芸術と人間創造
だから生きた人間たちを作ったって。
そういう意味でもあると思うんですよね。
不死の人間たちを作ったって。
魂は不滅なんだって。
イエスは、私たちの中で強く死んだ後、生きてますからね。
死者も生きているっていうことなんですけど。
ある実在として。
うん。
いやー、すごいね。
すごいね、それを芸術家と見ているのか。
生きた人間たちと、
永遠の命を持っていることを気づいた人間たちを生き出した芸術家っていうことですよね。
うん。
こういうことも目指したかったんでしょうね。
今日読むつもりなかったんだけどね。
どこだったかな、どっかの一節でね。
これちょっと、近いときに書かれた言葉だと思うんですけどね。
僕はいつもこんな気がしている。
現代の絵画は、ギリシャの彫刻たちや、ドイツの音楽家たちや、フランスの小説家たちが達した、
澄み切った山頂と同じ水準にまで達しなければならない。
孤立した個性の力を彫刻しなければならない。
そうなれば、画家たちは、一段となって共通の思想を実現しようと協力するであろう。
手に。
手にまさに。
そうですよね、ドイツの音楽家たち。
バッハ、ベートーベン、ワーグナーとか、あの子だと思いますけど。
フランスの小説家もね、何回も出てくるんですよ、手紙に。
ゾラだったり。
だからゴフって、相当いろんな小説読んでたし、文学読んでたし、
いろんな絵画を味わってたし、
それに関する言葉も手紙で紡いでたし、
なかなかの人ですよね、本当。
そこで感じ取ってたのは、やっぱりこういう、
キリストが生きて体現した芸術っていうものを感じてたんでしょうね。
画家としての苦悩と芸術家の愛
自分の作品もそういうところまで達しないといけないって。
だんだんゴフゴフに感情移入じゃないけど、
この、「わーわかる?」みたいな感じで、
これだよねーっていう、自分に矢印が向いてきますね、だんだん。
そうなんですよ。
なんかね、納婦とか画家とか、
もちろんその人たち自身も、自分たちがその、
納婦として、画家として歩んでいるときは、
何ていうか、必死でこうやってるから、
自分はこれでいいのかなんて思ったりしないのかもしれないんですけど、
なんか、自分は今世何ができるんだろう?みたいな。
何が残せるんだろう?とか、何が、
えーと、この、ね、この、
ここに置いていけるんだろう?みたいな、この、
自分の一生をかけて何を残していけるんだろう?みたいな、
とって、思いますもんね。
思う。思ってる。いつも思ってる。
時々忘れるけど。
でもこのもどかしさっていうか、はがゆさっていうか、
コウホーみたいな人も、それに悩み続けて苦しみ続けてというか、
はがき続けて、
生きていたのか、
ベートーベンとか、アンパンマンとかの、
過去の偉人たちが到達した地点を専望しながら、
でもゴッホがそうなってるっていう、最終的に。
私たちにとってはゴッホはもうそうなっているみたいな。
ねえ、そうなんですよね。
こういうふうに生き切ったっていうね、ことはね。
これちょっと続き、
読んでいこうかなぁ。
手紙の続き。これベルナールにあてた手紙なんでしょうね。
ベルナールくん、僕たちは遠い、実に遠いところまで導いていくって言ってるから。
生きる芸術というものと、生きながら不死である芸術を垣間見せてくれる。
しかし、僕ら自身の実生活は誠にみすぼらしい。
僕ら画家たちの生活はみすぼらしい。
この恩知らずの地球上の上では、
ほとんど実際の役にも立たぬ、画家という職業の困難な、
馬鹿らしい区引きの下に、虚しく月日を送るのだ。
地上では、芸術への愛が真の愛を失わせているのだ。
手紙ここで終わるんですけどね。
小橋二代さんの言葉を続き読むと、
最後に付した言葉は、
ジャン・リュシュパンの言葉で、
パリ時代、旅行中の弟への手紙の中でも、
同じ言葉を後方は引用して、
恐ろしいほど本当のことだと言っている。
真の愛は芸術を懸念させるに至るだろう。
35歳になって、
妻も子供も望まなくなったとは悲しいことだ。
その反対であって叱るべきではないか。
小林秀雄の芸術批評
と言っている点ですね。
もう一回読むと、
しかし、僕ら自身の実生活は誠にみすぼらしい。
僕ら画家たちの生活はみすぼらしい。
画家って自由でロマンチックって思われるかもしれないんだけど、
違うわけですよね。
とても貧しくて、孤独で、みすぼらしいんだって。
この恩知らずの地球上の上では、
どれだけ描いても、
どれだけ描いてもこの地球上の世界では、
報われないんだって。
評価されない、売れない、
生活は苦しいって。
だから、
ほとんど、
実際の役にも立たない、
画家という職業の困難な、
馬鹿らしい首輝きの下に、
虚しく月日を送っているのだって。
でね、
この引用してる、
ジャンル出版のフランス詩人ですけれども、
芸術への愛が真の愛を失わせているのだって。
これを何度も引用してると。
真の愛は芸術を懸念させるに至るであろう。
35歳になって妻も子供も望まなくなったとは悲しいことだ。
その反対であって叱るべきではないか。
これね、
芸術を最優先してしまうがゆえに、
人を愛する力、家庭を持つ力が、
削られてしまってるんだって。
そういうこと言ってるんですよ。
でもね、
本当は言い換えしたいですよ。
本当の真の愛っていうのは、
愛を生むわけじゃないですか。
芸術と愛は別に対立するもんじゃないんですよ。
でも、こう言いたくなるぐらい、
報われないし苦しいんですよ、生活がね。
お前のは下手だと言われ、
誰も身向きもしないって。
やだなぁ。
あなたは受け取るものが大きいから、
言葉にならないですね。
そうですよね。
いや、でも素晴らしいなぁ。
本当にいいですね。
ちょっと僕からさらにいい場所なんですよね。
小林秀夫さんの真骨頂って感じのところに入っていくんですよ。
ちょっと読んで、次扱っていっていいです?
16:50

コメント

スクロール