| 今回は、マルクス・アウレリウスの『自省録』です。 本書を取り上げたのは、三谷隆正さんの高弟である神谷美恵子さん訳だからであります。 本書は、マルクス・アウレリウスの手記、いわゆる日記のようなものであり、 それゆえに、後世の人々に響くものになっています。 私のお気に入りの箇所をピックアップして、叡智を探求できればと思います。 |
サマリー
このエピソードでは、マルクス・アウレリウスの『自省録』と神谷美恵子さんと三谷隆正先生との師弟関係が探求されています。神谷美恵子さんの著作や日記を通じて、二人の深い絆や影響力が明らかにされます。また、彼女と三谷隆正先生の深い師弟関係が描かれ、特に師の死に対する彼女の思いや『自省録』の重要性が強調されています。
自省録の紹介
- こんにちは。- こんにちは。
- じゃあ、じゅんさん、今日はどんな一冊ですか?
- はい。今日はですね、
- 岩波文庫から、
- マルクス・アウレリウスの自省録。
- おっ。
- おー。
- 神谷美恵子さん役。
- いいっすね、これ。
- 有名っすよね。
- めちゃくちゃ有名だね。
- うーん。
- 古典中の古典。
- 古典中の古典。
- うーん。
- 飲もうと思ってて読んでないかもな。
- あっ、そうなんだ。
- はい。
- 本棚には入ってる?
- なんかね、あ、いやいやいや、買ってないかも。
- あっ、ほんと。
- すごい何度かでも手に取ったことあります、本屋で。
- あっ、ほんと。
- 読もうかなーみたいな、有名だよなー。
- ねー。
- はい。
- 100分で名調でもやってたんだよね。
- うーん、最近ですか?
- いや、最近じゃないと思う。
- 僕ちょっとオンデマンドで見てるから、
- ちょっといつも伝えたのか記憶しないけど、
- あの、嫌われる勇気とかで有名な、
- 岸見先生が。
- うんうん。
- 指南者として。
- うん。
- なんか、それも良かったけど、
- 今日なんかパソコンでから、
- 拾われてないようなところを扱いたいなーと思っております。
- いいですねー。
- はい。
- で、これね、やっぱりね、
- 神谷美恵子さんが、
- 役してるってところがいいんですよねー。
- あっ、そっか今さらっと聞き流してたけど、
- そっか神谷さん、あの生き甲斐についての?
- そうなんですよー。
- そうなんだー。
- で、前回ね、
- 三谷隆雄さんの幸福論を扱って、
- 実は神谷美恵子さんの師匠が三谷さんだったって話、
- ありましたね。
- 話したと思うんですけど、
- それであの神谷美恵子さんの本を今、
- また再読し始めていて、
- で、本当にこの自生録で、
- 何度か読んできたんだけど、気づかなかったんだけど、
- 今回これを選んだ理由はね、
- これ冒頭のところで、
- 実は、
- ここ、
- 三谷隆雄先生に捧ぐって書いてあるんですよ。
- あ、本当だー。
- ここね、まあ、
- よくいろんな本に書いてあるじゃない?何に捧ぐみたいな。
- まあ自分の子供だったりするしとか、
- まあ結構読み飛ばしちゃって、意外と記憶に残ってなかったりもするけど、
- そんな。
- 改めて見たら書いてあるやんみたいな。
- びっくりしました、もう。
- びっくりしました。
- この本ってさ、一応断片集みたいな感じだから、
- もうどこ読んでもオッケーみたいな感じなんですよ。
- だからそれこそトイレとかに寄せたりして、
- 入るためにバラバラ開いて、みたいな感じで読んでたんだけど、
- まさかここに三谷先生の名前があって、
- 捧ぐって書かれてるとはと思って、
- そう。
- そうなんですよ。
神谷美恵子と三谷隆正の関係
- それでね、僕あの神谷美恵子さんの本の中で、
- 三谷先生について述べてるものないかなと思って、
- あのあれ以来ちょっとバーって読み漁ってたんですよ。
- で、あの、僕神谷美恵子さんの、これミスズ処方から出てる、
- あの著作集っていう、
- 全10、何冊あるんだろう、これ2,3冊ぐらいあるんだけれども、
- これをあの、もっかいパラパラ見て、
- で、日記があるんですよ。
- これ2つ日記が出てるんですけど、
- はいはい。
- で、この日記の中に、
- 三谷先生とのことが書かれてあるところを見つけたんですよ。
- 確かに日記は出てきそうですね、なんかね。
- そうなんですよ。
- そんだけ重要な人物だったら。
- 何回も出てきてるんですよ。
- 三谷さんの名前が。
- ちょっと紹介してみていいですか?
- ね、ぜひぜひ。
- なんか、自制力に入らずに、ちょっとあの、この、
- まず三谷さん、神谷美恵子さんと三谷さんの関係を扱うっていうか、
- なんかそこそこになっちゃってるんだけど。
- 行きましょう行きましょう。
- いやなんかやっぱり前回の流れで、なんかもうこの、
- なんだろうな、この捧ぐってところに、なんかちょっと、
- どういう思いがあったんだろうみたいなことをやっぱり知りたくなっちゃって、なんか。
- うーん、あの一行にいろんなものが詰まってそうだもんね。
- そう。
- 捧ぐのね。
- ねー。
- そうなんですよ。
- で、明確にその随筆とかで書かれてはなかったから、日記の中でしかなかったから。
- うん。
- これ本当に些細な日記ですけどね、例えばね、
- 1942年4月22日水曜日晴れ。
- 三谷先生からご結婚に関するお手紙をいただいて、
- 神様の下さる制服を幼児のごとく単純に喜びを受けるご態度を嬉しく思った。
- とかね。
- とかね、そういうことが書かれてあるんですよ。
- うーん。
- なんかいいね、なんかその。
- いいでしょう。
- 先生のその断片が。
- うーん。
- ね。
- そう、例えばね、これ。
- 1944年9月6日水曜日晴れ。
- 夜、ワイコさん来たり、一時間ほど話して行く。
- あの人も苦しいところへ差し掛かってきた。
- ああいう、いわば愚痴話を、私はいつもぼんやりと聞いているのだが、
- みたいに先生だったらどうなさるだろう。
- つまらない困った話などと申し上げたとき、
- 先生の目が時々それらすべてを超えた喜びと力に輝き出して、
- 無言の中に私を泥沼の中から引っ張り上げてくださるのを思い出す。
- 良い聞き手とは黙って相手を喋らせておいて、無言の中に理解と力を与えるものだ。
- って書いてあるんですよ。
- へえ。
- これはなんかね、我々も聞くみたいなことを今、
- 学び深めてるとこ、土壌だからこそ、なんかすごいなんか、
- 学びになるね、なんだろう、なんだろう。
- いいよね。
- いい、なんかこの三谷さんと神谷さんの感じが、ちょっとずつ立体的に想像できてくる。
- その二人の関係性とか、みたいな。
- 遠征とかが。
- へえ。
- ああいう時に三谷さんだったら、三谷先生だったらどうするだろうって、どうなさるだろうって、
- そのことを思っちゃうぐらいの影響を受けてるんだね。
- うん。
- なんかこの時間、これ良かったのかなみたいなのってあるじゃないですか。
- この時あの人だったらどうしてたかなって思う人って、確かに誰しも一人二人いるかもしれないけど、
- 神谷さんにとってはそういう人だったんだね。
- うん。
- でこれ、1944年11月23日、木曜日晴れ。
- これもうね三谷さん亡くなってるんですよ、三谷先生はね。
- うん。
- 午後、三谷夫人をお尋ねする。
- 先生ありし日のままのお書斎で先生の思い出を伺う。
- この頃、自分のいい加減さにうんざりしていただけに、
- 先生のあの鋭く清い御礼の前に出るのは恐ろしかった。
- しかし、いつものように、ちょうど先生のいらした時のように反省せられて、清められ、励まされてきたく、
神谷美恵子の日記に見る師弟関係
- 人間として、また医師として、もっともっと自己に厳しく精進しようと心に誓う。
- もっと静かに愛情深く忠実になること。って書いてあるんですよ。
- うーん。
- 恐ろしかったんだ。
- すごいね。
- うん。
- なんかもうこれだけで、どれだけ影響を受けてたか、なんか伝わってきますね。
- 確かに。なんかじゅんさんに紹介してもらってもよかったなぁ。
- ひししと伝わるね。
- うん。
- それでさ、
- うんうん。
- もう一個の日記の方にさ、
- ミタニ先生が亡くなった時のことの日記があったんだよね。
- うーん。
- それちょっと読んでみるね。
- うん。
- 1944年2月18日金曜日。
- ミタニ先生が制御された。
- 制御って亡くなったってことだね。
- ミタニ先生が制御されたとの知らせを告げるトシコの声に朝、目を覚ました。
- 私の唯一の精神的恩師も、ついに地上より去り給うたか。
- 先生よりどれだけ導かれ、
- 先生にどれだけご心配をおかけしたかと思って呆然とする。
- 昭和10年以来いただいている数々のお手紙を読み直して朝を過ごした。
- 花を持って三鷹のお家へ伺う。
- 先生はいつもよりふくよかなお顔をして静かに眠っていらした。
- かすかな微笑みさえ頬のあたりに漂っていた。
- そばに座っていらっしゃるおばさまに向かってお辞儀をしたとき、
- おばさま、先生にはいろいろお世話になりました。
- 何の御恩往事もできませんでしたことをお許しくださいませ。
- これから一生懸命にやります。
- こんな言葉が思わず涙をついて出た。
- そして、いたたまれなくなって大急ぎで外へ出てきてしまった。
- 家の中は先生を慕う人たちでいっぱいだった。
- 去りかねて廊下の壁にもたれて泣いている女の人もいた。
- 学生や先生もたくさんいた。
- 先生の人格的感化はどれほど広く深いものであろう。
- お弟子の一人に加えていただけた幸せを思う。
- たとえ先生の要請通りに精神化をやらないで結核へ行くことができなくとも、
- 竹にいざわるる流れとのお言葉を守って、
- 一旦選んだその道を趣旨して恩返しをしようと心に誓う。
- 玉川浄水の流れに沿ってゆっくり歩いて帰った。
- という日記なんですよ。
マルクス・アウレリウスと自己超越
- いやー、これ、ある程度のボリュームが今あったじゃないですか。
- 純さんはどのあたりに特に、読みながらピビッとくるというか、
- ちょっと心が動くじゃないけど、どのあたりだったんですか。
- 初めて読んだとき、このおばさま先生にはお世話になりましたって言って、
- こんな言葉が思わず涙をついて出たって言われたときに、こっちまで涙出ちゃうよね、ほんとね。
- なんかねー。
- 僕なんか手紙のとこすごい動いたなぁ。
- あー、そうだね。
- なんか亡くなったって話を聞いてさ、会いに生まれの間にさ、
- 今まで交わした手紙を全部読み返すっていう。
- なんだろうなぁ。そうする人もいるだろうし、そうしない人もいるだろうなと思って。
- 三谷さんとの関係は、そうしたくなる人の関係だったんだなぁみたいなこと。
- ほんとだねー。
- 何か残りましたね、自分の中には。
- うん。
- いいですね。
- うーん、いいっすね。こっから触れていくのが、このラジオっぽいっすね。
- そうですね。
- これー、そうなんだよなー、なんか、そういうのもあって、
- この三谷貴政先生に捧ぐって、最初書いてあるんですよね。
- うーん。
- そうだね。
- 俺も恩返しの一つなのかもしれないですね、ほんとに。
- うーん。
- うーん。
- でもその、この時勢録っていう本の、
- なんだろう、根底に流れているものを、
- やっぱり捧げたくなったってことなのかな。
- あるんじゃないかなー、それも。
- うーん。
- なんか、これもうちょっと触れていくとだから、
- うん。
- それが何なのかってことと。
- うん。
- 今じゅうさんが読んでくれたところと、どっかで接続するかもしれないっていう感じですね。
- そうですね。そうだね。
- うーん。
- なんか、前回紹介したみたいに高政さんの幸福論の中で、
- こう、第一章って幸福論の歴史を扱ってて、
- ソクラテスからこのストア派とかローマ時代の哲学まで来て、
- マルクス・アウリリスの名前も出てくるんだけれども、
- そういうものはみんな自己内在論的で、
- そうではなくて自己超越論的な幸福の捉え方が大事なんだってことをみたいにさんは主張していくわけですよね。
- なんだけど、それはなんだろうな、
- だからといって、古代ギリシャの幸福論を否定してるわけじゃないんだと思うんですよ、みたいにさんも。
- それはそれでとっても学ぶべきことがあるし、大事な側面がある。
- だけども、今の我々は、その自己超越論的な観点を抜けてるんじゃないかってことで、
- 多分ああいうふうにみたいにさんは言ってるに過ぎないんだと思うんですよね。
- はい。
- うんうん。
- うんうん。
- だから、やっぱりこの今回のマルクサールリスの自制力にも、
- すごくみたいに先生の言ってるような態度と通ずるものは感じましたし、
- うん。
- うん。
- これを神谷美由子さんも大事にしてきたっていうのもなんかわかるなーって。
- うん。
- うん。
- やっぱりそうだよね、そうじゃなかったら笹がないよね。
- そうだと思う。
- うん。
- うん。
- じゃあちょっと行きますか、このマルクサールリスの自制力のほうに。
- うんうん。
- ね。
15:55
コメント
スクロール