| 今回は、マルクス・アウレリウスの『自省録』です。 本書を取り上げたのは、三谷隆正さんの高弟である神谷美恵子さん訳だからであります。 本書は、マルクス・アウレリウスの手記、いわゆる日記のようなものであり、 それゆえに、後世の人々に響くものになっています。 私のお気に入りの箇所をピックアップして、叡智を探求できればと思います。 |
サマリー
本エピソードは、マルクス・アウレリウスの『自省録』について考察しています。皇帝としての葛藤や、自己との対話を通じて哲学を深める様子が描かれています。
マルクス・アウレリウスの背景
ちょっとじゃあ、行きますか、このマルクス・アウレリウスの自省録の方に。
これ、マルクス・アウレリウスって、西暦121年に生まれてるから、もうおよそ2000年前って言ってもいいくらいの本ですよね。
うわー、素晴らしいね。
すごいね、本当に。
当時は何?なんか、羊の皮とか、髪とかないだろうから、そこに多分、書いたりとか、そういうものが、まあね、血の漫画じゃないけど、残され続けてきたっていう。
そうだね。そして、じゅんさんの手元に今ある。
本当に。で、これ、まずちょっと、役者上、ちょっと読んでおきましょうかね。
役者の始めにみたいなこと。
そうですそうです。
この本がどういう本かってことを端的に書いてくれてて、わかりやすいので、ちょっと読みますね。
プラトンは哲学者の手に政治を委ねることをもって理想としたが、この理想が歴史上ただ一回実現した例がある。
それがマルクス・アウレリウスの場合であった。
大ローマ帝国の皇帝という地位にあって、多段な公務を忠実に果たしながら、彼の心は常に家に向かって沈船し、哲学的思索を生命として生きてきた。
組織だった哲学的研究が、常実に従事する暇こそなかったけれど、俺に触れて心に浮かぶ考えや思想や時勢、誓いの言葉などを断片的にギリシャ語で書き留めていく習慣があった。
それがこの時勢力として伝わっている主義である。と書かれてます。
なるほどね。大ローマ帝国の皇帝? 皇帝です。
なるほど。
当時五賢帝と言って賢者と言ってもいい皇帝が五人いて、そのうちの最後の皇帝で、そのうちの一人。
だけどここで書かれてある通り哲学者が政治を持つというこの理想が歴史上ただ一回実現したって言ってるから、それぐらい五賢帝の中でもやっぱりマルクス・アールリウスは特別だったのかもしれないね。
ちょっと五賢帝についてそんなに詳しくないけれども。
哲学と日記の関係
そうだよね。
元々マルクス・アールリウスって哲学者になりたかった人なんですよ。
そうだったんですか。
なんですけれども皇帝に。
すごいですね人生の不思議ですね。
なるっていうね。
いろいろなことがあり皇帝になったんだ。
そうなんですよ。それを引き受けたんですよね。
引き受けたんだ。
本当は自分は哲学者でいたいのにっていう思いもあって、そういう葛藤とかも書かれてある。
そうか。
いやいやそうじゃないだろお前って言って。
この皇帝として政治を振るうことが何よりも哲学の現場だろうって自分に言い聞かせてるんですよ。
そうだよね。だから本当に現実みたいなところと直面するだろうし、いろんな葛藤とか、
試作、試行の中だけで漂うことはできない許されないポジションですよね。
その中で葛藤しながらも自身のそういう哲学的な試作を深めていく。
この内勢の、いわゆる自分の記録?
日記って言うと軽すぎるけど日々書き留めてたものの断片集ってことなのか。
そうなんですよ。
それこそ中田さんがね、自分の見せてくれてるああいう感じまさに。
日々のね、日記とかね、自分の内勢のね。
確かに、それのレベル100みたいなやつか。
現代はね、自分自身にっていう現代なんですよこれ。
ここがやっぱ大事で、あくまでこれ自分が自分に当てた文章なんですよね。
自分が自分のために書いてる文章なんですよ。
ここを押さえて読みたい。
し、これが哲学になるってことなんですよね。
日記って哲学たり得るんですよ。
中田 ああ、それ面白いですね。そうなんだ。
だって、いわゆる日記ってほら、自分の中でも明確な答え見つかってなかったりとか、
自分の中にある、そもそも言葉として整理されてないものをとりあえず出すみたいな行為も多分に含まれるじゃないですか。
たぶんこの方もそういう部分あったと思うんですよ。
いわゆる哲学的な作品として一冊書くとは違うじゃないですか。
毎日自分の中でそれをバッと吐き出すように書く部分もあったと思うし。
なんかそれが哲学たり得るっていうのちょっと面白いね。
面白いね。どうしても哲学っていうと、この哲学者が論じてきたことを。
中田 発表みたいな。整理したものを発表しますみたいな。
感じだけれども、やっぱり英知を愛するっていうことが語源にあるから、
やっぱりこういう自分の内に宿ってる英知と向き合い、そこと対話し合い、生きていくっていうことがまた哲学の大事なところなんでしょうね。
中田 なんか皇帝って言われると距離を感じるけど、毎日そうやって自分の中であるものを書いてた人って言うと急に親近感湧きますね。
そうなんですよ。しかもすごい葛藤してたんだなってこととかが伝わってるし、
その弱い部分とかもたくさん載ってるから、すごい励まされるんだよね。
中田 いいっすね、なんか。
何回も同じようなこと書いてたりもする。
中田 ってなっちゃうんですよね。
そうそうそう。そういうもんだと思うんだよな。
中田 そういうもんですよね。なんか違う言葉で同じこと書いてるなみたいな。ぐるぐる回ってるみたいなね、こととかね。
うわーすごい楽しみ、触れるのが。
じゃあちょっといきましょうか。
06:51
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