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2024-02-15 18:58

e58 なぜ脂肪は美味しいのか + お便り紹介7

糖と違って、脂肪は味覚で感じるわけではありません。どうして脂肪の多い食べ物を好んで食べるのか、そして脂肪を食べると脳で何が起きるのかを調べた研究です。


番組最後に、なぁちゃんとXのDMに届いたコメントを紹介します。


https://www.nature.com/articles/d41586-023-03243-8

https://www.jneurosci.org/content/43/47/8000


なぁちゃん出演のポッドキャスト:日々の暇

https://open.spotify.com/show/1oe0gfdnu0Og6K8JC34UHs


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あの、やっぱり美味しい食べ物とそうじゃないものがあって、美味しいものって食べ過ぎてしまうんですよね。
で、美味しいかどうかっていうのは味覚だけの問題ではないんですよね。 例えば、匂いっていうのは味覚と密接な関係があって、美味しいかどうかに大きな影響があるわけなんです。
他にも、食べ物の見た目や音、さらには食感っていうのも大きな影響があるわけなんです。
で、それに加えて人が美味しいと感じるかどうかは個性があって、育ってきた環境の影響っていうのもあるわけなんです。
でも、そうは言っても多くの人が好む食品っていうのがあって、例えばアイスクリームみたいな甘くて脂肪が多いものっていうのは好まれるわけなんです。
で、当然そういうものってカロリーが高いので、現代社会ではそういったものが好まれるのが肥満の問題を生んでいるわけです。
でも進化的にはそういうものが好きで好んで食べるのであれば効率よくエネルギーを蓄えることができるっていうことなんですよね。
だから甘い砂糖とか脂肪っていうのは報酬としての価値があるっていうことのサインになっているわけなんです。
甘いっていうのは味なんですよね。だから例えば砂糖であればそれを感知する需要帯が舌にあるんですよ。
でも脂肪が感知されるのは味ではないとされていて、どういうふうに認識されているのかまだはっきりとした結論が出ていないんです。
その食感であるとされているんですけれども、具体的にどのような性質が認識されているかよくわかっていないんです。
今日は人を対象にした実験でその一端を明らかにしたものを紹介していきたいと思います。
ホットサイエンティストへようこそ、こなやです。
今日紹介する論文はケンブリッジ大学のプトゥー・コリさんとのらによる研究で、2023年11月にジャーナルオブニューロサイエンスに掲載されたものです。
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まず脂肪の食感の何が美味しいと認識されているのかなんですけれども、いくつかの説があるんですね。
その一つが粘度であるっていうところなんです。
脂肪が含まれると液体の粘り気が増すんですね。それが好まれているっていう説です。
もう一つの説があって、それは滑り摩擦係数の低下なんですね。
口の中で食品が動くときに摩擦があるわけなんですけれども、脂肪が含まれているとその摩擦が減るんですね。
それが好まれているという説もあって、この点も明らかにするということをこの研究の目的にしています。
実験のデザインなんですけれども、砂糖と脂肪の量を変えたミルクシェイクみたいなものを準備したんです。
砂糖が多いもの、少ないもの、脂肪が多いもの、少ないものの組み合わせで4種類できるわけですね。
それに加えて、タンパク質とか添加物を入れて、粘度とか摩擦を変えたものも使っています。
まず実際にそれらの液体の粘度と摩擦係数を測定しておきました。
その粘度については、液体をかき混ぜる時の力を測るみたいなやり方があるんです。
摩擦に関しては実際の環境に近い条件で調べるために、豚のベロを買ってきて、実際に食品を滑らせて測定をしたということです。
こういうふうにいろんな種類のミルクシェイクがあるわけなんですけれども、それを人間の実験参加者に飲んでもらったんですね。
ただ飲むんではなくて、舌をこういうふうに動かしてくださいみたいに指示を与えて、食感を確かに感じてもらったんです。
まず最初の日はですね、どういうふうに感じたのかを質問しました。
だからどれだけ甘く感じたかとか油っぽかったかとか濃厚だったかとかそういうのですね。
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さらに飲んだシェイクにいくらだったら払うかみたいな報酬としての価値をつけてもらったんです。
これでもってそれぞれのミルクシェイクがどれだけ好きだったか、どれだけ報酬として魅力的だったかっていうのがわかるわけです。
その結果なんですけれども、いくら払うかについては砂糖も脂肪も多いものが一番好まれていました。
いろんな種類のシェイクを飲んでもらっていて、それぞれが粘度とか摩擦係数とか甘さとかが違うので、そういった要素の影響を調べることができるわけです。
結論としては参加者が好んでいたのは摩擦係数の低いものなんですね。
逆に粘度が高いものは好まれていないということもわかりました。
脂肪を入れると粘度は上がって摩擦係数は下がるんです。
だからおそらく脂肪の摩擦係数を下げるっていう性質を美味しいと感じているんだろうっていうことがこの結果からわかったんです。
これが1日目の実験だったんですけれども、2日目、3日目はこの同じ参加者にファンクショナルMRIの測定を行いながらミルクシェイクを飲むっていうのをやっています。
ファンクショナルMRIっていうのは脳のどの部分が活動しているかを測定できる機械なので、脳の活動とミルクシェイクの味や食感との関係を調べたわけです。
これもいろんなシェイクを飲んでいるから摩擦の低さと関係あるのは脳のどの部位であるみたいなことが明らかにできるんですね。
その結果わかったのが、シェイクの食感に関係するのがオービトフロンタルコルテックスっていう脳の部位なんです。
これ日本語では眼下前頭皮質と呼ばれる部位なんですね。
これまでの研究で、この部位っていうのは報酬に基づく意思決定に関わるっていうことがわかっていて、その物事や状況の価値とか重要性を評価するっていう機能がある部位なんです。
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個人差はあったんですけれども、脳のこの部位が脂肪の食感と関係あったということで、食感とその食品の価値の結びつけをここでしているのではないかと考えられるわけです。
だからここまでの実験でもって脂肪の摩擦を下げるっていう性質が好まれていて、それが脳の報酬に関わる場所を活動させているというところまで明らかになったわけなんです。
さらにこの研究には4日目の実験があったんですね。
これは参加者には秘密にした実験だったんです。
何をしたかというと、見た目や風味は変わらない3種類のカレーが準備してあって、好きなのを食べたい分だけ食べてもらったんです。
この3種類のカレーなんですけれども、入っている脂肪の量が違うんですね。
だからこれまでのミルクシェイクとは全然違った食品で脂肪の量の違いが実際に食べる量にどんな影響を与えるのかっていうのを調べていったわけなんです。
全体としては脂肪の量の多いカレーが好まれたんですけど、これも個人差があったんです。
その前に行われていたファンクショナルMRIのデータ、つまり脳の活動のデータとこのカレーを食べた量のデータの関係を調べていったんです。
その結果なんですけれども、オービとフロンタルコルテックスと食感の関係が強い人ほど脂肪の多いカレーを好んでいたんです。
だから脳のこの部分の活動が実際に脂っこいものを食べるかどうかっていう行動とも相関があるっていうことが明らかになったんです。
でまぁ、アイスクリームみたいな脂肪がたっぷりのものって美味しいんですよね。
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でも脂肪の何が美味しいのかっていうのはこれまではっきりしていなかったんです。
今回の研究が完全な証明と言えるかというとわからないんですけれども、摩擦係数の低下がそれではないかっていうことを今回の研究は示しているわけです。
さらに脂っぽいものが好きな人とそうじゃない人がいて、その個性にまで脳の活動のレベルで研究をしたっていうものなんです。
糖や脂肪の取り過ぎっていうのは肥満につながるわけですよね。
今回の研究っていうのはその理由を理解して対策を生み出すような研究につながるかもしれないっていう、そんな研究だったわけです。
当番組ではいただいたお便りとかコメントを日々の伊藤真というコメディ番組に出演しているなあちゃんと一緒に紹介をしています。
いつもは独立したお便り会としてお届けしているんですけれども、今日は番組の最後に一つお便りを紹介するという形で行っていきます。
こんにちは、なあちゃん。
こんにちは、小林さん。
よろしくお願いします。
よろしくお願いします。
今回はですね、XのDMにいただいたコメントですね。
その中で小林さんがやりとりをされてるんですけど、そこを抜粋した形のものをご紹介できればと思います。
マシマシネット、ジローラーメンクラブさんからいただきました。
ありがとうございます。
ありがとうございます。
これはジロー系ラーメンがお好きなのかなってちょっと思いましたけど、違う方はごめんなさい、また教えてください。
まさにそういった感じのXのアカウントを運用されています。
やっぱりそうなんだ。
広いですね、リスナーさんの層が広いですね。
ではコメントをご紹介します。
これからも楽しみにしていますので、どんどんエピソードを出してください。
批判的なコメントも求めていらっしゃいましたが、批判的ではないですが、このポッドキャストは口調や声のトーンからして真っ昼間に聞くポッドキャストではないなと思っており、大抵夜聞かせていただいてますということでいただきました。
ありがとうございました。
ありがとうございます。
夜の男なんですね。
15:01
夜のポッドキャストなんですよね。
ちょっとアダルティーな感じになるかな。
いやーでも、僕はどっちかっていうと嬉しいかなっていう感じがしますね。
僕すごいポッドキャストをたくさん聞くんですけど、朝聞く番組と昼聞く番組と夜聞く番組っていうのがあって。
あれもあるの?
朝はニュースとかですかね、まだちょっと頭ぼーっとしてるから毎日流れてくるようなもんだと、ちゃんと聞いてなくてもまあいいかっていうのがあって。
あと昼ご飯、コロナもあって一人でご飯食べること多いんですけど、それポッドキャスト聞きながら食べてて、そういうのはコメディが結構昼の番組って感じが僕はあって。
真剣に聞きたい番組っていうのは夜聞くんで、そっち側になってるんだったらすごい嬉しいなっていうとこですね。
ちなみになーちゃんはどうですか?時間帯によって違うの聞いたりします?
そうですね、私はどっちかというと今のこのやさんの感じで言うと、私昼間の方が結構考えるやつというか、ちゃんと聞くやつは昼間聞くことの方が多いかもしれないですね。
夜はあんまり考えるやつ聞くと寝れなくなっちゃうので。
なのでこのやさんの音サイエンティストさんについても私は昼間聞いてますね。しかも休日の昼間です。
でももしかしたらこのやさんの話は口調とかって書いて、声のトーンとか口調って書かれたじゃないですか。
だから雰囲気じゃないですか、アダルティーな雰囲気が夜っていう。
そうですかね。寝む体っていう話も聞きますけどね。
あーでもね、わかりますわかります。
僕すっごいね、自分で編集しててすっごい寝ますね。編集しながら。
それはそこで言う寝落ちポッドキャスターなんよ。
そうかもしれない。
寝落ち用としてもぜひね、使えると思います。
確かに使えるかもしれない。
僕自身もね、眠れないときに自分の聞いて寝てますもんね。
じゃあもうお隅好きですね。
こういういつもと違う視点のお便りも面白いというか嬉しいもんですね。
そうですね。普段あんまり考えないことを考える機会になるので嬉しいですね。
はい、というわけで当番組ではお便りを募集しています。
18:02
Googleフォームから投稿することもできますし、
Spotifyでコメントを残すこともできますし、
こんな風にね、Xの方でDM等で送っていただいても大丈夫ですので、
何か感想とかコメントとか批判もありましたら、
そういった形で送っていただければと思います。
はい、では今回ご紹介するのは以上になります。
金谷さんありがとうございました。
ありがとうございました。
18:58

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