1. ラジオ産経ビジネスジャーナル
  2. 基礎知識を「詰め込み」応用力..

起業時の教室は地元の会館、宣伝は町内の回覧板、テキストはなし。
今回の経営者インタビューは大阪を拠点とする総合学習館「イング」の創業者で名誉顧問の青木辰二さん。
第3回目は、学習塾の経営者として成功した青木さんが、これまでの人生で心がけてきたモットーを教えます

【聞き手】安本寿久(産経新聞大阪本社・編集委員)


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00:00
はい、今晩のゲストもですね、株式会社イングの創業者で、名誉顧問でいらっしゃいます、青木達通さんです。今晩もよろしくお願いします。
よろしくお願いします。
今晩は3週目ということで、主にですね、教育者としての青木さんの考えられていることを伺ってみたいなと思っています。
これもいろんな資料を読ませていただくんですが、教育者として心がけておられたのは、成功体験の大切さを教えるだとか、
あるいは2つの非ということをおっしゃっているというふうに読ませていただきました。この2点についてまず伺いますか。
はい、教育者として言うよりも、人間として心がけてきたことかなというふうに思います。
普段僕は当たり前のことをきちんとするっていう部分、これ大事かなということと、
それと仕事もそうですけども、精一杯ですね、楽しむと。人生を楽しむって楽しんで何でもやればいいんじゃないかなと。
それから3つ目が本気。本気でやっぱり、本気が人の心を動かすなというふうに思いました。
で、2つの非っていうのはやっぱり普段の生活の中でも使ってはダメだなというのが比較と否定なんですね。
で、やっぱり人間って他の人と比べるとやっぱりやる気が出てこないんですね。
それから否定っていうのは否定されたらですね、やっぱり功労になるか、あるいは話す勤を失うか、どっちかじゃないかなと。
だからその比較と否定はしないようにっていうのは心がけてきましたね。
なるほど。学校教育では比較的…って言ったらおかしいですけど、比較されることが多いんですよね。
このあたりは塾経営者の立場から見られてて、学校はそういうところだから仕方ないのか、あるいは学校でもできることをしていないのか、どちらのほうで見られていました。
やはり一人一人の子供をきちっと見てあげることが大事だと思うんですね。
その子の良さを見つけて、その良さをさらに伸ばしてあげるとか、その子がやる気を出すにはどうしたらいいかっていうことであって、この人ができてるからこの子はできないとかダメやとかいう問題じゃないと思うんですよね。
となりますとね、僕も教育担当記者長かったんで、学校の先生たちに聞くと、何せ45人あるいは40人学級だとそんなことはできないというようなことをおっしゃる。
今は32学級くらいになってるわけですから、今はできるだろうと思うんですが、なかなかしてないなという気がして、学校の先生たちは本当に一人一人のことを考えているのかなという、僕の中で否定的な気持ちになるわけですが。
岡田はちむ君じゃないですけど、教育の塾という立場から学校を見られてて、そのあたりの学校の限界というのはあるんだというふうに同情的に見られてますか、それこそ否定的に見られてますか。
03:02
同情的に言えば、やはり先生の仕事量が多いんじゃないですかね。これが同情的にっていう部分と、それにカッコつけていうか、一人一人きっちり見てるかなという部分が、これはやっぱり感じますね。
なるほどね。校教育というと、学校の先生たちはいわゆる公務員なわけですね。ですから、身分も給与も保証されている中で教えられている。一方で学習塾は、生徒さんが来てくれなければ、それでも経営に成り立たないわけですから、良質の教育を提供しておかないと、自分たちも食べていけないという中でやっているというね。そこの真剣味の違いがあるような気がするんですが。
我々塾のほうは、自分たちの教育力を上げないとダメなんで、ですからやはり塾というのは一人一人きちっと見ていってという。一番シビアなのが、生徒アンケートを取ったり、保護者アンケートを取って、この先生の教え方が分かりやすいとか分かりにくいとか、そんなのをずっと取っていましたからね。でも学校は多分してないと思うんですね。
だから先生自身の反対に自分を一生懸命やろうという時間もないかなと思いますけどもね。やっぱりこれから特に指導者の役割と大きいですから、指導者の育成をどうしていくかが一つの課題だと思いますね。
もう一つ、ぜひこれを伺いたいんですが、学力の問題ですね。教育を長い目で見ると、昔は詰め込む教育がありました。それが子どもたちの人間性を育てないということで、今度は学習量を減らしてゆとり教育になったわけですね。
そうなると、分数ができない大学生が生まれたりして、学力低下問題が起こってきて、今度は脱をゆとりになっているわけですね。もう少し勉強しましょうということで。それがために小学生たちも重たい教材を持って、ランドセイで学校に行ったりしている。それもかえって問題だという議論が今出たりしていますが。こういう右を曲折を高級教育をやっているわけですね。
時々、青木さんは文科学省のやり方自体をどういうふうに見られていましたか。
教育というのは、どっちか偏りすぎてもダメだと思うんですよね。どういうバランスをとっていくかというのが大事だと思うんですけれどもね。文科学省のほうは特に、学習指導要領が2002年ですからね。要は今までの詰め込みはダメ。でも、基礎学力は詰め込まないとダメなんですよ。
そういう部分と、応用の部分で、今度は反対に応用力をどうつけるかというのがまた別なんで。今度はゆとりってなってもですね、気分的にはいいですけれども、人によって使い方が勉強する子もおれば、遊ぶ子もおれば、反対にそれによって格差がまた生まれてきてとなって、今またゆとりからやめようとなってきたかなと。
なんか一個言うたらそっち行かんとダメかなっていう部分がね、これも人によってやっぱりね、ちょっとこの子はゆとりをもってやったほうがいいなということ。この子はやっぱりこの部分は詰め込みで、バッて今覚えてもらわないとダメという部分が入ってくるんじゃないかなと思うんですけどね。
06:17
大きい機関組織ですから、大きく揺れていって、行き過ぎになってるというのがね、日本の教育の姿、歴史だというふうに僕は思うんですけども。
あの時にね、一番ね、僕は2000年の教育改革で、教育内容3割削減があったんですね。僕は保護者のお母さんに聞いたんですよ。お母さん、お父さんの給料3割削減されて、生活どうですか、いけますかって。3割で大きいでしょ。
大きいですね、はい。
学習しないようもね、3割もしたらダメでしょという部分で、我々塾のほうはしませんでしたけどね。
はいはいはい。
その辺りがね、僕に言わせると補完してくれたなという気がするんですね。となると、やっぱり塾に行かないとダメだというね、そういう考え方にもなってくるんですが。
だというとおりで、今評価されてるところってあるんでしょうか、青木さんの立場から。もう一度勉強し始めたということになるわけですが。
やっぱりね、この基礎学力をとにかくつけてもらおうという部分で良くなってるんじゃないかなという部分があるかなと。やっぱり基礎学については応用力もついてきますんで、そういう部分はある意味では評価できるかなというふうに思うんですね、だというとおりになって。
ただ、この反対にですね、知識の有無でこの反対に成績がまた決まるという部分が結構ありますんでね。
ですからなんかね、どっちか語りすぎてもあかんなという部分があって、一番の問題はやっぱり子どもたちのやる気をどう一緒に起こさすかでしょうね。
なるほど。そのやる気を起こさせる部分で青木さんはいろんなイベントをされたという話も一方で伺うわけですが、イベントをすることによって子どもたちのやる気というものを刺激するといったことも考えられていたんですか。
そうですね。大いに。だから体験という意味で、今はもうこの中で体験する機会がないと。修学旅行もなくなったりとか、運動会がなくなったりとか。やっぱり体験というのは、いろんな体験を子どもがするというのは非常に僕は成長に対して欠かせないかなというふうに思うんですけど、
昔から英会はピクニック一緒に行って、ピクニック行ったりとか、小学生ばっかりの英語のフェスティバリア行って、英語劇を会館の大きなところで発表会をやったりとか、いろんな機会を作りましたね。
校舎さんで書き合宿をしたりとか、いろんな体験学習をやったりとかいう部分はいろんなものをトライしてきましたけど、やっぱり子どもたちは生き生きするんですよね。だからそこからやっぱり友達との部分の話し合いとかいろんな部分が生まれてきますんでね。そういう体験というのは、やっぱりこれから我々塾、さらに体験というのは増やしていかないといけないのではないかなというふうに思いますけどね。
09:08
なるほどね。机に向かって鉛筆を持っているだけでは勉強していないということですよね。
どっちも大事ですよね。
でもそこを塾がやってくれるとなると、親御さんにとっては非常にありがたいなという気がするんですが、そこまでできたのは青木さんの情熱ですか、あるいは信念ですか。
僕はいろんなことをするのが好きでしたから、子どもに経験してほしいなという部分があったんで、考えられるやつはいろんなことをやりましたね。反対に保護者の方にもっと子どもたちのために考えてほしいと、普段の生活ですね。
親が一生懸命生活していないで子どもはしませんやん。
背中を見せるというところですね。
やっぱり子は親の鏡やという部分をずっと思ってきたんですね。だからそういう部分では親御さんが一生懸命生活するという部分も子どもに見せてあげるのが一番いいなという。
なるほどね。そういう話をしていただきましたので、ちょうどコロナの話もしたかったんですが、この中でお父さんあるいはお母さんが仕事場を家にしているケースが結構あるわけですね。
となると子どもたちにとっては親の背中を見る機会が増えてるわけですから、そういったことの影響が今後どう出るのかという話、僕は非常に興味持ってるんですね。将来どうなるのかなという。
その辺りの青木さんの見方と言いますか、推測も後半に聞いてみたいと思いますので、よろしくお願いします。
はい。
はい、ここから後半ですね。コロナ禍の話をここからしてみたいと思います。
もうコロナが流行し始めて2年以上経っているわけです。そのために学校も長い間休みになっていたということもあります。
そして塾も今までのように先生さんが詰めて対面で授業をすることも難しくなってきたということもあったと思います。
このコロナが学習塾をどう変えたかというところから現状を教えていただきたいんですが。
はい。緊急事態宣言のときはやはりもう全て対面できなかったので、全部オンライン授業に変えて、一時的に緩和がなったときにはどちらかというと選べると。
ですから対面授業かオンライン、選んでくださいという部分で。
教室に来てもいいし、家でオンラインでパソコンの画面で分けてもいいということですね。
はい。でもそれをずっとやってきたんですけども、最終的には対面授業のほうがよく分かるとなるんですね。
やっぱり子どもたちは人と人とという対面がいいみたいですからね。
なるほどね。じゃあオンラインのときは教えている立場からしても、もう一つ浸透していっていないなという逆の手応えみたいなものがあったわけでしょうか。
オンラインの場合は手応えが分かりにくい。その場の表情を見てというのはできないので、これはちょっと難しかったですね。
12:06
なるほどね。その中で何か工夫されたこととかいうものがありますか。
今言う体験という部分で、どちらでも選べるので、どっちもいいんでね。
要は子どもがやりたいという部分をどんどん我々が提供していくと、創出体験をできるだけなくしていくという部分ができたかなという。
創出体験ですね。なるほど。創出体験に関して言うと、いちいちゆとり世代というちょっと悪い口があったんですが、最近この世代って生まれるんじゃないかと心配する声を聞くんですね。
学校の長い間の休みの間に勉強してない子もいるんじゃないかとか、あるいは対面ではないので、もう一つ一生懸命やらなかったんじゃないかということで、
結局はこの世代と言っていいような学力の少し心配しなきゃいけない子どもたちが出てるんじゃないかという声があるんですが、
これは子どもさんたちと身近に接されていて、青木さんはどういうふうな実感でしょうか。
格差はやっぱり出てきてますね。出てきてますね。
これは子どもだけの問題じゃなくて、やっぱり教育の学校での、例えばオンライン授業でも自治体の取り組みのあり方とか、
学校の先生のあり方とか、違うんですね。ピチッとできてる場合とそうじゃない場合と。
そういう部分の対応の格差が、スキルの差が変わってきてるんで、子どももちゃんとできてる子とそうじゃない子が出てくるんで、
ちょっとそれも格差が生まれる原因かなというふうに思うんですけどね。
なるほど。
となりますと、これからコロナが収束すると、アフターコロナ時代に入っていくわけですが、
教育をされる立場として、気をつけていかなきゃいけない点というのはどのあたりに見出されますか。
そうですね。だから特にやっぱり子ども一人一人を見て、
差がついてるわけですかね、格差がついてるわけですか。
やっぱり基礎学理を徹底的に我々は教えていかない、上がるようにという部分が一つと、
もう一個はやっぱり子どもの面倒見ですかね。要は、成績が上がるのは我々塾にとっては絶対必要なことで、
それから友達といっぱい話せると、ザックバラに話せるとか、
あるいは先生に素直に話せるとか、楽しい話を聞かせてもらうとか、
あるいは悩み事の相談できるとか、塾やったら気持ちわかってもらえるとか、
そういう居場所機能、そういう場を作っていきたいなと。来やすい部分でと。
両方必要ですね。ですから授業の部分と、やっぱり体験的な部分と。
なるほどね。となると大切なのは、コロナの感染対策をしっかりしながら、
できるだけ対面での機会を増やすということになるでしょうね。
もう一つは、1回目の放送に変えるところもあるんですが、
15:02
3年後に2度目の万博が大阪で行われるわけですね。
もともとこの青木さんの会社は、最初の大阪万博の前年に、
英会話の需要を見込んで作られたわけですが、
この2回目の万博が教育界にどんな影響を与えるかという、
ちょっと大きなテーマなんですが、伺ってみたいんですが、いかがでしょうか。
国際化というのは前と一緒なんですけれども、今度はですね、
もっと日本人が英語でちゃんと自分の自己主張できる場でないとあかんなと。
ただ会話できるだけじゃなくて。
じゃなしに。だからそういう自己主張できるようなきっかけになればいいかなと、
いうふうに思いますけどね。
なんか今、統計的には3000万人の来場者が見込まれて、
その1割ぐらいは外国人であろうと。
300万人も来るんやと。いろんな人が来ると。
やっぱり日本人の、我々、僕もそうですけども、
自分、自己主張が今、日本人が一番苦手なところじゃないかなと。
でも英語の方が自己主張しやすいんですよ。
日本語じゃなしにね。ストレートですから言えることが。
だからそういう自分の自己主張するような場をきちっと活かしていったらいいなと。
万博を機にですね。
なるほど。そのためには僕なんかも英語を書きダメなんですか。
どうしたらいいんでしょうね。英会話力でいくところから始めたらいいんでしょうか。
でも思うところはもう出していくということでしょうね。
なるほどね。そういう意味では本当の国際化が次かもしれないですね。
今までは例えば道案内ができるとか、これ美味しいですよとかいった会話ができればね、
なんとなく外国人をおもてなしたという気持ちになっているんですが、
きちっと言うべきことあるいは説明すべきことをできるようになりなさいということでは、
さらにランクアップした国際化が求められているということになる。
そうですね。双方向になりますでしょうね。
なるほど。大人もウカウカしてはいないなという気持ちになるような話ですね。
わかりました。そろそろまた時間が迫っているんですが、
もう半世紀以上、塾というものに青木さんは関わってきておられるわけですが、
塾の今果たしている役割をどういうふうに評価されているかというところをまず1点伺いたいのと、
もう1つは将来どうなるべきかというビジョンみたいなものですね。
それも伺えたらと思うんですが、
まず塾の役割、今どうだというふうに評価されていますか。
そうですね。やはり塾は違う、学校とは違う部分で、
子どもたちの学力をどう上げていくかという部分は保管しているかなというふうに思いますね。
それともう1個は先ほど言いました、居場所ですか、相談しやすいとか聞きやすいとか、
話しやすいとか、そういう機能は果たしているんじゃないかなと。
18:03
だからちょっと学校とは違う部分で、学校先生に言うたら成績に通じるんじゃないかと。
評価するというのも仕事に入ってますもんね。
そういう部分では塾の1つの機能がなっているかなと。
だからさらに僕はもう少し今後の塾というのは、もちろん学力の向上もありますけれども、
もう1個はやっぱりそういう居場所機能、先ほど言ったこれを体験的な部分を踏まえて、
それをどう取り組んでいくかということが1つこれから大事でしょうね。
そういう意味では塾経営者はただ学力を上げるだけじゃなくて、
もうプラスアルファシスタバのもう1つということが必要だということでしょうね。
将来的にそういう塾は増えるでしょうか、どうなると。
どうなんでしょうね。
ですからその体験も踏まえて、どういう体験をさせてもらったらいいかとか考えるのではないですかね。
それが子どもたちにどう役に立つかという部分だと思いますからね。
やっぱりそういう塾は残っていくでしょうね。
残っていくね。
自然淘汰されず残っていくというところが、塾が学校でいないところですよね。
自分たちで経営努力しているということでしょうから。
わかりました。
あとそういった塾に通うために経済的なことも必要になってくるんですが、
例えば今、奨学金は無償化しようという流れが非常に多くなっているわけです、大学までですが、
ただ、学校だけじゃなくてこの塾の教育をどうするのかということも、僕は大事なことだと思うんですね。
その部分で政治とか行政に言いたい部分があったら、ぜひ言っていただきたいと思いますが、この機会に。
行政のほうもできるだけ、例えばお金の部分でいけない子とかいう部分の支援はしてほしいなというふうに思いますけどね。
どちらもあって日本の教育は成り立っている。
学校と塾が車の両輪のように必要だというところを、まず理解してほしいところですよね。
わかりました。
3週間にわたって出ていただきましたが、青木さん、3週間、言いたいことは言っていただけたでしょうか。
ありがとうございます。
言い残したところはございませんか。
最終的には、学校の先生も塾の子どもたちに知識を教えるのはもちろんだけども、
どれだけ子どもに興味を持たせてやる気を起こさせるかという、これが一番大事だと思うんですね。
やっぱりしたいことをさせてあげなさいというふうに思うんですよね。
そういう行動ですかね。
それが大事だなということ。
だから自分、子どもが決断したことはできるだけ応援してあげるような感じが一番いいんじゃないかなと思います。
否定はせずに肯定するということですね。
はい。
わかりました。青木さん、3週間にわたってどうもありがとうございました。
ありがとうございました。
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