1. おしゃべりラジオ「アパート3号室」
  2. こんな小説読んだことない!!..
こんな小説読んだことない!!『家庭用安心坑夫』がおもしろすぎた!
2026-04-08 21:51

こんな小説読んだことない!!『家庭用安心坑夫』がおもしろすぎた!

小砂川チトさん『家庭用安心坑夫』がとんでもなくおもしろかった!
不思議で、不穏で、目が離せない。
読み終わっても、ずっとそこから抜け出せない引力!
うまく言葉にできてるかわからないけど、話してみました。


#家庭用安心坑夫
#小砂川チト
#読書
#読書感想
#読書会

---
stand.fmでは、この放送にいいね・コメント・レター送信ができます。
https://stand.fm/channels/63e8265c4cdcce3e257643a4

感想

まだ感想はありません。最初の1件を書きましょう!

00:05
こんばんは、サリーです。
アパート3号室へようこそ。
今日もまた本の話をしてみようと思います。
最近読み終わったばっかりの本なんですけれども、
小沢千人さんの
家庭用安心坑夫という小説です。
めちゃくちゃ面白くて、ちょっと衝撃を受けました。
すごいものを読んだなっていう感じで、
ぜひちょっと紹介したくなってしまったので、
その話をしようと思います。
この本を知ったきっかけは、
ここでも紹介したんですけど、
三宅加穂さんの新章
話が面白い人は何をどう読んでいるのか
という本の中で、
この作品について書かれてたんで、
それを読んでにちょっとすごい興味が湧いて、
読んでみようと思ったのがきっかけですね。
シスターフッドの潮流という
そういう章の中で、
いろんな作品に触れられながら
書かれてたんですけど、
ちょっとその部分を読んでみますね。
父親の不在を真正面からテーマに据えたのは、
家庭用安心坑夫
小沢千人
専業主婦の主人公は、
ワクチン接種会場で、
ツトムの姿を目にする。
ツトムは昔から母親に
あなたの父だと言われていた、
炭鉱跡のテーマパークに並ぶマネキンのことで、
坑夫人形が父だと述べる母は、
少し精神的に危なげで、
そんな中で育つ主人公は、
ヤングケアラーのようにも見える。
その後は、シスターフッドの裏に、
三宅さんの主張が書かれていて、
そこは今回関係ないので省きますけど、
そういう紹介されてたんですね。
これを読んだ時に、
なにその設定って、
めちゃくちゃ興味を惹かれたんですよね。
炭鉱跡のテーマパークに並ぶマネキンが
父親ってどういうこと?ってなりますよね。
それで、この本にすごい興味を持って
検索してみたんですよ。
そしたら、表紙がものすごいインパクトで、
どういう表紙かっていうと、
ピンクい表紙なんですけど、
そこの真ん中にね、
白いシャツを着た男性のイラストが書いてあって、
顔の部分が黒く、黒い色で覆われているみたいな。
03:03
よく見ると、その中に宇宙みたいなのが描かれているっていう、
すごい不思議な相画なんですよ。
タイトルもね、
家庭用安心交付という漢字が7文字並んでいる。
そのインパクトにも度肝を抜かれちゃって、
これはちょっとただの小説じゃなさそうだなっていう風に思ったんですよ。
この家庭用安心交付って、
軍蔵の新人文学賞を受賞している作品なんですよね。
こさがわちとさんという人のデビュー作らしいですね。
確かね、これがね、デビュー作。
さらに、
芥川賞の候補作にもなった作品なんですよ。
その年の受賞作は、高瀬潤子さんの
おいしいご飯が食べられますようにっていう作品だったんだけど、
この家庭用安心交付もかなり強く押されていたようです。
選票の時に。
何人くらい、10人くらいの審査員というか、選考委員の人たちがね、
その中でも小川陽子さんと平野圭一郎さんが
二重丸をつけてね、これを高く評価していたみたいなんですね。
特に小川陽子さんはこの本すごい絶賛してて、
東京FMでやっている小川陽子さんのラジオ番組の中でも、
その2022年の12月の放送の回で、
この年に読んだ中で忘れられない作品として、
激推しして紹介されていたみたいなんですね。
平野圭一郎さんも芥川賞の選票のコメントをちょっと
たどって読んでみたら、
全候補作を読み終えてからも、
この小説のことが気になって仕方がなくなったみたいなことを書いていて、
なるほどなと思ってしまいました。
群蔵新人文学賞の選票では、
作家の柴崎智子さんが、
語り手、そして読む人の立つ足元が揺るがされるという風に
書かれていたみたいなんですけど、本当にその通りで、
読んでいる間ずっと自分の足場がグラグラしているような、
そういうちょっと不安定な感じがずっとあるんですよね。
ものすごい不思議な感覚で、
面白かったです、すごく。
この小沢智子さんという作家さんなんですけど、
慶応義塾大学の大学院まで進まれて、
06:02
心理学を専攻されている方らしいんですよ。
心理師さんなのかな、今。
それを知ってすごい納得したんですよね。
追い詰められていく人間の心理っていうかね、
そういうものをすごくリアルに描いているなと思って、
内容をまずどんなものかをご紹介しますね。
どういう本なのっていうことで、
これね、ちょっとその紹介文みたいなのを少しかいつまんで言うと、
夫との平穏に見える家庭に漠然とした不安を抱えた
専業主婦のさなみ、小さいなみって書くんですけど、
さなみっていう名前の主人公の女性なんですけど、
さなみがある日、日本橋三越の柱に、
幼い頃実家に貼ったはずのシールを見つけるところから始まる。
そういう話なんですね。
このシールも、ケロケロケロッピーって産業のカエルのキャラクター?
そのシールがね、日本橋三越の代理石でできた柱にね、
貼られてるというのを見つけるっていうのが最初の書き出しなんですけど、
もう最初から、もうなんか掴まれますよね。
ちょっとそこを読んでみようかな。
1・2・3・4・5・6・7・8
8行ちょっとその書き出しを読んでみますね。一番最初のところ。
日本橋三越の代理石でできた柱の上に、
ケロケロケロッピーのシールが一枚思い出したように貼ってある。
シールの表面はひび割れ、紙の繊維質が毛羽立っていて、
赤白ストライプの服を着た胴体から頬にかけては、
恨みでも込めたような強い筆圧で落書きがしてあった
一人の女性客が柱の前を通りかかる。
呼ばれたようにそこに目をすいつけられると、
すぐさまこの場違いなカエルの微笑みを発見する。
そうして女は柱の前から一歩も動かなくなった。
鼻先をこすりつけるように顔の角度を右へ左へ傾けながら、
透き通るような乳白色の表面にこびりついた、
黄緑色の異物を描写している。
っていう書き出しなんですけど、
すっげーってなりますね。
もう続きが読みたくて読みたくて、
物語の世界に引きずり込まれるっていう、
09:00
すごい書き出しのっけからびっくりしちゃったんですけどね。
なんなんだろう、これはすごいですよね。
さなみという主人公の女性なんだけど、
さっきもちょっと紹介したんだけど、
廃坑テーマパーク、
要するにかつて鉱山だった秋田の場所が、
今もう閉鎖していて、
テーマパークになってるんですよね。
そこにヘルメットをかぶった、
要するにテーマパークだから、
昔はこういうふうに作業してました、
みたいなのを説明するような感じで、
マネキン人形が置かれていて、
多分解説文とかもパネルで展示されたりしてるんじゃないですかね。
その1体のおさりざわつとむという、
マネキン人形のことを、
母親がさなみが小さい時から、
これがあなたのお父さんよって父親だよっていうふうに言い聞かせている。
それを育っている感じなんですね。
さなみという女性は。
結婚して東京に行くんだけど、
夫と過ごす毎日の中で、
例えばワクチンの接種会場だったりとか、
渋谷のスクランブル交差点がテレビか何かに映る、
その真ん中に立ってたのが、
つとむだったりとか、
日常のふとしたところで、
つとむがポロッポロッと現れるようになっていくっていう、
そういう話なんですよ。
だから、読んでると、
これどこまでが現実なのかな?みたいな、
そういう感覚がどんどん曖昧になっていって、
幻想みたいなことなのか、
それとも現実なのか、
日常の中に狂気というか、
そういうものが混ざり合っていくような感じが、
なんかすごい不穏な空気を醸し出しているっていう、
そういうやつなんですよね。
面白いでしょ?
ここまで聞いただけでも、読みたくなっちゃいませんか?
マネキン人形のつとむっていうのが、
どういう感じなのかな?と思って、
気になったんで、インターネットで調べてみたんですよ。
マインランドおさり沢っていう、
そういう名前のテーマパークらしいんで、
それをそのまま検索してみたら、実際に実在するんですよね。
秋田にある鉱山、元鉱山なんですけど、
12:01
そのホームページもあって、見てたら、
実際の現地の写真が出てきたんですけど、
そこに実際にヘルメットをかぶったような、
マネキン人形が写ってるんですよ、写真に。
これだって思って、実在するんだって思ったんだけど、
それを知ったら、余計に怖い、
鳥肌立つような感じがしたんですよね。
小説の中で自分が思い描いてた、
想像上のマネキン人形が実在して、
現実にそれがあるっていうのが、
写真で見られちゃうっていうのが、
めちゃくちゃドワドワって、
してしまいました。
たぶん、実際にそういう歴史的なことも盛り込まれての、
背景が反映されてるんだろうなと思うんだけど、
鉱山なんでね、
ダイナマイトを仕掛けて、
単鉱の鉱山の中で爆発させて、
金を掘っているのかな?
鉱物を掘っているんでしょうけど、
そういうことで、
命を落とす事故みたいなのも、
結構あったみたいなんですよね、歴史的に。
あんまり言うとネタバレになるから言わないけど、
そんなことで、いろんな人たちが、
そこで命を落としてしまっているという事故があって、
おさり沢を務むっていうのは、
そのうちの一人なんですよね。
そういう事故で命を失った人を、
総称しているというか、
そういう人が実際にいたというより、
そういう沢山のおさり沢を務む、
みたいな人がいましたっていうことなんだと思うんだけど、
それも、存在していた人たちが匿名になっていく、
怖さみたいな、そういうのも感じて、
それがそのまんま勤むという存在が、
いろんなところにポロッポロッと現れる事の
不気味さに繋がっているっていう感じがあって、
凄い没頭してこの作品を読んでいると、
突然子供がやってきて、
ねえねえとかって話しかけられたりするんですけど、
あまりにも話にのめり込んで読んでいるから、
その度にひひひひって、
ちょっと急に喋りかけないといけないみたいな感じになっちゃうぐらい、
15:06
話の中に入っちゃう、
そういう力の引力のある小説なんですよ。
秋田にあるマインランドおさり沢、
実際に行ってみたいなと思って、
秋田だったら家から数時間車を走らせれば行けるのかなと思って、
ちょっと見てみたいなと思って、
調べてみたら、
なんと2025年度で営業終了してたんですよ。
2025年度って、
3月ってことは、
先月までやってたってことですよね。
もうちょっと早めにこの小説に出会ってたら、
行けたのになぁと思うとすごい残念だなぁと思って、
実際に、
鉱山アートのトンネルの中に入ったりできたみたいなんで、
見てみたかったなぁと思いましたけど、
コサガワチトさんは実際取材に行かれてるんでしょうね。
ものすごくリアルに、
鉱山の跡地の中に潜り込んでいくという描写があるんで、
実際見てきてそれを書いてるんだろうなぁと思うんだけど、
本当にすごいですよ。
あとはね、
そういう物語の不穏さだけじゃなくって、
文章がすごい美しいんですよ。
死のような感じの、思わず息を飲むような、
箇所がいくつもあって、
それもものすごい印象的なんですね。
ちょっと私が美しいなぁと思った文章を読んでみると、
ここがいいなぁと思ったので、ちょっと読んでみますね。
そうしてまた少しの間何かを考えようとしたけれど、
しかし、ろうそくの暖かさと暗さに意識はまどるむ。
まばたきさえも次第に億劫になり、
背後からとろみのあるものが覆いかぶさってくるみたいに、
肩から指先、足の先と順に重たくなってきて、
ふーとみずみのするような長い息を、
腹の底から一つついた。
っていう文章があって、
これね、私が読むとそんなに美しくないかもしれないんだけど、
絶妙に漢字を開いている、ひだがなにしているところがあるんですよね。
そのね、漢字とひだがなのバランスがものすごいね、
詩のような雰囲気を立ち上らせるというか、
美しいなって思わせるものがあるんですけど、
物語は譜音なんだけど、文章がいろんなところに美しさが一緒にある。
18:00
それがすごいなと思ったんですよね、この作品は。
で、結構ね、読んでるとどういうことなの?みたいなことが結構いろいろあるんですよ。
なんか、ん?よくわかんないな、みたいな感じで。
Amazonとか、いろいろなレビューを私も漁って、
どういう感想をこの本を読んだ人はどういうふうに感じるんだろうと思って、
いろいろ探してみたら、わけわかんないっていう。
賛否がね結構あって、賛否の非の方の人たちはわけわかんないみたいなことを言ってる人がいっぱいいたんで、
確かに1回読んだだけだと、
ん?なんか、冬って言ってるのにセミ鳴いてるとか、
なんかね、これはどういうことなんだろう?みたいなのが、
よくわかんないっていうところがいっぱいあるんですよ。
でもそのわかんなさが、この作品の魅力でもあるんだけど、
絶対に読み終わった後に、誰かと話したくなる本だなと思ったんですよ。
で、youtubeとかをいろいろ探してみると、
やっぱり案の定、この本を読んだ感想について語ってる動画とか、
この本を課題本にした読書会動画とか、
あとね、解説動画とかね、やっぱりなんかいろいろいっぱいあったんで、
これ絶対読み終わったらね、話したくなるし、語り合いたくなるなーっていうのは、
私だけじゃなかったんだなと思いましたね。
その芥川賞の選票で平野圭一郎さんも、
この小説のことがその、読み終わってから、
全候補作読み終わってから、この小説のことが気になって仕方なくなったっていう風に、
言ってたっていうのもすごい納得で、
読み終わった後にね、どんどんどんどんやっぱ気になり続けるんですよ。
余韻が残り続けるというか。なので、
これ、私、オンライン読書会の課題本にすることにしました。
5月の半ばぐらいに、この本を読んだ感想についておしゃべりします。
これ、スタンドFMでもその読書会の模様を配信しようと思うので、
ちょっとこの本を読んでみたいなという方は、
それまでにちょっと読んでみていただくと、
より読書会配信が楽しめるんじゃないかなと思うんですね。
この小説ね、単行本しかまだ出てなくって文庫になってないんだけど、
今までオンライン読書会って文庫本になっている作品が多かったんで、
単行本だしどうかな、手上がるかなと思ったら、
今のところ私を入れて5人の人たちが読みたいっていう風に言ってくれてるので、
もう少し増えるかもしれないけど、
今のところ5人で読書会をやろうと思っておりますよ。
21:05
早くみんなの感想が聞きたいし、
これってどういうことなのっていうのを解釈をこいたいみたいな、
そういう本ですね。すごい楽しみ。
5月だからまだ1ヶ月以上あるから、
だいぶ待ちきれない感じなんですけど、
ちょっと気になった方はぜひ読んでみてほしいなと思います。
はい、ということで、
今日は小佐川一さんの家庭用安心交付について話してみました。
最後までお聞きくださりありがとうございました。
アパート3号室のサリーでした。
それではまた。
21:51

コメント

スクロール