1. 職業、主婦です! 〜迫真のイドバタ番組〜
  2. 私イチ、分厚い本を読破した
2023-10-02 20:47

私イチ、分厚い本を読破した

PIU
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読書の秋ということで、最近の読書(と漫画や映画)談。

私史上一番分厚いハードカバー「地図と拳」(小川哲さんの小説です)をはじめ、戦争やテロに関連する本を中心に、お話しました。

最後にちょっとしたお楽しみ?があるので、ぜひ聞いてください!

【今回の内容】

4センチ6ミリの衝撃/「ホントのコイズミさん」きっかけ/満州がじんわりずっしり/人は流される/子どもが怖がった「はだしのゲン」/「ものすごくうるさくて、ありえないほど近い」


☆トークに出てきた本

「傲慢と善良」(辻村深月著、朝日文庫)

「地図と拳」(小川哲著、集英社)

「はだしのゲン/全7巻」(中沢啓治著、中公文庫コミック版)

「目の見えない白鳥さんとアートを見にいく」(川内有緒著、集英社インターナショナル)

☆ポッドキャスト番組「ホントのコイズミさん」の#114「小説家、小川哲さんを迎えて」前編https://open.spotify.com/episode/4iFvsQzSSWPQkV1ah0kzOW?si=AQu4F9XrRCin87ZIiqBAaQ


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迫真のイドバタ番組、職業、主婦です。主婦の目線で世間を見る、イドバタ会議的な番組です。
縁の下から社会を支えている、けど意外と知られていない主婦の世界を、都内で子育て中の私、PIUがご案内します。
主婦の方だけでなく、主婦のパートナーの方にもヒントになればというのと、主婦が身近にいないという方にも楽しんでもらえたら嬉しいです。
今回のテーマは、読書の秋ということで、最近の読書と漫画や映画。
映画は最近だと、バービーのお話をしたのと、ちょっと前だとね、スーパーマリオブラザーズについてもお話したんですけど、
読書の話はすごい久々でして、いつ以来かな、植橋菜穂子さんと女陸さんの話をしたの覚えてるんですけど、ちょっともしかしてそれ以来かもしれないです。
すごい久しぶりなんですけど、この間もそれなりに本は読んでたんですね。
文庫で買ったので印象深かったのだと、辻村みずきさんの《傲慢と善良》かなと思います。
これ朝日文庫から出てるんですけど、婚活をテーマにしてまして、いろんな角度から人の傲慢さっていうのを切ってるんですよ。
これミステリー要素もあって、全然婚活に縁がないっていう人でも、どっぷりハマって読める話だと思います。
朝日量産の本でも思うんですけど、改めてこういう本を読むと、作家さんの社会を見つめる目の鋭さ、これが刺さりますね。
ほっとくと私、ぽーっと生きてしまうんですけど、そういう人間なんですけど、だからこそ定期的にそうやって刺激を受ける、カツを入れてもらうみたいなことが私には必要だなと思うんですね。
今回お話ししようと思うのは、流れとしてはね、戦争とかテロだったりね、そういうのに関連したものを中心にしようかなと思うんですけど、
まず紹介したい本はですね、小川さとしさんの地図と拳ですね。
これね、私一分厚い本を読破した。
はい、もう私がこれまでに読んだハートカバーの中で一番分厚かったんじゃないかなと思う本でした。
周永社から出版されてまして、第168回直木賞受賞作ですね。
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私調べで、なんとね、4センチ6ミリの分厚さがある本なんですよ。
これね、4センチ6ミリと言われてもピンと来ないかもしれないんですけど、小学生が使う大きい辞書、ちょっと大きめの辞書ですね、それと同じぐらい。
この4センチ6ミリ、うちにあるもので何が近いかなと思ったら、炭酸の感電池をね、立てるとちょうど同じくらいの高さになります。
ページ数は数字が記されているところまでで、これ参考文献のページなんですけど、なんと633ページありました。
いやー、ちょっとね、わかりにくいでしょうか。重さはね、733グラムでした。
とにかくね、本当に分厚いんですね。
この本ね、直木賞を取った後だったと思うんですけど、本屋にね、どーんと置かれてたんですよ。
たくさん置かれてて、もうおすすめっていう感じで置かれてて、その時から気になってはいたんだけど、まあね、かなり分厚いしね。
お値段も税込み2420円というわけで、内容も知ってる限り日露戦争から第二次世界大戦までの満州を描いてるっていうことでね、パラパラっと見たんですけど、内容もずっしり重そうだなと思ったんですね。
だから、読むならこれは気合とね、覚悟、時間も必要だなと思って、すぐには買わなかったんですよ。
気になりつつも、何ヶ月も経ってた時ですね、本当の小泉さんっていう小泉京子さんのポッドキャストの番組ですね。
これね、小泉さんの素敵な声にほっとする気持ちになる番組なんですけど、これ先週ね、最終回が配信されてましたね。
この番組で、著者の小川さんがゲスト出演して、小泉さんとお話をされてたんですね。
この時に小川さんがご自身のこれまでのこととか、あと小説への取り組み方なんかをお話しされてて、それがすごく人間的というかザックバランな方だなと思って、
そこでまたこの小説に興味を持って、よし!今だ!買うぞ!っていう風になったんですね。
まず、独語感なんですけど、じんわりずっしりとしたね、満足感がね、じわじわと広がったんですよ。
読みやすい小説だと、もうハラハラ、ドキドキ、手に汗握る、もう冠類必須みたいな感じで、それはそれでね、満足感もあるし、エンタメを満喫したっていう充実感もあるんですけど、
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この小説はちょっとそういうのとは違って、まずね、日露戦争から第二次大戦までっていうことで、時間軸が長いんですよ。
舞台は1899年から1955年。その中ではもちろん壮大なドラマだったり、登場人物たちのね、いろんな熱い戦い、情熱、感動、あるんだけど、それがね、重厚なんですよ。
長い時間軸なんだけど、全然急いだ感じはしなくて、それぞれの時代を共に生きている、そういうようなね、じんわりとその世界に入っていって、浸れる、そういう丁寧な運びなんですね。
これね、誰か一人の目線ですと描かれるっていうんじゃなくて、何人もの人たちの目線で語られるんですね。それが、それぞれの人の人生を体験したような気になれて、世界が広がるんですよ。
それから、これ番組で小川さんがおっしゃってたんですけど、小川さん、もともと研究者でいらして、文献をたくさん読むっていうことに慣れてるんですね。
本を書くときは筆差点で書くことが多いそうなんですけど、たくさんの文献も持ち歩いてて、このずっしりした本の1ページ1ページがね、そういう文献による緻密な調査のもとに丁寧に描かれてるなっていうのがね、すごく伝わってきて、そういう意味でも読み応えのある本でした。
実際にね、最後の参考文献のページ、なんと8ページにも渡ってね、ずらっとあって、数えましたよ。
ざっとね、私調べたんですけど、151問の参考文献が載せてあったんですね。
物語の中で登場人物が披露する考え方とか知識、運蓄とかを通じて、読者も勉強した気になれるというか、単に物語が紡がれてるっていうだけじゃなくて、そういう知識欲みたいなのも満たせるんですよ。
その分、これね、疲れた日の寝る前に読んでると、ちょっと眠気が、なんていうね、箇所もありやなしやなんていうね、話もありつつ、でもね、小川さんがしっかり調査されてる方だと知って読んでるから、安心感もあって、大満足な読み応えでした。
何よりね、私ね、昔から何度も学んで耳にしてきた満州っていう言葉、これね、もちろん大体の場所も、大体の時代も、大体の歴史も、これ知ってはいても、これまでね、全然身近なものとして情報を取り入れてなかったなっていうことにね、改めて気づかされたんですね。
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なんかこう、言葉だけが独り歩きというか、浮っ面としてあって、実際にそこにあったものだっていう意識が薄かったんですね。
これがね、たぶんね、今回の本みたいな小説じゃなくて、新書とかノンフィクションだったらね、読んでてもそんなに私の中に入ってこなかったかもしれないんですけど、小説の力ってほんとすごいなと思って、私の中にね、満州の映像が広がって、そこで生きていた人たちをね、実際に生きていた人たちとして感じられたんですよ。
いやー、今後満州についてのね、何かの記事とかニュースとか見たときに、確実に私、以前よりも興味を持って見られると思います。
日本がね、満州に侵攻して、理不尽さ、引っ込みのつかない感じ、自分たちの民族は上なんだっていう、おごりとか、あなどりみたいなのもね、すごくリアルでした。
それと私の中で印象的だったのは、上司の言葉を心の拠り所にしている憲兵の男性が出てくるんですけど、その上司が言うには、家では家長、家の長ですね、家長に従って国では公室に従う。
国家公室が主で、個人は主、主従関係の主と主ですね。己を殻にして、家長、族長の下で一致団結することのできる大和民族は、世界的に見ても特別の存在である。
この辺りの言葉ですね。時代的にもね、そういう時代背景があって、戦争に突き進んでいってということがあったわけですけれども、自分の頭で考えるな。自分を殻っぽにして、ただただ従えみたいな、この感じですよね。
今はね、学校教育もどんどん変わってきてるし、そういうのって薄まってきてると思うんですけど、考えないっていうのは楽ですよね。戦争が終わっても、そういう意識はあって、何か大きなものに従って生きるっていうね、大きなレールがあって、そこに乗っていくのが楽。
そういうのもね、薄まってきてはいると思うんですけど、でもこれは本当に強く意識してないとね、人は流されるなっていうのを思ってね、ここもずしんと来たんですね。
この小説は第二次大戦までを描いてるんですけど、これを読んだ後に、改めてその後の世界、その後の時代を見たくなって読んだのが、裸足の原全7巻。
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うちにあるのは中古文庫コミック版っていうのでして、それが全7巻っていうことなんですけど、この裸足の原はご存知の方も多いかと思います。中澤圭司さんが書かれた、ご自身の被爆した体型を元にされたっていうね、原爆が落とされた広島の悲劇が描かれた漫画ですね。
漫画が誕生してから50年、翻訳されて海外でも読まれてますね。
主人公の元がね、辛い思いをたくさんするんだけども、原爆でね、孤児になった仲間たちと強くたくましく生きていく、そんなお話ですね。
広島市の平和教育の教材から削除されたなんていうニュースにもなってましたね。
描写がね、直載的なんですよね。迫るものの力、迫力が強すぎて、特にこの1,2巻っていうのは、原爆投下直後の生産の広島をね、漫画なんだけど、だからこそかな、直視するのが辛くて。
その後の復興の時期にもね、人の意地悪さだったり、いやらしさ、意地汚さ、恐ろしさ、容赦ないんですね。
原爆投下直後を描いてるっていう印象が強かったんですけど、でもこの漫画ね、実際、実はその後の日本が復興していくところ、その後の話のが長いんですよね。
生き延びる大変さ、その後も続く原爆の被害、大切な人をね、時間が経った後も奪われる辛さ、これをね、もう本当にこれでもか、これでもかっていうほど描いてますね。
当時の大人たち、何も考えずに国に従う大人たち、それから天皇のことも批判して、盗み、殺人、脱獄、薬物のシーンもあるし、強烈な漫画ですね。
でもそれも時代背景ですよね。一つの表現として突き抜けててね、訴える力が圧倒的。ぜひ後世に残されるべき漫画だとね、私は思うんですけど。
うちの子もね、実は最初は怖がったところもあって、最初に読んだ時に寝る前に読んじゃったっていうのもあったんですけど、やっぱりね、原爆10日後の広島の絵がね、ちょっと怖かったっていうのもあって、そこからは無理しはしないようにしてたんですけど、時間が経って、また今ね、続きを読んでますね。
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私はね、この漫画から、もちろんね、戦争反対っていうメッセージの強い漫画って、それはそうなんだけど、それ以上にね、さっきの小川さんの本と同じで、ちゃんと自分の頭で何が正しいか考えて行動することがね、どれだけ大切か、そういうメッセージの漫画なんじゃないかと、
思ったんですね。大人を簡単に信じるなっていうね、私は今もう大人なんですけど、大人にとっての大人的存在ってまだあって、世の中のね、大きなこれが正しいっていう流れというかね、そういうのにいいだくだくと従ってんじゃねえよっていう、また最初の話に戻るんですけど、私ぼーっとしちゃうんですよね。
でもぼーっとしてんなよって言ってくれた?そういう気がしました。
次にお話ししたいのが、戦争というかね、こちらはアメリカの同時多発テロの2001年9月11日の事件ですね。これを題材にした映画なんですけど、これ最近長男と見たんですね。
タイトルが、ものすごくうるさくてありえないほど近い。
これ2011年の映画なんですけど、ニューヨークが舞台でして、父親の役をトム・ハンクスが演じてて、主人公は小学生の息子なんですね。
9.11で大好きな父親を亡くしたっていう少年がね、クローゼットで鍵を見つけて、父親の残したメッセージを探すたび、その鍵穴を探しに人と話すのが苦手な少年だったんだけど、いろんな人に会いに行くわけですね。
その会いに行った中でもね、戦争で心の傷を負ったっていう人たちがいて、少年はたくさんの人と話す中で、みんな何かしらの心の痛みを抱えているということを知ったりして、悲しみを徐々に乗り越えていく、そんなお話ですね。
10.11で一緒に見た長男が、この映画から何を受け取ったかっていうのは、詳細にはちょっとわからないんですけど、見た後に少し会話をした感じでは、私が思ったような教科書通りの答えではなかったんですけど。
ちょっとね、中学生だしね、そろそろアニメとかアクションものばかりじゃなくてね、違うタイプの映画も興味を持って行ってほしいなっていう、そういうのもあって、私が見たことない映画で一緒に見たいなっていうのを探してね、これにしたんですね。
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この間一緒に映画館に行きまして、キングダム運命の炎、これキングダムの3作目ですね。それを見たんですけど、直後の感想としては、長男とここで終わるんかいっていう、言い合ったんですけど、これはこれで大作で、歴史の壮大な映画だしね、素晴らしいわけですね。
だけどちょっとシリアスな感じのとかにもね、幅を広げてほしいなっていうのもありますね。
今後はいわゆる名作と言われるものも見てほしいなとも思うんですけど、これ押し付けても逆効果ですよね。ぽちぽちっていう感じですかね。
何か中学生男子におすすめな映画がありましたら、ぜひお気軽に教えてください。最後まで聞いてくださってどうもありがとうございました。
もう一冊本なんですけど、目の見えないしらとりさんとアートを見に行くっていうね、川内亜里夫さんの本もこの間読んだんですね。話題になったのはだいぶ前だと思うんですけど、これは小説じゃなくてノンフィクション、筆者の体験談なんですね。
目の見えないしらとりさんと美術展に行って、展示物の説明をしらとりさんにする中で、むしろ説明をする側こそがアートを見せてもらっているみたいな内容なんだけど、障害ということ、誰かと共にあるということ、こういうことを考えることができるし、美術館がもっと身近になったんですね。これもおすすめかなと思いました。
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いやー、読書って本当に楽しいもんですね。それでは次週ご期待ください。さよなら、さよなら、さようなら。
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