この番組は、ティーチャーティーチャーで、親御さん向けのペアレンツプログラムの講師をしているKUMIが、日々の気づきをシェアしていく番組です。
みなさん、こんにちは。ペアレントークパーソナリティのKUMIです。 前回は、問題が起きた時に、人じゃなくて課題に目を向けて、
課題をテーブルの上に置くっていうイメージを持つといいよねっていうことについてお話をしました。
ただ、その課題をテーブルに置きたいんだけれども、そもそも子供自身がそれを課題だと思っていなくて、話が進まなくて、結局叱ったりコントロールする形になっちゃうっていうこともよくあるんじゃないかなと思います。
そこで今回は、さらに一歩進んで、子供自身の困っているを上手に引き出して、親子で一緒に解決に向かうための関わり方のコツについてお話ししていきたいと思います。
今直面している状況に対して、言い方をちょっと変えるだけで、じゃあどうしたらいいか一緒に考えようよと、課題をテーブルに運ぶことができる、そんな魔法のような言い回しをお伝えしますので、ぜひ最後まで聞いていただけると嬉しいです。
今回のお話をしようと思ったのには、あるきっかけがありました。 実は20年以上仲良くしている友人から、こんな子育ての相談を受けたんです。
小学校低学年の娘がノートに書く字の形にものすごくこだわりを持っていて、宿題に何時間もかかっちゃうと。
親から見たら、そこまできれいに書かなくてもいいのになって思うんだけど、こうじゃなきゃダメだって必死になって何回も消しては書いて消しては書いてとしていると。
完璧主義で本人が一番しんどいと思うんだよね、どうしてあげたらいいかなっていうふうに相談してくれました。
こういったお悩みはリスナーの皆さんの中にもわかるという方がもしかしたらいらっしゃるんじゃないでしょうか。
どう見てもしんどそうだし、効率のいい方法を教えてあげたいし、そこまでしなくてもいいじゃん、大丈夫だよって言いたくなると思います。
これは書字のこだわりだけじゃなくて、そんなこと気にするのとか、どうして毎回できないのかなって思うような子供の行動っていろいろあると思うんですよね。
大人から見たらそれは課題だよねとか困っているよねって思うことだからこそ、こうしたらいいじゃん、こうすれば大丈夫だよって言ってあげたいんだけど、
言うと子供が反発したりとか、全然納得しなかったりとか、親としては絶対将来困るのにニャーと頭を抱えてしまうことがあると思うんですよね。
この友人も、そんな娘さんのこだわりの強さが長所でもある一方で、本人の生きづらさの一つになっているんじゃないかなと思って、とっても心配していました。
この相談を聞いて、私がなんて言ったかというと、そっか、それは毎日のことだし大変だよねって共感して、
でもさ、それって本人は困ってるんかなっていうふうにちょっと聞いてみたんですね。
そしたら、友人は一瞬、ん?ってなって、え、困ってないのかも、みたいな。
泣いたりするんだけど、自分でそうしたくてやってるから、本人は困ってないのかなっていうふうにちょっと発動していたんですよね。
これすごい大切なポイントだと思うんですよ。
親からしたら、そんなに時間がかかったらしんどいだろうなとか、将来困るだろうなって、親側の目線で困りごとにしがちなんですけど、
でも肝心の本人は、私は綺麗に描きたいんだと思っていて、そこに課題意識っていうのがなければ、
親がそんなのやめなさいって口出すことは、それこそ先回りになってしまいますよね。
じゃあ、本人が困っていないときに、私たち親はどうすればいいのかっていうところで、
ただ問題は1番の、今すぐに修正した方がいいことですよね。
いわゆる許しがたい行動。
例えば、お友達に乱暴してしまうとか、暴言を吐いてしまうとか、これについては、たとえ本人に課題意識がなくても、親としてしっかりと介入していく必要があります。
でも本人は自分が悪いと思ってないのに、どうやって介入していけばいいのかっていうのはすごく悩みますよね。
ひたすらいけませんとか、周りが迷惑してるでしょっていう風に、正論で教えていく方法もあるかもしれないんですけど、そこにはデメリットもたくさんあると思うんですよね。
そこで私が、これ本当に最強の声かけだなと思って、皆さんにシェアしたい本の1節があるので、お話ししたいと思います。
臨床心理士の小栗正幸先生が書かれた、成熟した発達障害という本の中に、すごい良いアプローチが載っていましたので、少し要約して紹介しますね。
このエピソードは、大人の支援施設での話から抜き取った1節なんですけど、
学校や施設などで気が短くて、ちょっとしたことで気分を害して他人に暴言を吐いてしまう人がいるとしますと、
そういう人によく支援者は、そんなに短期ではトラブルが続いて、あなたも困ると思うよ、どうしたらいいか話し合おうって悟しがち。
でも、これでそうですねと納得する人はほとんどいないと、小栗先生はおっしゃってるんです。
そこで先生は少し変えて、こんな風に声をかけるそうです。
みんなはあなたのことを気が短いって言ってるけど、私はあなたを見ていると嫌なことがあった時にすぐに大声を出すんじゃなくて、
実は結構我慢している時が多いんじゃないかなと思うんですけど、どうですか?
そうするとその人は、たとえ周りからは全然我慢しているように見えなくても、
うん、実は我慢してるって答えることが意外に多いそうなんですね。
そこでお栗先生が、やはりそうですか、それなら本当に困った時はいつでも私に相談に来てくださいねと応答すると、
それだけで関係性がものすごく穏やかになるっていうお話なんですね。
なるほどと思ってめちゃめちゃ納得したんですけど、これ子育てでも完全に同じことが言えるなと思っていて、
子供が感情を爆発させている時に、ついつい私たちは、あなたはいつも怒ってばかりで、
周りを嫌な気持ちにさせているよ、それじゃあ友達に嫌われるよっていうような言い方をしがちですよね。
でもそれじゃあ子供としては、次に本当に困った時にママに相談しようっていう気にはなれないと思うんですよね。
でもそこを、実は結構我慢しているように見えるけどどうなの?って声をかけてみる。
すると子供は、あ、ママは自分の苦しみをわかってくれたんだと感じて、
張り詰めていた心の鎧をパッと脱いでくれると思うんですね。
うん、そうなの?から会話が始まって、じゃあどうしたらいいかお母さんも一緒に考えるよっていう、
前回お話をしたテーブルに課題を置くことができてくるんじゃないかなと思うんですよね。