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スピーカー 1
で、そんな感じで今日ちょっと515事件のちょっと本編の方に行きたいと思います。
はい。
515事件っていうのはさ、まあちょっと軽くさっきも触れちゃったけれども、1932年の5月15日に海軍将校らによって首相官邸だったり内大臣官邸っていうのを襲撃されるんだよね。
で、その当時首相だった犬会つよしが暗殺されたっていうのがまあすごい有名な事件なんで、みんなそれぐらいはおそらく知っているかと。まあ教科書にももちろん載ってるしね。
で、たださ、結構俺は実際自分が学生の時もさ、226と515ってさ、なんだろ、別に数字は全然違うけどさ、なんか似てるっていうかさ、内容も似てるじゃん。
そうだね。
そう。だからすごい混同されるんだよね、226事件と515事件って。
うん。
なのでちょっと226事件ってなんだっけっていうのはもうこれは小片郎のもう名作の226事件の回をちょっと聞いてほしいんだけれども。
スピーカー 2
いやいいけどね。
スピーカー 1
いやいや聞こうよっていう。まあ515事件についてはちょっとこの回をあの聞いていただければちゃんとわかるようにはちょっと説明したいと思うので。
で、事件の経緯のところに入りたいんだけれども、これね、すごく背景が重要なのよ。
うん。
で、背景っていうのは1932年が事件が起きた時じゃん。でさ、1929年に世界恐慌っていうのが起きるよね。
うん。
まあ実際その世界恐慌より前にもう日本っていうのはこうね戦後不況だったりとかもうそういう不況不況でずっと続いた1920年代だったのよ。
スピーカー 2
はいはい。
スピーカー 1
で、そこにとどめを刺すように世界恐慌っていうもう世界中の恐慌がこうバーンって最後に来て、
要は日本ってさずっとさ第一次世界大戦終わった後からずっと不況に苦しんでたのに世界的な不況にも見舞われて10年間こう耐えたのに全然この先も不透明だよみたいなそんな状況になってたわけね。
スピーカー 2
うん。
スピーカー 1
で、農村部なんかっていうのはすごくもう本当にひどいことになってて、例えば娘がいたらもう娘を身売りに出すような家が続出するのよ。
はい。
出るためには仕方ないっていうんでもうそういった形で身売りなんていう事態も起きてたし、実際餓死したりっていうような事例もあったしっていう形ですごく貧困に喘いでたわけ日本中が。
うん。
で、あと当時ってさ農村の家を継ぐのって長男なんだよ。
うん。
まあ小片郎もほら農家出身だからさ、なんかそういう長男が家を継ぐみたいなのって多分なんとなくさ感覚としてあると思うんだけれども。
スピーカー 2
まあそうだね。
スピーカー 1
で、当時っていうのはもうそれが当たり前だしもう常識だし、むしろ長男以外はもう出て行けっていう感じの風潮がすごく強かったのよ。
スピーカー 2
うん。
スピーカー 1
でもその割に子供っていっぱいいるでしょ。
だから次男以下っていうのはもちろん働く、まあなんか都市に行って働ければいいけどさ、働き口なんてないわけよ。不協だし。
スピーカー 2
うん。
スピーカー 1
だから兵隊になるんだよね。
スピーカー 2
はいはい。
スピーカー 1
でね、これ兵隊になるのもすごい、もちろんお金がないから兵隊になるっていうのもそうなんだけれども、これ実際にそういう親とのやり取りとかの手紙とか残ってたりするんだけれども、兵隊に送られたその次男以下のその息子に対して親がお前は死ぬことがこの家のためになるんだぞみたいなね、やり取りとかも残ってたりするのよ。
スピーカー 2
うん。
スピーカー 1
要は戦争で死ぬと恩急が入るじゃん、家に。
はい。
だからそれをもう目当てに兵隊にこう出すみたいな、まあ身売りと一緒だよ結局。
スピーカー 2
へえ。
スピーカー 1
戦死することが結局家を助けることになるんだよみたいな、そんなところまでとにかく貧困家庭っていうのは追い詰められてたわけ。
うん。
背景としてそういうとにかく苦しい、もう国民はみんな苦しんでいるみたいな状況があったわけ。
うん。
そんな中1930年にロンドン海軍軍縮条約っていうのが締結されるんだけれども、これ英米日日本の補助艦保有比率を10対10対6.975にするっていうことを定めた条約なんだよね。
はい。
で、これね、当時の浜口御幸内閣っていうのは国際協調路線を推進していたから、うまく英米とも仲良くやる、まあ要は世界と仲良くやっていこうっていう路線だったわけ、日本の政権の路線としてはね。
うん。
で、日本としてはでももう絶対7割は死守しようっていう、対英米比率7割っていうのはもう絶対譲れない条件だぐらいにしてたわけよ。
でも結局6.975になってしまって0.025割削っちゃったんだよね。で、なんだ0.025割じゃんって思うかもしれないけれども、ただこれはさ、もう逼達だったのが7割だったから、そこに対してものすごい不満が国民とかまあ軍からもう出てきちゃうんだよ。
うん。
で、もちろんこれ7割でじゃないと条約調印しないでくれぐらいな感じになってたはずなのに、条約も調印しちゃったんだよ。
だからそういったところもあって、政権に対する不満っていうのが募らせていっちゃったわけね。
うん。
で、そんな中やっぱりこう政府っていうのは一部のお金持ちが政権を担ってて牛耳っているんだ。軍部によって新しいその政治体制っていうのを作るべきだっていうような国家改造運動っていうのがこう高まっていくっていう流れになるのよ。
うん。
これさ、さっきさ、家徳を告げない次男以下はさ兵隊に送られるって言ったじゃん。
うん。
スピーカー 1
つまりさ兵隊、まあ軍人っていうのは結構貧しい家庭育ちの人も多いんだよ。
うん。
だからなおさら考えとしてはそっちの方向に進んでいくわけ。やっぱり金持ちがこう政府を救じっているっていうのは許せないっていう考えになるわけじゃん。
はい。
だからそういうところもあって国家改造運動っていうのが高まっていくっていうところで、この515事件っていうのが起こるのよ。
うん。
で、まあ今の言った背景をこう踏まえつつちょっと事件の流れのところに行きたいんだけれども、実行犯は4組に分かれて襲撃したのよ。515事件って。
うん。
首相官邸と内大臣官邸と声優会本部とあと三菱銀行をまあ他にもちょっと細いところを襲ったりしてるんだけれども、まあ主にこの4つを襲ったわけね。
うん。
今日扱うのは特に首相官邸の部分だけでいいかなと思うんで、首相官邸のところを中心にちょっと扱いますけれども、首相官邸に襲撃した実行犯っていうのは全部で9名いたんだよ。
はい。
これさ、226事件と比べるとものすごくさ規模がちっちゃいなってこの時点でわかるでしょ。
スピーカー 2
そうだね。
スピーカー 1
で、そこでリーダー核だったのが三上拓っていう海軍中尉なんだけれども、筆頭に9名で襲撃するわけよ。
うん。
どの流れで襲撃していったかっていうと、まず靖国神社にみんな集まって拝殿して、それでそこでどうやって襲撃するかっていう打ち合わせもするのよ。
うん。
で、首相官邸って表門と裏門があったから両方から分かれて襲撃しようっていう。まあ5・4とかに分かれて襲撃しようみたいな感じになったわけよ。
はい。
で、そこでもうすでに犬貝強氏がターゲットだったわけじゃん。犬貝強氏に出会った時にどうするかっていう話にまでなってたんだけれども、土俵が座っているから、もう面と向かったらすぐにもうやれっていう風に決まってたの。
で、そういう打ち合わせして、まあ首相官邸にタクシーで向かうんだよ。
うん。
で、このタクシーの運転手を脅して、もう門を無理やり通らさせて、で、表玄関に横付けさせるのよ、車ピーって。
スピーカー 2
へー、タクシーなんだ。
スピーカー 1
そう。で、もちろん無理やり通るからさ、なんだなんだってなるじゃん、衆営とかだって。で、だから急がなきゃいけないんだよ、とにかく。
急がなきゃいけないっていうところで警官1名と出くわして、まあここでそんなに騒ぎを大きくしたくないから、総理に面会したい旨を伝えるんだよね。
うん。
で、応接室に通されたんだけれども、なんか出てくる気配がないから、これは待ってたら逆に、もう衆営とかも騒いじゃってるからヤバいぞっていう風になって、
もう実力行使するしかないっつって、こう銃を抜いて、いろいろ探し始めるのよ、犬飼い図書室どこだっつー感じで。
で、そこでまた別の警官にこう出くわすのよ。で、それが田中五郎っていう巡査なんだけれども、この人に出くわして、で、首相どこだって聞くんだけれども、まあ答えてくれなかったわけよ。
しかもどちらかというと反抗的な態度だったわけよ。
うん。
だから三上はその田中の腹部をこうもう撃つのよ。で、田中巡査っていうのはこの傷が元でなくなっちゃうんだけれども、まあそんな感じでもう撃っちゃったから銃声でさ、余計騒ぎが大きくなっちゃったわけよ。
うん。
で、この銃声のせいで犬飼い図書室にもう襲撃がバレちゃってるわけね。だから犬飼い図書室にみんな逃げてくださいみたいなことを言うんだよ、周りの人は。
でも犬飼い図書室って逃げなかったのね。
スピーカー 2
うん。
スピーカー 1
まあ実際これさ、逃げたら逃げられたのかっていうのはちょっと微妙なんだけれども、たぶん逃げられなかったんじゃないのかなとは思うんだけれども、いや話せばわかるから連れてこいってむしろいう感じでずっと座って待ってるのよ。
で、その二本間の奥で犬飼い図書室がこういるのを見つけて三上が銃を犬飼いにもう即座に撃つっていう決まりだったじゃん。
うん。
だから撃つんだよもうそこで。だけどこの三上の持ってる銃って一発しか撃てない銃だったんだよ。弾が一発しか撃てないの。一回撃ったらまた次の弾込めなきゃいけないの。
はい。
でさっき撃っちゃったじゃん一回。だからそこで不発に終わっちゃったのよ。あ、ないや弾がみたいな感じで。で、そうすると冷静になるんだろうねちょっと自分も。
うん。
で犬飼いはだからそれでいや話せばわかるから話そうじゃないかみたいな感じでずっと言ってるから三上もその犬飼いの最後の言葉ぐらい聞き届けてあげてもいいかなっていう風に思って場所を移動するのよ。
うん。
で客間にこう移動してでそこで犬飼いはタバコを進めたりとかまあそもそもみんな土足で入ってきてたからね。なんか靴ぐらい脱いだらどうなのみたいなことをこう言ったりもするのよ。
で走行してる間に表門と裏門からさみんな入ってきてるからさ合流するのよそこで。
うん。
でほらもともと犬飼いつよしに出会ったらもう撃とうって決めてたじゃん。だから話を聞こうと三上は思ってたらしいんだけれどもでももう他のものがもう問答無用だ撃てって言うから仕方なくみんなで撃っちゃったのよ。
うん。
で結局銃弾が犬飼い首相の頭に命中して犬飼い首相はもうそのまま倒れちゃうわけよ。
うん。
だから倒れたからああもうこれで死んだなっていう風になってみんな去っていくのよ。
うん。
ただこの時実は犬飼いつよしまだ息があったんだよね。でずっとしかも結構ね意識もはっきりあったらしいのよ。
うん。
ずっともうあの若者たちを呼んでこい話をすれば分かるんだからみたいな感じのことをずっと言ってたらしいのよ。
ただ要題は悪化して結局その撃たれた日の23時頃にはもう亡くなっちゃうんだよね。
スピーカー 1
うん。
襲撃されたのって大体夜の6時とかそれぐらいなんだけれどもで23時ぐらいに亡くなってるから大体5時間ぐらいは生きてたんだよね。
うん。
でこの事件その後どうなったかっていうところに今度入りたいんだけれども実行犯がこれすごく比較的軽い罪で許されちゃったっていうところが結構センセーショナルな部分かなと思うんだよ。
要はさこれテロ行為なわけじゃん。
そうだね。
そう国家反逆罪っていうのはまあ今もそうだしさ昔もそうなんだけれども普通に考えたら死刑なんだよ。
でもこの515事件は襲撃した軍人誰一人死刑になってないのよ。
スピーカー 2
ああそうなんだ。
スピーカー 1
犬飼い首相を撃った三上とかその辺の人たち要はリーダー各部も懲役15年ぐらいで済んでるのよ。
一応死刑判決1回出てるんだよ。出てるけれども最終的に刑が軽くなってそれぐらいにまでなったっていうところなんだよね。
うん。
でこれは当時の裁判制度がもちろん今とは違うからさ軍人を裁くっていうのは実はこれ軍法会議なんだよ。
でこの515事件ってさ民間にも参加してる人がいたのよ。
でそういう民間の参加してる人たちっていうのはどちらかというと重い刑になってるのよ。
スピーカー 2
ああそうなんだ。
スピーカー 1
そう軍人の方がどちらかというと軽めの刑になってるわけ。
っていうところでも軍がこう主導していくっていうところがなんか見て取れるよね。
うん。
でこれ軍も巧みなんだよ。
世論ってどちらかというとこの515事件の首謀者たちには同情的な論調だったんだよね。
うん。
これなんでかっていうと軍がマスコミにそういう情報を流してたって言われてるんだよ。
もうこんなかわいそうな人たちなんですよみたいな感じでさマスコミに流してマスコミはそれをこう国民に流すじゃん。
だから国民はそういう目で見るようになるわけじゃん。
うん。
そうだから515事件が比較的軽い罪で済んじゃったのはそういう世論の論調もあったし、
軍法会議っていう結構閉鎖的な部分で軍人が軍人を処罰するっていうところもあったし、
あとこのリーダー格の三上が弁論がめちゃめちゃ上手いんだよ。
だから裁判でその巧みな論述で聞く者に同情をせしめたっていうところもあるんだよね。
うん。
ちなみにこの三上拓っていう人、俺三無事件やったじゃん。
スピーカー 2
三無事件でもこの人逮捕されてるんだよね。
スピーカー 1
あ、そうなんだ。
そう。だから割りかし有名な人なんだけれども。
で、そんな感じで実行犯っていうのは割りかし軽い罪で済んじゃいました。
15年が軽いかどうかちょっと置いといてなんだけれども、まあ軽い罪で済んでしまったっていうところなんだよね。
うん。
で、あとはその政治的な部分で言うと、いわゆる政党政治が終焉しちゃったんだよね、これで。
スピーカー 2
うん。
スピーカー 1
政党から内閣を選ぶ時代っていうのがこの犬貝強氏をもって戦前は終わってしまうんだよ。
党から、その政党から選出しても結局もう軍部の力を抑えつけることが誰もできなくなっちゃったわけ。
だから結局次のじゃあ首相に誰を選ぶかってなったら、軍部の息がかかっている人がつくっていうような流れを作ったんだよ、ここで。
うん。
だから実際次の首相には海軍大将だった斉藤誠がついてるんだよね。
結局この515事件が起こったことによって政治に対してその軍部の声が大きく取り入れられるようになったっていうところがこの事件の一番の象徴的なところであって。
で、これがきっかけでやっぱり日本っていうのはこの軍国主義っていうものに突き進んでいくことになるんだよね。
うん。
スピーカー 1
そんな感じでちょっと最後まとめというか考察の部分に入りたいんだけれども、結局さ、自分が思ったのは民主主義ってすごい難しいことだなって思うんだよ。
これどういうことかっていうとさ、例えばさ今で言ったら1億人国民がいてさ、1億人いたら1億の意見があってもおかしくないわけじゃん。
スピーカー 2
うん。
スピーカー 1
で、もちろん似た意見だったらまとめられるかもしれないけど全然さ正反対どっちももう取ることはできないっていう意見も存在するわけじゃん。
うん。
で、そうすると切り捨てられた側っていうのはやっぱり不満を持ってまあなんだろう反乱分子になっていくっていう流れもあるっていうところで、
当時の時代背景を考えても金持ちを優遇するがために貧困層っていうマジョリティであったはずの層がこうないがしろにされてたっていうのも事実だと思うんだよ。
うん。
で、政府が何かしてくれるかっていうと政府もさこうなかなか決めかねちゃうわけじゃん。
こっちの意見も取り入れなきゃだしこっちの意見も取り入れなきゃだしっていうんで。
つまり一言で言うとなんか中途半端というかさそういうふうに移っちゃったんだよ。
スピーカー 2
はいはい。
スピーカー 1
で、結果国民っていうのは強いリーダーをこう求めることになるんだよね。
で、それが日本の場合はもちろん天皇神聖だったり軍部独裁っていうような部分にこうつながっていくんだけれども、
これ他国で言うと例えばドイツだったらさナチスとかイタリアだったらファシストとムソリンねとかっていう感じでさ、
結局ファシズムの台頭をこう生んでいくっていう流れになるっていうところで結構こう5.15事件っていうのは日本のファシズムの台頭をこう、
まあ日本がファシズムかどうかちょっと置いといてたけれども、
まあそういった形で歴史の中で名を刻む事件になったんじゃないのかなっていうところでちょっと今日は終わりにしたいんだけれども、
最後ちょっと小片郎の締め込めでお願いします。
スピーカー 2
はい、なんかその5.15事件の背景と経緯がすごくわかりやすく、最後の考察も含めてすごい勉強になりました。
なんか難しいよね、最後言った民主主義っていうところの行き着くところにやっぱどっかで弾かれちゃう人も必ず、
まあ今もいるしさ、なかなか善意を汲み取ることができないっていう、
まあだからといってこんなことが許されてしまう世の中はもっと怖いなとは思ったけどね。
スピーカー 1
そうなんだよね、結局自分らの意見が反映されないからテロリズムに行くっていう流れはさ、
まあこれどの時代でも必ず起きてることじゃん。
そうだね。
そう、手段がないからもちろんそういうテロリズムになっちゃうんだろうけれども、
まあでもやっぱりそこをどこかしらでこう認めちゃうと、
永遠にこの暴力っていうものがなくならないんじゃないのかなっていうところで、
そこがね、なんかこう人間がこうもっと進歩しなきゃいけないところかなと思うんだよね。
スピーカー 2
はい、じゃあということで今回は515事件についてでした。