1. 「組織」を考えるメディア Organize
  2. vol.31 リーダーシップは、教..
2025-07-23 21:24

vol.31 リーダーシップは、教えられるスキルなのか?

spotify

今回は、リーダーシップと聴くことの関係について。

アメリカのビジネススクールでは、“聴く”ことがリーダーシップ教育の出発点として位置づけられ、ジャッジしない姿勢やレジリエンス、適応力といった要素とともに教えられているといいます。

いっぽうで日本ではまだ「リーダー=役職者」のイメージが根強く、リーダーシップを“ふるまい”としてとらえる文化が十分に育っていない現実も。

リーダーシップ4つの要素をひもときながら、日米のリーダー観の違いと、機能するスキルとしてのリーダーシップについて考えます。
 

 

サマリー

本エピソードでは、リーダーシップと聴くことの重要性が議論されています。特に、アメリカのビジネススクールでのリーダーシップ教育におけるリスニングの役割やその効果に焦点が当てられています。アメリカのビジネススクールにおけるリーダーシップ教育と日本の職場におけるピープルマネジメントの違いが考察され、状況適応力やアクティブリスニングの重要性が強調されています。また、組織内の人間関係の複雑性に対する理解と対応がリーダーシップスキルにおいて不可欠であることが示されています。

アメリカのビジネススクールの必修科目
組織を考えるメディア、Organize。このポッドキャストは、エールの篠田さんと山田で、組織を考える、とらえ直す上で、我々が面白いと思った視点や観点をシェアしていこうという番組です。
では、篠田さん、今回もよろしくお願いします。
よろしくお願いいたします。
今回、収録始める前に若干盛り上がってしまったので、あわてて止めて収録を始めましたという感じですけど。
前回の話をしていた中で、マネジメントとかコミュニケーションとかっていう中で聴くってこと、
社内でもよく出てくるし、篠田さんのご講演とかでも聴くんですけど。
「リーダーシップ」っていうものと「聴く」っていうのを掛け合わせて聴くっていうのが、意外と僕ないなって思ったんですよね。
っていうのを呟いたところから、篠田さんが「ちょっと喋りたいことがある」みたいな感じで話し始めていただいたのが、ぜひちょっとその話を今回できればと思います。
いや、どうやらですね、アメリカのビジネススクールで必修になっているリーダーシップっていう
そもそも、授業があって。聴くっていうこと、日本語で傾聴って言ってるものの、アメリカの元の言葉ってアクティブリスニングだと思うんですけど。
それを必修で一番初めに教えてると。
これ、直接間接に複数の箇所から私これ聴いてるんですよ。改めて、どっかでちゃんと今のビジネススクールのそういう特にエグゼティブプログラムとかのカリキュラムちょっとばーって調べたいなと思っているんですよね。
リーダーシップは教えられるものである、という前提
前提として、まず聴くとリーダーシップが組み合わさるっていうのもちょっと日本であまり聞いたことないし、さらにもうちょっと手前でリーダーシップっていうのが、そうやって教えられるスキルであるっていう前提。
経営学の研究分野でもリーダーシップってちゃんと確立されてるんですね。
だけど日本だとまだリーダーシップって個人の資質みたいな偶然リーダーシップがある人とない人がいるみたいな、性格特性のようにちょっと扱われてる。
それだとちょっとその今私がこれから話そうとしてる話ってなんかそもそもの出発点がずれちゃう。
まず出発点としてリーダーシップっていうのは、性格的にできる人とかそういうこともゼロじゃないんだけど、性格特性の議論をしてるんじゃなくって、スキルですと。
イメージで言うと営業スキルみたいなもんで、それはもちろん向いてる人向いてない人いますよ。
だけどある程度のビジネスパーソンに営業スキルっていうのをいわゆるオフJTとオンJTとで教えていくと営業できる人になるんじゃない。
同じような多分体系としてリーダーシップっていうのがまずありますという前提です。
直近だと、このことを話してくださったのは、エールのサポーターをしてくださってる方で、今アメリカのビジネススクールのエグゼクティブプログラムで学んでらっしゃる方なんですね。
必修の授業であるリーダーシップの授業、リーダーシップっていうのはビジネススクールのカリキュラムとして教えられるものですという前提があり、その背景に研究成果の体系もあるから体系だったものとして教わるんだけど、
そのリーダーシップの授業の一番初めのモジュールがリスニング、つまり聴くっていうことだったんですって。
まず聴くってこういうことですよっていう定義の中にノンジャッジメンタル、つまりwithout judgmentに近い言葉も入ってたりしたようで、その人がエールのサポーターさんなんで、
うれしかったっておっしゃってました。
そういった聴くっていうことの定義とか、学術的な裏付けとか、聴くっていうことができてると実際業績にも聴くんですよみたいな、
例えば営業の人が顧客の声聴ける人と聴けない人だとこれぐらい差があるとか、こういうものまで見せられた上で、いきましょうって、始めはもう1分とかからちょっとずつ時間を伸ばしてペアになってお互いの話を聴くっていうのをやっていく。
そうすると皆さん結構できるようになるし、聴いてもらってよかったとか、こんな話、今までしたことなかったけど大事な話ができたとか、口々に感想を述べて、確かにこのスキルがないとリーダーシップって発揮できないんだなって、皆さんめちゃ体感的に納得するそうなんですよね。
リーダーシップの4つの要素
はいはいはいはい。
何でしょうね、
肌感として、アクティブリスニング、傾聴という振る舞いによって、よりリーダーなのでフォロワーとあえて言うんであれば、そこの関係の良い関係が作れるための質の高いコミュニケーションになるよね、みたいなことを論理的に説明しようと思えばできなくはないんですけど、説明しちゃうんですよ、僕なんかって感じがして。
なんかあんまりつなげて語れてない感じがあるんですね。なんか体感ではわかるんだけど語れてない感があるみたいなのって、聴きながらすごい納得する自分と、どっかでなんか論理つなげてるな、みたいな自分の何なんだろうって思いながら、すごいなんか不思議だったんですよ、聴いてる感じが。
リーダーシップって何ですかの定義の違いによるのかな。リーダーとは、なんか力強くみんなを引っ張るのである、私の言うこと聴けっていうその役割ですよ、だと、おっしゃるようにつながりにくい。
そこで、その授業で定義されてるもの、すなわちちょっと違うかもしれないから、詳しい方いたら教えていただきたいんですけど、アメリカのビジネススクールで、経営学を背景にしたリーダーシップとは何ですかの要素が4つあって、さっき全部思い出したんだけど、1個目がオーセンティシティなんですよね。
自分らしさ、表、嘘がないみたいな。2つ目がレジリエンス。柳みたいなイメージですよね。風が来たらうわーってなっても、またちょっと戻れる。3つ目がアダプタビリティ、変化対応力。4つ目がディシジョンメイキング、意思決定なんですよ。
その4つの根っこに位置するのがリスニングですよね。こういう整理らしいんですけど、どうですか。
僕さっきの違和感って、日本語で語るときの違和感なんだなって感じはすごいしてたのと、結構自分の中で聴いててしっくりきたのは、リーダーとリーダーシップって違うじゃないですか。リーダーシップの話をしてるじゃないですか。
っていうのって、もっと振る舞いだったりしますよねみたいなことが、日本語でリーダーシップと聴くって並べて語ろうとするときって、リーダーというその人みたいなこととリーダーシップって言葉が近いんだなって感じがしていて、なんとかシップって英語においては結構多用される言い方じゃないですか。
っていうことなんだなっていうのが一個まず、なんか日本語でそれ峻別あんまりしてないんだなって言語空間の中で、って感じがしたんですよね、っていうのは、結構なんか僕の中で大事な違いな感じがしましたっていうのは。
そうですね。
なんかそうなったときに、今うかがってて、ディシジョンメイキング4つ目に来たじゃないですか。なんかそれがリーダーと呼ばれる人への期待値の一番上に来そうな感じするじゃないですかっていうもの。
そこでおや?って思った感じとかも含めると、なんかオーセンティックで自分らしさがあって、柳のようにレジリエンスがあり、状況に適応できてっていう後に、意思決定だよねって言ってるって。
なんか4つ目なんだよねっていう感じとかがリーダーシップの前提が違うんだなって感じがすごいしたので、なんかそういうことかなっていま聴いてて思ってました。
ね。ちょっと私も今言った4つってある種ちょっと聴きかじりのところがあるから、本当にこの順番にどこまで強い意味があるのかっていうのは、くみ取れてないんです。
で仮にディシジョンメイキングが一番に来てたとしても、多分今のご指摘っていうのは割と意味あるなーと思った。
つまりその、英語だとなんだろう、本当言われてみて気がつきましたけど、なんか、あなたはリーダーとして何をしましたかっていう。
What did you do as a leader? って質問と、なんかあなたのリーダーシップが表出した場面を教えてくださいって質問で、多分答え方結構違うなって。
違いますよね、違いますね。
なんか前者だったら本当にわかりやすく、私は何々部の部長だったという話をするけど、2つ目の私のリーダーシップが発揮された場面って言ったら、もしかしたら家族が急病になった時にこう対応してみたいなことを事例にする可能性があるんですよね。
確かに、なんか今その質問、英語の2つと思った時に、そのリーダーシップをいつ発揮しましたかっていう時って、どこまでいっても、なんかこういう状況でその瞬間に私はこう行動しましたって振る舞いしか絶対答えないじゃないですか。
たまたまその時に役職としてこれだったよって言うかもしれないけど、先に状況への自分の対応が、アクションがきますねっていう質問だなっていうのがすごい明確な違いですね。
その英語で、もっとぼやっとあなたのリーダーシップについてちょっと教えてください、Tell me about your leadership. って聴かれた時にポジションの話はしないよね。
しないですね。
まさに今おっしゃったある場面ある状況において。
これがたまたまその何々部の部長かもしれないけど、まさにそのレジリエンスとアダプタビリティとオーセンティシティが必要で意思決定しなきゃいけない。
あの子どもが救急車で運ばれましたと。
で、その時にみたいなことが事例として瞬時に頭に思い浮かぶもんね。
そう思うと確かにその振る舞いとしてのリーダーシップが発揮される場面においてアクティブリスニング大事じゃんと言われるとめちゃくちゃわかりやすいんですよ。
そうですよねって感じがすごい。
そんな周りの意図聴かないとできないに決まってんじゃんみたいな感じとかすごいわかるんですけど。
なんかカタカナリーダーシップって言われた瞬間になんか、役職持ってる人が何か率いるっていうものみたいな感じが、なんか僕の日本語的な感覚に持ってる感じが、なんかステップいるんだよなっていう最初の感覚との違いな感じがしていて、なるほどなっていう、なんか僕の中でのモヤモヤが晴れた感じがありました。
面白いですね。
なんかそう、この話題を私もまだ何だろうこう、糸口を掴んだ程度なので、もうちょっとちゃんと掘り下げて全体感を理解したいなと思ってはいるんですけど、ただやっぱり糸口としては別にさっきお話ししたエールのサポーターさんの例だけでなくて、
あの、私がまあ、昔行ってたアメリカのビジネススクールが、今カリキュラムこうなってますよみたいな、今の現役の方から聴くお話とか、他のビジネススクールでどういうこと今重点的に教えてるかっていうお話を聴くと、やっぱ共通してるんですよね。
アクティブリスニングは、「基礎素養」
ここのリーダーシップっていうものが、そのこう、声高にパワフルに私についてきなさい、ではない。どっちかっていうと、あの状況適応力、の方が高く見られるということと、そういう状況で、その中でやっぱりチームをまとめていくっていうんですかね、方向性を揃えていくっていうことがやっぱり要素としてあって、
で、あの、それらの関係において聴く、アクティブリスニングっていうのがすごく基礎素養とされているっていうところは結構共通項のようなんですよ。
で、山田さんが指摘してくれたみたいに、日本で役職にひも付くね、リーダーシップと、まあそもそも定義違うんだけど、まあでもそのリーダーという役割を得ましたね、あなたはっていうときに、こういうトレーニング誰もしてないなと。
そうですね。
それは結構、機会損失というか、なんか危ないんじゃないかな、単なる機会損失っていうよりも、ちょっと組織の作り方のコンセプトがずれちゃってませんかね。
はいはいはい。
ことを示唆する現象かもしれないなとちょっと思ってるんですよ。
なんかその、いつも出てくるやっぱりブロック塀的な世界と石垣的な世界っていうのが組織が違ったときに、ブロック塀的であればあるほど、やっぱりここで言ってるリーダーシップみたいなことって、そんなに比重は少なくても大丈夫な組織作りのコンセプトですよねっていう感じの違いは1個ありそうだなって思ったんですけど。
たしかに。本当そうですね。
なんかもっと、さっきの4つ、そのレジリエンスだったりアダプタビリティだったりとかっていうのって、より不確実な中での周囲との関わりですよねっていうのは確かにあるんだなっていうのが、むしろ求められてるはずなんだけどできてないっていうのは確かに機会損失なのかもしれないですねって感じしますね。
そうなんですよね。
そういったアメリカのトップスクールのエグゼクティブプログラムに行くような方々が働いてる職場って、いわゆる日本の職場と比べると中途採用ばっかりで、もっと色々複雑性が高いかもしれず、全く同じように論ずるのは乱暴かもしれないんですけど。
にしても、やっぱりマネージャーとして適応しなきゃいけないとか、意外なことが起きちゃって変化対応を求められるって経営環境もあるんだけど、やっぱり実は人だなって思うところはある。
人だなって。
そう、つまり部下が何人とかいて、基本その人たちが考えてることって全部ブラックボックスじゃないですか。自分は分かってると思ってても。
確かに確かに。
急になんか、極端なのはそのびっくり退職みたいな話ですけど、そこまで行かなくても、自分は分かってるようで人のこと分かってないな。
なるほど。
人間自体がめちゃくちゃ複雑だから。そのレジリエンスとかアダプタビリティが、仮に業務とか非常に定型的なチームを守ってるとしても、やっぱりこう、ピープルマネジメントをするっていうことは、
さっきのアメリカのビジネススクールで教えてるようなタイプのリーダーシップっていうのは、やっぱり素養として持ってないと。
確かに。
ピープルマネジメントは結構難しいのではないかと。
ピープルマネジメントの複雑性とリーダーシップスキル
確かに。
さっきブロック塀と石垣の例えを使ってくださったところでいくと、かつては、なんだろう、そこの人の複雑さみたいなところ、環境をめちゃくちゃ揃えることで結構排除してた。
はい。
と思うんですよね。
はい。
新卒一括採用で、もうなんならみんな同じ寮、そうすると同じ寮から通ってたらご飯も一緒で、食べてるものすら一緒ですからね。
はいはいはい。
生活サイクルも一緒だし。
はいはいはい。
お互い結婚相手を社内で見つけて、今度は社内で。
全部一緒だといいんだけど、もうちょっとそういう環境ではないから、ピープルマネジメントをするっていうだけで複雑性ってすごい上がってる。
はいはいはい。
その点だけを見ても、私は欧米系の会社で働いたりアメリカで教育を受けた期間があるから、普通の日本の方よりアメリカかぶれなのは前提だけど。
アメリカかぶれ。
そこはさっぴいていただいていいんだけど、でもその複雑性っていうものがやっぱり結構人、ピープルマネジメントしてる以上高くなってて、それに対応するリーダーシップ、っていう単位でのリーダーシップスキルって何なのっていうことは、結構ちゃんと真面目に考えて。
はいはいはい。
その会社なりの定義づけと、そのスキルを身につける機会っていうのを結構ちゃんと設計しないと危ないんじゃないっていう。
なるほど。
割とよくマネジメントとリーダーシップって比較されながら語ってこられたなって思ってるんですけど、あんまりその対比がもはや本質的にそんなに意味がないんだなというか。
なんか違うものではなくすごく近接して重なり、もともとあったんだと思うんですけど、なんかよりそれがどちらもある中で人と関わりながら想定外な変数の多い状況の中でものが動いていくために何か振る舞うみたいなことでいくと、
あんまりこの対比って語ろうとしてもなんかもはや意味もそんなにないのかなって、なんか伺ってて、今最後思っていて。
そこの違いもあるんだなというところと、そこがただいずれにせよそこに目を向けて、自分たちらしい人への関わり方っていうことをちゃんと鍛え耕していかないと、組織全体としての良い変化は生まれないよねっていうことに結局戻ってくるんだなって思うと、やっぱそこなんですねっていうことを改めて聴いてて思いました。
ほんとそう。ちょっとここは深めたいな。
そうですね、この辺りはちょっとまた引き続き話ができたら嬉しいなというところで、いい感じの時間にもなってきたので、今回はこの辺で終わりたいと思います。
篠田さん今回もありがとうございました。
ありがとうございました。
21:24

コメント

スクロール